SS 幸福な理由 | 有限実践組-skipbeat-

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こちらは蓮キョ中心、スキビの二次創作ブログです。


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 ヘイヘイヘイ♪元気ですかーっ!!о(ж>▽<)y ☆イエーイクラッカー


 ちなみに一葉、すっごい元気(←聞かなくても判る


 長く一葉のお話を読んでくださっている方はもうお判りの事と思いますが、一葉またもやってしまいました~。

 終わりって言ってんのに!!まさかの続きを思いつくと云うね(笑)←ユーちゃん終わり発言引っ込めてくれましたけど。ありがとうーなのだぁ


 そんな訳で、蓮キョ愛捧げあい(応酬)理由シリーズは、これが本当の最終話!!!

 ええ、聞き飽きていますよね。にゃはーん( ̄▽+ ̄*) ハート

 まあ、ええじゃないか(笑)


 このお話は続き物です。もうたぶん、皆様判っていらっしゃると思うのですが、一応念のため、リンクを貼っておきますね*ハート

「見えない理由・前編後編 」リ作

逃げたい理由 」ユ作

幸せの理由 」リ作

不機嫌な理由 」セ作

個性的な理由 」セ作

彼が叫んだ理由 」ユ作

ここに幸せがある理由 」ユ作

そしてこれが最終話↓雨天注意報を発令( ̄∀ ̄)しておきます


~蓮キョ愛捧げあい(応酬)理由シリーズ~

■ 幸福な理由 ■




「 本当に、お送りしなくていいんですか? 」


 俺の父母の来日に合わせて開いた食事会。

 キョーコの誘いを受けて足を運んでくれた、だるまやの大将とおかみさんは、玄関先で右手を上げて、いいんだよ…と朗らかに笑った。


「 この人と出歩くのも久しぶりだから。たまにはデート気分で帰ろうと思ってね 」


 職人気質の大将は口数が少ない男性だが、それこそ料理の最中でも食事会の間も、ずっと優しくキョーコを見守っていたのを俺は何度も見かけていた。


「 ああ…でもキョーコちゃん。そこのエレベーターまで一緒してもらえるかい? 」


「 はい。お送りします! じゃあ、行ってきますね? 」


「 本当にご足労おかけしまして恐縮です。玄関先で申し訳ありません 」


「 気にしないで。こちらこそ、ご馳走様でした 」


 だるまやの大将が散々腕を振るった食事会は閉会し、戸口近くで自分の両親と共にご夫婦を見送った。


 靴を履いて出て行ったキョーコの後姿を見守っていたが

 戻って来た彼女の手の中には

 いま手渡されたのであろう長4の茶封筒…



「 何を、受け取ったの? 」


「 あの…後で読んでと言って…手渡されました… 」


「 わたしたちに気兼ねをせず、開けてみればいいんじゃないか? 」


「 そうよ、キョーコ。もし嫌じゃなかったら、私たちにも読んで聞かせて? 」


 そうしてリビングに戻った俺たちは、父さんが淹れてくれたコーヒーを持ってソファーに腰かけ、彼女が読み上げるその手紙に耳を傾けた。







 ――――― キョーコちゃんへ





 キョーコちゃん

 私たちの所で、下宿をしてくれて本当にありがとう


 私たちは

 何事にも一生懸命で

 どんな時にもまっすぐで

 何があってもへこたれない根性を見せるキョーコちゃんが

 本当に大好きだよ。




 知っての通り

 私たち夫婦には、子供がいないだろう?



 夫婦二人、水入らずって言えば聞こえはいいのかも知れないね?

 でも、必ずしもそうじゃない時もあったんだよ。



 キョーコちゃんがね

 ウチに下宿をさせて下さいって

 頭を下げに来たあの日


 まるで、自分を娘にして下さいって言われた気がして

 私たち夫婦は、有頂天になっちゃったんだよ




 そんな素敵な申し出を、断れる訳ないだろう?




 内緒だけどね


 高い家賃の部屋を引き払って

 キョーコちゃんがウチに越してきてくれるまでの間



 毎日毎日

 ウチの人と、キョーコちゃんの話をしていたんだよ



 年を取って授かった娘…

 可愛くないわけが、あるはずもないよ



 キョーコちゃんが一人

 部屋で泣いていた時は

 飛び込んで行って、抱きしめてあげたかった。



 元気をなくして肩を落としていた時は

 理由を問いただして

 一緒に考えてやりたかった。



 どんなに辛い事でさえも

 一人で乗り越えようとするキョーコちゃんと


 本当は、肩を寄せて

 相談し合って

 何が良いのかを一生懸命考えて


 一緒に

 乗り越えてやりたいって、そう思っていたんだよ。




 でもね?

 私たちは、やっぱりキョーコちゃんの親にはなれないんだと思った。




 だって、そうだろう?

 キョーコちゃんが頬を染めて、嬉しそうに伝えてくれたあのとき



 私たちの心を支配したのは

 嬉しさよりも

 底知れぬ寂しさだったんだから



 ……結婚する事を祝福してやれないなんて

 本当に、親失格だよねぇ




 一緒に…

 どれくらい私たちは一緒に居られたんだろうかと

 考えただけで切なくなって


 娘の幸せを喜んでやれない自分を

 何度も何度も、叱咤したよ



 でも、信じてくれるかい?



 私たち夫婦は、本当にキョーコちゃんが大好きなんだよ



 毎日…

 ほぼ毎日のように聞いた、キョーコちゃんの敦賀さん談義


 いい人だって、私たちは判っているんだよ。



 だからね、キョーコちゃんは

 これから誰よりも幸せにおなり


 大丈夫。

 大好きな人と一緒なら、心配なんていらないよ。


 キョーコちゃんはとてもしっかりしているから

 その点に関しては私たちも心配はしていないんだ




 だけどね

 もし、二人だけで解決できない事があった時


 例えば、誰にも言えずに

 悩む日々が続いたとき


 自分一人で、抱え込むのではなくて



 ――――― 私たちの事を、思い出して欲しいと思う。



 私たちは、本当にキョーコちゃんが大好きで


 身勝手だけど

 血のつながりこそないけれど


 娘が出来たと、本当に思っているんだ



 だからもし困った時は

 気兼ねなく、相談しにきて欲しいと思う。



 一方的で悪いけど、これは約束だからね?





 今日は、ご家族の食事会に

 私たちを招いてくれて本当にありがとう。



 生を受けた人生の中で

 ウチの人と結婚したとき以来…


 いや、それ以上に


 とても嬉しくて、ものすごい贅沢なお誘いだったよ




 短い間だったけど

 一緒に暮らしてくれてありがとう




 可愛い可愛い

 一人娘を持った親の気持ちを味あわせてくれて


 本当に、ありがとう…



 キョーコちゃんのこれからの幸せを

 私たち夫婦は

 誰よりも祈っているから ――――― …







「 …キョーコ…? 」


 読んでいる途中から、涙が溢れて止まらなくなった彼女の手から譲り受けた手紙を

 胸が熱くなるのをこらえながら、彼女の代わりに読み伝えた。


 俺の隣に座っていた彼女の顔が、俺の肩に寄りかかって

 小さく震える頭に頬を寄せて、伝え聞かせたこの手紙。


 温かくて

 とてもありがたいと、心の底から感謝した。


 両手で覆われた彼女の表情を見ることは出来ないけれど

 それは見なくても容易に判ることでもあった。



「 …知らな…かった…そんな風に… 」



 俺の肩を小さく震わせた声に合わせて

 彼女の髪を優しく梳いた


 拭う事すら難しいほどにこぼれ落ちる涙


 顔を上げた彼女は、静かに俺の両親に視線を投げる。



「 …良かったな、キョーコ… 」


「 そうね。親孝行ならこれからいくらでも出来るわよ、キョーコ? 」


「 そうだぞ?これから少しずつ、交流を深めて行けばいいだけの話だ 」


「 …はい…ありがとう、ございます… 」



 幸せそうに微笑んで、小さく頭を下げたキョーコの

 潤む視界から零れ落ちる綺麗な宝石と共に

 彼女のその綺麗な横顔を、俺は愛しく見つめた。



 …親の愛情に飢えていた君は

 もうどこにも居ないね…



「 キョーコ…? 」


「 …はい…? 」


「 君を愛してくれるご両親を、大切にしていこうね…? 」



 この言葉で

 再び目を細めた彼女の瞳から、大粒の輝きがこぼれ落ちて


 悲しみとは全く違うその彼女の涙を

 受け止めるように優しく抱き寄せた。



「 いやだ…もう。そんなこと言われたら、涙が止まらなくなっちゃう… 」


「 いいよ。俺の胸で泣けば… 」


「 もう、信じられない… 」



 かすれた声で漏れた言葉に

 密やかな笑いを浮かべて父母と視線を交わした。



 予想もしなかった怒涛の日々。



 洪水のように押し寄せたのは、幸福な予感。





「 幸せに、なろうね…? 」


「 …はい… 」






 ――――― この日を、決して忘れることなく…




 

 二人で頑張っていこうと

 泣きじゃくり続ける彼女の頬にキスを贈った後



 二人きりで

 コーンの石に、誓いの魔法を閉じ込めた。






     E N D


注意報…。役に立ちましたか?

まあ、そうでもなかったかな…?(←一葉はけっこう号泣するタイプ・笑


クーの手紙を書いた時にね、実はキョコの事が頭に浮かんでいたんです。

蓮を幸せにすることは出来たけど、キョコちゃんに関してはどうすることも出来なくて…。


でもね、ユーちゃんが書いてくれた「ここに幸せがある理由」で、

キョーコがだるまやのご夫婦を招きたいと蓮に言ったとき、

まるでその誘いを聞いたかのように、おかみさんが一葉に切々と語りかけて来たんです!!(←出勤前、朝食もおろそかに遅刻寸前まで書きなぐっていました


これを書かずして何の蓮キョ愛かっ(`・ω・´)

…ってことで、浮かんだ妄想をそのまま最終話に致しました。


気付かれないかもしれませんが、実はこのお手紙。

クーが蓮に宛てた手紙より長いんです(笑)

凄いよね。溢れ出る妄想って…。


コラボ作の良い所って、こういう所!!о(ж>▽<)y ☆

自分だけじゃ作りあげる事が出来ない世界が自然と浮かんできちゃう♡

この味を知ったら、当分やめられそうにありません(←…)


ユーちゃん!セーちゃん!一葉、無事に完結させましたです。

これからも一蓮托生♡を合言葉に

どうぞヨロシクねっ(≡^∇^≡) ←たぶん、復活したと思われる

【アップ後に一部訂正しました】※一葉、痛恨のミス(笑)

ゴマ豆腐シリーズとまさかのごっちゃになってしまいましたあせる


⇒幸福な理由・おまけ話つき拍手

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