トライアスロンフードファイト | 乾燥日記

トライアスロンフードファイト

「さあ始まりましたトライアスロンフードファイト!」
「非常に楽しみですね。」
「まずはスイム。1.5キロメートル、己の肺活量全てを駆使し、全身を使って、泳げ!」
「早くも先頭集団が浜に近づいてきましたね。」
「さて、浜辺で待っているのは、カレーです!カレーです!海の家のやたら黒く焼けたチャラいお兄さんが持って来てくれました!なんと1000円もします!」
「あきらかにボンカレーですね。」
「これが海の家クオリティ!」
「スイムに力を入れすぎて食欲が湧かない選手もいますね。」
「おおっと、カレー大好き!カレーは飲み物!ゼッケン154873番、鈴木選手!
怒濤のカレー一気食いにトップに躍り出た!」
「彼はバランスがいいですね。」
「と、いいますと?」
「つまり、動と食。よく動き、よく食べる。健康優良児ですね。」
「まさに向かうところ敵なしといった表情で、1.5kgのカレーを完食!
いち早く自転車にまたがり、漕ぎだしました!」

「さあ、各選手、スイム、カレーを終えて、バイクに移っています。」
「ここから地獄坂ですね。」
「苦しい!スイムで疲労した太もも、カレーで疲弊した胃腸がキリキリと痛む!地獄の坂道です!」
「おおっと嘔吐する選手が出ましたね。」
「お茶の間の皆様、お食事中ならすみません!しかし、これがフードファイト!これがトライアスロンです!」
「嘔吐の選手は失格ですから、ここは慎重に足を進めてもらいたいですね。」
「先はまだまだ長いです!おおっと先頭に異変か?」
「鈴木選手が抜かれましたね。」
「ゼッケン139887番、ナイロビのファラオ選手、一気に抜き去りました!」
「立ち漕ぎですね。」
「なんとここで伝家の宝刀立ち漕ぎ!ナイル文明の使者、ファラオ選手の立ち漕ぎです!」
「彼は自転車が得意ですからね。しかも消化を推進する立ち漕ぎ運動で一石二鳥です。」
「なんと、胃袋の回復まで同時に行う効率の良さ、エジプトの英雄、ファラオが独走です!」
「バイクもあと1キロメートルですね。」
「おおっとぉ!なんとこの先の協議はステーキです!」
「ここに来て水分なしでステーキは厳しいですね。」
「なんと水が与えられません!ファラオ選手の顔が絶望に青く染まります!」
「これは非道ですね。」
「しかし!これがフードファイト!これがトライアスロンです!」

つづく