不登校はなくならない。
この場合の不登校に、引きこもりは含まない。(もちろんこれも厳密に区分けできるものではないが)
少なくとも家族と会話をし、外出もする。
そういう状態で、学校に行けない、行かない生徒を対象ということにする。
これは学校が悪いわけでも、家族が悪いわけでもない。
社会が変化した結果起きていることだと思う。
いくつかある変化のうちで影響が大きいと思うのは、「縦社会」の力が弱まったこと。
それには、さまざまな要因があるとは思う。
だれでも情報が得られるようになったこと。
性差間の距離感(看護婦さん→看護師、保母さん→保育士、営業マン→営業職やニューハーフタレントや同性婚の認定など)
年功序列、終身雇用の終了。
ネットによる横、あるいはその名のとおり、ウェブ状のつながり。
学歴の飽和(先生だけが大学にいって学んだわけではなく、昔に比べると大卒の保護者が増え、そこにおける上下関係の喪失)
価値観の多様化
などなど。
これらによって、縦社会が弱まり、上下関係も弱まった。
そして、それらがシステムの主幹だった学校で、その力が弱まったことにより、大人よりも敏感に空気を読み取る子どもたちが、飛び出るようになったとしても、なんら不思議ではないと思う。
きっとこれからどのような対策をとったとしても、減ることはないと予想している。
学校が悪いとか、親が悪い、とかそういうものではないと思う。
ましてや、そういう社会が悪い、といったところでどうしようもない。
もうそういう流れなのだから、止められないのだと思う。
そう思うと、できることは、選択肢を増やすこと。
できれば、横の関係で成り立つ「学校」を増やすことが大切だと思っている。
もちろん従来の学校もとても大切だと思っている。だからそこを失くしてはいけない。
それも踏まえたうえで、子どもたちがその能力に応じて等しく教育を受ける権利と、親が子どもに普通教育を受けさせる義務とを気持ちよく達成できるようにしていくことが、不登校がゼロとかどうこういうよりも大切なことだと思う。
そのためにも瀬戸ツクルスクールのような学校は不可欠だと思っている。