前回の続き。

 

阿波尾鶏弁当(高松駅) (1,350円)

嘗て存在した徳島駅弁が、調製元を変えての再発売かと思ったら、違っていた。

よく似た名前だが、徳島駅弁は「阿波地鶏弁当」。鶏の照焼きメインの全くの別物であった。

さて本品。

鶏もも照焼、鶏むね塩焼がゴロゴロ。

味付けご飯に錦糸玉子、山菜煮が乗せられたものがベースで、松山の「醤油めし」を思わせる。

付け合わせは椎茸煮、人参煮。アクセントにさつま芋の糖蜜煮。

鶏もも照焼は焦げ目のついた鶏皮付で食欲をそそる。

全体的にサッパリとした味わいの鶏弁当。

 

高松駅弁だが、製造は岡山の業者。

監修の栗尾商店とは、さつま芋菓子を手がける徳島の和菓子屋である。

 

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江ノ島電鉄タンコロ (鎌倉駅) (1,780円)

「タンコロ」とは江ノ電100形電車の愛称で、1980年に運行終了した最後まで残った2輌が単行(1両編成)で運転されていたことに因んでいる。現在も動態保存され、イベント走行することもある。

ご覧のようにかなり本格的な、同形車輌を象った陶製容器の中には、酢飯の上に江ノ島らしく、しらす干し、まぐろフレークのほぐし身が散らされた酢飯をメインに、玉子焼、帆立煮、かまぼこが添えられている。

容器の半分強ほどしかご飯が入っておらず、見掛け倒しかと思いきや、底深いため、意外とご飯の量が多い。

酢飯と相俟って、サッパリ風味の素朴な味わい、

半分以上は容器代だろうが、思った以上に食べ応えがあった。

“タンコロ容器”の前後で行先表示板が「鎌倉」、「藤沢」と作り分けられているところが意外と芸が細かい。

 

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うえのあなごめし(宮島口駅) (2,700円)

第60回記念大会だった昨年、久しぶりに実演販売が復活したが、続く今回も後半の目玉として実演販売が実現した。

穴子弁当は数あれど、本品こそ穴子弁当の紛れもない王者であろう。

ずらりと並んだ焼き穴子の切身は一口大で食べやすく、タレのしみ込んだ白飯と実によく合う。

端に添えられた2種類の漬物で時々箸休めを挟みつつ、穴子ご飯を次から次へと口に放り込む。

鰻とはひと味違った香ばしい焼き穴の風味が堪らない。

 

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・肉のさとう (東京/吉祥寺)各種

元祖丸メンチカツ(350円/個)

激うまコロッケ(230円/個)

吉祥寺名物の食べ物は数あれど、この「元祖丸メンチカツ」も間違いなくその一つであろう。

商店街角地の店に並ぶ長蛇の列は、それに止まらず、道を隔てた向こう側に更に延々と列が続く。その様子は昔から人目を引く。

あまりに列が長いので、近くを通っても毎度敬遠していたが、昨年この催しに出店しているのを見つけ、しかもさほどの列でなく、これなら…と初めて並んだのが最初。

今回、そのリピートである。

肉汁がじゅわっと染み出し、刻み玉ねぎの甘みが絶妙のコンビネーションを生み出す看板商品のメンチカツに対し、コロッケはじゃがいもが目一杯詰まった素朴な味わいで、好対照をなす。

両者ともカリッと揚げられた衣がサクサクと香ばしく、厚さは薄いがしっかりと弾力性がある。

コロッケやメンチカツは、齧り付いたり、ナイフを入れたりすると、ついふにゃっと形崩れしがちだが、この店のものはそうなりにくい。具がしっかりと詰まっていることと、円形なのが奏功しているのだろうか。

「何にしましょうか?」と客に声を掛けるのは、ご主人か?

前に並んでいたおじさんが、"昔銀座にお店があった頃からコロッケが一番好きだ"と言って、コロッケだけ買って行ったが、店の方は"従業員にはコロッケが一番人気なんですよ"と返していた。

銀座にも出店していたことがあったのか…。

最近では、リニューアルなった池袋西武の地下に常設店ができた模様。

 

焼豚切落し(750円)

綺麗に切り揃えられたチャーシューのパックもあるが、廉価版の切落としが好みである。

たっぷりとパックに盛られた焼豚は、しっかりとした噛みごたえと、脂身の柔らかさ、甘みが感じられ、甘辛のドロリとしたタレをかけると実に旨い。

 

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続いて甘いもの。

 

からいも団子・ あん入/あんなし

   (味のくらや/宮崎県)(各1個160円)

ここ数年、毎年食べている。

「からいも」とはサツマイモのこと。つきたてのお餅にからいもを混ぜ、砂糖を混ぜ、きな粉をまぶしたものを「ねりくり」というらしい。更に粒あんをくるんだものを「からいも団子」というそうだ。

店頭では「あん入り/あんなし」と区分けし、分かりやすくしているが、本来の意味からすると、「あん入り = からいも団子」、「あんなし = ねりくり」ということになる。

細長く伸ばされたほうが「あんなし」である。

粒あんは甘さを抑えた上品な味。

サツマイモが入っているため、冷やしても固まりにくく、冷蔵保存で10日ほど持つとのこと。

きな粉がたっぷりまぶされ、余るほどなのも、きな粉好きとしては嬉しい。

 

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栗好き(福田屋 熊本和栗庵)(6個入/1,360円)

熊本県産の和栗、砂糖、水飴のみからなるシンプルな栗の和菓子。

フォークを入れるとほろりと崩れ、口に入れると優しい仄かな甘みが広がる。

岐阜県の栗きんとんをさっぱりと食べやすく、より廉価に仕上げたような一品。

 

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これにて今回購入した全ての品々をご紹介した。

冒頭で触れたように、「あれもいらない」「これもいらない」と、全くやる気がなかった割には、結局30食以上の弁当を食べている。

半数以上が既に食べたことのある品で、お気に入りが定まりつつあるのを感じる。逆に言うと、既存のお気に入りを押しのけたり、塗り替えたりできる新たな品の出現が少ないとも言える。

今回も、今まで当たり前のように毎度食してきた品々の多くが姿を消した。

華やかで客でごった返すこのイベントに身を置くと想像し難いことだが、廃業、倒産、撤退と、駅弁を巡る環境は決して明るくない。

長崎の鯨カツ弁当、飛騨牛弁当、岩手短角牛弁当などが姿を消した。

 

又、米飯メインの駅弁にとり、昨年のコメ不足、米価の高騰は、死活問題といえる大打撃である。

コメに限らず、食品の相次ぐ値上げは未だに留まるところを知らない。

嘗ては2,000円以内というのが、価格設定上の上限だったように感じるが、今やチラシの表を彩る目玉商品は、軒並み2,000円超えはおろか、2,000円台後半が当たり前となりつつある。

ラーメンやかき氷が当然のように1,000円を超え、アイスやジュースが200円に迫ろうかという時代にあっては致し方ないのかも知れないが、こうなってくると駅弁もちょっとした高級品である。

その高級品を求め、長蛇の列をなす客たちは、それへの出費ができる、まだ恵まれた方だと言えるのかもしれない。

とはいえ、連日、売り切れリストを見ていると、時間を置かずして完売の報があるのは、今や数少なくなった1,000円を切る廉価な駅弁たちである。

既にご紹介した秩父の弁当などを食べるにつけ、高級食材を使い、毎度贅と工夫を凝らした、しかし年々価格がエスカレートする実演ブースの看板商品たちのあり方は、本当に客のニーズに合っているのだろうかと疑問を抱かざるを得ない。

 

こんなことを書くのは興醒めで顰蹙を買うのかもしれないが、2,000円台はたくなら、焼肉食べ放題、すき焼きしゃぶしゃぶ食べ放題にもう少しで手が届く。弁当に絞ったとしても、料亭や仕出し弁当だって大抵のものは食べられる。

会場ならではの熱気、雰囲気、限定商法に煽られ、財布のヒモが緩んでいるだけかもしれない。

コロナ禍以降、食品の宅配サービスが広まり、有名店のメニューがテイクアウトで楽しめる機会が増えた。

「うまいもの」コーナーで、そうした店をもっと呼んできたら、集客アップにつながるかもしれない。しかし、地方物産展の側面もある中、そんな方向に舵を切ると、東京近辺に偏り、極論すればそこらのフードコートと変わりないものになりかねない。

 

過去幾度も"締め"で繰り返していることだが、既に築50年を越える京王百貨店新宿店を含む、一帯の再開発構想が何年も前から報じられている。

お隣の小田急百貨店は建て替え真っ最中だが、劇的に姿を変えるであろう小田急新宿駅に対し、元のように小田急百貨店が偉容をそのまま取り戻すとは考え難い。

恐らくは規模を縮小し、超高層オフィスビルの一部として入居する程度であろう。

それが終わると京王百貨店の番になる。

そうなった時、このイベントはどうなるのだろうか。

 

輸送コーナーには朝から依然として長蛇の列ができ、一部の品には異常とさえいえる人気が集中する。

しかし、明らかに以前に比べると、実演ブースの混雑具合が減っているように思われる。客の立場としては有難い話だが、相次ぐ値上げ、エスカレートする高級志向と、庶民の生活感覚との間に、ますますずれが起こってきているのではないか。

そんなことを思ってしまう。

 

…と今回も小難しく、どうしようもないことを書いた。

来場者たちの財布の紐を緩めさせ、わーっ、買いたい!食べたい!と思わせてくれるような、新たな魅力的な食品と巡り会えることを期待してやまない。

前回の続き。

 

八角弁当  (新大阪駅) (1,500円)

新大阪駅の名物駅弁。

調製元の水了軒は、一度自己破産し、駅弁販売も休止したが、デリカスイトという会社が本社工場と商標権を取得。この「八角弁当」の販売も再開された。

八角形の容器という大特徴を有するが、関西風の薄味の幕の内弁当である。

俵形に象られた黒ゴマがまぶされた白飯、おかずは野菜中心で多彩。彩り豊かである。

そら豆、里芋煮、なます、鶏肉煮、昆布巻、大白花芸豆、出汁巻玉子、海老煮、蒲鉾、赤魚味噌祐庵焼、椎茸煮、いんげん、人参煮、高野豆腐。ご飯の脇にはしば漬け。

甘くない玉子焼が、元関西人には嬉しい。

幼少期は、こうした薄味で煮た野菜が軒並み嫌いで、甘い惣菜も嫌いだったから、鶏肉、赤魚、玉子焼きくらいしか箸をつけられなかったことだろう。

漬け物も、カレーに添えられた福神漬、沢庵(関西では"おこうこう"と言った)、白菜の塩漬け位しか食べられず、しば漬けなどもっての外。そういう子供だった。

振り返れば、幕の内弁当を旨いと感じ始めたのは30歳を過ぎてから。大抵の漬け物が食べられるようになったのは35歳、佃煮の味がわかり始め、漬け物を自ら買い求めるようになったのは、40歳を超えてからのことである。

 

昔、1990年代半ば過ぎ宝塚大劇場に通っていた頃、新大阪からの新幹線でよくこの弁当を食べた。

調製元は当時とは変わっている筈だが、味が変わったのか、変わらないでいるのか、そこまでは憶えていない。

30年経った今でも、甘くない玉子焼きと、多彩な野菜の薄味、食べやすい俵形ご飯の印象は変わっていない。

 

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秩父 復刻鳥新弁当 (秩父駅) (850円)

事前予約でも品切れ続出だったし、輸送駅弁会場でも割と早い時間に売り切れてしまうので、どんな弁当なのだろう?と興味を持った。

偶々目の前で、まだ売れ残っているのを見つけたので、予定外だったが購入。

まず、手にした時のずっしりした重さが期待できる。

蓋を開けてみると、全面ご飯でこそなかったが、おかずの唐揚げ、白飯共にぎっしりと詰まった弁当が姿を現した。

大ぶりの鶏の唐揚げ3個がメイン。脇を鶏レバー、砂肝、鳥皮までついた甘辛煮が副菜。ジャガイモ煮付けの濃厚なこと!

オレンジ色が鮮やかな大根味噌漬け、小梅まで付いた、ぎっしり詰まった白飯は、これら大量のおかずだけでも十分食べ進められるが、醤油かソースかと思った小袋は実は海苔の佃煮で、ご飯を余さず最後まで飽きさせない工夫が巡らされている。

唐揚げはご飯の水蒸気ゆえか、しっとりした食感で、ムネ肉ならではのパサつきがこれで随分と解消されている気がした。


駅弁というものは本来それ1個で十分空腹を満たし、冷めても美味しく頂ける、奇を衒った趣向も、贅を尽くしたおかずも要らない、素朴で機能重視の携帯食だった筈である。

そんな当たり前だったことを、この弁当は思い出させてくれる。


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・栗めしかわせみやませみ (人吉駅) (1,380円)

嘗て人吉駅には、「栗めし」と「鮎寿司」という名物駅弁があり、私がこのイベントに行き始めた頃は、地方毎に売り台が置かれ、バーゲン会場さながらの争奪戦が繰り広げられていた。

九州卓の向こうで百貨店のおじさんが、駅弁が届く度に大箱を開け、弁当を台に並べていく。

「お兄さん、何待ってんの?」と尋ねられ、

「鮎と栗!」そう答えたら、人吉駅弁を早めに出してくれ、無事確保できた。

やがて現在の販売方式に近くなり、幾種類かの特に人気の駅弁は朝から整理券が総合受付で配られ、人吉駅弁2種類もそうやって売られていた。

今はなき山陰本線園部駅の「栗めし」と共に、栗めし弁当2種食べ比べという贅沢な経験もできたのである。

どちらもいつしか姿を消してしまった。

本品は、久しぶりに目にする人吉駅の名物駅弁を、特急かわせみやませみの名を冠し、リニューアルしたもの。

大半を栗めしが占め、椎茸煮、鶏の甘辛煮、玉子焼、高野豆腐、チクワ煮、ひじき煮、伽羅蕗などが脇を固める。

記憶に残る以前の姿と異なるのは、蓮根が煮たものから辛子蓮根に変わったこと。

優しい甘さの中、ツーンとくる辛子蓮根の刺激が格好のアクセントとなっている。

あと、栗が以前はもっとひたすら甘かった気がするが、甘さが控えめに抑えられ、全体的にさっぱり風味になったこと。

この弁当の玉子焼きは、残念ながら甘かった。

とはいえ新時代の栗めし、相変わらずの個性派に、今流の食べやすさも加わり、これはこれで魅力的だ。


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いわてあぶり焼き和牛弁当(一ノ関駅) (1,450円)

わっぱを象った楕円形容器の大半は白飯に、甘辛く味付けされた牛焼肉、白胡麻がまぶされ、シシトウのトッピングがアクセント。

付け合わせは玉蒟蒻煮、人参煮、椎茸煮、生姜酢漬け。

これらはいずれもさっぱりたした味わいで、良い箸休めとなる。

炙った牛肉が香ばしく、ご飯が進む。


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次回へ続く。

前回の続き。

 
大阪炭火焼肉弁当(鶴橋駅) (1,280円)

濃厚な牛焼肉、味付牛ホルモン焼が白飯の上に乗り、付け合わせはナムル。

鶴橋という街は、コテコテ大阪のイメージそのものの街で、ディープな大阪が体感できる。

肉は期待に違わぬ濃厚味で、白飯が進むが、パッケージとは違い、実物は随分と白飯が隙間から見えている。

何や!ケチやなぁ!

そう言いたくなる。

 

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京風焼き鳥弁当 (京都駅) (1,300円)

昨年に続きリピート。

先に取り上げた博多の焼き鳥弁当によく似ている。

ふたを開けてパッと見た印象は塩焼かと思えたが、焼き鳥、うずらの玉子、つくねいずれにも味がついており、タレ焼きのようだ。

付け合わせのタレはサラサラしており、濃厚タレ焼きとも少し違うようだ。

甘辛味に七味唐辛子をかけると、ピリッと刺激的な味となる。

特筆すべきは、博多のものと異なり、焼いた葱を更に煮たものが入っていること。

とはいえ、ムネ、モモ更には鶏皮まで揃い、更にはタレ味、塩味を作り分けるきめ細かさの前では、やはり博多に軍配を挙げざるを得ない。

 

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神戸のステーキ弁当 (神戸駅) (1,480円)

ステーキ弁当は数多いが、ここまで洋風なのは珍しい。

牛肉ステーキをメインに、付け合わせは茹でブロッコリー、トウモロコシ、別トレイに人参煮、きゅうりの漬物は漬物でもピクルス、パッと見、里芋煮と見紛い、洋風の雰囲気をぶち壊しにしたかと思いきや、ジャガイモの素揚げ。

人参はソテーでなく、甘辛煮だが、許容範囲の裡であろう。

ステーキは予め味がついており、何もかけなくても十分味わえる。

近江牛や佐賀牛の駅弁のように、血の滴る赤色、ピンク色ではなく、しっかり火の通ったミディアムといったところか。

ご飯は白飯ではなく、茶色く色がついているのでバターライスかと思いきや、そこまでしつこくはなく、きのこ(しめじか?)ピラフであった。バターライスだったら、しつこすぎるお味になっていたかも。

 

今回の3個は、お腹を空かせて一度に食べたが、期せずして淡路屋三種駅弁食べ比べとなった。個人的には今回のものは、神戸>京都>鶴橋。割と安価な弁当同士の比較なので、致し方ないのかもしれないが、どれも今ひとつパンチに欠ける感拭えず。

 

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次回へ続く。

 

前回の続き。

持ち帰った弁当のレビューである。
 
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近江牛【極スペシャル】(草津駅) (2,640円)

近江牛の草津駅弁で、こちらは昨年フラッグシップとして初登場したもの。

ご覧のようにズラリと赤身ステーキが敷き詰められ、ピンクを越して赤色に染まったレアな色味が食欲をそそる。

更にこの弁当の秀逸なのは、赤身ステーキの下に一面焼肉が敷き詰められていること。

上の写真は赤身を茶色くしたくないため、一旦全部ステーキを剥がした状態だが、この状態で焼肉弁当を謳ったとしても十分成り立ちうる内容である。

黒胡椒が予め散らされた半生肉を乗せなおし、ワサビをチョンチョンと絡めた後、焼肉をくるんで白飯と一緒に頬張る贅沢!

今回の看板メニューの牛カツ入でも、ご飯の中間層に牛焼肉、牛すき焼きを挟むことで、似た味わいは得られるが、個人的にはやはりこちらの方が好み。

 

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鮎屋三代 塩焼 (新八代駅) (1,550円)

後半に毎度欠かさず出展される、名物駅弁の一つ。

甘露煮が1匹乗ったものが標準のようだが、塩焼バージョンの方が好きで、ここのところ塩焼版ばかり食べている。

前は小ぶりの鮎が2匹入っていたり、甘露煮と塩焼が1匹ずつ入っていたりするバージョンもあったが、今回は小ぶりの鮎はいなかった。

ご覧の通り鮎が丸ごと弁当箱にデーンと乗っかったのが一大特徴。

鮎の苦みが感じられるのは、塩焼ならではの味わい。

玉子焼き、小ぶりの椎茸煮、さくら漬、レンコン煮、茹でた菜っ葉が脇を固め、ご飯は干した鮎を使った炊き込みご飯だという。

 

同じ九州の「ながさき鯨カツ弁当」が過去のものとなってしまった今、他にない唯一無二の個性派駅弁として、末長く販売し続けてほしい一品である。

 

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ジンギスカン味くらべ弁当(札幌駅) (1,380円)

日によっては朝10時台に完売してしまう隠れた人気駅弁。

大ぶりの容器は三層に仕切られ、それぞれに白飯が入り、左から豚、羊、鶏の3種類の焼肉が乗っかっている。

豚焼肉が一番足が濃く、玉ねぎを焼いたものが白飯との間に隠れ、上に焼いた人参が乗る。

真ん中の羊焼肉には焼ピーマンが添えられ、羊肉は思った以上に柔らかく、タレが良いのかさほど臭みは感じない。噛みしめた後、独特の香りがするのはやはり羊ならではである。

右の鶏肉は、豚、羊に比べるとサッパリとした味付けで、焼かぼちゃスライスが乗る。

学校給食以来、三角食べは大嫌いだが、この弁当は3種類の焼肉全てに味の統一感があり、交互に食べ比べるのが良いと思う。

 

値段も手頃。牛抜きとはいえ種類の異なる焼肉を食べ比べられ、量も十分。ジンギスカンという北海道ならではの個性的な料理を駅弁で再現した秀作。

これなら"瞬殺"も頷ける内容。

 

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次回へ続く。

 

日を改め、後半に行く。

実演、うまいもの共にそこそこ入れ替わる。
後半初っ端の目玉は「ぴよりん」、駅弁では「うえののあなごめし」、うまいものでは玉出木村家のパンといったところであろう。
公式サイトよりチラシ画像を借用。

後半は1回しか行かない。一発勝負なので、完売で買えなかったり、買い忘れたりするのは避けたい。袋など入念に準備…と言っている矢先から、お茶を持って行くのを忘れてしまった。

今どきは自販機も高いので、途中コンビニに寄り、安いPBのお茶を買って行く。

開店前に着いたので、確かMBが早いのか…とそちらへ回ったら、それはもっと早い時間での話で、地下のエレベーターは開店10分後以降しか動かないと掲示があった。再び正面入口へ回る。

完全に無駄足である。建屋外に並ぶ羽目になってしまった。

 

前回同様、輸送にまず並ぶことにする。先日の経験から、エレベーターもエスカレーターも使わず、一番奥のC階段を駆け足で上がって行く。

息が上がり、汗が吹き出す。地下エレベーター往復といい、不本意な体力消耗である。この後、どうせ食べ過ぎるから丁度良いのかもしれないけど。

輸送コーナーはそこそこ列の進みが早く、前回同様10時半過ぎに場内へ案内された。

前回買い逃した駅弁、売り切れが早く、「どんな内容なんだろう?」と興味を持ち、追加購入を見込んだ駅弁…運良く全て調達が叶った。大きな紙袋を提げる手が既に痛い。

輸送コーナーの出口前で、玉出木村家が早くも販売開始している。

以前は遅いと11時半頃まで品物が届かず、それまでずっと待たされるのが常であった。輸送方法を改善したのだろうか?

 

昼食に食べる用の弁当を買い回る。昨年同様、吉祥寺の「肉のさとう」の出店が後半にはあり、大した列ではなかったのと、昼食にメンチカツを食べる可能性を考え、先に買う。

早速屋上へ。

玉出の列が上に伸び、8階通路に長い列ができている。

やはりここにまで並ぶ気力はない。

 

前回、前々回と異なり、風が殆どなく、暖かい陽気である。

時間が11時半過ぎと遅めということもあり、どこも空いておらず、思わぬところで昼食難民となってしまった。

食べ終わりそうなテーブルに当りをつけ、近くをウロウロしていたら、案の定空いたのですかさず確保。

向こうのテーブルでは、椅子の上に立って、何度も駅弁を空撮している強者がいた。

ヌードモデル相手の「おっ!いいねぇ~」なんて声が聞こえて来そうな激写ぶりだった。

 

漸く実食タイム。

 

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佐賀牛赤身ステーキ弁当(武雄温泉駅) (2,538円)

今回、看板メニューとしてチラシに紹介されている「サーロイン・ランプステーキ&すき焼き弁当」の、いわば上位バージョン。価格もこちらの方が少々高い。

こちらはシンプルに、白飯の上に「これでもか」というほど赤身ステーキのスライスが敷き詰められ、すき焼き要素はない。

レアなステーキのピンク色が綺麗に並び、食欲をそそる。

赤身なだけにしっかりとした噛みごたえがあり、ここでも塩ベースのタレが、悪目立ちすることなく肉の味を引き立てている。

脇役の胡瓜の漬物、人参煮、さつまいも煮も、良い箸休めの役割を果たしている。

肉のバラエティを楽しむなら「サーロイン・ランプステーキ&すき焼き弁当」だが、ステーキをひたすら楽しむならこちらである。

 

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親子どんぶり(道頓堀今井/大阪)(982円)

昨年食べ逃したので、今回こそはと購入。

スチロール容器かと思いきや、今どきのこんもり底深い紙容器で、具は透明プラ製中蓋の上に仕切られ、更に上全体にビタリと透明な蓋が嵌まり込む作り。これなら少々の揺れはおろか、傾いてもこぼれそうにない。

中蓋を外し、具を白飯の上にかける。

僅かに半熟が残る具は、緑色したネギが一緒に煮込まれ、彩りも美しい。

最初から汁だくの具は、柔らかく煮込まれた鶏肉も相俟って、甘辛の優しい味わい。

昨年は、ジェラートブース並びの休憩コーナーで、これを立ち食いする強者がいたが、今回は見かけなかった。いかめしの向かいにも立ち食い場所があり、そちらに流れたのだろうか?

 

"親子丼"と店頭には表示してあった。

関東風なら"おやこどん"と読むところだが、関西風にここは"おやこどんぶり"と"ぶり"を付けて呼びたい。

 

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とちぎ和牛旨とろ煮込み飯(宇都宮駅) (1,500円)

昨年に続きリピート。

牛焼肉やステーキではなく、ヒラタケ、レンコンと一緒に柔らかく醤油で煮込んだものがメイン食材。

付け合わせは味のついたもやしのみ。

煮込み肉はほろほろと崩れ、「肉のふがね」を彷彿とさせる。

温泉玉子は殻付きの本物で、どろっと崩れる黄身、白身。その食感が加わると、牛煮込みが更に魅力を増す。優しい甘辛煮込みに七味をかけると、途端に味が引き締まる。

 

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会場へ戻り、甘いもの数種類を買い足すと、大きくて重たい袋をずっと提げ続けてきたせいで、手も腕も痛くて限界寸前。

この辺りで涼を取ることにしよう。

 

ジェラートサンデー(森國牧場/福井) (700円)

これも昨年に続きリピート。

前半はソフトクリームとジェラートが競う格好となったが、後半は冷たくて甘いものはこの店のみとなり、結構な列ができていた。

 

本品は底のカップにジェラート、その上にソフトクリームを乗っけてくれるハイブリッド版。

ジェラートは、生乳ホワイト、ローズマリーベリー、ピスタチオ、ほうじ茶ラテ、金柑マーマレード、ラムレーズンの中から1種類選ぶ。

ソフトクリームはバニラと何とかショコラというチョコレート味の2種類あり、チョコ味の方が高めの価格設定だが、ミックスもできるというので飛びつく。

ラムレーズンにも気持ちが傾いたが、場内は暑く、金柑マーマレードを選択。

チョコソフトは苦すぎず、甘みの強いマイルドな味。

金柑マーマレードの甘酸っぱさが、場内の熱気にあてられ、汗だくとなった身には大変有難く、良い口直しとなった。

 

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予約していた弁当引き取り時間には間があるが、小一時間ほどで、これ以上は食べられないし、屋上はまだ混んでいることだろう。

同じ階にあった文房具屋は姿を消して久しい。

甘いものと夕食用に実演弁当を更に買い足し、時間をつぶす。

玉出木村家は列が殆ど無くなっていたが、まだベネティアーナ以外のパンも結構売れ残っている。

好物の「雪山パン」の姿はなく、「ウィンナーショコラ」も売り切れたようだ。それ以上に、この上更にパンを買い込んだら、一体どうやって持って帰れというのだ。

…というわけで、今回もパンはやめにした。

時間を持て余し、もう一度場内をうろうろ回る。

向かって一番右奥の骨付鳥はそこそこの列、隣の佐世保バーガーは旨そうだが高価だからか閑古鳥ご鳴き、バイク弁当も列はなし、おやきも以前はもう少し混んでいたと思ったが…。

 

午前中、長蛇の列ができていたのは「あなごめし」。

今回の実演一番人気は、鹿児島の大ぶり角煮めしといったところか。

2階へエスカレーターで下り、フライングだったがOKとのことゆえ、早々に引き取り、帰路についた。

 

*****

次回へ続く。