乾燥日記 -3ページ目

SNSS

2034年、SNSの氾濫により、人類は混乱していた。

「ちょっと、昨日なんで返事くれなかったのよ!」
「え?何かメッセージくれたっけ?」
「twitterでDMしたじゃない。」
「ごめんごめん、最近twitter見てなくてさ。」
「じゃあ、何見てるの?」
「nekotterでしょ、それにpunchbookでしょ、あとoppainterestに・・」
「ちょっと見過ぎじゃない?」
「そうだけどさ、あ、でも、それらを一括してまとめるSNSSも見てる。」
「じゃあなんで気がつかなかったのよ。」
「アップデートが追いつかなくて。」
「もう、こうやって会った方が早いわね。」
「そうね。でも、今日って、どうやって会うの決めたんだっけ?」

罰ゲーム(国家)

地球に飛来する宇宙人が皆好きになるゲームは麻雀だ。

なぜなら彼らは4人乗りの宇宙船で来球することが多く、
地球では膨大な時間を持て余しており、適度なスリルが好物だから。

「あーまた負けた。もうやだ。」
「お前罰ゲームね。」
「えー聞いてないよー。」
「言ってたよ。」
「俺そんとき寝てたもーん。」
「いいから。はい、このカード引いて。」
「ありゃ?北朝鮮じゃん。アメリカがよかったよ。」
「どこだって一緒だろ?とりあえず行ってこいよ。」
「3年ね。」
「そう、3年。」
「ああめんどくさ。」

次の瞬間、光が走り、麻雀に負けた宇宙人は一人でワープした。

「わ、お前誰だ?」
「宇宙人だよ。死んでもらうよ。」

一瞬の光線が一国の首相の体を焼き尽くす。
その光線は殺人と同時に、人体組成の解析も行っている。

「よし、じゃあ、このDNA設計で変身、と。」
「声紋も取れたし、問題ないかな。」
「ああ、指紋だけは再現できないんだよな。まあいいか。」
「3年かー、長いなー。あいつら他の国の首相とか大統領とかになって嫌がらせしてくるんだろうな。ああめんどくさ。」


寝坊しちゃった

あーよく寝た。



やべ

寝坊しちゃった。

どらどら

どれっくらい寝てたのかな。


外を歩いてみるか。


ガチャ


ありゃ、タコだ。


タコが歩いてる。


あのすみません、今って、西暦何年ですかね?


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うーんよく分からない。


どんだけ寝てたんだ?

トライアスロンフードファイト

「さあ始まりましたトライアスロンフードファイト!」
「非常に楽しみですね。」
「まずはスイム。1.5キロメートル、己の肺活量全てを駆使し、全身を使って、泳げ!」
「早くも先頭集団が浜に近づいてきましたね。」
「さて、浜辺で待っているのは、カレーです!カレーです!海の家のやたら黒く焼けたチャラいお兄さんが持って来てくれました!なんと1000円もします!」
「あきらかにボンカレーですね。」
「これが海の家クオリティ!」
「スイムに力を入れすぎて食欲が湧かない選手もいますね。」
「おおっと、カレー大好き!カレーは飲み物!ゼッケン154873番、鈴木選手!
怒濤のカレー一気食いにトップに躍り出た!」
「彼はバランスがいいですね。」
「と、いいますと?」
「つまり、動と食。よく動き、よく食べる。健康優良児ですね。」
「まさに向かうところ敵なしといった表情で、1.5kgのカレーを完食!
いち早く自転車にまたがり、漕ぎだしました!」

「さあ、各選手、スイム、カレーを終えて、バイクに移っています。」
「ここから地獄坂ですね。」
「苦しい!スイムで疲労した太もも、カレーで疲弊した胃腸がキリキリと痛む!地獄の坂道です!」
「おおっと嘔吐する選手が出ましたね。」
「お茶の間の皆様、お食事中ならすみません!しかし、これがフードファイト!これがトライアスロンです!」
「嘔吐の選手は失格ですから、ここは慎重に足を進めてもらいたいですね。」
「先はまだまだ長いです!おおっと先頭に異変か?」
「鈴木選手が抜かれましたね。」
「ゼッケン139887番、ナイロビのファラオ選手、一気に抜き去りました!」
「立ち漕ぎですね。」
「なんとここで伝家の宝刀立ち漕ぎ!ナイル文明の使者、ファラオ選手の立ち漕ぎです!」
「彼は自転車が得意ですからね。しかも消化を推進する立ち漕ぎ運動で一石二鳥です。」
「なんと、胃袋の回復まで同時に行う効率の良さ、エジプトの英雄、ファラオが独走です!」
「バイクもあと1キロメートルですね。」
「おおっとぉ!なんとこの先の協議はステーキです!」
「ここに来て水分なしでステーキは厳しいですね。」
「なんと水が与えられません!ファラオ選手の顔が絶望に青く染まります!」
「これは非道ですね。」
「しかし!これがフードファイト!これがトライアスロンです!」

つづく

逆本末転倒

iPadが欲しくて
のマークのお店に行った。

しかしそこはAppleではなくマップルだった。
そこは地図のお店だ。

しょうがないから地図を眺めていると
面白いものを見つけた。

宝の地図だ。

どうやら縄文時代に出来たものらしい。
今の地形とは全く違う。

しかし、中沢新一著書「アースダイバー」

アースダイバー/中沢 新一

¥1,890
Amazon.co.jp

などを駆使して、
現代と古代の間を行ったり来たりしながら、
宝の在処を突き止めた。

そこは東京タワーの真下であった。
深夜こっそりと近くの下水道に忍び込み、
東京タワーの真下を目指す。

コンパスで確認する。
ここだ。
ここが東京タワーの真下。
宝の在処。

くすねてきていた掘削ドリルを使って
下に下に、ひたすら下に掘った。
俺は、掘り続けた。

そして、ついに宝の納められた箱を発掘したのだ。

俺はすぐには開けず、
地上に持ち帰った。

手が震え、喉がカラカラに乾く。
ゆっくりとフタに手をかけ、
宝箱を慎重に開けた。






そこにはiPadが入っていた。


競争(時間篇)

時間と競争している。

時間は、そんなに早く走るわけではないから、
スタートダッシュで先に立てば、ものすごく有利になる。

追い込み型の時間が猛スピードで追いかけくるわけでもなく、
一定のペースを守っている。
非常に簡単なレースだ。

時間は常に一定の速度で走り続けているので
競争していることに気がつかないことさえある。

そうなると危険だ。

ちょっとでも気を抜くと、
時間は僕らの前を走ってる。

そうなると最悪で、
時間に置いていかれた時点で、焦る。
焦ると、周りが見えなくなる。
障害物につまずき、こける。
暗がりのなか、そろそろと歩いても、前が見えない。
なかなか全力で走る事ができない。
少し走っては、周りを確認し、少し走っては、先の見えない道程を眺める。
そして、絶望する。
本当はあと少し、もうちょっと走るだけで追いつけるのに。

時間の先には光があるが、時間の後ろは暗闇だ。

そういう意味で、朝、時間よりも先に起きることができれば、勝負はついたも同然だ。

じゃあ、時間は何時に目を覚ますのだろう。

実は、時間とは、関係性だ。
関係性が時間を決める。
一番よく話す人が目覚める時間、
その1時間早く目覚めることで、圧倒的に明るい景色を見る事ができる。

時間に大きく差をつけて、快適に走ることができる。

だから君たち、この授業では、「早起き」を教えることが、最も大切なことになるのだ・・

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「君たち・・早起きが・・大切なのら・・」

「また授業中に寝言言ってるよ。こいつ。」


空腹の太子

「さあ、皆のもの1列に並ぶのじゃ。」

「いや、俺は5時間も待った!俺が先だ!」
「いや俺だ!一刻を争う事態なのだ!」
「俺だ!」
「俺だ!」

「ええい!やめんか!
 聖徳太子どのは、10人までなら同時に聞く事ができるのじゃ。
 10人ずつ前へ出ろ!」

「聖徳太子様、私の村では井戸が涸れて、このままでは村が絶滅です。」
「大使様、私の街に盗賊が襲いかかって来て、若者は殺されてしまいます。」
「大使様、目が見えません。」
「足が痛い。」
「コシが痛い。」
「嫁がいびる。」
「くさい。」
「死にたい。」
「生きたい。」
「ああだ。」
「こうだ。」


「さすが聖徳太子様だ、あんなに有象無象が色々なことを言っていても
顔色ひとつ変えず、全ての話をきいてらっしゃる。
一体頭の中はどうなっているんだろうな。」



聖徳太子(・・腹減ったな。)

フューチャー

フューチャー感が欲しい。

ありきたりの未来、つまり、銀色、テカテカ、電子音とかの
昭和の未来じゃなくて、平成24年いまここ東京における本当の未来。
それは、ソーシャルなものかもしれないし、
新しいエネルギーのことかもしれないし、スマートグリッドのことかもしれないし、
グリーンとテクノロジーの共存なのかノマドと企業の共存なのかもしれないし、
イマイチ、ステレオタイプなフューチャー感がピンときていないので
多様化そのものがフューチャーなのかもしれない。

とにかくハードウェアを一度手に入れたら、
どんどんソフトがアップデートされる時代。
インタラクティブでインスタントなゲーム性が、
作家的で重厚なストーリーをビジネス的に凌駕する時代。
みんな時間がないし、脳みそもない。
編集された口当たりのよい時間潰しを消費しては、また口を開ける。
満たされる事なくぶくぶくと情報が太っていく。
そして身動き取れなくなって、物理的にもドアを開けない日々。
そんな生活を後押しするかのように移動を必要としないサービスの数々。
ソーシャルネットワーク、通販、オンラインゲーム、ポルノ
すべてが端末上で処理される情報。
情報とともに生きながらえているヒト。
都会に住んでいながら、その恩恵を全く享受できていないことに
気がついていない。

フューチャー感は、そんな行き詰まった日本や世界や政治や経済や哲学や宗教やエンタテインメントを
包括して解体して編集して、今ここにあるものだけで無理なく成り立つ新しい尖り。

その先端にいる感じ。
その感じがフューチャー感。


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美容師「はあ、じゃあ、髪型的に、その、フューチャー感って、えと、どうすれば?」

俺「まあ、全体的に短くしといて下さい。」


再会のタイミングとしてはちょっと

「父さん!」

「お、お前、タカシ・・?」

「15年ずっと探したよ!どこに行ってたんだ・・?」

「す、すまない。お前達に顔向けできなくて!」

「馬鹿野郎!そんなの関係ないよ!俺たちはまた、父さんと暮らしたいんだ!」

「タ、タカシ・・・。」

「帰ろう、父さん。母さんも待ってる。」

「・・・ああ。」





「お待たせしましたー20番の番号札でお待ちのお客様ー、メロンちゃんご用意OKでーす。
 お楽しみくださいねーー。」

「タカシ、帰るの、2時間後でいいか?」

「父さん・・。」

関西人は気も寿命も短い?

はいはいどうもこんにちわ~いうてね、
うまれたんですけどね、
また、きったない病院で、ええ、
先生もなんやヅラがズレすぎて分け目1:9みたいになってるし
これは往生しまっせ、やで、ほんま

でうまれたはいいけどまた金のない家でね
親父はパチンコばっかりやって
ロクにかせいでこうへんし、これはあかんなと思って
一念発起しましてね、ちょっといい学校通ったんですけど
そこで落ちぶれてというか遊んでしまってというか
まあドロップアウトですわな

気がついたら裏家業で
いろいろヤバいもの売ったり運んだり隠したり埋めたり沈めたり
そんでもう落ち着かへんから結婚してもうて
あれは失敗やったなと思うけど、まあ子供はかわいいからね
気がつくと引退で、おなか痛くなってきて、
まあ体に無理して働いてきたからガタがきてて、ぽっくりですわ

早かったなー、人生
あっちゅうま。
なんでこんな早いんやろって考えてたんやけど
多分いつも急いであせってるから
よけい早く時間すぎたんやろうなと思うわけで
急ぐと早死にしまっせという話でした

ほな、さいなら