インフル増殖の仕組み解明 複製の酵素標的に新薬も
RNAポリメラーゼの構造は人、鳥、豚などのインフルエンザに共通しており、変異しにくい。筑波大大学院の永田恭介教授は「この構造を標的にして酵素が機能しないようにすれば、どんなタイプの新型インフルエンザにも効果がある新たな薬が開発できるのではないか」と期待している。
永田教授らは、ポリメラーゼは3つの部位が結合しないと機能しないことに注目。結合部分の構造をエックス線で解析し、結合に重要な役割を果たしているアミノ酸を突き止めた。このアミノ酸が変異するとポリメラーゼの活性が低下することを確認した。
結合部分にはまりやすい化合物を探し、約400種類をリストアップ。これまでウイルスに感染した細胞を使い百数十種類の化合物を実験し、2種類がウイルスの増殖を抑制した。3つの部位の結合を妨げているらしい。さらにほかの化合物について調べている。
これまでの抗インフルエンザウイルス薬は、感染後時間が経過すると効果が薄れたり、ウイルスが耐性を持ったりするなどの課題があった。(47 News)
コメント:
この研究分野で実績のある先生方からの基礎研究報告です。
ただし、論文を見る限り、上記の記事に書かれている「期待」が実現するのには、
まだまだ、かなり長い時間がかかります。
臨床応用まで、いろいろステップをクリアしていっても、日の目をみないことも考えられます。
とはいえ、どんな疾患に対する治療候補についてもいえることですが、
特にインフルエンザと戦う武器の候補は、いくらあってもいい。
ディナベック、iPS細胞を安全に作製する手法開発
では、久しぶりにiPS細胞のNewsを・・・。
今朝の日経の産業面には、以下の内容が載っていました。
「VBのディナベックは、iPS細胞(ヒト万能細胞)を安全に作製する新手法を開発した。
ディナベックが開発した手法は、遺伝子は注入するが、遺伝子を導入する運び役として、
遺伝子治療で使われてるセンダイウイルスを使う。
センダイウイルスは、iPS細胞やES細胞(胚性幹細胞)と相性がよく、
細胞質には入るが核内には入り込まないため、染色体を傷つけるこがなく、
移植後の細胞「がん化」の危険性を極めて低くすることができる。
iPS細胞作成には、がん遺伝子を含む3から4個の遺伝子を導入しなければならないが、
センダイウイルスを使うことで導入した遺伝子はiPS細胞作製後に消えるという。
米国で遺伝子を注入せずiPS細胞を作成する技術が話題になっているが、
作製効率が下がるなどの課題もあり、効率よく安全にiPS細胞を作製できるディナベックの新手法が注目されている。 」
・・・ということで、この内容は、来週中に学術誌に掲載されるとか。
あれ?来週、どこかに掲載って?・・・じゃ、この論文は、Cell,Nature,Scienceじゃないな。これらの学術誌は掲載前には、規定で、上記のような報道ができないですから・・・。他の一流学術誌も同じようなものです。これほどの内容なら、先のScience誌のトムソン先生らの報告と並ぶと思うが・・・。
しかし、来週なら、会社も待てばいいのになあ。
あれ?、「株価対策」のために日経に載せたのかな?(笑)
まっ、どこの学術誌に載るのかを、論文の内容に凄く興味があります。
なお、おそらく、この論文内容は(論文が出れば)、おなじみの「京都人」さんがブログで詳細解説されるでしょう。
高温多湿の季節では、新型インフルは大人しくするの???
一般に、季節インフルは高温多湿に弱いです。
だから、今回の新型についても、「専門家」らは「日本では、6月になれば終息する」とか「雨でウイルスが洗い流される(笑)」とか、新聞や雑誌などで言っています。
皆さん、おもしろい科学的思考の持ち主でいらっしゃいますね(笑)。
私は、以前のブロク記事でも、患者さんが多く発生しているメキシコシテイは、高温多湿なのに、ああいう発生状況ですが・・・と書きました。
今回の件が問題になりだした時期の当地の気候は、下記のとおりです。
メキシコシテイ
4月29日(水) | 4月30日(木) | 5月1日(金) | 5月2日 (土) | 5月3日(日) | 5月4日(月) | |
---|---|---|---|---|---|---|
天気 | 晴れ | 晴れ | 晴れ | 晴れ | 晴れ | 晴れ |
最高気温 | 26℃ | 26℃ | 25℃ | 25℃ | 24℃ | 25℃ |
最低気温 | 13℃ | 13℃ | 14℃ | 13℃ | 13℃ | 13℃ |
湿度 | 83.00% | 83.00% | 86.00% | 85.00% | 85.00% | 84.00% |
風速 | 1m/s | 1m/s | 1m/s | 1m/s | 1m/s | 1m/s |
一方、日本の5月・6月は、下記のとおりです。(2002年度で申し訳ないが)
http://www.hamegg.jp/rodents/temperature01.html
関東(東京都/東京)
1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | |
最高(℃) | 18.1 | 17.7 | 23.9 | 28.0 | 27.5 | 31.1 | 34.8 | 35.8 | 33.9 | 29.4 | 20.4 | 18.7 |
平均(℃) | 7.4 | 7.9 | 12.2 | 16.1 | 18.4 | 21.6 | 28.0 | 28.0 | 23.1 | 19.0 | 11.6 | 7.2 |
最低(℃) | -0.3 | 0.3 | 3.9 | 9.1 | 12.4 | 15.6 | 21.1 | 20.7 | 15.4 | 9.1 | 4.8 | 0.0 |
湿度(%) | 46 | 48 | 49 | 57 | 64 | 69 | 70 | 66 | 69 | 62 | 50 | 57 |
比べてみれば、わかるように、今までのインフルエンザの常識は、必ずしも、今回の新型には当てはまりません。この点でも、「第1波」については、無用に恐れることはないけれど、悠長に構えることも許されないということです。
予防マスクの件は、このブログでも散々書いています。
今朝の朝日新聞の朝刊でも、取り上げられていましたね。
「マスクで予防」過信は禁物って。
対策は、私の過去記事でも、見てください。
「ひとり酒」は脳卒中リスク高い? 男性の飲酒、適量でも
厚生労働省研究班(主任研究者=津金昌一郎・国立がんセンター予防研究部長)は21日、
適量でも1人で酒を飲む男性は、友人や家族との社会的交流の多い男性に比べて、
飲酒による脳卒中のリスクが高くなるとみられるとの調査結果を発表した。
仲間と楽しく飲んだほうがストレスを発散でき、脳卒中の予防につながる可能性があるという。
アルコールは血液が固まるのを防ぐ作用などがあり、適量の飲酒は循環器疾患になるリスクを下げる。
ただし血圧を上げる作用もあるため、飲酒量がエタノール換算で週300グラム(日本酒で1日あたり2合、ビールなら大瓶2本程度)を超えると一般に脳卒中リスクは高くなってしまう。
研究班の磯博康・大阪大学教授は40―69歳の男性約1万9000人を10年間追跡。
このうち、飲酒量が週300グラム未満(エタノール換算)の適量飲酒をしている人に焦点を当て、
家族や友人などとの社会的な結びつきが多いかどうかが、飲酒と脳卒中リスクとの関連に影響するか調べた。
コメント:
まず、医学的にみて、「適量飲酒」という概念・言葉はありますが「適量喫煙」というものはありません。
そこで、今回の調査では「適量飲酒」に焦点があてられている。
当然、喫煙など、脳卒中のリスクファクターになりうる生活習慣上の諸項目を統計的に調整(いわゆるバイアスを排除する)したうえでの上記の結果だとは思うが、どこまで、それができたか怪しい・・・。
1人で酒を飲むことが好きな男性は別として、そうせざるを得ない情況の人は、そもそも、「適量」といえども、飲む前になんらかのストレスを抱え、他のリスクファクターを既に多くかかえておられることが多い。それ自体が、脳卒中のリスクファクターである。
それに、家族・社会との結びつきが多いことが、そもそも「善」とされたうえでの研究だが、果たしてそうだろうか?
このあたりのアセスメントが、どの程度のものなのかで、上記の研究の質がわかる。
死者数、鳥インフルに並ぶ 「弱毒性」も侮れず
新型インフルエンザウイルス(H1N1型)は、感染者の大半が軽症か無症状ですむ「弱毒性」との見方が有力だが、4月下旬に流行が確認されてから1カ月程度で鳥インフルエンザ1年分の死者を出したことは、重症者の比率が低くても多数の人が感染すれば強毒性ウイルスに匹敵する被害をもたらすことを意味する。
WHOの進藤奈邦子医務官は「弱毒性でも感染力が強いと(患者全体としての)健康被害という意味では、全く侮れない」と警戒の必要性を訴えている。
鳥インフルエンザウイルスの感染者は03年以降の累計(5月15日現在)で424人、うち261人が死亡した。うち115人がインドネシア、56人がベトナム、25人が中国など犠牲者はアジアに集中。ウイルスが変異して人から人への感染力を獲得し、世界的大流行(パンデミック)になることが最も恐れられている。
・・・ということです。
が、今回は「弱毒性」・「強毒性」という言葉が、どうも独り歩きしすぎです。
季節インフル程度だといわれますが、それだけでも、日本人で多いときなら、年間1万人、米国なら3万人くらいは亡くなるわけです。
今回の新型(の第1波)と季節インフルで、上記の数は、どうなるか?
このままだと、増加するでしょうが、減らす準備(新しい治療法の開発)は着々と整えています。
全国的にA型インフルエンザの感染例増加 新型が潜在的に混じっていると指摘する声も
5月20日0時22分配信 フジテレビ からの記事
新型インフルエンザの感染者増加を受け、対策の国内シフトが進んでいる。
こうした中、全国的にA型インフルエンザの感染例が増加しており、
新型が潜在的に混じっていることを指摘する声もある。
舛添厚労相は「当然、国内にもうウイルスがまん延しているというのを想定していいですね」と述べた。
感染拡大への懸念。こうした中、気になる現象が現れている。
それは、季節性インフルエンザの流行。
東京・江戸川区にある「みやのこどもクリニック」の宮野孝一院長は、
「5月は(インフルエンザ患者が)ほとんどいなかったはずです、去年は。
先週が12~13人ですね、1週間に。新規のインフルエンザ」と話した。
季節性インフルエンザの流行期間は、例年12月から4月ごろまでだが、
2009年はなぜか、流行が長引いているという。
宮野院長は「4月の上旬、中旬ごろから、徐々にまた増えてきているというのが現状で、
ほとんどがA型というのが特徴です。非常に不気味な感じはします」と語った。
新型インフルエンザと同じA型の流行。
国立感染症研究所が全国5,000カ所の定点医療機関を対象に行っている集計でも、
4月下旬の発生件数は、過去5年間の平均値を上回っている。
これは、いったい何を意味するのか。
東京医科大学の松本哲哉主任教授は「検査なしでは新型なのか、
いわゆる季節性のものなのか、判別は難しいと。
精密検査されてませんから、そういうことは確定はできませんけど、
そういう人が中に紛れ込んでたとしても、それはもう全然おかしくない」と指摘した。
当初、海外渡航歴のある患者に対して行われていた遺伝子レベルでの検査。
一方、初めての国内感染は、渡航歴のない高校生を診察した開業医が、
検体を兵庫・神戸市に提出したことで判明した。
開業医が季節性インフルエンザと思って検体を提出しなければ、発見が遅れた可能性もある。
松本主任教授は「新型インフルエンザが都内に現時点で持ち込まれている可能性は、
かなり高いと思います。
気づかないまま、やっぱり同じようなことが東京でも繰り返されるかもしれないし。
今の時点でA型がもし出たとしたら、それはやはり積極的に疑って、
検査をやられる方がいいと思いますよね」と語った。
水面下でまん延しているかもしれない新型インフルエンザ。
冷静かつ十分な注意が必要となる。
コメント:
神戸の開業医氏は、ファインプレイである。アッパレ!
東京は、最初からケチって、精密検査のやり方が杜撰だったから、まだ「患者ゼロ」ということが、
いよいよ明るみにでたわけだ。
上記の宮野院長と、同じような経験をしている都内の医師は多いはず。
少なくとも「納豆」食べてるから、首都圏の人々は新型インフルエンザに罹りにくいなどということは、ありません。
首都圏の皆様、そろそろ、ご注意ください。
「好きな音楽」に血管拡張の作用 米研究者が報告
(CNN)から・・・
好きな音楽を聴いて楽しい気分になっている時、私たちの体内ではどんな変化が起きているのか。
米メリーランド大医療センターで循環器医学を研究するマイク・ミラー博士によれば、
血管が拡張し、血液の流れがよくなる効果が確認された。
ミラー博士らは、高機能の画像機器を使い、音楽を聴いている人の血管の変化を調べた。
同博士によれば、本人の好きな曲がかかると「血管の内壁が弛緩して血液が通りやすくなり、
心臓を保護する作用のある化学物質も分泌される」ことが分かった。
ただ、それほど好きでない曲になるとこの効果はみられず、血管は収縮し始めた。
また、たとえ好きな曲でも何度も繰り返して聞くうちに、効果が薄れる傾向も明らかになったという。
血管は慢性的なストレスなどで硬くなり、
その結果、高血圧や心臓発作、脳卒中のリスクが高まることが知られている。
ストレスには免疫力を低下させたり、老化を速めたりする影響もあるとされる。
それでは逆に、楽しい気分で過ごすことで血管などを健康に保つ方法もあるのではないか。
ミラー博士はそう考え、まず「笑い」の効果を研究した。
その結果、コメディー映画を見て笑うことにより血管が拡張することが分かった。
博士らはこれに続くテーマとして、音楽を選んだという。
音楽でストレスや痛みを和らげる「音楽療法」は、すでに多くの病院で取り入れられている。
米スタンフォード大の最近の研究では、
うつ病と診断された高齢者らが音楽療法士の訪問で自信を取り戻し、症状が改善した例が報告された。
ミラー博士は「音楽のリラックス効果で老化を遅らせることもできるはず」と、今後の研究に意欲を示している。
楽しいとき、辛いとき、血管には、こんな影響が及ぼされるということです。
なお、がん治療にも効果がありますよ。
「笑うこと」や「心から楽しむこと」っていうのは。
ところで、新型インフルエンザのおかげで休校になり、自宅でいるのはストレスたまるから、カラオケにいこうとしたら、入店拒否された高校生らがいるそうですね。
かわいそうに。
マスクに一定のインフルエンザ予防効果 ???
日経Medの記事から。
「インフルエンザの予防策から外せないのはマスクの使用だ。
しかし、臨床的な経験を根拠に、装用が推奨され、
あるいは指導されているのが現状で、その検証は十分とは言えない。
このほど関西医科大学の久保伸夫氏、ユニチャームの石神まこと氏、
五十嵐クリニックの五十嵐利一氏らのグループは、
ある小学校を舞台に有効性を検討し、
一定のインフルエンザ予防効果を確認した。
昨年の日本小児感染症学会で報告した。
対象は、東京都荒川区立のある小学校に通う1~6年。
このうち保護者の同意を得られた254人を対象に、
マスクの装用グループ(161人)と非装用グループ(93人)に分けて、
インフルエンザの予防効果を検証した。マスクには、立体形状マスクを使用した。
試験期間は2007年2月5日~3月2日。
この間、装用グループには、登下校時と清掃時にマスクを装着してもらった。
授業に集中したいという理由から、授業中は対象外とした。
試験期間中にインフルエンザを発症したのは13人で、
そのうちマスク装用者は3人、非装用者は10人だった。全体の発症率は5.1%で、同年2月の荒川区内の学童のインフルエンザ発症率8.1%より低かった。
マスク装用グループの発症率は1.9%だったのに対し、
非装用グループでは10.8%となり、装用グループの方が有意にインフルエンザ発症率が低いという結果だった(p<0.05)。
試験期間が1カ月と短く、また2007年の流行期が3月にずれ込んでいたこともあって、「今回の試験だけで、マスクの装用に予防効果があると直ちに結論付けることはできない」(五十嵐氏)と慎重な見方もあるが、ある一定の効果が確認されたのは事実だ。
マスク装用には、インフルエンザの飛沫感染だけでなく、自らの鼻を触ることが少なくなることから接触感染の予防も期待でき、また、マスク装用を機に、学童のうがいや手洗いの意識が高まったという副次的な効果も認められている。今後は、マスクの形状やその機能などの違いも含めた検証も必要となってこよう。
コメント:
記者の最後の指摘部分も加えて、突っ込みどころ満載の記事ですな(笑)。
比較方法として、母数が倍程度も違う。研究デザインとしてまずい。
そもそも、2つの比較群の背景因子に違いは無いのか?
これだけ違えば、ありますがね・・・。
ということは、そのまま、比べて評価してもだめということ。
それらを勘案しても、P<0.05なのか(笑)・・・ほとんど意味が無いわ(笑)。
ああ、それから、マスクメーカー(ユニチャーム)絡みの研究だということも注意。
あと、マスクの予防効果については、以前書いたから、参考に。
国内の感染130人に 新型インフル学校から市中に拡大
新型インフルエンザの国内発生は18日、大阪府や兵庫県で新たに34人の感染者が確認され、成田空港の検疫段階で見つかった4人と合わせ、国内の感染者は計130人となった。厚生労働省などが発表した。感染者はこれまでの学校中心から、企業など市中に拡大した。
神戸市中央区にある三菱東京UFJ銀行の三宮支店の20代の女性行員や、同市にあるJR三ノ宮駅の売店の女性店員も感染が判明。銀行は同支店の行員など約60人を自宅待機にし、JRの複数の売店が休業した。
大阪府や兵庫県ではインフルエンザ症状を訴える人が相次いでおり、本格的な流行が始まった可能性がある。
大阪府の橋下徹知事は18日未明の記者会見で、新型インフルエンザの「流行警戒宣言」を出した。
大阪府では18日から全域で中学校と高校が1週間の休校。大阪市もすべての市立小中高、幼稚園、特別支援学校を、堺市は市立の中学、高校を、それぞれ24日まで休校とすることを決めた。兵庫県もすべての県立校の休校を決め、公立と私立の小中高に5日間の休校を要請した。
厚生労働省が両府県に休校要請したのを受けた措置とみられる。
神戸市では5歳男児や60代男性が感染。大阪府八尾市でほかの感染者との接触歴が判明していない小学6年女児が感染するなど特異なケースも出ている。(47 News)
日本の感染拡大は、人口密度が欧州なんかと比べて高いから、よけいに早いと思います。
ただ、今の段階で、ここまで、休校・休業するのは、いかがなものかと思いますが。
この分だと、また秋~冬には、長期休校・休業ですね。
お酒に弱いのに飲酒・喫煙…食道がんリスク190倍に
顔がすぐに赤くなるお酒に弱い体質の人が飲酒と喫煙をすると、
食道がんになるリスクが、飲酒も喫煙もしない人に比べ、
最大190倍も高くなることが、東京大学の中村祐輔教授と松田浩一助教の研究でわかった。
同じ体質の人でも、飲酒・喫煙をしないと、リスクは7倍程度に下がった。
体質を理解して生活習慣に気を配ることで、 予防したり、早期発見したりできると期待される。
研究チームは、食道がんの患者1070人と健常者2832人で、約55万か所の遺伝情報の違いを比較。
発がん性が指摘されているアセトアルデヒドをアルコールから作る酵素と、
アセトアルデヒドを分解する酵素の二つが、食道がんのリスクに関連していることを突き止めた。
アセトアルデヒドはお酒で気分が悪くなる原因物質で、たばこの煙にも含まれる。
顔が赤くなるのは、アセトアルデヒドの 分解能力が弱いためで、日本人の4割がこのタイプ。
アセトアルデヒドを作る働きが弱いと気分が悪くなる前に、
ついつい余分に飲んでアセトアルデヒドが増える。
飲酒・喫煙の影響についても調べたところ、お酒に弱く二つの酵素の働きが弱い人が、
1日缶ビール1本以上の飲酒と 喫煙をすると、相乗効果が働き、
お酒に強く飲酒・喫煙をしない人に比べ、食道がんのリスクが190倍も高くなっていた。(読売新聞)
そして、少し前の記事では・・・。
[シカゴ 4月23日 ロイター] 日米の研究チームが4月23日、
多量のアルコールを飲んで顔が赤くなるアジア系の人々は、
食道がんにかかるリスクが通常より高いという研究結果を発表した。
研究は米国立アルコール乱用・依存症研究所と久里浜アルコール症センターが実施し、
論文をオープンアクセスの医学雑誌「PLoS Medicine」に掲載した。
日本人、中国人、韓国人の約3分の1が飲酒時に顔が赤くなる酵素欠乏症だが、
この特質が、5年生存率が12─31%と致死的な食道がんの発病リスクを高めているという。
チームを率いた米国立アルコール乱用・依存症研究所のフィリップ・ブルックス氏は、
少なくとも5億4000万人にこの特質があると推定している。
皆さん、お気をつけ遊ばせ(´0ノ`*)