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「イルジメ」第14話で(も)泣く

アンニヨン・ハセヨン!

ソウル帰りの高橋です。滞在時間は20時間ほどでしたが(苦笑)。

そんなバタバタなので、今日もエコ記事…。以前のブログから読んでくださっている方、本当に申し訳ありません!復習?ということで、お許しを。

では、今日のエコ記事、第14話の所感です。

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今回も泣いた泣いた。

セドルがついに気づいた第14話。何に気づいたって?そりゃ、ヨンがイルジメで、記憶が全部戻っていたということだ。


と、この重い話を前に、この回の見どころ“素敵”編の話を。素敵と言ったら、それはもう、ヨンの修行後初となるイルジメ参上シーンで決まりだろう。清の使臣館前で抗議デモを行う民衆たちに義禁府の羅将たちから矢を向けられた瞬間、現れるイルジメ!しかも、盗んだのはヤンスンをひき殺した使臣の息子チボンという粋な計らい。使用前使用後じゃないが、修行の成果によるヨン、いやいやイルジメの強いこと強いこと!代役なしでこなしたイ・ジュンギのアクションを「フルショットで」堪能できる。もうひとつ、このブログの初めの方でも紹介したが、マスクをしてのアクションは非常にタイトなものであるらしい。というのを頭に入れつつ見ていくと、イルジメ@ジュンギの息遣いに頷けるだろう。彼が何十人もの羅将を相手に闘いを繰り広げる様に、民衆が狂喜するのも無理はない。だって、カッコいいもの!また、絶妙のタイミングで登場したからねぇ。


さらに、ピンチに陥りそうなイルジメを援護するのがウンチェなわけだが、シフから習った弓の腕をここで使うというが、そばで見ているシフには何とも皮肉で切ない話となってしまう。イルジメに視線を送るウンチェ、そのウンチェを「え?」という表情で凝視するシフ。ここで、ウンチェのイルジメに対する恋心に気づくわけだ。


そして、セドルである。この回、イルジメが腕に巻きつけていたピンクの髪飾り(テンギ)を見て、ヨンがイルジメであることに気づき、さらに山奥のアジトまで発見。そこで、ヨンの記憶がすでに全て戻っていたことを(それにも関わらず隠して、陽気に振舞っていたヨンの親に対する気遣い含め)知るわけだが、セドルはここで自分が犯した過去の罪に再び苦しむわけだ。ヨンが父親ウォノを殺した仇を捜しているということは、イコール自分やシフにも繋がってくるのである。意図せずしてやったこととはいえ、セドルとシフはウォノ暗殺に加担している。自分がヨンの父親を殺したという罪悪感の大きさは計り知れない。


この回では同時に、コンガル和尚がポンスンの両親&兄の墓参りをするシーンが出てくる。毎年、ポンスンには黙って供養し続けてきたコンガル。ここにも、自分が娘の家族を殺した一味だった罪に苦しむ養父がいるのだ。


タンもそうだ。この回の序盤、シフがピョン・シクの代理で民衆に通告を読み上げるが、立派な人に育ってほしいと手放したわが子が民衆の敵になるような悲しい(忌まわしい)職務に就いてしまったことに衝撃を受け、自分のせいだと、これまた罪悪感にさいなまされるのである。

思うに、人から傷つけられた悲しみと同様に(もしくはそれ以上に)、人を傷つけてしまった苦しみは深いものである。このドラマの登場人物たちは皆、その両面の苦悩を心の奥底に隠しつつ、明るく生きようとしている。ヨンを筆頭に、セドルやコンガル、ポンスン、もっと言ってしまえば、テシクや飲み屋のおかみシムドクもそう(彼女は清との戦争で夫と子供を失っているという設定)。ヨンも家族を失った被害者としての悲しみとあわせて、姉やヤンスンを自分のせいで殺してしまったこと、危うくテシクまで危険にさらしてしまったことの罪の意識を胸に潜めている。そして、もう少し回が進むと、さらに自分のせいで人を傷つける事件がいくつか出てきてしまう。人を傷つけることの苦しさは、自分が傷を受けた人間だからこそ、深く重くのしかかる。何もヨンのせいではないのだが、自分を責めて生きることになる。セドルやコンガル、タンのように。


13話のコンガルのセリフで、武器(剣)ではなく、心で人を殺せる、というような言葉があったが、武器でうけた傷は治癒するが、心にばっさりと切り込まれた傷はなかなか治癒することはできない深手となるものだ。何より恐ろしいのは、心で心を傷つけること=殺すことなのだ。


人の心は人の心で傷つき、癒され、癒され、傷つく。重いなぁ、深いなぁと、キャラクターそれぞれの心の苦しみを思って、胸つまされてしまう。


ここから怒涛の展開が始まります。覚悟して見て頂ければと思います。

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第1話から毎回息もつかせぬ展開で、どの回が特に!というのでなく、見るたびに心に響くエピソードが増えていくのが、「イルジメ」というドラマです。

ミーハーな観点から「あのシーンの、あの仕草がかっこいい!」といった場面もあれば、人間の真理について深く考えさせられる場面もある。そのバランスが絶妙で、重いけれど、それだけでない人間や世の中の素晴らしさ、救いも与えられる。

重いんですよ、えぇ。でも、重いだけじゃぁ名作にはなりません。

きちんと重さがあって、でもそこに見る者への細やかな気遣いがある。

わ、書いていて、泣けてきた。そういうことを考えていると、何度でもジンとなってしまうんですよ、「イルジメ」って。

駄目だ。書き始めると止まらなくなるので、せっかくエコにした意味がなくなってしまう。では、仕事に戻りま~す!


次回(多分、またエコですが…)までアンニ・ヨン!

「イルジメ」第13話にみる私が「イルジメ」を好きなワケ

アンニ・ヨン・ハセヨン!


暑いですねぇ。という理由からではなく、お盆前の締め切りラッシュで、リアルにアップアップ状態の高橋です。そういうわけで、なかなか更新できずにおり、気になっておりまして。

とはいえ、やはりじっくり書くには余裕がなく、今回もまた以前のブログのエコ記事に頼ることにしました。

前回、11話についての所感をあげたので、本当ならば12話についての記事をあげたかったのですが、なぜか、以前のブログでは12話について書いておりませんでした。

自分、何をしていたんだ? 12話もネタはたくさんあるのに…

なので、12話については、またあらためて書くことにして、とりあえず13話の所感を。

なかには、公式ガイドブックで語られていることもあるので、今さら感もなきにしもあらずですが、まぁそこはご愛敬で。

では、行ってみよう!


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さて、第13話である。

今回も見どころだらけだが、まずはヨンとシフがそれぞれの師匠から学んだ剣術、活人剣と殺人剣だ。

私がイルジメという義賊を熱く支持する最大の理由が、ここにある。彼は決して人を殺さない。かつては父イ・ウォノが、そして時を経て、師匠であるコンガルが彼に教えた通り、「殺すためでなく、生きるため、人を助けるため、攻撃する」イルジメ。歴史物語で描かれる多くの英雄が、大義のために人を殺傷していくわけだが、そんな中でおそらく唯一、人を殺さない英雄が、このイ・ジュンギ版イルジメだと思う。イ監督がこの作品を作るうえで、大前提として貫いたのが「命の尊厳を守ること」である。私はこの姿勢が大好きなのだ。そして、たとえ敵であっても殺すことはしないイルジメ=ヨンの人間性に、涙が出るほど心打たれるのである。
一方、シフが受けた教えは「行く手を阻む者は仏でも友でも斬るのが剣である」ということ。同じ弓の訓練でも、ヨンは獲物のウサギを吸盤みたいなもので狙い(笑)、シフは実際に射るのである。
関係ないが、このときのヨンとコンガルの、笑いとシリアスが絶妙に混じったやり取りが大好きである。深い話を笑いに包み込んで、ヨンに授けるコンガルの気遣いが実にいい。


そして今回の大事件、町に戻ったヨンを襲うヤンスンの事故死である。これは、現在でいうなら酒飲み運転によるひき逃げ事件といったところだ。親の権力を使って事件を揉み消し、徹底して責任逃れをしようとする清の使臣のバカ息子チホンに、食い下がるポンスンら民衆たち。この回の個人的名シーンは、チホンが逃げ隠れた使臣館の門前で抗議するポンスンを、ヨンが「帰って話そう」と連れ戻そうとする場面だ。ポンスンに口では冷たく振舞っても、心の中では泣いているヨンの悲しみや憤り、やるせなさが痛いほど伝わってきて、胸がキュッとなってしまう。そこに座り込んでいてもどうしようもないことを知る彼は、1人闘おうとするポンスンを不憫で、もどかしく思いながら、権力者への怒りに胸ふるわせるノ。おそらく声を大にして抗議したいだろうヨンの思いが画面から伝わり、こちらまでジリジリしてしまった。

ヤンスンの事故死と民衆の抗議デモについて。この場面は韓国で実際に行われた市民デモ「ろうそく集会」のパロディになっている。放送当時、イ・ミョンバク大統領が米国産牛肉の輸入制限解除をしたことに多くの市民が反発、ろうそくを持って徹夜でデモ行進を行うなど50日以上にわたる抗議集会が繰り広げられていた。韓国でろうそく集会が初めて行われたのは、2002年、米軍の装甲車に2人の少女が轢かれて死んだ事件のときである。人間の死の尊厳に関わる事件に関する、権力者への民衆抗議デモという意味で、ポンスンらが行う抗議デモは、韓国人にとってリアルな代弁行為であり、高い共感を呼ぶのだ。また、徹底抗戦の姿勢を見せる民衆に対して、力でねじ伏せようとするお役所のやり方は、イ・ジュンギが出演した映画「広州5.18」にも重なる。このエピソードは、社会的問題を提示&批判したものになっている。

もうひとつ、ヨンがヤンスンにプレゼントした髪飾り(テンギ)は、この時代、男から女にあげる贈り物の定番で、特別なものだった。「ファン・ジニ」でも、想いをを寄せる妓生に下男がテンギを贈る場面があるが、高価ではないが庶民にとっては今でいう指輪とかアクセサリーの類に当たる「愛のしるし」であったと言えよう。だからこそ、自分が贈ったテンギのせいでヤンスンを失ったヨンの罪悪感はとても深いのだノ。
ノと、切なく胸を痛める一方で、ヨンの走り姿はカッコいいと萌える自分もいたりして(笑)。いや、ほんと、ヤンスンの死を知って町を駆けるシーンや、山中のアジトに急ぐシーンのヨンの走るフォームはカッコいいです!コンガルとの特訓シーンを含め、イ・ジュンギの運動神経のよさを痛感する場面が多々あって、個人的にはそこもツボ。
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こうやって読み返すと、まだまだ書ききれていないですねぇ。もう少し補足したいところですが、当面はエコ記事に頼りつつ、無事この大山を乗り越えたら、加筆したいと思います。

ではでは、暑いので夏バテにては気をつけてくださいませ~。

あ、でも好きなもの、ハマっているものがあると、暑さなんて目じゃないですね。

だって、いつも心は熱いですもん。おかげで元気ですもん。

なので、夏バテ予防には「イルジメ」で!(笑)

あ、(←これ、多いですね…)この前、たまたまTVをつけたら「犬とオオカミの時間」をやっていました。くぅ~!こっちもカッコいいっ!このドラマも傑作なので、ぜひこの夏のお供に! 

ヨン@「イルジメ」とスヒョン@「犬~」は境遇や設定が似ているようで、まるで違う魅力を持っているんですヨン!


そんなところで、今回はアンニ・ヨン!

「イルジメ」の謎・ウンチェはなぜ?

アンニ・ヨン・ハセヨン。


なかなか更新できず、すみません(最近、こればっかりですね)。

今日もじっくりと落ち着いて書くことができないのですが、ひとつふたつ。


まず、前回の「タン考察」の補足を。

タンは、いわゆる賤民の身分だったため、高貴な家柄であるウォノの子供を産むことは許されなかったと書きました。その例として、70年代に韓国で大ヒットした漫画版「一枝梅」(チョン・イル主演「美賊イルジメ伝」の原作)では、まさにイルジメが両班の息子とその家の下女の間に産まれ、それを知った息子の母親に捨てられてしまった子供でした。「快刀ホン・ギルドン」のギルドンも、両班の父とその家の下女の間に産まれましたが、産まれた子を殺されると察した母親は息子を抱えて逃げ、途中殺されてしまうという設定になっています。ギルドンは生き残るのですが、父から息子として認めてもらえず、その家の奴隷という身分で暮らすことになるのです。なので、もしタンがウォノの息子として産んでいたら、チャドル(シフ)も生きていたか、危ういのです。実際、タンは殺されそうになりましたから(タンを殺すというのは、その子を手っ取り早く始末するということですね)。


タンはそういうことをちゃんと分かっていたのです。身分差別と一言で言っても、我々にはなかなか理解しがたいというか、自分の身において考えることができにくいものです。でも、以上のようなことを考えれば、タンがどんなに苦しんでいたか、少しはお分かり頂けるかと思います。


そして、もうひとつ。「イルジメ」第11話を流しながら仕事をしておりまして(そんな余裕ないのに…苦笑)。今さらながら、はたと気づいたことがありました。皆さんの中にはもうお気づきの方もいるかもしれません。

ウンチェです。イルジメに輿からさらわれたウンチェですが、この時点で彼女はイルジメに会ったことはもちろん、見たこともありません。なのに、怖れることなく、「梅の花の絵が上手だそうで…」とさりげなくたずね、その反応を見て「あぁやっぱり、イルジメだったのね」と喜ぶのです。

何を言いたいのかというと、ウンチェは一目でイルジメをイルジメと察したのだ!ということです。

だって、もしかしたら、ただの怪盗かもしれませんよ。両班の娘を狙った誘拐犯かもしれません。でも、これっぽっちも疑うことなく、彼を見て「イルジメ」だと直観したのです。それって、すごいことだよなぁ。

彼女の中では、見たこともないイルジメのイメージができあがっていたのか。もしくはイルジメの風貌が、雰囲気が、いかに仮面をしていたとはいえ、正義の味方オーラを発していたのか。このあたり、非常に謎の部分です。少し考えたいと思います。

とにかく、私は今日、仕事中に、はたとそのことに気づき、いてもたってもいられなくなりました。


なぜ、ウンチェはイルジメを一目でイルジメと気づいたのか?

のわりには、なぜヨンを見ても、イルジメだとわからないのか?

あぁ謎は深まるばかり。仕事が落ち着いたら、熟考してみようっと。

皆さんも各自、考えてみてくださいね!


ではでは。なんだか中途半端な記事ですが。

アンニ・ヨン!