今年も駅弁大会の季節がやって来た。
すっかり駅弁専門となってしまった感のある当blog。
今回も、暫しお付き合いのほどを。
駅弁大会―――正式には「元祖有名駅弁と全国うまいもの大会」。
昨年、60回目を迎えた反面、新宿京王百貨店再開発が迫る中、最悪廃止になるのでは?と危惧していたが、今回も無事開催されるに至った。
毎度のことだが基礎用語の復習から。
「実演販売」…7階会場の販売ブースで、調理して出す駅弁。
「輸送駅弁」…現地から輸送されてくる駅弁のこと。多くは7階特設会場にて販売されるが、7階の実演販売ブースで、調理されるものとは別に、同じ調製元の駅弁が輸送&販売されるものもある。
「全国うまいもの」…会場の販売ブースで売られる、駅弁以外の食品。
公式サイト掲載のチラシのスクリーンショットを借用。
今回の"対決企画"は"でかネタ対決"。
取り上げられる弁当同士が特に鎬を削るとか、売上個数を企画内だけで競うとか、そんな様子は微塵も見られず、"対決"になっていないので、紅白歌合戦同様、個人的にはあまり意味がないと思っている。最も「紅白」の場合、男女混成グループが出てきたり、性別無関係でいずれかの組に強引に組み入れたり、近年は反日国のグループを強行出場させる某放送局のあり方そのものに批判が集まり、男性軍vs女性軍どころの騒ぎでないような気もするが…。
今回の"でかネタ"は、昨今のコンビニ弁当において、期間限定のデカ盛りとか、増量とか、そういった品々がものすごく売れ、時に"瞬殺"状態にあるのを見るにつけ、目を引くことは事実。目の付け所は良いと思う。
デカ盛りで目を引き、高価なデカ盛りを買わせ、客単価を上げるーーーロピア商法そのものではないか!
その一方で、これは近年毎年書いていることだが、廃業、撤退する店、アイテムが後を絶たない。毎年楽しみにしていた品が来ないことの寂しさを、毎年のように感じさせられている。
長崎鯨カツ弁当の調製元は昨夏前に倒産し、「肉のふがね」は出店を見送るという。「5ちゃんねる」情報では、釜飯の「駒乃屋」も近く店を閉めてしまうという。
更には、未だ記憶に新しい"令和のコメ騒動"だ。
米飯弁当が大半を占める駅弁にも、その影響は測り知れない打撃を与え、価格高騰が止まらない。
原材料費の高騰はコメに限らず、例に出して悪いが、北海道の「いかめし」は、今回何と1,480円もするのだそうである。
私がこのイベントに通い始めた最初の頃は、同じ量で5〜600円であった。実に3倍近くに跳ね上がってしまった。
こうなると、ちょっとした高級品である。
コーヒー代くらい足せば、昔から高い高いと思っていた神保町「ボンディ」のカレーが食える。「キッチングラン」から改名の上、復活を遂げた「キッチンVIVA」の盛合せなら、高くなったとはいえお釣りが来る。
「いかめし」の擁護をしておくと、小ぶりのイカが高騰しているらしいのである。
大晦日の日が暮れてから、漸く公開された「駅弁リスト」を見るに、千円以内で買える弁当は今や絶滅危惧種となった。
逆に以前は2,000円というのが価格の上限ラインだったのが、今やちょっと気を惹かれる駅弁は2,000円台後半が当たり前。流石に3,000円の大台を突破するものは未だ数少ないが、ゼロではない。
この時期、例えば池袋東武の大北海道展などでは、何と1万円超の高級牛肉弁当まで現れ、噂に聞く「ORIGAMI」の食事メニューさえ凌駕する超高級ぶり。尤も駅弁ではないが…。
1万円超の駅弁ともなると、確か日光彫の弁当箱に入った予約弁当がそうだった気がするが、あれはほぼ器代。絶対に容器をポイ捨てなどできず、実質的には高級容器お弁当付きといった趣であろう。さながら往年の「ビッグワンガム」、もう少し時代が下れば「チョコエッグ」の延長線上かもしれない。
"駅弁強盗"など出てくる可能性だって出てこようというものだ。
昔の鉄道百科に載っていた高級駅弁といえば、神戸牛の高級すき焼き弁当「村雨」だが、名前だけ知ってはいても、実物を目にしたことのない幻の駅弁であった。
その「村雨」さえ、確か2,500円位だった筈。
如何に現代の駅弁が高価なものになったかが窺い知れる。
尤も貨幣価値が違うから、昔の2,500円は、さしずめ今の5,000円位の感覚かもしれない。
新幹線沿線に因んだミニ駅弁詰め合わせ弁当は、「My駅弁」という、決められた範疇から4種類を、ユーザーが自由に選べる方式へと発展した。
対象駅弁の販売ブースでは、さながらミニチュア駅弁の体で「My駅弁」用のものが売られ、ちゃんとミニチュア化された掛け紙まで用意されている。
各ブースに展示するなら、いっそのことミニチュア単品で売ってくれればいいのに…と思う。
「My駅弁」は、制度が面倒で、手を出す気にはなれない。
…そんなわけで、パッと目を引く"でかネタ"と、今回も実演叶った、後半登場の「うえののあなごめし」くらいしか、個人的には食指を動かされるものはなく、まぁ食べ過ぎを気にしなければならない歳になってきたことだから、丁度いいか…と、恐ろしくやる気がない。
何せ私にとっては、
・My駅弁、めんどくさい
・キャラクターものいらない
・ヘッドマークいらない
・(明石居住歴あるくせに)タコあまり好きじゃない
→ゆえに、蛸壺容器いらない、集める気ない
・カニ、蒸しウニ、魅かれない
・お椀いらない
・記念どんぶりいらない
・うどんいらない
・コロッケいらない
・ご当地パン、散々食った…
・ぴよりんいらない
・バイク…いいや
・玉出…買いすぎ、食べ過ぎになるから、まぁやめとくか それにあんなに並ぶのが嫌
・高すぎるのは勘弁
・輸送に並ぶのは最低限で済ませたい
…お好きな方、楽しみにされている方、暴言多謝。
どうもすみません。
"だったら行くな"と言われそうですね。
以下は、これらの要素を避けつつ、幾度か足を運び、実食に至った、極めて個人的な記録と感想である。
**********
1月某日のこと。
ギリギリ開店前に間に合う。
今回から、開店前に並ぶのはMBという中地下のエレベーター前が最優先らしい。
この日は、輸送は最初からパス。開店直後の実演ブースは、どこも信じ難いほど空いており、この日お昼に食べたい弁当を、ほぼ並び無しで買い回り、早くも屋上へと向かう。
学生時代の早弁でさえ、なかなかこの時間はなかったぜ、という、時間はまだ10時半。
*****
・のどぐろと銀鮭いくらのえんがわ弁当 (新潟駅) (2,300円)
今年のトップバッターはこれにした。
嘗ての名作弁当・「のどぐろとサーモンといくらの弁当」のDNAを色濃く受け継ぐ弁当。
違うのはカラスガレイのえんがわが入っており、ご飯が茶飯ではなく酢飯になっていることである。そのため、ちらし寿司により近い。少量とはいえイクラも乗っている。
メイン食材ののどぐろ塩焼は、一時に比べると、やや大きめのものに戻った感あり。
漬けサーモンが割を食った気がしなくもなく、量は少なめ、身も貧相になったが、安定の美味。
お寿司なので、醤油とわさびが付いているが、のどぐろに醤油をかけるべきか否か暫し迷った末、避けておいた。
塩焼ゆえ元々味はついている。折角の高級魚を、辛みでひたひたにしたくないと思った。漬けサーモンも醤油は不要。
結果、少量のカレイ縁側と酢飯に集中してしまい、随分わさび醤油の効いた酢飯となってしまった。反省…
*****
・焼き釜 (駒乃屋) (1,620円)
時々間引いてパスしてきたが、ほぼ毎年食ってるからいいか…と思っていたら、上述の如く、どうやら最後の機会になるかもしれないと思い、予定外の購入。
朝イチゆえ売り切れや、"待ち"にならなくてよかった。
"5ちゃんねラー"の間では専らこの「焼き釜」が人気で、実際よく売れるせいか、他の釜飯よりも多く並んでいた。
優しい甘辛味の五目釜飯である。
ほんのり甘い鶏モモ肉をメインに、ゴボウ、ニンジン、錦糸卵、エンドウ豆、うずらの茹で玉子、椎茸もあったかな…?
表面から一点突破で掘り進め、適当なところでうまく"えいやっ"とばかりに掘り返すと、本品ならではの真っ黒おこげが姿を現わす。
アツアツのおこげご飯をはふはふ言いながら頬張る悦楽‼︎
これが恐らく今回限りとは、何ともお名残惜しいことよ!
*****
・常陸牛サーロインステーキ重 (水戸駅) (2,780円)
初っ端だから、3つ目も行っておくか。
買ったのはこの弁当がトップバッターであった。
でっかいビニールに買った弁当を入れる私を見て、お店のおっちゃんに「今日は何個買うの?」と尋ねられた。
「今日は上で食べる分と、夜食べる用にあと2個ずつです。最初だから、大人しくしときますよ」
そう答えた。
現地からこのイベントのためにお店の方もわざわざ出張されて来る。結構気さくに話しかけて来られる方もいて、血の通ったやりとりが偶にある。こういうところが実は好きだ。
びっしり敷き詰められたサーロインステーキ…を名乗るには、少々肉が薄く、豚の生姜焼き用ロース並なのだが、一応噛みごたえはあるので、肉肉しさは十分感じられる。
面白いのは、脇の玉子そぼろだけでなく、肉の下、ご飯の上には、海苔、きんぴらごぼう、小松菜、椎茸、確か炒めモヤシもあったような…結構野菜系具材が多数隠れていること。
肉だけ食ってちゃ、ダメだぞ!
野菜もたんと食え!
そう言われている気がした。
**********
すっかり腹がくちくなったところで、再び場内へ。
ある意味、今回前半のお楽しみの一つ。
ここからは、冷たくて甘いもの専科!
・ジェラートコレクション (シングル:500円/ダブル:700円)
正面入口右手に大きなショーケースがあり、主に女性客が時折足を止め、多数並んだジェラートたちを覗き込んでいるが、売り子のおっちゃんの呼びかけ空しく、あまり買う人はいなかった。
とはいえズラッと居並ぶフレーバー数、実に21種類!
嘗てのイタリアンジェラートブームの頃に比べると、ジェラート店も随分デパ地下から姿を消した。
偶に見かけても、今どきのジェラート屋は、何であんなに高いんだろう?
ダブルで1,000円超えなんてところもあるんですぜ。
あゝ松屋銀座にあった「ペラキアサンテ」、東武や高島屋にあった「パンチェーラ」、セゾン系にあった「ラ・ケーリ」が懐かしい。
…これらの店が百花繚乱だった時代、ジェラートという食べ物は、シングルで200円台半ば、ダブルで4〜500円代、トリプルなんて強者もあって、それが700円もすれば高い方。
そんなお手軽価格だったのは遥か昔。
今ではジェラートはすっかり高嶺の花と化してしまった。
そんな現状からすれば、特に「ダブル:700円」というのは、今どきのジェラートにしてはまだ良心価格と言えるのではないか?
21種類を誇るフレーバーの中から、今回は
4番・マレーナ
8番・オレンジバニラのマスカルポーネ
を選択。
それぞれ、大阪府、石川県の店のものらしい。
「マレーナ」は、ローストしないアーモンドに、シチリアオレンジが隠し味。
「オレンジバニラのマスカルポーネ」は、オレンジ味のレアチーズ風ジェラートのフランボワーズソースがけ。
上の写真では、「マスカルポーネ」が上で、そちらから食べ進めることになる。
期せずしてオレンジが被ってしまったが、さっぱりしたチーズ味の「8番」、ローストほどではないがアーモンドの粒々が良いアクセントとなる「4番」。いずれもありきたりでない一捻りした味わい。
…とここまで書いて、「マスカルポーネ」の味に、何だか既視感を覚え、昨年の当blog記事を辿ってみて驚いた。
昨年、多分同じものを食べていたらしい。
…昨年のことなどすっかり忘れ、直感で選んだが、やはり好みは変わらんものだなぁと改めて思った。
*****
・清泉寮ソフトクリーム (500円)
〽︎思えば遠くへ来たもんだ…
じゃないが、このソフトクリームも遂に500円まで値上がってしまったか…。
ワンコインで食べられなくなる日もそう遠くないかも…。
濃厚すぎず、クリーミーすぎず、僅かにシャリシャリした食感なきにしも非ず。甘さも控えめすぎず、さりとて甘すぎもせず。
熱気の籠った場内で、この清涼感が堪らないオアシスとなるのである。
店名が味を表わしているようではないか!
*****
・ぶどうジュース (菅原ぶどう園) (300円/1杯)
のどに潤いを齎すオアシス、もう一丁。
やはりこの店の、何ともいえない風味の、このミックスぶどうジュースの味わいは、唯一無二のものである。
嘗て瓶で2本ほど送ってもらったこともあったが、単一の品種でできた上等の瓶ジュースよりも、寧ろミックスのほうに魅かれるのである。
**********
今回はこれにてお終い。
この日持ち帰った弁当と、甘いもののレビューは次回。


























































