前回の続き。

今回も駅弁&甘いものの実食レビューである。
 
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福岡焼き鳥弁当 (博多駅) (1,070円)

一面に敷き詰められたご飯に、各種焼き鳥が多数散りばめられた弁当。

鶏モモ、軟骨入りつくね、鶏皮がタレ。

ムネ肉はさっぱりと塩焼。

味のついたうずらのゆで玉子、銀杏、高菜炒めが脇を締める。

鶏皮まで入っているのが嬉しい。

刻み海苔が散らされたタレのかかったご飯の層は薄く、厚さ1センチに過ぎず、焼き鳥が余ってしまうほど。酒飲みの方なら、つまみに焼き鳥だけ半分ほどつまみ、残りを締めの焼き鳥丼にしても十分足りる。

 

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福岡焼き鳥弁当 塩 (博多駅) (1,070円)

上の姉妹品で、こちらは塩味版。

ノーマルな"たれ味"についていた"追いダレ"の代わりに柚子胡椒が付いている。

大抵の場合、私は焼き鳥はタレ派なのだが、こうして食べ比べてみると塩も悪くない。否、美味い。

上のタレ味も同じだが、ネギ、あとできればレバーか砂肝も追加してほしくなる。…というのは贅沢だろうか。

 

どちらも、余計なもののないシンプルな美味しい焼き鳥弁当である。

 
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炙り豚丼 (函館駅) (1,180円)

間違えて買ってきた輸送駅弁で、補欠扱いであった。

小ぶりの容器に白飯、豚肉炙り焼き(ロースか?)がメイン、

牛蒡揚げ、花形の人参煮、グリーンピース、紅生姜が脇をしめる。

豚肉は割と厚切りで、最初に食べた常陸牛サーロイン並みか、寧ろそれよりも分厚い。

量も思った以上に多く、器の見た目に反してたっぷり入っていた(つまり上げ底容器でない)白飯が余ることもなく、中々どうして食べ応えのある弁当であった。

 

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続いて甘いもの。
 
カスドース (平戸蔦屋) (1,296円/5個)

ポルトガル伝来の菓子で、400年以上もの歴史を誇る、嘗ては殿様だけが食べられる稀少菓子で、皇室にも献上されたという。

カステラを一晩寝かせた後、卵黄にくぐらせ、沸騰した糖蜜に浸して揚げ、更に砂糖をまぶして作るという。

素朴な、どこか異国の香りのするカステラ菓子だが、特に最初の一口はものすごく甘い。カステラ自体はさっぱりしているので、思ったほどしつこくない。

箱を開けた時、随分小ぶりに感じたが、これは沢山食べられる菓子ではなく、これ位が適量かもしれない。カステラのラスクとは別物である。

 

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あわまんじゅう (小池屋菓子舗) (1個145円)

ほぼ毎年リピートしているまんじゅう。

福島県会津のお店による。

あわと餅米の混ざったものでこし餡をくるみ、ふかしたもの。

あわぜんざいを饅頭にしたような優しい甘さが美味しい。

実演ブースはタイミングによっては結構列ができ、待っている間、製造工程を見ていると、ワンロット7×7=49個のまんじゅうを木箱ごと蒸し、出来上がったら熱々なので、売り子さんが懸命に団扇で仰いで冷ましていた。

持ち帰ってレンジで温める時は、1個20秒程度で十分だと思う。

 

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萩の月 (菓匠三全)(5個入簡易箱 : 1,031円)

もはや説明不要の超有名土産菓子。

当イベントに来るのは、毎回5個入簡易箱バージョンなので、あの優雅な佇まいの和服のお姉さんの化粧小箱に一つ一つ入った姿は見られないが、商品カタログの栞には林静一氏のイラストが載せられ、「小梅ちゃん」を思わせる優美な世界観が保たれている。

玉子味が色濃く、僅かにダマのような食感が感じられる独特のカスタードクリームは、やはり本品ならではのもの。

類似品、亜流は数あれど、ここだけは他の追随を許さない。

周囲のスポンジは柔らかく、ホロホロと崩れ、口に含むとふんわり優しい玉子の甘みが広がる。

 

嘗て「萩の調」という、本品のチョコレートバージョンも存在し、通販でお取り寄せしたことがあるが、やはり「萩の月」の魅力を再認識させられる結果となった。

 

ここで朗報。「萩の調」がほどなく期間限定販売となる。

更には「萩の調 煌(こう)」という、真っ白な「萩の月」も発売なるらしい。

「煌」のほうは、期間限定とは書いていないので、定番商品となるのだろうか?

→菓匠三全

因みに「萩の調」の化粧小箱は、やはり林静一氏のイラストがあしらわれ、長らく終売となっていたが、2021年冬から冬季限定で販売されているとのこと。

 

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次回へ続く。

前回の続き。

駅弁&甘いものの実食レビューである。
 
佐賀牛焼肉重 (博多駅) (1,480円)

駅弁リストで"佐賀牛"とみて、試してみる気になったが、佐賀牛なのに博多駅弁、更にはパッケージを見ると、製造者・松栄軒とある。松栄軒といえば、先に取り上げたあの巨大角煮めし弁当を作っている鹿児島の業者である。

駅弁も、我々の気づかぬところで集約化が進んでおり、似たようなことが神戸の淡路屋でも認めることができる。

つまり、京都駅の駅弁を神戸の淡路屋が作っていることがある。

先に取り上げた「きつねの鶏めし」も実はそうである。

 

さて、本品。だしご飯に佐賀牛の焼肉。脇をきんぴら牛蒡が固め、糸唐辛子のトッピング。付け合わせになます、玉子焼き。

写真左の野菜が玉ねぎ、右端がきんぴら牛蒡である。

味はとりたてて特徴のない、ごく普通の焼肉弁当であった。

やはり、佐賀牛といえばカイロ堂である。

九州の玄関口・博多駅弁といえども、現地メーカー製の個性の前では、入り口の紹介にすぎない。

 

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鶏めし弁当(大館駅) (1,070円)
比内地鶏の鶏めし (大館駅) (1,380円)

これらもほぼ毎年リピートしている品々。

以前は「鶏樽めし」といった個性的な豪華版が来たこともあったが、近年はこれら代表選手2種類に固定されている。

まず、今時珍しい素晴らしい包装に魅かれる。

「鶏めし」の方は、メイン食材の鶏肉も甘辛く煮込まれ、鶏の煮汁入の味付けご飯、そぼろ玉子、インゲン豆、栗の甘露煮含め、ほんのり甘い優しい味わい。

付け合わせのしば漬けが良い箸休めである。

写真では椎茸甘露煮に隠れてしまっているが、がんもどき煮が実に良い仕事をしており、枝豆入り蒲鉾と共に単調になりがちな甘みを引き締めている。

とうとうこの弁当も1,000円の大台を突破してしまった。

 

対する「比内地鶏」の方は、基本的な作りは「鶏めし」と同じだが、最大の違いは、鶏肉が塩焼きとなっていること。(鶏肉の品種も違う筈だが、それを感じ取るほど食べつけている訳でも、鋭敏な舌を持っている訳でもない。)

付け合わせも少々異なり、牛蒡の醤油煮、茄子の味噌田楽が加わっているのが一大特徴。

鶏の塩味、牛蒡の硬さ、対する茄子の軟らかくも鮮烈な味噌味。ほんのり甘辛のご飯とのコントラストは、こちらの方が際立つ。

弁当箱も一回り大きく、量が少し多いか?

 

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続いて甘いもの。

 

長野アップルパイ (デザートランドりんごの木)(1,255円/5個)

「銘菓コレクション」ブースで購入。

同じ場所で売られていた山形県の「生リップルパイ」と迷ったが、あちらは生クリーム入とはいえ、中が胡桃ときき、甘酸っぱさが期待できる本品を選択。

美味しいアップルパイは幾らでもあるので、本品がずば抜けて美味いか?と問われれば、そこまでとは思わないが、個包装で円形で食べやすく、ちゃんと林檎果肉が入っていて甘酸っぱい。

ご飯ものの駅弁が続き、結構重たい。パイ自体も結構重たいが、林檎の酸味が少しはそれを緩和してくれる気がする。

 

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次回へ続く。

前回の続き。

持ち帰った弁当、食品のレビューである。
 
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近江牛極四天王重ね (草津駅)

レアな赤色が食欲をそそるステーキにビフカツ、それらが乗った牛弁かと思いきや、白飯の下に牛焼肉、牛肉煮が入っていた。

付け合わせは大根、小松菜、もやしからなるナムル。

ビフカツ用に、単なるソースではなく、デミグラスソースがつくのが特徴。

あまり綺麗な断面ではないが、錦糸卵と一緒の牛肉煮のほうがすき焼き。

錦糸卵がなく、甘辛味が強いほうが焼肉。

ご飯とご飯の間に牛肉を敷き詰める手法は、数年前にあった常陸牛のミルフィーユ弁当を彷彿とさせるが、残念ながらあまり効果的とはいえないようだ。

すき焼き風に見せるために、何とか玉子を組み合わせようと、錦糸玉子を用いる例が多いが、錦糸玉子では食感が違いすぎて、すき焼き風の演出に全く寄与していない。バラ寿司を想起させ、寧ろ逆効果である。

やはりこの弁当のメイン食材は、上に乗ったビフテキとビフカツ。

丸ごとレンジで温めると、折角の赤色が茶色くなってしまうので、肉を全部取り除くと、ご覧のような血の色をした肉汁がべっとり。

ご飯は熱々、肉は冷え冷え。

何ともアンバランスではあるが、こればかりは致し方なし。

「近江牛【極】スペシャル」という、確か昨年登場した全面赤身ステーキという駅弁も並んでいたので、佐賀牛同様、この店もリピートして、次はそちらを買ってみようと思う。

 

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赤坂料亭「球磨川」監修黒毛和牛の
   すきやきと西京焼き弁当 (旭川駅) (1,480円)

輸送駅弁で、10:10に完売という日があり、一体どんな内容なのか?と関心を抱くも、入場まで30分かかったのでダメ元で探してみたら、私が行った日は偶々残っていたので、すかさず確保。

赤坂料亭「球磨川」とは…?というレベルだが、調べてみると政財界御用達の老舗料亭らしい。それに留まらず、仕出し弁当も何種類かラインナップされており、「国会議事堂」という弁当が最上位で、これでも3,000円少々。他の弁当の多くが高くて2,000円台前半で、年々高騰続きの駅弁大会よりも寧ろ安い。

中身は写真を見ただけで、こちらの方が上だとわかる。

実演販売の駅弁が如何にお高いかがよく分かる。

 

…と水を差すようなことばかり言っても仕方ない。

 

黒毛和牛のすき焼き、鶏そぼろ、あさり煮、鮭ハラス西京焼きと、メイン食材はなかなか賑やかで、脇の野菜も充実している。

しんじょ、たけのこ煮、人参煮、里芋煮、小松菜と油揚げの煮浸し、椎茸煮、スナップえんどう、だし焼玉子、生姜甘酢漬、さつまいも砂糖煮と多彩。

肉類は細切れで、大した主張はないが、駅弁の世界で激推しされる「牛肉どまん中」だって同じではないか。

すき焼きとサーモン西京焼きが果たして合うのかと言われれば、微妙なところだが、脂身たっぷりのサーモンハラスと牛肉を一緒に食べるという贅沢な味わい方ができる。

メイン食材の繊細な味わいもさることながら、寧ろ付け合わせの野菜類の上品な味わいにこそ、料亭の矜持を見た思いがした。

 

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きつねの鶏めし冬 (京都駅) (1,080円)

昨年に続きリピート。

醤油味の炊き込みご飯に、鶏の照り焼きがごろごろ。鶏のつくね、結びしらたき、人参、レンコンの各煮物、すぐき醤油漬けが乗り、別トレイにはエリンギと筍の煮物。

全体的にほんのり甘く優しい味。

これが、添付の七味唐辛子をかけると、一転ピリッとパンチの効いた引き締まった味に化けるから不思議だ。

容器は小ぶりで、防水の紙製だが、ご飯がぎっしり詰まっているため、見た目よりもボリュームあり。

 

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きつねのへそくり (新神戸駅) (1,380円)

同じ"きつね"でも、上でとり挙げた「鶏めし」とは随分趣が異なる。

人参とゴボウを細かく刻み素揚げしたもの、銀杏、イチョウの葉っぱを象った黄色いかまぼこ、もみじの形にくり抜いた小ぶりの人参煮が、甘辛く味付けされた油揚げが敷き詰められた上に散らされ、付け合わせに小松菜と人参のお浸し、梅干し、さつま芋甘煮。

…と思いきや、油揚げをめくってみると…

胡桃、合鴨炭火焼、南瓜素揚げにきのこの煮付け…多彩な食材が姿を現わす。

まさに"へそくり"そのものだ。

新潟の「えび千両ちらし」を思わせる、めくればびっくりの趣向。

ご飯は醤油で味付けられてはいるが、目立ちすぎない。

敷き詰められたお揚げさんが、結構しっかりした濃厚甘辛醤油味なので、多彩などの食材よりも、お揚げさんの味が際立つ。

まさしく「きつね」。

上で取り上げた京都駅の「きつねの鶏めし」と同じ調製元だが、"きつね度"は遥かにこちらの方が勝る。

 

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続いて甘いもの。

 

水羊かん (えがわ) (850円/箱)

これはほぼ毎年買っている。

年々高くなっており、あと数年もすれば1,000円の大台を超えるだろう。

瑞々しい味わいの福井名物水羊羹だが、駅弁大会には毎年来ているのが本品なので、私にとって福井の水羊羹といえば本品が代名詞的存在である。

黒糖が使われているのが最大の特徴。

平べったい大きなボール紙の箱に入っているのは他店と同じだが、更に内側に薄いプラ製トレイが奢られ、少々のことでは箱に汁が染み込むことはないだろうと思われる。

トレイは細かく仕切られ、短辺にぴったり一致する幅の木ベラが用意されているのは嬉しい心遣い。

これをザクッと差し込み、縦方向に一気にこそげ取る。実に気持ち良い。

物産展での販売を見据えた、優等生的一品である。

 

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次回へ続く。

 

前回の続き。

この日も朝から参戦。
前回とは異なり、既に開店後だった。
エレベーターで途中5階を押した人がいて、普段だったら「途中階なんかに止めるなよ」と心の中で悪態つくところだが、ふと閃いて一緒に降りる。
案の定、輸送列は更に下まで伸びており、7階からわざわざ下りるより多少の時短となった。
峠の釜めしやお椀、ヘッドマーク、復刻などは別の列となっており、プラカードのおばちゃんがいないと、どちらに並べばいいのか分かりにくい。
輸送列は、調理待ち、包装待ちなどはなく、レジも複数体制なので、まあまあ早く進む。嘗ての玉出木村家なら1時間程度は余裕で待たされる列の長さだったが、10:30頃場内へ通される。
10年以上前の、タイムセールバーゲン会場さながらの押し合いへし合いに比べると、入口で入場制限をかけるから混雑具合も知れたものだが、7階の別会場や、コロナ禍時の別フロアに比べると、コーナー自体がコンパクトになっている。
 
巷ではスイーツ缶が人気らしく、今回「全国推し缶選手権」と称して多数出店しているが、いただけないのはワンカップ酒と共に、輸送駅弁と一緒にしてしまっていることだ。
甘い菓子は好物だが、昔から重宝される筈のヨックモックの四角い缶や、嘗ての宝塚歌劇クリームサンドの筒形缶でさえも手持ち無沙汰にしている私にとり、お菓子の缶を集める気には全くなれない。
見たところ、混乱は生じていなかったようだが、もしスイーツ缶のみ目当てで来る向きには、輸送駅弁の長蛇の列に一緒くたに並ばされルナは迷惑千万なことだろう。
次以降もやるなら、せめてご当地パンか赤福並みの別コーナーにすべきだろう。
 
さて、輸送コーナーでは、下調べはしておいたのだが、それでも間違えて買ってきてしまったり、後半にしか来ない駅弁を懸命に探したり、うっかり買い忘れた駅弁があったりしたものの、"瞬殺"状態だったものが首尾よく買えた。偶々レジで全く並ばず、よく言われるキャッシュレス決済で長く待たされることもなく、スムーズに出てこられたのは運が良かったと言えるだろう。
 
前回、入場直後はどの実演ブースも並ばず買えたのに、当日昼に食べる用だけ買って早々に屋上へ行った結果、11時過ぎに実演ブースへ戻って夕飯用の弁当を買おうとしたら、随分並ぶ羽目になった教訓から、昼食用、夕食用問わず、本格的に混み出す前に弁当を買い回り、屋上へと至ったのは11時過ぎのことであった。
この時間ならまだバーベキュー卓は空いていた。
時折背中から吹きつける風が冷たく、油断すると蓋やら包装紙やら持って行かれそうになる。
早速実食タイム。
 
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佐賀牛サーロイン・ランプステーキ&すき焼き弁当
   (2,200円) (武雄温泉駅)

半生のピンク色が見るからに食欲をそそる2種類のステーキをメインに、すき焼きも少々。梅型人参、栗が申し訳程度の脇役。

いつものように塩味のタレが変に自己主張しすぎることなく、牛ステーキを引き立てている。

すき焼きとの相盛りゆえか、本格的なステーキ肉メインの弁当にしては、比較的リーズナブルな価格設定。

更に上位に「佐賀牛赤身ステーキ弁当」という、白飯の上が全て赤身ステーキの弁当もある。機会があれば、次はそちらを頂くことにしよう。

 

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たけだのあなご飯 (姫路駅)(2,160円)

後半登場する宮島口駅の「うえののあなごめし」が、穴子駅弁の揺るぎなき王者であることは疑う余地もないが、このイベントには毎度他にも幾種類か穴子弁当が出品/出店される。

本品は確か昨年も来ていたと思うが、食べそびれてしまったので、今年こそはと選択。

ご覧のように白飯の上一面に穴子が敷き詰められ、奈良漬、しば漬、生姜漬が脇を固める。

穴子は、うえのとは異なり、蒸し穴かと思いきや、白焼きしたものを炙り、タレでさっと炊いたという独自製法。

山椒の風味が心地よい。

 

底面こそ紙だが、側面はちゃんと経木が使われている点も好感が持てる。

更に本品で特筆すべきは、掛け紙の包装が今どき珍しくきちんとしていること。紙紐でかがり、割り箸を固定するためか、紐の結び方にも一工夫が見られる。

無料で紙袋に入れてくれるのも行き届いた配慮で、ちゃんと商品名まで記されている。

最近、評判を上げているようだが、某セクシー馬鹿の愚策でレジ袋が有料化されると、プラスティックに全く無関係の紙袋まで便乗して有料化する浅ましい店屋が続出した中、こうした配慮をしてくれるだけで好感度アップである。

自社製品に自信を持ち、力を入れ、更にはそれができるだけの企業体力があるということなのであろう。

ひと頃、鰻が品薄になった時、代用食品が取り沙汰されたことがあった。

鰻の蒲焼そっくりに作られた練り物、サンマの蒲焼などをメディアは取り上げていたが、練り物は練り物。

残念ながら食感が全く異なり、嘗ての「TVチャンピオン・和菓子職人選手権」の、鮪の刺身そっくりな練り羊羹、銀箔を纏ったサンマ塩焼を模した練り切りなどを思い出した。

誰も言わないが、穴子の蒲焼こそが、鰻に最も近いと思うのである。尤も穴子ならではのさっぱり風味、香ばしさ、旨味…鰻の代用品などとは決して言えない、穴子ならではの魅力を感ずるものではあるが。

 

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再び会場へ下り、口直し。

 

ジェラート (シングル:500円/ダブル:700円)

再びジェラートである。何せ21種類もあるのだから、気になるフレーバーを求め、今回も「ダブル」を選択。

今回は色鮮やかなスペシャル感のある「18番:アディーナ」、「19番:ロドルフォ」を選択。

前者は、ミルク、マンゴーソルベ、ラズベリーソルベの3色、後者はピスタチオ、レアチーズ、タロッコオレンジソルベの3色の組み合わせ。

共に同じ店の同じシェフの手によるものゆえか、マンゴーとピスタチオが目立つ程度で、さほどのインパクトはなし。

 

この日、前半で行くのは最終だったので、甘いものを買い回ると、大きな紙袋が満杯になった。早々に帰路に就く。

 

次回へ続く。

 

前回の続き。

 
大ぶり! トロッと角煮めし (出水駅) (1,800円)

「でかネタ対決」の一角をなす弁当。

同じ調製元に、「げんこつ黒豚角煮重」という駅弁があるが、それを更にシンプルかつ角煮を大きくした弁当。

残念ながら、メイン食材の角煮は、チラシ写真のような黒い焦げ目が香ばしそうなものではなく、列に並んでいる間、製造工程を見ていると、結構個体差があることに気がつく。

私に当たったのは、完全に一体ではなく、上の写真でゆで玉子の下にある部位は別体で、細かく2つに分かれていたが、玉子の上の角煮は、その名に恥じない大ぶりなもので、トロリと箸でも切れる柔らかさ。

ボリューミーな具材が盛り上がっているだけに、蓋も背高だが、逆に容器の下は、悪評高き上げ底である。

木目調のスチロール製側板の高さの上半分にしかならない内側トレイは、嘗てのラーメン弁当や、幾度となく煮湯を飲まされ続けた福井の海鮮系弁当を彷彿とさせ、実に気分が良くない。

尤もこの弁当のご飯は、濃厚なバターライスであり、これがフルサイズ容器にぎっしりでは、胸焼け必至であったろう。

 

前にも同じことを記したが、ゆで玉子がちゃんとした本物を使っているのは好感が持てる。

 

駅弁の中には、見た目と保存性重視ゆえか、明らかに色合いが不自然な偽卵を使っているものも少なくない。

本品はすき焼き弁当ではないが、日本人の味覚に合うのか、すき焼きメインの駅弁は数知れない。すき焼きには本来生玉子が欠かせないが、傷みやすい食材である。そこで温泉玉子、ゆで玉子、玉子そぼろ、果ては錦糸玉子などで代用される。

殻付き温泉玉子が別添なのは、ものすごく良心的な部類であろう。

半熟玉子風の偽卵が付けられるものが出てくる。

特にすき焼き弁当なら半熟玉子は歓迎すべきものだが、擬態した人工物を口に入れるのは、玉子だけに気味(黄身)悪い。

 

固茹ででいいから、本物の玉子が添えられていると安心する。

 

特筆すべきは、わざわざプラ製ナイフまで用意されていること。

ジェラートを食べたイートインコーナーで、この弁当をプラ製ナイフで巨大角煮を切り分けながら立ち食いしていた強者がいたが、豚の厚切り角煮は、冷めると案外固いんだよなぁ…。

この弁当は、絶対に持ち帰ってレンジで温めた方が良い。

 

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ぶりかまめし (富山駅) (1,550円)

行く度に欠かさず食べている弁当。

ブリのカマを骨ごと柔らかく煮込んだメイン食材を中心に、ワカメ、白海老、刻み生姜が脇を固め、控えめの酢飯がたっぷりと入っており、上の「角煮」の上げ底とは実に対照的だ。

甘辛味のブリかまは、柔らかい骨と、意外にたっぷりついた身が、他にないコンビネーションをなし、唯一無二の味わいがある。

以前に比べると、ブリかまは随分小ぶりになった気もするが、それでも依然として高い満足を与えてくれるのは間違いない。

「ますのすし」で有名な調製元による弁当で、冬期は姉妹品に「ぶりのすし」があるが、本品のブリかまは、もしかするとその派生品の有効活用なのだろうか。

 

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続いて甘いもの。

 

水ようかん (錦梅堂) (900円)

ジェラートやソフトクリームを食べるコーナーの向かいに出店しており、「羽二重餅」がメインだが、本品を見つけ、衝動買い。

福井県では冬季に水ようかんを食す習慣があるらしい。瑞々しくほんのり甘い水羊羹は、夏場はさぞかし傷みやすいことだろう。

保存のきく冬に食べるのは、実は理に叶っていると言えるのかもしれない。

 

「銘菓コレクション」に毎年来る「えがわの水ようかん」と図らずも食べ比べが叶うこととなった。

このイベントで「えがわ」以外の水ようかんが売られることは、私の知る限り初めてである。次の福井物産展で、県内のあちこちのメーカーから水羊羹が、競作よろしく売られるので、そちらでは前に買ったことがある。

接客してくれた、ご店主かもしれない壮年の男性にそう話すと、今年は福井物産展がなく、こちらに呼んでもらえたと仰っていた。"呼んでもらえた"という言い回しが、ご店主以外の方から出てくる言葉ではないと思えたのだ。

黒糖が隠し味となっている「えがわ」に比べると、こちらはオーソドックスなこしあんの味。

素朴なほの甘さが上品で、スルリと喉を通る。

欲張って3個、4個と食べたくなるが、向田邦子氏がエッセーで"水羊羹を欲張って幾つも食べるのは馬鹿"と仰っているので、せいぜい2個止まりで我慢するとしよう。

大きく平べったく、水平にして持ち帰ることが推奨される。

専用のビニール袋に入れてくれるが、これだけ提げて帰るわけにもいかず、他の弁当を上に重ねて持ち運んだところ、防水加工のボール紙箱に直接流し込まれ、ビニールシートが上に乗っているだけのせいか、防水ではないボール紙製の上蓋がたわみ、水羊羹の水分が染み込んでしまっていた。

 

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次回へ続く。