第7章 韓国ドラマ映画 
130.ドラマ緑豆の花❹完結編
   日本の人にも是非観てもらいたいドラマ
 
 
 
 
 
今週、最後の4巻を観終え、上記ドラマ「緑豆の花」全24巻、遂に視聴完了しました。
印象的な主題歌♪セヤセヤ パランセヤ〜♪のフレーズが耳を離れません。
この間、耳が良く、一度聞くとすぐに歌ったり口笛を吹くウチのミックスツインズの片割れの息子もすっかり口ずさむ様になってしまいました。
 
パランセの童謡はコチラを

 

 

 

タイトルにも書きましたが、このドラマは韓国・朝鮮人は視聴必須(!)、そして朝鮮と日本の近代史を知り、我が国との関係を真剣に考えようと思って下さる進歩的な日本の方にも是非ご覧になって頂きたいドラマです。
 
日本の地上波で未だ(今後も)放映されない(であろう)韓国ドラマが3つ有ります。
❶「不滅のイスンシン」
❷「明成皇后ミョンソンファンフ」
❸そしてこの「緑豆の花」です。

 

 

❶の不滅のイスンシンはお分かりでしょう。日本軍がデフォルメして悪人として描かれ、リスンシンの救国の英雄ぶりがこれ見よがしに描かれます。
多少、歴史歪曲の気配が気になりますが、リスンシン李舜臣将軍のカッコ良さを際立たせてくれて居るので、私も大好きなドラマです。
と言う事は一般に、日本の人が見て良い気分にはならないでしょう。

 

 

❷のミョンソンファンフ明成皇后はこのブログでもしばし取り上げて居ますが、歴史歪曲極まり無いドラマです。
明成皇后が政敵だったテウォングン大院君と日本に対抗する為に政策討議をしたり、過度な反日がアリアリと見え、私も眼を覆う程でした。
明成皇后を稀代の民族的な英雄として描くこのドラマの余りの歴史歪曲に私もホトホト飽きて途中放り投げてしまいました(笑)。
 
勿論、日本によって虐殺された事実ひとつ取っても日本の人が見て良い気分にはならない事でしょう。

 

 

❸の今作、「緑豆の花」甲午農民戦争日清戦争を描いているので日本に都合が悪い歴史を描いて居る事には変わり無いのでしょうが、過度な反日を描かず、歴史歪曲無しにリアルな歴史事実を淡々と描いて居ます。
つまりオーバーな歴史では無しに、日本では教えられず語られる事のまず無い、真実に近い描写なのです。

 

 

勿論、元々の史実がそうで有る為、日本では直視する事が難しい描写が多い事でしょう。
だからこそ、真の歴史事実を知って真の和解を遂げようとする、進歩的な日本の友人の方々に是非観て頂きたいのです。
 
アベチャンやサナエチャンなど、右翼に凝り固まったネトウヨの方々には見せても無駄でしょう。
農民軍に対する虐殺も「反日と言う歴史ファンタジー」に過ぎないと言う一言で済んでしまうからです。

 

 

この様な意味で、良心を失わない進歩的な日本の方々に真実の歴史事実を知って頂く上でこのドラマはとても有効だと思います。
 
せめて韓国で大ヒットして、多いに話題になれば良かったのですが、残念ながらヒットしませんでした。
それは題材が題材だけに、ユーモラスな場面やロマンスの場面は所々に有れど、全般的には重苦しい雰囲気で一貫して居る事が大きいと思われます。

 

 

韓国ドラマ映画は面白い物で、一般大衆の評価とドラマ評論家など専門家の評価はハッキリと相反して居ます。
中々一致しません(笑)。
これも一種、現代の文化の断絶でしょうか?
 
「甲午農民戦争」、韓国では主に「東学農民革命」と呼称して居ますが、最終巻のオマケの、主演の人気イケメン俳優ユン・シユンのインタビューが印象的でした。

 

 

彼曰く
「各国には誇るべき歴史が有り、フランスには『フランス革命』が有りますが、我が国には『東学農民革命』が有ります。」と述べて居ました。
 
今まで『甲午(東学)農民戦争(革命)』を中国の『太平天国(の乱)農民戦争』と比肩する事は有れど、まさか『フランス革命』と並べて考えた事が無かったので、とっても新鮮で、そんな見方も出来るのかと恥ずかしながら「眼から鱗(ウロコ)が落ち」ました(笑)。

 

 

どんな失敗した運動でも世界的に有名な事実と並べて誇りに思えるって素晴らしいです。
この一言でユン・シユンに好意を抱いてしまいました(笑)。

 

 

ドラマ終盤では「甲午農民戦争」の終焉が描かれます。
 
首都漢陽(ソウル)を武力で占領し、国王高宗に清国と結んだすべての条約を破棄させた日本軍は朝鮮王朝政府に『自主国宣言』を強要し、高宗の名前を借りて朝鮮の全ての清軍が去るよう要求する声明を発表させました。
これは日清戦争が起きる始点となりました。
 
また、朝鮮を掌握して日本の思い通りに改革させる為に「改革」と言う内政干渉を起こした為、東学農民軍はこれに怒り、日本を追い払う趣旨で第2次甲午農民戦争を起こしました。

 

 

牛禁峠ウグムチに布陣した官軍兵力主力はコンジュ公州方面を担当した兵力3,500人のうち2個大隊1,000人余りと日本帝国陸軍兵力200人と日本帝国陸軍の訓練を受け、彼らが指揮する官軍350人を増強しました。

 

 

この時、日本帝国陸軍はイギリス製スナイダーライフルなどの最新鋭の武器を使いました。
片や武装面で劣る農民軍の武器は旧式の火縄銃が関の山で、それすら足りず竹槍(たけやり)が主な武器です。

 

 

その上、近代式軍事教練を終えた日本軍に比べ、『農民軍』とは名ばかりで所詮は烏合の衆に近い素人集団です。
武力の差は誰が見ても一目瞭然でした。
 
牛禁峠ウグムチの戦いで、官軍-日本連合軍は官軍京軍兵力が主力になり、日本軍の主力部隊は忠清監営のあるコンジュ公州に向かって南進し、朝鮮軍の兵力は農民軍に向かって南下しました。

 

<ウグムチ戦闘>

 

進撃した農民軍はコンジュ公州周辺で官軍と衝突しました。
農民軍は猛烈に官軍を攻撃し、官軍が軽く後退した間に景天の峠を奇襲的に攻撃、占領してコンジュ公州占領のための橋頭堤を確保しました。

 

 

その後ウグムチを攻撃し始めた農民軍は、しかし官軍と日本軍の強力な火力により、落ち葉のように倒れました。
東学農民軍は50回に近い攻勢を浴びせましたが、官軍の強力な火力の前に農民軍は撤退するだけでした。

 

 

結局2万人の農民軍は残兵力500人になるまで一方的に虐殺されました。
ドラマではその様子がリアルに描かれて居ます。
 
この様な写実的な描写はドラマの精密度を示す上で非常に有効で有り、今後の範となると思われます。
この様な写実性もこのドラマを観て頂きたい重要な要素と言えます。

 

 

ユン・シユンが述べた様に、たとえ失敗したとは言え、甲午農民戦争の持つ今日的な意義は揺るぎ無い物が有り、フランス革命と比肩してもその価値を充分確認出来ると思います。
 
評価が分かれるのは最後のユン・シユン演じるイヒョンの選択した極端的選択で、この時期にその様な選択をする事は皆無だったと言え、評価が分かれる事が首肯出来ます。

 

 

ドラマの進行上仕方が無かったとは言え、少々早計な結末だったのでは?と疑問を呈します。
 
その後、この戦いがキムグ金九の戦いと合流され、我が国の義兵闘争に発展する様子は上手く描かれました。
今後に希望を与えてくれるこの様な描写は暗澹たるその時代の歴史描写に一抹の希望を与えてくれて居ると言え、観ていて楽しい終わり方でした。

 

<緑豆の花>

 

この様に、ドラマは悲惨かつ暗澹たる歴史事実を率直に描きながらも、甲午農民戦争の持つ意義を遺憾なく描いて居るので、面倒とは思いますが、是非DVDレンタルを探してご視聴頂きたいと存じます。
 
述べたい事は尽きませんが、今回のレビューはこれにて終了させて頂きます。
1人でも多くの方々がこのドラマを観て頂ける事を祈りながら長い筆を置きます。
「緑豆の花」レビュー、ここに完結です。
 
レビュー記事❶はコチラ

 

レビュー記事❷はコチラ

 

レビュー記事❸はコチラ

 

ウグムチとウグムティの違いについて

 

ドラマのまとめ記事です

 

 

 

<参考文献>
나무위키
 

#韓国ドラマ #韓国時代劇ドラマ #韓国映画

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