Tue 090217 国公立大入試まで、残り1週間ですべきこと 「高校教師」 中川昭一氏の事件 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Tue 090217 国公立大入試まで、残り1週間ですべきこと 「高校教師」 中川昭一氏の事件

 この時期にいくら講演会で全国を回っても、今年高3生だった人たちに会うことはもう出来ない。本来なら、2月に入ってからも予備校の授業がいくつか続いていて、高3生や高卒生の学力をギリギリまで伸ばし、ともすれば自分の殻に縮こまってしまう彼らや彼女たちを激励してあげたいところなのであるが、最近の予備校はそういうことをしない。2月上旬には受験生向けの授業はみんな終わってしまうのである。昔の予備校は2月いっぱい授業をして、確か最後の授業は2月末日だったように記憶する。3月3日に国立一期校の入試があるから、だからこそギリギリの2月末日が最後の授業だったのである。


 私が予備校生だった年は、2月末日の東京で大雪になり(これも今は昔、地球温暖化前の東京の大雪は2月下旬から3月中旬に降るのが普通だった)、大雪の中を超満員の受験生が予備校に詰めかけて、奥井潔師や鈴木長十師が最後の授業で生徒たちに何を語るか、息を飲んで夢中で聞き入り、先生方もその期待に応えておおいに熱く知的に語り、受験生は感動にみんな涙し、雪道を駅に向かって歩きながら「3月3日は全力を尽くそう、じゃ、4月になったら東大で会おう」と誓い合って改札口で別れの手を振る、そういう直前期を過ごしたものである。


 予備校としては「新年度生募集」や「春期講習生募集」で生き残りをかけて全力を尽くさなければならない時期だから、もう「今さら去年の生徒の面倒なんか見ていられない」のが本音なのかもしれない。しかし、まず順番として、今年の受験生たちをしっかり送り出し、彼らの最後の1週間の努力を後輩諸君も尊敬の眼差しでよく見て、それで互いのモチベーションを高めるようなことが出来れば、もっと素晴らしいと思うのだ。もちろん時間をムダにしたり、風邪を引いたりしてはならないのだが、もしも通った塾が自転車で駆けつけられるぐらい近くにあって、ちょっとだけ時間的な余裕もあるようなら、残り1週間になった今日あたり、塾の担任の先生に一言だけ挨拶に行き、激励の言葉をかけてもらうのもいいかもしれない。

 

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(新刊「これを知らずに、塾には通うな」(KKロングセラーズ)は、2月20日ごろ発売。ニャゴロワどんにも広告を手伝ってもらうことにした)

 もちろん、私大の入試結果に激しく一喜一憂しているところだろうが、センター試験の時ほどに落ち込んでしまっては、最後の勝負に勝ちにくくなる。私大の結果に落ち込んでいる人も、いいから早く立ち直って、ラスト1週間の努力を始めて欲しい。これから一週間の過ごし方と言えば、もちろん過去問を利用しての「毎日が本番模試」を自分一人でやることである。時間まで完全に正確に合わせて、たとえ早く全問解き終えても、「見直し」の練習をして、とにかく一切を本番と同じ条件にして毎日を過ごす。

 試験が2日にわたって実施されるなら、もちろん2日に分ける。自宅を出る時間まで合わせて散歩に出かけ、その時間のために起きなければならない時間も合わせ、そこから逆算して就寝時間も同じにする。この辺は、受験の常識である。「自分で毎日、本番模試」でちょっと迷うのは、何年分やるか、国語もやるのか、既に1回解いた年度の問題もやるのか、である。もちろん、迷わず、全部やりたまえ。解いたあとに解答解説と格闘することで、まだまだいくらでも力がつく。その際に「赤本の解答には間違いが多い」うんぬんについては、1度このブログで書いたことがあるから、ここでは繰り返さない(Fri 081010参照)。一言で言えば、そんなことを気にしていなくてもいいのだ。

 その他、直前期や前日&当日についての精神的なアドバイスはWed 081105周辺にたくさん書いておいたから、このブログのアーカイブスを利用すること。とにかく一生の記憶に残る大切な一週間になるから、大切に過ごすこと。あまった時間を最大限利用すればまだまだ弱点の1つ2つ補強するのに十分な時間はあるはずだ。最新の脳科学によれば「ゴールという言葉は戦う者の脳にとってはマイナスに働く」らしいから、決して「あと一週間でゴールだ、そこから先は好きなだけ遊べるぞ」などと考えないこと(Sat081220Sun081221Mon081222参照)。その意味では。ふと空いてしまった時間に「来し方行く末を思う」などというのもいいかもしれない。「来し方」とは今までの18年のこと、「行く末」とはこれから先をどう生きていくかということ。その部分への思考がしっかりしていれば「ゴールの先は、たっぷり遊ぶ」というマイナス思考には陥らずに済むはずだ。

 

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(ナデシコも広告を手伝う。ただし、広告を手伝うことに乗り気ではないという態度)

 ちょっと身辺雑記も記しておきたい。講演会ラッシュが続いているが、講演会で遅く帰宅すると、もう入浴する気にはなれない。そういう夜は酒を飲んで、ゆっくり眠って、お風呂は朝起きてからゆっくり入ることになる。風呂から出て、ほとんど習慣のようにテレビのリモコンをいじっていると、何とTBSで「高校教師」の再放送をやっている。1993年野島伸司作品、桜井幸子の女子高生と真田広之の高校教師との純愛物語である。赤井英和も京本政樹も驚くほど若々しい。現在TBSで野島伸司の新作ドラマを制作中で、この再放送はその番宣に過ぎないのだが、思わず「アリャリャ」と呟きながら15分ほど真剣に見たところで恥ずかしくなってテレビを消した。


 私はもともとテレビドラマをほとんど見ないから、この作品も93年当時全く見たことはないが、今はもう30代半ばの女優さんの昔の女子高校生姿などを見せられると、気恥ずかしくて、とてもじっと見てはいられない。「昔、高校生の頃は若かったのよ」とかワケの分からないことを言いながら、ママか叔母さんが女子高生時代の写真を出してみせたような感じ。ドラマの背景にしても、「富士銀行」や「三和銀行」の看板、通行人の女性のチョー太い眉毛、真田を慕う女性教師のバブリー(!!)なメイク、脇役やエキストラがところ構わずタバコに火をつける喫煙の頻度の高さ、すべて「おお、15年は長かったな」を実感させるに十分である。

 テレビを消す直前、桜井幸子の父親役(しかも「彫刻家」という恐るべき設定)で出ていた峰岸徹(昨年10月中旬に肺がんで亡くなった名脇役)が、泥酔したか何かで娘に向かって絶叫だか馬鹿笑いだかをしている。この親子の間には信じがたい関係もあるらしいのだが、まあそれ以上見ている気もしない。ただ、泥酔して絶叫している故・峰岸徹の顔が、何だか最近ヤタラにテレビで見るようになった人物にそっくりである。何のことはない、中川昭一(元)財務大臣である。これほどの相似形はなかなか見当たるものではない。

 

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(新聞をよく読むナデシコ)

 酒で身を滅ぼす、酒癖の悪さに定評がある、酔うと自制が効かなくなる、そういう人物は世の中には数多い。こういうことのないように、私自身大いに自省し、酒の席に付き合うなら、これからもよくよく気をつけなければならない。しかし問題の記者会見の直前にも最中にも、大臣の側近はいったい何をしていたのだろう。あれだけ様子がおかしい(というより泥酔状態)なら、側近として「大臣、お身体の具合が悪ければ、記者会見だけキャンセルするようにしましょうか?」と事前工作をすることもできただろう。

 記者会見の最中にも、あそこまでサラシものになるまえに「大臣の具合が悪いようだから、この際、記者会見の席からのご退席を許していただきたい」と割って入ることも出来たはずだ。上司が世界中のサラシものになっている時に、側近はただ後ろでオロオロしていただけだとすれば、余りにも無能ではないか。官僚として、なぜその程度の機転が利かなかったのか。機転は効いたが、何故か大臣に含むところがあって放っておいたのか。それよりもまず、側近なら酒でも風邪薬でも腰痛の鎮痛薬でも、その服用の仕方に常に注意を払っていて当然なのに、なぜあそこまで放置したのか。

 ついでに、(すでに言われていることだろうが)記者たちについても、大いに疑問を感じる。「大臣、あなたはいま朦朧としていらっしゃるようだが、体調でもお悪いのではないか。それとも飲酒でもされたのか」という質問が出なかったのは、私などは異常に感じる。あの大臣の様子を見て、攻撃的な姿勢の記者なら、「現行犯の現場を捕らえた」という態度で詰問すべきだったし、「日本の恥」を慮る記者なら「体調がお悪いのなら、いったん退席なさるべきではないか」「記者に対するそういう配慮もなさってほしい」と退席する行動を暗に示唆すべきだったのではないか。放置しておいて、後になってから「呆れた」「日本の恥を世界にさらした」という記事を皮肉たっぷりに書けばそれで自分の仕事は済む、そういう記者しかあの場にいなかったことは、日本のメディアの劣化の証明でもある、くまどんorイモ類オジサンは、そんなふうに思い、ただ単に小突き回されるだけの元大臣が、ちょっとだけ可哀想にならないこともないのである。

1E(Cd) Menuhin:SCHUBERT/SYMPHONY No.1 & No.4
2E(Cd) Menuhin:SCHUBERT/SYMPHONY No.2 & No.6
3E(Cd) Menuhin:SCHUBERT/SYMPHONY No.3, No.5 & No.8
4E(Cd) Menuhin:SCHUBERT/SYMPHONY No.9
5E(Cd) Gunner Klum & Stockholm Guitar Trio:SCHUBERT LIEDER
6E(Cd) Wand & Berliner:BRUCKNER/SYMPHONY No.4
7E(Cd) Blomstedt & Staatskapelle Dresden:BRUCKNER/SYMPHONY No.7
10D(DvMv) TRISTAN + ISOLDE
13D(DvMv) THE COUNTERFEITTERS
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