場面緘黙が「特別支援学級」「通級による指導」の対象となる根拠 | 場面かんもく相談室「いちりづか」

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「場面緘黙は特別支援学級の対象ではないです」

と言われたら、これをご覧下さい。

 

 場面緘黙は「特別支援学級」「通級による指導」の対象 

前の記事「場面緘黙は特別支援学級の対象ではない」と言われることがあると書きました。

 

実際、そういうケースはとてもよくあります。

ですので今回は「対象になりますよ」ということを明確に書いておきます。

 

まずはこちらの図をご覧下さい。

「特別支援学校」「特別支援学級」「通級による指導」それぞれの対象になる障害です。

 


場面緘黙は学校教育では「情緒障害」と呼ばれるグループに分類されています。

そして「特別支援学級」と「通級による指導」は情緒障害を対象に含んでいます。

 

※「情緒障害」には「場面緘黙」「不登校」などがに含まれます。詳細については別の記事で解説します。

※「特別支援学級」は「自閉症・情緒障害」という分類になっているため、「自閉症」と「情緒障害」という異なる障害のある児童生徒が同じ学級で学ぶ構造になっています。制度の変遷の経緯からこうなっているのですが、これはおかしなことだと私は考えています。

 

 明確な根拠 

分類は上記の通りなのですが、その根拠はどこにあるでしょうか。

 

色々ありますが「障害のある児童生徒に対する早期からの一貫した支援について(通知)」

(文部科学省、2013年が最も分かりやすいと思います。

スクリーンショットを貼っておきます。

出典を確認したい方はこちらをご覧下さい。

 

(1)特別支援学級 

 

キ 自閉症・情緒障害者
 一 自閉症又はそれに類するもので,他人との意思疎通及び対人関係の形成が困難である

   程度のもの
 二 主として心理的な要因による選択性かん黙等があるもので,社会生活への適応が困難

   である程度のもの

 

(2)通級による指導 

 

ウ 情緒障害者
 主として心理的な要因による選択性かん黙等があるもので,通常の学級での学習におおむね

 参加でき,一部特別な指導を必要とする程度のもの

 

※この通知では「選択性かん黙」と書かれていますが、「場面緘黙」と全く同じものです

 

ということで、場面緘黙が「特別支援学級」「通級による指導」の対象であることは誰が見ても明らかです。

 

 なぜか解決しない問題 

以上で「場面緘黙で特別支援学級が利用できない」問題はすべて解決!

 

・・・のはずなのですが、なぜかこれらが利用できないケースが後を絶ちません。

その理由や対策は、また別の記事で考察したいと思います。