Wed 240703 渕岡さん/NHKに大喝采/素浄瑠璃と大阪うどんを堪能/若い力 4545回 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Wed 240703 渕岡さん/NHKに大喝采/素浄瑠璃と大阪うどんを堪能/若い力 4545回

 朝のNHKニュースを眺めていたら、驚くなかれ諸君、天気予報のコーナーに13年ぶりの登場 →「渕岡さん」と言ふオネーサマが再登場していらっしゃった。

 

 13年と言へば、たいへんな月日である。18歳だった受験生は31歳、自信みなぎる社会人になっているし、かつて47歳だった幹部社員はもう60歳の退職年齢、「来年は役職定年」「年収は今の半分になりますが、まだ嘱託社員として頑張るつもりです」と、苦笑しかない年齢にさしかかっている。

 

 そういう13年を経て、天気予報の渕岡さんが朝のNHKにカムバック。こりゃ素晴らしいじゃないか。ワタクシは午前4時から約1時間のお散歩から帰宅し、お風呂を1時間満喫して扇風機の爽やかな風にあたりながら、渕岡さんの登場を今か今かと待っている。

 

 だってこのブログの開始からすぐの頃、2009年というのだからすでに四半世紀も前のことであるが、若き今井君は渕岡さんの天気予報について、何と2度もコメントしていたのである。ま、興味はないだろうが、以下2つの記事をポチッとするなりタップするなりしてくれたまえ。

Tue 090616 講演会で春日部へ 渕岡さんのファンである「準備万端など、くだらんのだよ」

Wed 090128 ウォーキングとジグザグおばさん 「ナイトウォーク」について 皇居付近の夜景

 

 13年前のキリッと引き締まった知的オネーサマは、今や堂々とした立派なオトナ女子というか、充実の年輪を感じさせる落ち着きというか、表現はマコトにマコトに難しいが、「成長とは何か」をしっかり教えてくれるキャスターぶりで、スタジオに控える気象予報士・檜山さんによれば「むっしむし」の梅雨の朝を、見事にリポートなさっているのだった。

(6月28日から30日まで、プライベートで大阪を訪問。黒門市場はアジアの熱気の真っただ中。しかしワタクシの目的は、すぐそばの「国立文楽劇場」だった)

 

 ワタクシは、NHKが大好きなのである。世の中には、というか東京都知事を目指す人々の中には「NHKをぶっこわせぇぇぇ♡」と、生ぬるく中途半端に片手を広げる人々がほぼ無数に存在する。ワタクシは、彼ら彼女らとはまさに正反対の人間なのだ。

 

 その辺は東京都民でなければ分からないことなのだが、朝の東京のNHKは、そういう都知事選挙の政見放送が連日Kuso-Majimeに流れ続けていてすでにカオス、というか世界で一番困った自治体に変貌しているんじゃないかと思うぐらいだが、ワタクシは諸君、NHKを愛して愛して愛し尽くしちゃっていると言っていい。

 

 例えば、そういう政見放送に嫌悪を感じたら「NHK BSK」にチャンネルをかえてみる。するとそこに映し出されるのは「クラシック倶楽部」。先週はヴァイオリンの日下紗矢子どんと「ベルリンの仲間たち」の演奏で、バッハのゴルトベルグ変奏曲が聴けた。思わず「木管の音か?」と呟くほどのヴァイオリン、それはそれは美シューございました。

(大阪心斎橋から御堂筋に沿って北上、坐摩(いかすり)神社は「夏越の大祓」「茅の輪くぐり神事」で賑わっていた)

 

 と思えば、6月30日日曜日の夜には、21時から23時半過ぎまで、NHK-Eテレで3時間近くも文楽を放送してくれた。

 

「古典芸能への招待」というタイトルの番組であるが、4月の大阪でナマで見たばかりの豊竹若太夫襲名披露、その豊竹若太夫が語る「和田合戦女舞衣」、ワタクシが徹底的にオシている豊竹呂勢太夫の語る「絵本太功記・尼ケ崎の段」、完全に視聴率を度外視したこの種の番組こそ、「皆様の視聴料で成り立っております」の真骨頂じゃないか。

 

 諸君、ぜひNHKプラスでどうぞ。今すぐ無料で登録できる。ワタクシはNHKの回し者ではないが、NHKを心から愛する者として、今すぐNHKプラスに登録、そして文楽体験をオススメする。

 

 いったいセンセが何を言っているのか分からないダメダメな塾&予備校や英会話学校なんかで時間を浪費しているより、今すぐ無料での文楽体験がオススメだ。諸君、ホントに楽しいよ。

(坐摩神社。正式には「いかすり」だが、地元では「ざま」「ざまさん」と呼ぶ人も多いんだそうな)

 

 さて、本日は2008年6月5日の第1回から数えて、とうとう4545回目の節目なのである。何がどう節目かというに、4545回、45が2つ重なって一種のゾロ目、前回のゾロ目は昨年10月の4444回だったが、あれからほぼ半年、またまた一種のゾロ目の4545回を迎えることになった。

Fri 231020 ついに達成4444/拗ねる/初文楽の思ひ出/3階の軽食コーナー 4444回

 

 おやおや、半年前の4444回にも、やっぱり文楽のことを書いていた。「こりゃよほど文楽が好きなんだな」ぐらいのことは分かっていただけると思うが、6月28日から6月30日、仕事とは完全に無関係のプライベートな大阪旅行も、実は恐るべき「素浄瑠璃」を聞きにいくのが目的なのだった。

        (素浄瑠璃の会、チケット)

 

 素浄瑠璃と書いて「すじょうるり」、普段の人形浄瑠璃は太夫の語る義太夫に三味線がつき、舞台では1つの人形を3人で操る華やかな合戦絵巻やら悲しい男女の心中シーンやらが演じられるのであるが、「素浄瑠璃」は人形ナシ、舞台演劇的要素ナシ、ひたすら義太夫と三味線だけを堪能するのである。

 

 そういうものを5500円も払って丸3時間、指定席にじっと座って黙って聴こうというのだから、国立文楽劇場を埋め尽くすのはプロ中のプロというか、クロート中のクロートというか、大阪に住む文楽ファンの中でも最も筋やら芯の通ったファンだけという恐るべき世界になる。

 

 ワタクシは小生意気にも、その中の一人として客席に闖入し、「伊勢越道中双六」だの「卅三間堂棟由来」だの「仮名手本忠臣蔵:丞相名残の段」だの、そういう世界を満喫してくる、そういう人間なのだ。

(大阪船場、坐摩神社。周辺は繊維の町だから「繊維神社」も存在する)

 

 なお、「卅三間堂」とは、もちろん現代風に書けば「三十三間堂」であって、例の修学旅行生と外国人観光客のメッカ → 三十三間堂のことであるが、浄瑠璃では「柳の精」である女・お柳(おりゅう)が、彼女の夫&息子と別れなければならぬ悲劇の運命が描かれる。

 

 その「卅三間堂」を素浄瑠璃で語ったのは、若手のホープ・竹本織太夫。ワタクシがこのところ徹底的にオシている豊竹呂勢太夫の(おそらく)永遠のライバルであるが、このところちょっとメディア出演も抑え気味、いわゆる「芸に精進している」という感じだ。

 

 もちろん文楽の世界、「若手」と言っても驚くなかれ40歳代後半から60歳代に手が届く人々。後継者不足は否めない。「ワカイチカラ」を求めて、劇場にも下の写真のような大きなポスターが掲示されているが、何しろ素浄瑠璃でも文楽公演でも、観客の平均年齢は70歳代。この今井君はおそらく、最も若い年齢層に属する観客の一人なのだ。

(文楽の世界は、ワカイチカラを求めている。やりたいことが見つからないと嘆くなら、文楽の世界に飛び込んではいかが 1)

 

 諸君どうだい、文楽のワカイチカラになってくれないか。男子でも、女子でも構わない。「ええっ、女子でもいいの?」であるが、つい昭和の後期までは、「女義太夫」ないし「娘義太夫」と言って、若い女子が語る義太夫に熱烈なファンが殺到する時代が続いていたのだ。

 

 昨年のNHk大河ドラマ「どうする家康」は、ワタクシから見るとどうも苦々しい結果に終わったけれども、そのタイトル「どうする?」について、このブログで触れたことがある。

 

「どうする?」「どうする?」は娘義太夫ファンの「どうする連」が劇場で連呼したセリフ。(Wed 230607 アイドル♡娘義太夫/どうする?どうする?堂摺連/再び大河のこと 4381回)。小説の神様♡志賀直哉も大ファンだった娘義太夫だ、文楽の世界が「ワカイチカラ」を求めているなら、若い女子諸君もぜひ文楽協会にアクセスしていただきたい。

(文楽の世界は、ワカイチカラを求めている。やりたいことが見つからないと嘆くなら、文楽の世界に飛び込んではいかが 2)

 

 だって諸君、46だの48だの坂道系だのは(きっと)あまりに狭き門だ。男子アイドルになるにも、門も狭けりゃ多種多様な危険も(きっと)多い。

 

 もしも文楽の世界で、織太夫やら呂勢太夫やらから丁寧な義太夫指導を受け、豊澤富助や鶴澤藤蔵の熱烈な三味線を習い、桐竹勘十郎や吉田玉男に人形扱いを教えてもらえるなんてことになれば、周囲はみんな人間国宝、ないし人間国宝目前のタカラモノだらけだ。今や、アイドルより文楽、そういう時代になったんじゃないか。

 

 ところで諸君、文楽の世界が「ワカイチカラ」を募集しているのを見ながら、大阪での今井君は思わず「若い力」を思い出し、かつての国民体育大会歌、懐かしき「若い力」を熱烈に口ずさんでいた。こりゃどうしても近いうち「若い力」、カラオケでアカペラで熱唱したい。

(大阪・御堂筋から1本東に入ると「せんば心斎橋」、熱い熱い昭和のカホリが今もアーケード街を満たしている)

 

 今井君のカラオケは、3年に1回ぐらいしか行かないが、何しろ昔は電通から給料をもらっていた旧・ギョーカイ人だ。カラオケは大の得意というか、おそらくは日本で最上位に入るカラオケ名人だ。

 

 中でもアカペラで行ける慶應義塾大学「若き血」、早稲田大学「紺碧の空」、上條恒彦と六文銭「出発の歌」、出発の歌と書いて「たびだちのうた」と読むのだけれども、それらに並んで得意中の得意と言える名曲が「若い力」なのである。

 

 何しろ「国民体育大会」略して「国体」、旧漢字で書けば「國體」だが、今年から名前が変わってしまうらしい。国民スポーツ大会、略して「国スポ」なんだそうな。何だか完全に拍子抜け、昭和の日本国民としてはホントにガッカリだが、まあそれが時代の流れだというのなら致し方ない。

(せんば心斎橋筋のアーケード街で、昭和大阪のうどん名店「味万」を発見する 1)

 

 昨年の秋は、鹿児島で公開授業があって、ちょうど鹿児島国体の開会式の日に、鹿児島シェラトンホテルの最上階から桜島の勇姿を眺め、最後の国民体育大会開会式をテレビで見つめていた。大会歌「若い力」は、まさに昭和の日本国民の力の源だった。

 

 作詞:佐伯孝夫。ワタクシの世代の日本国民は、運動会でも、体育祭でも、中体連や高体連の県大会でも、必ずこの歌を全員で熱唱したのである。21世紀も中盤に入る今、その歌詞を眺めると、さすがに隔世の感がある。

 

   若い力と 感激に 

   燃えよ若人 胸を張れ

   歓喜あふれる ユニフォーム 

   肩にひとひら 花が散る

   花も輝け 希望に満ちて

   競え青春 強きもの

 

(せんば心斎橋筋のアーケード街で、昭和大阪のうどん名店「味万」を発見する 2)

 

 おお、何だかすげーじゃないか。セカンドコーラスもまたすげーでござるよ。

 

   薫る英気と 純情に

   瞳あかるい スポーツマン

   僕の喜び 君のもの 

   あがる凱歌に 虹が立つ

   情け身に染む 熱こそ命 

   競え青春 強きもの

 

 こりゃどこまでもスポコンの世界。しかし日本国民ほぼ全員が夢中でこんなお歌を全力熱唱していた時代が、今井君はやっぱり懐かしい。

(せんば心斎橋筋のアーケード街で、昭和大阪のうどん名店「味万」を発見。澄んだ出汁が旨い「かすうどん」と、天むすのセットをいただく。たいへんオイシューございました)

 

 作詞の佐伯孝夫どんは、1902年生まれ、1981年没。普段はこんなスポコンの世界とは無縁の、それなりにナンパなお歌を作詞なさっていらっしゃった。

 

 彼の作詞による名曲には数限りがないが、銀座カンカン娘・夜来香・桑港のチャイナタウン・野球小僧・有楽町で逢いましょう・東京ナイトクラブ・西銀座駅前・潮来笠・いつでも夢を、昭和を彩った名曲の数々がズラリと並び、中には「千葉県立小金高校校歌」なんのもある。

 

 しかし諸君、「若い力」はやっぱり別格のエネルギー♡パンパンじゃないか。諸君もまた日々熱唱して、日々の地道な努力のカテとしたまえ。何だか必ず、うまくいきそうな気が湧き上がってくるはずだ。

 

1E(Cd) デュトワ&モントリオール:ロッシーニ序曲集

2E(Cd) Midori & Mcdonald:ELGAR & FRANCK VIOLIN SONATAS

3E(Cd) 東京交響楽団:芥川也寸志/交響管弦楽のための音楽・エローラ交響曲

4E(Cd) S.François& Cluytens & Société des Concerts du Conservatoire:ラヴェル/ピアノ協奏曲

5E(Cd) 村治佳織・山下一史&新日本フィル:アランフェス交響曲

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