(大幅修正)R3技術士試験の解答例 [選択Ⅱ-1-3 配水管網] | 新見一郎

新見一郎

勉学を通じて成長をナビゲートする講師。
2008年に技術士合格後、「技術士を目指す人の会」を立ち上げ、多数の技術士を輩出。自身も勉学ノウハウを活かして行政書士、世界史検定2級、電験三種に合格。

【解答例作成者の感想】

この問題については、解答例を作成した後、改めて、先週、訂正をしました。

しかし、問題と解答例を見比べたとき、違和感がありました。

配水管網に関する記述というよりは、配水管に関する記述という印象が強い。

そこで、設計指針を読み直しました。

大幅修正することにしました。

今回は、配水管網に関する解答を作成できていると思います。

 

【問題】-1-3

 配水管網設計において、配水管網の機能とその設計目標について述べよ。

 

【解答例】

1 配水管網の機能

配水管網は、配水本管網と配水支管網に大別できる。配水本管網は、水道水を配水支管に輸送、分配する機能を有し、配水支管網は、水道水を水需要者に供給する機能を有する。

また、配水管網は、適切な広さのブロックを形成できるよう管路を配置することにより、維持管理が容易で、管内の水質管理を適切に実施できる機能を備える。配水支管網については、網目状に配置することにより、管網全体で水需要に見合った水量と消火水量を確保できる機能を確保する。

2 配水管網の設計目標

 配水管網は、耐震管により整備する。ブロック間には連絡管、連絡バルブ等を設置し、非常時において相互融通や水圧調整を実施できる体制を整える。

配水支管網については、給水管分岐部において、最大静水圧0.74MPa未満、計画水量の供給時の最小動水圧0.15MPa以上を確保し、直結式給水を採用する地域はビル等に給水できる動水圧を確保する。さらに、管網内における停滞水の発生、残留塩素濃度の低下を抑制し、水道水質の安全を保持する必要がある。

このため、配水支管網の設計に当たって、管網シミュレーションを実施し、最適な管径を選定するととものに、事故の影響範囲の最小化と早期復旧のため、バルブ、消火栓、排水設備等を適所に設置する。

 

【出題された背景や狙い・解答に繋がるポイント】

 配水管網については、平成26年度、平成27年度に出題されています。また、水道技術研究センターは、官学民の共同プロジェクトに取り組んでおり、現在進行中の「New Pipesプロジェクト」では、人口減少下の維持管理に適する管路網強化を、第一の研究テーマに位置付けました。このように配水管網がクローズアップされたことが、当該テーマの出題された背景の一つになっていると思われます。

 水道施設は、品質管理、維持管理及び危機管理を適切に実施できる機能を備える必要があります。さらに、配水管は、輸送、分配及び供給を行う機能を有しています。こうした配水管に関する基本的な考え方を述べた上で、配水管網におけるブロック形成等について言及することが、解答を作成する際のポイントになります。

 

【当該テーマについて上記以外で勉強するべき事柄】

 管路に関する試験問題は、設計と維持管理に大別できます。この問題は、設計に関するものです。このテーマにおける今後の試験対策としては、管路更新の推進が全国的な課題になっていることを踏まえ、更新優先順位の決定方法等について勉強しておくべきです。また、主要道路部や渡河部等における施工困難が、管路更新の進まない原因の一つになっていることから、推進工法や既設管内布設工法等について勉強することをお勧めします。

 

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