SS 見えない理由・前編 | 有限実践組-skipbeat-

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こちらは蓮キョ中心、スキビの二次創作ブログです。


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 おはようございまーすヽ((◎д◎ ))ゝしゅわっ!!


 6月に入って毎日SSをアップしていたら若干息切れ気味に突入(笑)

 もう、持久力足りないわね汗せっかく職場変更で2週間もフリーダムなのにっ☆


 で・も音譜私へと向けられた蓮キョ愛は全て受け止めてみせますので(☆。☆)

 そして一葉の傍迷惑な蓮キョ愛を全身で受け止めてくださるお二人と共に、このブログを閲覧して下さっている全てのスキビスキーの皆々様もほのぼの

 今後ともどうぞよろしくお願いいたします(←何をどう宜しくするんだろう?)


 誤解の無いように前述致しますが、決して追加で下された課題をクリアするための時間稼ぎではありませんですよ?(←おい)お話自体はもうだいぶ前に出来ていたもので、UPのタイミングを計りかねていただけなんです!!


 そーれーでーはー。蓮キョ愛捧げあい(応酬)の新作???

 (*゜▽゜ノノ゛☆前後編の前をどうぞ(←いつもですが長すぎて分割したのに長いです



~蓮キョ愛捧げあい(応酬)理由シリーズ~

■ 見えない理由 ・ 前編 ■




 この世には、何事にも理由がある。


 例えば、俺が素性を隠して日本で敦賀蓮として生きた事。

 例えば、蓮として名を馳せて米国に呼ばれて、そこで役者として認められた暁に久遠だと彼女に正体を明かした事。


 そして、俺が蓮として日本に戻り、以前と同じように日本で芸能活動を続けていることも。


 そう。

 この世の中は理由だらけ。

 よく目を凝らしてみれば、見える理由はいくらでもある。


 けれど一つだけ、判らない。


 どうして彼女は、俺の気持ちに応えてくれないんだろうか?




「 最上さん、今日の予定は? 」


 イスに座った彼女を後ろから抱きしめて、耳元で優しく囁くのはもう日常的。


「 あの…昨夜、お伝えしたと思いますが… 」


 真っ赤な顔でたどたどしく言葉が放たれるのは、彼女の性格と、精一杯の努力と、ほんの少しの照れからだと俺は思っている。


 俺からのスキンシップに彼女は嫌がる素振りを見せないし

 俺の手を振り払う事もしないし

 もちろん抵抗だって決して見せない。


 だけど…


「 変わりなしだね?俺の方が少し遅くなると思うから、必ず俺の方の撮影現場に来るんだよ?いいね? 」


「 敦賀さん…。私ももう、子供じゃないですし、大丈夫ですから。ご自分のお仕事に専念して下さい… 」


 だけど彼女はこんなことを簡単に言い放つ。

 もちろん、彼女からの言葉でも…それをはいそうですか、と聞く気にはなれないし聞こうとも思わない。


「 却下 」


「 …却下って… 」


「 君を守るのは俺の義務であり、責務であり、最重要事項でもある。時間が許す限り君の隣に居たいと思っているし、たとえ君からの意見であってもそんなのは聞けない 」



 ――――― ただでさえ、心配事は尽きないのに。



 年を重ねるごとに彼女の知名度は上がっていき、その度に彼女の魅力は美しく花開いていくばかり。


 大量の馬の骨を一掃しようと、米国に呼ばれたのをいい機会だと思った。


 決して面白くはなかったが、背に腹は代えられぬとばかりに父の威光をこれでもかと活用した。

 演技のこやしになるからと無理矢理…いや、言葉悪いな…父の気持ちを重んじる彼女の心を刺激して、演技の指導を受けられるじゃないかと散々煽って、やっとの思いで彼女を説き伏せ、見事二人で米国に渡った。


 もちろん渡米したばかりの時分は、俺は敦賀蓮のままだったけれど。

 彼女と過ごす時間は充分にあると、そう踏んでいたのに…。


 父は彼女を離そうとはせず。

 母も彼女を以下同文で…。


 ただでさえ、敦賀蓮として渡米した俺は、正体を明かすまでは実家に身を寄せるわけにはいかなかったから。

 なのに彼女は父母と一緒に生活を共にしていたから、結果として彼女と二人の時間を過ごしにくくて仕方がなかったっていうのに…。



 追い打ちをかけるようにそれに拍車をかけたのは、父と母が開催した彼女のお披露目パーティーだった…。


 日本人でも自分で着物を着られる人は減ってきている昨今で、着付けはもちろん彼女はそれを完璧に着こなせる上に、師範級のお茶の腕前も手伝って、あっという間に米国でも注目を浴びてしまった。


 要らん馬の骨を米国でも大量に生産した事に頭を抱える羽目になって…。



 それでも俺は、必死に頑張った。

 逢えない時間をもどかしく思いながらも。


 一日も早く彼女に告白したくて。

 本当の事を彼女に告げたくて。

 俺は、必死に頑張ったんだ!



 成功と同時にコーンだったことを彼女に明かして、ついでに俺の父がクーであることも白状して…。

 そして――――― …



「 蓮、もういい加減キョーコちゃんから離れてやれよ?真っ赤になって目まで潤んでいるぞ? 」


「 社さぁぁぁぁん…!! 」


「 余計なお世話です!もう少しだけ充電させて下さい。久しぶりなんです。昼間に会えたのは。…ね? 」



 父や母が居ない分、日本の方がいくらかましだったと考えを改めこちらに戻ってきたけれど。

 それも、甘い考えだったと思い知って既に2ヶ月。


 彼女の人気は決して衰えてはおらず、そして自分の仕事をセーブできるはずも無く。


 結果として離れ離れである時間が長いのは、米国でも日本でも大差はない。

 いや、邪魔者が少ない分、やはりいくらかはマシなのかもしれないけど。



「 お前な…。どっちにせよキョーコちゃんに関してはお前、ものすっごく燃費悪いんだから。どれだけ充電しても無駄だと俺は知っているぞ?ほら、時間だ、行くぞ! 」


「 ああ!もう!!いいね?キョーコ?必ず来るんだよ? 」


「 敦賀さん!そのスタイルの時は名前呼び、やめて下さいってば!! 」



 米国で一流の役者として認められたことで

 自分はコーンだと…


 本名は久遠だと、彼女に告白をした。


 真実を知った彼女は、俺の言葉をきちんと聞いてくれて

 俺の事を理解し、そうして受け入れてくれた。


 綺麗に輝くその瞳の中に、あの夏に出会った本当の俺が映った事が嬉しかった。




「 …最上さん…?……来なかったら…判っている…ね? 」


「 ………ふ……ふぁい… 」



 浮かんだはにかみ笑顔。

 感動で流れ落ちた涙。


 そして、愛の告白――――――



 その時、彼女は嬉しいと

 確かにそう言ってくれた。



 小説よりドラマチックな再会と、彼女に話したすべての事がやっと彼女の中で一つの想いを結んでくれた…はず、なのに。



「 絶対、来るんだよ?迎えに行けなくてごめんね? 」


「 そんなことより早く、お仕事に行って来て下さい!!遅刻しちゃいますよ!? 」



 ああ、もう、本当につれないな…。


 これが目下の大問題。

 俺と彼女は現在、付き合っている訳じゃない。


 それがどうしてなのか、俺にはさっぱり判らないんだ。






「 れーんー?…顔!顔!!…もっと普通の顔をしろ!! 」


「 …社さん…すみませんけれど、運転している時くらい優しく見守っていて下さいませんか? 」


「 お前なぁ… 」


 彼女を抱きしめる時、切なくて、胸が苦しくなる。


 真っ赤な顔になって

 俺の腕に手を添えたりする控えめな彼女の行動が

 可愛くて仕方ないけれど



 けれど彼女はどういう訳か、敦賀蓮スタイルの時だけ、よそよそしい感じになる。


 …久遠スタイルの時は、普通に受け止めてくれていた気がするのに…。



 名前呼びもそう。

 不意打ちのキスもそう。


 そして、蓮スタイルの時は必ずやめて下さいと口走る。


 その言葉が、切なく心に突き刺さって…本当に痛い…。



「 社さん… 」


「 なんだよ? 」


「 どうしてだと思いますか? 」


「 何がだ… 」


「 どうして彼女、俺の事を受け入れてくれないんでしょうか?好意を…持ってくれているはずなのに… 」


 俺の切羽詰まった質問に、呆れたように眉をひそめた社さんは、大きく溜息を吐き出したあと抑揚の薄い口調で理解しがたい事を言い放った。



「 お前、余計な言葉が多いんだって、いい加減気付けよ… 」



 アドバイスを求めておいて、我ながら失礼だとは思うが。

 意味が解らず頭の中で、社さんの言葉を復唱した。



 …余計な言葉?

 それって何だ?



「 だから、ダダ漏れに溢れている言葉の数々の事だよ… 」



 それはつまり…?

 想いの丈をただ伝えているだけなのに、それが余計な事だと…言うのか?

 どうしてそんな評価に繋がるんだ?



 ああ、もう。

 ますます判らない…。


 そして


 すっごく納得がいかない。



 この強烈に溢れるジレンマを、俺は一体どう処理すべきだろうか?

 彼女の心を知るには、一体どうすればいいんだ?




 こうなった理由が、俺には全く見えないというのに。





 ⇒後編に続く


悩みに悩んでいる蓮さま。

こういうお話って一葉初ではないだろうか…?

うん。そうだ。


⇒見えない理由◇前編・拍手

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