山岡鉄舟の能筆はよく知られている。その鉄舟が書いたものがどのくらい残っているのか見当もつかない。また、それらは個人が所蔵していることが多く、私たちはふだんは目にするができない。

一方、見ようと思えば、いつでも見ることができるものがある。石碑や墓石の類だ。少しばかりまとめて紹介してみたい。ここでは取りあげなかったが、寺院、神社の扁額にも鉄舟のものが多い。

〈追記〉
中央線の武蔵小金井駅から南へ10分ほど歩いたところに西念寺がある。その西念寺に隣接して共同墓地がある。そこには小金井小次郎の墓がある。鉄舟の筆跡だ。
谷中霊園(台東区)

谷中霊園(台東区)

谷中霊園(台東区)

善慶寺(大田区)

割烹旅館 二葉。“二葉楼”と記されている。鉄舟ゆかりの宿。ここの“忠七めし”はおいしい!(埼玉県比企郡小川町)

上野不忍池の弁財天にある銅造琵琶。台座は鉄舟の筆跡で“琴三講”とある。琵琶の表面には弁財天のご利益が記されている。

彰義隊の“戦死之墓”。西郷隆盛銅像の裏手にある(台東区)。

鬼子母神の境内にある鉄舟の筆跡。しおりによると、“衆生の心水清く菩薩の影中に現わる”と読むそうだ。(豊島区)

雑司が谷霊園にある千葉定吉、千葉重太郎の墓。(豊島区)
本妙寺。右は千葉周作、左は鉄舟の筆跡による千葉道三郎の墓。(豊島区)

小伝馬町処刑場跡。橋本左内や吉田松陰らが処刑された場所として知られている。台座の筆跡は山岡鉄舟。
参考:小伝馬町処刑場跡に立つ地蔵の台座の文字(原書)。

銀座キムラヤパン。“木村家”は鉄舟の筆跡。(中央区)

増上寺にある“弔魂之碑”。西南戦争で戦死した看護人らの供養のために建立されたようだ。(港区)

全生庵(台東区)。『愛石小伝』(大正6年)によると、“金瓶齋道本玄一居士”と記されている。