乾燥日記 -6ページ目

すべてが¥になる

石けんが足りない。
買わなくちゃ。
え?200円。
それって僕が作ったら、どれくらいの時間になるのかなあ。
ええと、まず教室を見つけて、先生に教わりながら、石けんのもとをこねて、
かわかして・・・。
ああ、明らかにお金で買った方が得だね。間違いないね。
何しろ僕の時間は1時間2000円なんだ。
6分で作れるならいいけど、しかも原価がかからず。
そんなことありえないから、ここは、お金を払った方がトクだね。
間違いないね。

さてと、ああもうこんな時間。
打合せに行かなきゃ。
電車で行くと、200円、30分。
タクシーで行くと1000円、15分。
さて。

僕の時間の価値は1時間2000円、つまり、15分500円だ。
断っておくがこれは時給ではない。他人に売る場合の時間だから、
会社の給料はもっと低くなる。設備投資に教育費、社会保険、厚生年金など
いろいろとさっぴかれるからね。
さてと、あと15分仕事して500円の価値を生み出し、
タクシーで移動して1000円消費するとマイナス500円。
いますぐ出発すると、マイナス200円。
ふむ、これは電車で行った方がよいね。

いやまてよ。
この打合せには、売れっ子の超優秀なスタッフも一緒に行くんだった。
彼の時間価値は5000円だ。
15分の価値は1250円。
タクシー:+1250円ー1000=+250円
電車:-200円
これに、僕のタクシーと電車で行った場合の価値をそれぞれ足し上げると・・

二人でタクシー:-500円+250円=-250円
二人で電車:-200-200=-400円

うむ、これはタクシーで行った方がお得ではないか。
よし、タクシーで行こう!そうしよう!


売れっ子スタッフ「ねえさっきからぼーっと待ってるんだけど、どっちで行くの?」



アビリティ

ついに大学デビューだ。

俺はマテリアと呼ばれる、
アビリティを秘めた魔石を
六畳一間の部屋に並べ、迷っていた。

う~ん「ヤンキー」にしようか、
それとも「おしゃれ」か、
「オタク」もあるし、「スポーツ」もあるなあ。
「まじめ」もありっちゃありか・・。

どのアビリティ(キャラクター)を自分に付けるか、迷う。

「お笑い」かなあ。

関西人なので、それが一番モテると勘違いしているのだ。

つけられるマテリアは3つまで。

「おしゃれ」かなあ。
モテるなら「おしゃれ」だよなあ。

「お笑い」も欲しいよなあ。

でもこれだけじゃあ金はたまらないから、長期的に見ると、「オタク」か「ヤンキー」かなあ。
どっちも「おしゃれ」と相性悪いしなあ。
しかも「オタク」と「ヤンキー」は意外といいんだよなあ、相性。
コンボ技も使えるし。

ううん。
「お笑い」「オタク」「ヤンキー」混ぜようかな。

いいや、もう適当だ!!!

そうして僕は「スポーツ」「オタク」「まじめ」を組み合わせて、
『山の神』と呼ばれるようになりました。

プロポーズ(最低ver.)

「た、ただいま!」

「おかえりー、ねえねえ、今日ちょっと話があってさあ。」

「ちょ、ちょっとあとでいい!ト、トイレ!」

「ねえ!いつもそうやって逃げるじゃん!」

「違うんだって!今日は本当にお腹が!!うっ!」

バタン

「ちょっと、今日こそ言うからね。ちゃんときいてね。」

「・・・・。」

「結婚、しよ。」

「ブピーーーーーーッ! ブリブリ!」

侵略歓迎

ついに宇宙人が地球にやってくることになった。

それも侵略という最悪の形で。

アメリカを中心として、
各国軍隊が団結し、
様々な配備がなされたが、
宇宙人の圧倒的な技術力によって
全ての武器は無効化された。

電気はすべてストップし、
すべての回路はショートした。

ただひとつの銃弾さえ発射することもできず、
地球人は立ち尽くした。

そして一晩のうちに
静かに侵略は始まった。

すべての地球人は特殊なガスで眠らされ、
すべての資源が奪われたのだ。


そしてニュースキャスターが事態を報告した。


「え~昨夜未明、宇宙人の侵略により、
 地球の核廃棄物、不法投棄物、産業廃棄物など、
 すべてのゴミが奪い去られました。
 そして、石油燃料、レアメタルといったエネルギー原料が
 廃棄されていました。このエネルギーだけで、
 およそ5,000年、人類は生き延びられそうです。」


旅の扉なんてないさ

勇者として仲間達とともに旅を続けて来たのだが、
この大陸を抜けるには、船か、旅の扉が必要だ。

船はこの大陸ではもう作られていないらしく、
春が来るまで、外の大陸からも船を来ないらしい。

こうやって安穏としている場合ではない。
今も魔王の侵略に苦しめられている人たちがいる。
俺たちは勇者一行なのだ。
一刻も早く、魔王を倒すんだ。

そのためには命だって惜しくない。
戦士はいつも言っている。
「俺の片腕を持っていけ、俺の内蔵を食らうがいい。
だがお前の命は俺が貰う。そして平和な世に、俺は名誉だけを残す。」
誇り高い戦士ならではの言葉だ。

僧侶も魔法使いも、想いは同じ。
俺たちは命をかけて、旅を続けている。

そしてある日、ようやく旅の扉を発見した。
洞窟の奥の水たまり。
池というのはあまりに小さく、聖なる雰囲気に包まれている。
ここに飛び込めば、一瞬のうちにあの海の向こうの大陸に移動できる。

しかし、ひとつだけ問題があった。


「く、くさいっ!なんなのこの匂い!!」
魔法使いが顔をしかめる。

「うぐっ!強烈ですね。
 どうやらこのあたりの魔物のトイレになっているようです。」
僧侶が冷静に分析した。

「俺、くさいの苦手なんだよなあ。」
意外に繊細な戦士がそう言った。

俺たちは勇者だ。
誇り高き王の勅命を受け、
苦しんでいる人々のために一刻も早く旅の扉に飛び込まねばならない。

パーティの皆は俺を見ている。
俺が率先して飛び込まねば、あいつらも動かない。
ここは一つ、覚悟を決めるべきだろう。

俺は泉の前に立ち、水面を眺める。
蠅が舞い、異臭が立ちこめる。
糞尿が濁った水中に沈んでいる。
俺は勇者だ。
異臭は気泡から発せられている。
糞尿が水中で醗酵し、バクテリアが活発に活動。
およそ、この世の中で最も汚らわしい生命の営みがそこにあった。
俺は、俺は、俺は何をやっているんだ。
俺は、誰だ。
俺は、


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桜が咲く季節。
遠くから汽船の音がする。
船は悠然と港に寄港する。

そう、俺たちは春を待った。
数ヶ月の間に、大陸ではたくさんの人たちが魔物に殺されたみたいだけど、
俺たちは、春を待った。

そのことは、歴史の闇に葬ろうと思う。
あの洞窟は魔法使いが爆発魔法で吹き飛ばした。
最初から旅の扉などなかったのだ。
うん。


コクゴ

Hello world !!!
ハイコンニチハ!!
イマノギャグ
ナゼワラワナイノー!!??
HAHAHAHAHAHAHAHAHA!!!!!

ソレデハ、コクゴノジュギョウシマス!

ハルハアケボノ!
デブ!デブアケボノ!オオミソカ!YES!!

タカノハナ!
メガコワイ、メ、ガ、コワイ!!
チャンコダイニングワカ!
ワカワカ!

オセロナカジマ!デブ!メガコワイ!!

ハイ!ダッセンシマシタ!
コクゴデス!

YO YO シロクナリユク ヤマギワ
BO BO クロクナリユク ハエギワ
スカルプD!YES!

ムラサキダチタルクモノホソクタナビキタル
ッテ10カイイッテ!ボクムリ!コワイ!メガコワイ!
キミタチノサスヨウナ SHI・SE・N ガコワイ!デブ!

キョウハココマデ!
ヨシュウシテコイ!


DIVE TO BLUE OCEAN

夜。

僕たちは学校のプールに忍び込んだ。

こっそり泳ぐなんて、青春映画みたいで素敵でしょ。

そう言って笑う彼女は

気を抜くとどこかに消えてしまいそうで

望む事をなんでもしてあげたくなった。


暗くてどこが水面か分からないけど

僕は衣服を脱いで、プールに飛び込んだ。




そして、人生の不条理に気がついた。

プールに水張ってないし、今冬だわ。

救世主

皆のもの

よく聞くが良い

我が村は破滅の危機に瀕していた

だがそれもこれまでだ

私は救世主を連れて来た

彼がいればもう大丈夫だ

さあ宴の準備だ

飲んで唄って

おおいに楽しんでくれ

救世主殿

あなたをずっとお待ちしておりました

是非主賓席へおすわりください



通訳「・・・と言っています。」



「えー、俺ただの雨男なんだけど・・」



なめこのこ

なめこのこがうまれた

なめこのこはやっぱりなめこ

なめこのこだからぬめぬめしてる

なめこにうまれてなめこにそだつ

このこどこのここのこはなめこ

なめこどこのこなめこのこ

なめこのこのめのいろはなにいろ?

なめこのこのめのいろはなめこいろ

なめこどこのここのこはなめこ

なめこどこのこなめこはなめこ

次世代ゲーム

「はあ、はあ、まずい!あっちから回り込んで援護してくれ!俺は突っ込んで、金庫の番号を手に入れる!」

「任せろ!!!」

「おい!後ろ!」

ダダダダダダダ

「うわああああああ!!!!」

「畜生!後は俺一人か・・?」

俺は倉庫街で敵のアジトに潜入したが、
バレて追いつめられていた。
かくなる上は、敵のトップを誘拐して逃げるしかない。
金庫の中には我々の安全を確保する書類が入っている。
その番号は敵のトップしか知り得ないのだ。

しかし、そういつまでも逃げ切れるわけではない。

ついに敵に囲まれ、俺は蜂の巣にされてしまったのだ・・!


ーGAME OVERー


ゆっくりと目が覚める。
コントローラー代わりのゴーグルと睡眠導入機を外し、起き上がる。
友人のKも同様だ。

「ふう・・いいところまで行ったんだけどなあ。」

「お前の援護が悪いんだろ。」

「何言ってんだ!一人で先に突っ込みやがって!」

「慎重すぎるのがお前の悪い癖だ。そんなんだから彼女も逃げる。」

「それは今関係ないだろ!」

「いや、全てが繋がっている。お前の問題は決断力のなさだ。致命的だな。」

「それじゃ、決断力を見せてやる。お前はこれ以上生きている資格はない!」

パーン!!

「な・・撃ちやがった。嘘だろ・・?」

バタン

俺は友人を撃つと、すぐにチケットを手配し、空港に向かった。
高飛びの準備だ。
しかし、車で空港に向かう途中、パトカーが追いかけてきやがる。
くそっ!いつバレた?

俺はパトカーを振り切るために無茶な運転を繰り返した。
対向車線を走り、交差点を赤信号で突っ切り、
そして高低差のある橋梁からダイブした。
着地に失敗し、車がひっくりかえってしまった。
その瞬間、運悪く2トントラックが突っ込んでくる。
どうやったって、逃げられない。


くそったれ。


ーGAME OVERー



「ふう・・。今回はクリアできるかと思ったんだけどなあ。」
「でもあそこで俺を撃つのはないでしょ。」
「しょうがないじゃん、あれがトリガーになってるんだし。」
「まあそうだけどさあ。」