ゼンタングルは、アメリカのマリア・トーマスとリック・ロバーツによって創始された、瞑想的なアートワークです。
タイルと呼ばれる9cm四方くらいの白いコースターのような厚紙に、ミリペンでパターンを描き込んでいくワークで、絵ではありませんが、絵のように描くこともできます(Zentangle Inspired Art)。
ゼンタングルに出会ったのは、かれこれもう10年前になります。
休日の午前中だけでしたが、さとういずみさんのワークショップに参加して、いろいろ教えていただきました(後日、渡すの忘れた!と、修了証をUS CAのご自宅から送ってもらいました)。
そのときのお話は「ゼンタングル!」→に書きましたのでよろしければご参照ください。
さとうさんが書かれた「はじめてのゼンタングル→」(自由国民社2014)という本は、ぼくにとっては今やバイブルで、イベント売りしている自作本→の挿絵はほとんど、ゼンタングルのメソッドが基本になっています。

【「初学者のための魔法の基礎→」(校正中)の挿絵】
そのあと、「小さなピースで楽しむゼンタングル→」(同2018)という本が出ました。この本では、レイキュラと呼ばれるグリッドに、フラグメントと呼ばれるシンプルなパターンを繰り返し描き込んでいくメソッドが紹介されています。人によって合う合わないがあるかとは思いますが、個人的にはおもしろいと思っています。描いているとクラクラしてきます。

【「六十四卦夜話→」のインデックス。フラグメントの応用】
それから、出版という意味では長い沈黙があって、ついこの間、新刊が出たことを知って「あなたの才能が開花するゼンタングルアート→」(同2024)を買いました。
実に6年ぶりのこの本は、またふたたび原点回帰した感じでもありますが、パターンのアレンジ(エンハンスとタングリエーション)が中心です。
よく見てみると、「はじめてのゼンタングル」で紹介された基本パターンも、10年という年月を経て、パターン自体がバージョンアップされていたり、名称がちょっと変わったりしています。
「はじめてのゼンタングル」で紹介されていたパターンを刷り込んでしまった身からすると、アレンジのアレンジみたいに見えてしまいますが、まあ、それはそれで……変化しないものないというのは易の法則でもあります。もちろん新しいパターンの紹介もあります!

【Hollibaughのタングリエーション。道幅を変える、間の黒にグレイを交える】
ゼンタングル三部作ってことになるんでしょうか。
続きが出るのかどうかはわかりませんが(本を作る側はものすごく大変だと思います)、いずれも黒を基調としたシックな装丁がシャレオツな本です。
もちろんこれからゼンタングルをやってみよう! という方にもおすすめです。とりあえず最新刊、「あなたの才能が開花するゼンタングル」が、いいんじゃないでしょうか。
いずれにしても、ぼくにとっては、「はじめてのゼンタングル」に載せられた100パターンは、俳句の季語集・歳時記、あるいはゼンタングルという言語の辞書のようなものです。
俳句は作れませんが、ゼンタングルなら、ぼちぼち描いていけるかな。
ではまた。