ans005_041 ホロン、暴走女 | ぼくは占い師じゃない

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易経という中国の古典、ウラナイの書を使いやすく再解釈して私家版・易経をつくろう! というブログ……だったんですが、最近はネタ切れで迷走中。

ミケ様。

恙なくお過ごしことと思います。
にゃんこ先生です。

前回の野球ゲーム・ホロンの例でお話を続けます。

さて。

「行き過ぎた」女性原理というのはどんなものになるのでしょうか。

   ☆

のび太君は野球が大好きです。
でもドヘタなのね。

不器用って言うか、要するに運動神経が鈍い。
そこらへんはにゃんこ先生も同じ。
のび太君ほど野球好きではありませんが。

で。

例の絶対最強野球チーム(前回参照)にレギュラーで入ろうとするんだけど、土台ムリなわけです。
運動能力的にダメです(ドラエモンがなんとかすれば別。それはさておき)。

野球は9人でプレイするものということが基礎にあります。絶対最強野球チームとて例外ではありません。メンバーの数は9人です。
のび太君の入る余地はございません。

ここでしずかちゃんが強引にこう言ったとします。

「入れてあげなさいよ!かわいそうでしょ!人数が多い方が楽しいじゃない!」

男どもはしずかちゃんの言うことには逆らえません。
んじゃあ、まあ、外野なら……と、しぶしぶ、のび太君を入れます。

ライト、レフト。
のび太君が入ったので、センター2人。
ここで野球ゲーム・ホロンは崩壊。

10人でやる野球は成立しません。
それを野球とはいいません。

草野球だとあり……?
いや草野球でもありません、そんなのは。

ハナっから規定を守らないチームは、当然トーナメント(大会)にも参加できません。

絶対最強ホロンどころか、野球チーム・ホロンにさえなりません。
そもそも「プレイ可能なチーム」として成立していないということです。

   ☆

もうひとつの例を。

とりあえずのび太君にはベンチにひっこんでもらうとして、この「少々強引なしずかちゃん」が監督になったとします。

そもそもが強いチームですから毎回準決勝あたりまでいくのですが、そのたびに相手のチームが「かわいそうだから(*1)」という理由で、しずかちゃんは采配を加減していつも敗退していたとします。

このホロンは「わざと負ける」たびに野球ゲーム・ホロンとして成立していないばかりか、最強ホロンになるベクトル(創発(エマージェンス)する力)を奪われてしまっています。

ですが純粋に「野球チーム」のホロンとしては、非常に安定しています。条件が維持される限り崩壊することはないからです。
トーナメントに参加してプレイし続けることができます。
トーナメントがある限り、いつまでも、いつまでもプレイそのものを楽しむことができます。

ですが創発の可能性ゼロというのは、進歩も発展もないホロンです。

これが「ans005_039 ホロン、男と女。」でお話しした、「死んだホロン(*2)」なわけです。

   ☆

結局のところはこの男性原理と女性原理の適切なバランスによって、ホロン(すべてのもの)は維持されつつ発展していきます。

なんでもそうですが最初から理想的にバランスが取れている……なんてことはありません。

そのバランスの崩れ(差異(*3))があらわれたり、きえたり、大きくなったり、小さくなったりして……動的に変化するホロンを生みます。

創発したり、崩壊したり。

生命とは端的にいって「動き」ではないでしょうか。その「動き」を差異というバランスの崩れが生みだしています。

これが陰陽です。

一般に言われているような単純な二項対立ではありません!

単純に等分にあることが理想で、安定していればいい、ということでもありません!

と……

ゴロゴロしている近所の公園の中心で叫んだところで……

また次回。

わあ。桜満開。

ゴロゴロ。


★コトバ

(*1)「かわいそうだから」

理由はいろいろ考えられます。
初出場でがんばっているチームだからとか、野球の設備すら整っていないド田舎から来たチームだから、とか。「情」とか「共感」とかはコミュニオン(女性原理)の典型的な働きです。


(*2)「死んだホロン」

コトバはよくありません。
だけど「究極の安定」というこの状態には、非常に根源的な側面があります。
この件については最後にお話します。


(*3)「差異」

差異はホロン的には、男性原理、エマージェンスの方向に生じます。
反対に、女性原理は、この差異を押さえようとする方向に働きます。
この力により差異と差異の間に「流れ」が生じます。この「流れ」によって万物は循環していきます。


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