アライグマの穴場 | IDSアライグマ・ハクビシン・スズメバチ駆除日記

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ハチ・有害獣駆除担当のヴェスパ1号、アライグマ駆除担当の変人プロチョーネ1号、太ったネズミ駆除担当ムスムスクルスムスクルス初代 そして、ハクビシンのツヨシとヨワシの日常の奮闘ブログです♪
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 プロチョーネです。本日はこの平穏に見える田園地帯から「稲が動物に倒されてる」という話があったので調査してきたんですが・・・予想を超える光景が待ってました。

 

 周りの田んぼには異常がなかったところ、隅の、用水路や林と隣接しているところだけ異変が点在。

 このように稲が倒されています。話を聞いた当初はイノシシじゃないかと思っていたのですが・・・

 ああ、完璧にアライグマだと教えてくれる足跡。

 こちらはいても嬉しくないんですが、タヌキも来ているようです。

 

で・・・周りのあぜ道には

 多数の糞うんちが。どうも一枚目の写真のは同じ場所にまとめてあるのでタヌキのものだと思います。なんだか2月に見たタヌキのため糞を思い出す種と同じようなのが混じってます。

https://ameblo.jp/ids-gaichu-h/entry-12576336892.html

 

                    ↓その時の糞。

 

 

 

 他にもあちこちに糞があったんですが、この赤く囲んだ糞なんてほとんどが米、もみ殻の残骸です。

 この糞も明らかに玄米と野菜中心の食生活を送ったようなもので、米の残骸が混じっています。

 以前も

https://ameblo.jp/ids-gaichu-h/entry-12598123252.html

 

 

 という記事でアライグマが米を食べている可能性を指摘しましたが、これで確実ですね。タヌキもアライグマも状況によっては米を食べる。ある程度消化吸収もできているのでしょう。

 また、この田んぼには歩くたびに大きなカエル、コオロギが元気よく跳ねていました。コオロギは昨今の昆虫食の筆頭としてコストとエネルギーもかからないタンパク源として注目されてますけど、間違いなくこれもアライグマたちがこの田んぼにやってくる理由でしょうね。

 依頼主の方の話では、先週の時点で少々稲が倒れてるのを見ており、日曜日に畦の草刈りをした後から被害が増加したという話なので、皮肉にも人の田んぼの整備が動物たちの田んぼへの通行を整備することにもなり、同時に動物たちが稲と、そこに生息するカエルと虫の有用性に気づくきっかけになってしまったのでしょう・・・。

 現にこの地区で今年は全く捕獲がなかったので、周囲からやってきた連中が流入してきたんだと思います。

 すぐに罠をよさそうな場所に仕掛けたのですぐにでも結果が出そうな気はしますが・・・。明日に期待です。

 

追記(10月2日)

 

 昨日言ったように、本日早速何かが捕まったと連絡がありました。罠が閉まってますね。

 見た瞬間、この時期にしては異様に小さいなと感じる個体でした。せいぜい生後3か月程度で、牙もろくに生えていないメスでした。間違いなくほかのきょうだいと母親と一緒に田んぼを荒らしに来ていたところ、この1頭だけ捕まったのでしょう。

 罠を洗浄していた時に草に糞が紛れていましたが、かなり米が混じってます。成獣はともかくアライグマの幼獣ですら米を食べて消化することが可能おにぎりだという物証を得られて嬉しいですグッド!。しかも糞の色も理想的とされる黄土色、バナナ色であり、栄養価もよさそうでございます。

 

有機農法による「穴場」の形成

 この個体を捕獲した時に依頼主の方の知り合いの人と話したのですが、この地区は最近有機肥料を使い始めたそうで、始めると同時に

・有機肥料を餌にする虫が発生(コオロギ、バッタ類)

・発生した虫を餌にするカエル(水がある時期なら魚類も?)が発生カエル

・カエルと虫と、さらに米を餌にするアライグマ、タヌキが侵入。

 

 という生態系が形成されるようになったそうです。虫の繁殖を抑える普通の農法であればそこまで虫もカエルも繁殖せず、サイズもそこまで大きくはならないので、これまた皮肉にも、人にとってはおいしいコメを食べるための有機農法が、他の生物にとっても生息するのに適した環境を作り、そこまではいいんですが、さらにはアライグマの穴場にもなるという結果になったようです。

 おそらく、このアライグマたちも当初は田んぼにいるカエル、虫を目当てに来たんでしょうが、何気なく稲を倒してみて好奇心旺盛に食べてみたところ、意外とうまいことに気付いたのかもしれません(有機農法ですし)。ヒトと同様、アライグマたちにも地域差、個体差によって食べる物の区分、新たな食文化の「発見」があるのだと今回の現場からは感じました。

あー・・・埼玉県って米も麦もあちこちで栽培してますよね・・・。そのおいしさにアライグマたちが気付き始めているのかもしれません・・・。

 残りの家族を捕まえねば・・・。

 

追々記(10月8日)

 で、週末を挟んで月曜日。捕獲の連絡があったのですっ飛んで行ったのですが・・・

 タヌキ・・・。しかも子供。どうやらタヌキも家族連れて来てるみたいです。他の罠も閉まっていて、おそらく先にタヌキの家族が来て罠を警戒して一つにはかからず、他の罠に油断した子供だけ捕まったのでしょう。予想された結果としては最低ですね。肝心のアライグマはタヌキが捕まってるのを見て罠を学習してしまった可能性が高いです。

 罠の周辺にはタヌキかアライグマか分かりませんが、これまた健康そうなコメの混ざった糞が堂々としてありました。畜生めが・・・えーん

 

周辺の田んぼでは稲刈りもはじまってます。埼玉の稲刈りは9月から10月にかけて行われるので、稲刈りが終わってしまえばアライグマも来なくなってしまうでしょう。その前に捕まえたいですが、罠を増やして設置し直した水曜日にも罠が閉まるだけで何も捕まりませんでした。

この大雨と気温低下で気分が変わってくれないかと願うばかりです・・・。