H30年度の技術士二次試験で実際に出題された試験問題の解答例を作成しました。
上下水道部門の上水道及び工業用水道に関するもので、今回は【Ⅱ-1-3】。
給水装置に関する問題です。
これからの口頭試験対策、来年に向けての勉強等の参考にしてください。
【問題】
給水管の凍結防止に関するハード面での対策と、寒波による凍結が予想された時に水道事業体が行うべきソフト面での措置について述べよ。
【解答作成に必要な情報】
1 給水管の凍結防止に関するハード面の対策
給水管の多くは塩化ビニル管が使用されており、寒波等により凍結した場合、破損・漏水事故が発生することがある。このため、凍結のおそれがある場所では、適切な凍結防止対策を講じる。
給水管については、具体的には以下のようなものが有効である。
・塩化ビニル管等の周りを断熱材で被覆する
・屋外配管は原則埋設とする。その際、凍結深度より深く埋設する必要がある。
・耐寒性能を有する管路(例えば鋼管)を使用する
・老朽化した給水管の更新等を行う
また、給水管の漏水が多数発生した場合、小規模な配水池が空になり、系統全域で断水する可能性がある。こうした事態を回避するため、以下のような対策を講じる。
・配水池容量の確保(事前の配水池高め運用)
・ポンプの増強
・他系統からのバックアップ配管の整備
2 凍結が予想された時の水道事業体によるソフト面の対応策
凍結により給水管の破裂・漏水の抑制と、断水回避、早期復旧、応急給水のため、水道事業体は、以下のような対応策を講じる必要がある。
・降雪、気温に関する情報のを収集
・寒波が予想される地域の需要者への広報(露出配管の保温や水抜きの推奨、給水管が不出水になった時の対応、管破裂時の連絡先等)
・指定給水工事事業者との協力体制の確保
・給水台帳の整理(漏水が放置されやすい空き家情報の収集、止水栓の位置確認等)
・給水タンク車等による応急給水体制の確保
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