ビジネス本を紹介「名画で学ぶ経済の世界史」 | 技術士を目指す人の会

技術士を目指す人の会

勉学を通じて成長をナビゲートする講師。
2008年に技術士合格後、「技術士を目指す人の会」を立ち上げ、多数の技術士を輩出。自身も勉学ノウハウを活かして行政書士、世界史検定2級、電験三種に合格。

本日、ご紹介する本はこちら。

 「名画で学ぶ経済の世界史」

 

この本の作者は、公認会計士です。

この本には、絵画の歴史が述べられています。

 

 

●絵画の歴史について

絵画の歴史といっても、描写のスタイルや技法の歴史ではありません。

この本は、絵画の価値がどのような経過を経て、高まっていたったのか、その歴史を説明したものです。

絵画と言えば、イタリアです。

ただ、オランダも絵画の進歩に重要な役割を果たしたのだそうです。

実際、油絵はオランダで誕生したものです。

 

絵画の歴史をたどると、当初は、宗教画が中心でした。

イタリアの教会や王様が依頼して、教会等に描かれるものでした。

その後、王族の肖像画とかも描かれるようになります。

このため受注生産が基本だったそうです。請負ですね。

これが、オランダで油絵が描かれるようになると、市民でも絵画が所有できるようになります。

家の壁に飾るのであれば、きれいな花や風景がいいです。

こうして描く対象が変化するようになります。

受注生産ではなく、見込生産による売買が主流になります。

こうして、書いた絵が売れるようになり、売れる絵を描くようになります。

希少価値の高い絵画は、付加価値が生まれ、投資の対象にまでなるようになります。

これが絵画の歴史なのだそうです。

なるほどですね。

 

この本ですが、世界史の勉強になりますし、カラーの名画が載っているので、観ていてもも楽しいです。

それから、ダヴィンチ、レンブラント、ファン・エイク、モネといった有名画家のエピソードを読むことができて面白いです。

ただ、この本で、最も印象に残ったのは、ディエゴ・リベラの話です。

 

●ディエゴ・リベラについて

ディエゴ・リベラは1886年メキシコ生まれの画家です。

精緻な壁画を描いて有名になりました。
メキシコには様々な場所に美しい壁画があります。

これはディエゴが行ったメキシコ壁画運動によるものなのだそうです。

なぜ、メキシコでは壁画が多いのか?

作者曰く、それはメキシコの歴史に関係があるのだそうです。

少しメキシコの歴史を説明したいと思います。
メキシコには先住民がいました。

テオティワカン文明が生まれます。

14世紀になると、アステカ人がアステカ文明を築きます。

ピラミッド状の神殿が有名ですね。
その後16世紀になると、スペインが軍隊をメキシコに送り込みます。

1521年、コルテスがアステカ王国を滅ぼし、メキシコを征服します。
こうしてメキシコはスペイン人の植民地になり、国の言語もスペイン語になり、現在に至るわけです。
北アメリカ大陸も南アメリカ大陸も、スペイン、ポルトガル、イギリスといったヨーロッパ諸国に支配されるようになります。

しかし、18世紀のアメリカ独立革命を皮切りに、ヨーロッパからの独立が進みます。

メキシコは、独立運動を経て、1821年にスペインから独立します。
一方、この頃になると、メキシコの隣国であるアメリカは強国に成長していました。

開拓を進めています。

メキシコはその隣国です。

アメリカとの領土争いになります。

1846年、アメリカ=メキシコ戦争が勃発します。

残念ながらメキシコはこの戦争に敗北して、カリフォルニアなどを失うことになります。

このようにメキシコには侵略と略奪の歴史があるわけです。

憎しみもあったのでしょうが、メキシコ人は、こうした負の歴史を栄光の歴史とともに表現することを選択します。
これを実現する手段が、壁画だったのだそうです。

キャンパスに描いた絵は誰かに奪われるかもしれません。

しかも、その絵はごく一部の人しか見ることができまん。

メキシコ人は、こうした会を国民全員が見れるよう、市役所、学校図書館などの公共施設の壁に描くことを決めました。

この一連のムーブメントがメキシコ壁画運動です。

そして、この運動のリーダーになったのがディエゴ・リベラなんです。

カッコイイですね。

リベラは壁画運動の画家として有名になりました。

1933年、リベラはニューヨークに招かれ、ロックフェラーセンターの壁画作成を依頼されます。

しかし、リベラはここにレーニンの肖像画を描きました。
こ、これはスゴイですね。

レーニンはソビエト共産主義のトップです。

その肖像画を、敵対するアメリカのランドマークに描くことは誰が見てもタブーです。

当然、OKされるはずありません。

壁画は打ち壊されたそうです。

めちゃくちゃ怒られたでしょうねー

自由なところも、何かカッコイイですね。

 

ハリウッド映画で、メキシコが登場する時は、マフィアについて描かれる場合が大半です。

このため、メキシコはすごく怖い国だと思っていました。

でも、この本を読み、リベラの生き方を知って、メキシコのことを思い違いをしていたのかもしれない、実は暖かく寛容な国民なのかもしれない、そう思うようになりましたね。

 

●レベラの作品

Murales Rivera - Markt in Tlatelolco 1.jpg

※ 画像参照元:ディエゴ・リベラ - Wikipedia

 

 

 

 

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