
【「ブランク」の易タングル】
「ブランク」は、空白のことである。
これまで紹介してきた易タングルにあった、易卦の象(カタチ)やコード番号、ゲート番号というものが、このタングルにはない。
だから、「ブランク」。
空白の易タングル。
対応する易卦はない。
易タングルは六十四卦に対応した64枚のカード。
その64枚から一枚ひくことによって占うオラクル・カード……のつもりで描いている。
で、この、易卦の象やコード番号やゲート番号もないゼンタングルをひいたときはどうすればいいか?
その日は占うことをやめるか、質問を変えるかして仕切り直してください。
いや、すみません。
本日臨時休業。
研修です。
(という名の社員旅行だったりして)
冗談はさておき、タイミングが悪いのか質問が悪いのかは定かではないが「今の状況では答えはわかりません」という答えを、システム側でも用意させていただいた。
そんな答えがあること自体は、特別なことではない。
ダウジングでも「はい」「いいえ」の他に、「たぶん」や「わからない」などの答えがある場合もあるし、易占では、本筮、中筮法で、卦は得られるものの変爻が得られないことがある。
「これです!これこれ!」
というくらいにしっかり指さしてくれるような答えが、常にパシッとあるとは限らない。
いわば、システムの小休止だ。
易タングルのカードセットにブランクを入れようというアイディアは、ラルフ・ブラムという人が書いた「ルーンの書」(VOICE刊)から借りてきたものだ。
実は、この本と易の関係は深い。
「ルーンの書」では、著者のインスピレーションによって各ルーン文字に意味がつけられている。
著者はその妥当性を補完するために易占を使ったというようなことが書いてあったと思う(うろおぼえ)。
「ルーンの書」にはテラコッタのルーン・ストーンがついている。
この中にブランク・ストーンがあった。
別のルーンの本だったと思うが、やはりブランク・ストーンがあるセットで、ブランク・ストーンをつくるとき、他のすべてのルーン・ストーンをつくる粘土からすこしづつ粘土を取って、ブランク・ストーンにしたという話を読んだことがある。
なんでそんなメンドーなことを?
他すべてのルーンの要素でブランク・ストーンをつくることによって、ブランクこそがすべての基盤であることを象徴的にあらわそうとしたのだ(*1)。
いささか魔術めいてはいるが、この「ブランク」の易タングルにも同様の意味をこめたかった。
64枚の易タングルのセットは森羅万象をあらわしている。
で、さらにブランクのタングル一枚で、その64枚すべて……基盤、母体をあらわす(*2)。
占ってこの易タングルを引き当てたということは、64の易卦が全部一気に目の前に広がったのと同じことで、答えの出しようがない。
答えは波動となって全宇宙に拡散してしまっているのである。
だから、答えはない。
機会を改めて、もう一回やりなおしましょう、
ということになる。
具体的に応用できる答えになっていないからだ。
占ってある特定の易卦が得られるということは、宇宙全体に広がった波動が特定の粒子として収束するようなものだ。
答えがその一点に絞られる以前には「すべて」が答えなのである。
ブランクは「空っぽ」というような空虚なものではなく、いわば「万有の無(この言葉、好き)」だ。
そんな答えがあってもいいと思う。
☆
(*1)
「空白こそがすべてをあらわす」
この観方には「36:火水未済」の意味にも通じるものがある。「36:火水未済」はカオスであり、初期状態であり、それ自体「すべて」である。「36:火水未済」のゲート番号はG64であり六十四卦のトリを担う。
(*2)
易タングルにおいては「乾」「坤」「泰」「否」が4枚セットで全体をあらわしているという設定(後天動因図)もあるが、ひとまずその話はここではさておく。
今回の記事の参考記事→「ZIA、無限を描く」
「ゼンタングル」、「易タングル」については「六十四卦雑想ーはじめに」を参照してください。