春の花・「葵(あおい)のご紋」のデザインのもと ②《日本庭園・徳川園/2021年4月11日》
フタバアオイ(徳川園)
小道具として、「葵の紋(徳川家の家紋)」が入ったカワラを置いてありました。
葉の下には、シイタケのカサの部分を思わせる形の小さい茶色花が咲いています(写真失敗しました)。
2021年4月11日(日)に日本庭園・徳川園(名古屋市 東区)も訪れ、春の青空のもと、春の花を見ました。
徳川園は、武家庭園(日本庭園)です。名古屋駅から車で15~20分程の距離にあります。JRの最寄り駅は大曽根(大曽根/ 中央腺で、名古屋から4駅目の駅)で、下車後徒歩10分程で園に着きます(バスなら、大曽根発の栄行きで2区乗車)。
平成16年に庭園として整備されました。尾張徳川家の宝物を展示する徳川美術館が、隣接しています。
自宅から20分程の場所に、徳川園があります(自宅から徒歩8分+JR1区3分+降車後徒歩10分)。庭園の花たちを楽しむため、そして隣接する美術館(徳川美術館)の展示を見に、折々訪れています。
小学生の頃(50~45年程前)、家も近かったので、この場所で遊んでいました。
園内に大きな池はなく(小さな池はあった)、どこでも見られる公園でした。驚くほどの変わり様です。
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【徳川園について(公式サイト掲載文)】
徳川園は、徳川御三家筆頭である、尾張藩二代藩主光友が、元禄8年(1695年)に自らの造営による隠居所である大曽根屋敷に移り住んだことを起源としています。当時の敷地は約13万坪(約44ha)の広大さで、庭園内の泉水には16挺立の舟を浮かべたと言われています。
光友の没後、この地は尾張藩家老職の成瀬、石河、渡邊三家に譲られましたが、明治22年(1889年)からは尾張徳川家の邸宅となりました。
昭和6年(1931年)、十九代当主義親から邸宅と庭園の寄付を受けた名古屋市は整備改修を行い、翌年「徳川園」が公開されました。昭和20年(1945年)に大空襲により園内の大部分を焼失した後は一般的な公園として利用されてきましたが、平成16年秋に日本庭園としてリニューアルしました。
フタバアオイ(/ウマノスズクサ科 カンアオイ属 多年草)
春に茶色い小花を咲かせるフタバアオイ、日本の山野で見られます。徳川園では園内東側の滝に続く道で、目にしました。最近植えたのか、整備したばかりなのか、地面に横たわる小花たちに土がかぶさってしまっていました。
これが、徳川家の家紋・みつばあおい(三つ葉葵)の、デザインのもとになった植物です。以前毎週放映されていたTVドラマ・水戸黄門で、印籠(いんろう)に描かれていたあの模様です。葉の外形をよく見れば、皆さんの心に思い浮かぶでしょう。
そして、フタバアオイという植物はあっても、ミツバアオイという植物はありません。
東の茶室(休憩所)
これから画像を見ていただくカンアオイ・アリドオシ・カスミザクラは、この近くに植えられています。
カンアオイ(寒葵/ウマノスズクサ科 カンアオイ属 常緑多年草 ※一部は冬に落葉)
茶色い花、地面が口を開けているような花、カエルの口を思わせる形です。
フタバアオイとは、印象が似ています。しかし、このカンアオイは葉に複雑な模様はありますが、立体的な筋がほとんどありません。
(フタバアオイは、葉が凸凹して立体的に思います)
ながめると独特の味がある植物、江戸時代にはカンアオイ栽培が一大ブームになったとの事です。
アリドオシ(蟻通し/アカネ科 アリドオシ属 常緑低木) ※別名を、イチリョウ(一両)
アリドオシの花を、初めて見ました。長さ1.5cmほどの花です。細く長いトゲが幹にあり、それは「アリのような小さい生き物さえも刺す事が出来る」「トゲが鋭く、アリくらいしか幹を這い渡ることが出来ない」の意味から、アリドオシの名になったとされます。山地の林下に見られる植物です。
センリョウ(千両)・マンリョウ(万両)・モッコク(木斛)の樹とともに、植えられることもあります。それは言葉遊び。「千両・万両を、木の枡(ます)で受けて、(この世の富が)ありどおし」の発想で、そうされています。縁起が良いものとされます。
アリドオシの名札
カスミザクラ(霞桜/バラ科 サクラ属 落葉高木)
名前を知りませんでしたが、日本の桜の野生種(11種ほどある)のうちの、ひとつです(基本野生種)。花姿が、カスミがかかっているように見えることから、カスミザクラと呼ばれています(青空のもとでは、カスミという印象ではありませんでした)。
東の茶室の近くで目にしました。
カスミザクラの花
観仙楼(正面の建物)
1階では、披露宴の準備が進められていました。
ボタンの花
観仙楼の手前で見たボタンの花。
シャクナゲ(石楠花、石南花/ツツジ科 ツツジ属 常緑広葉樹・おもに低木、まれに高木)
街でもよく見られるツツジに似た印象の花、それもそのはずツツジ科の植物です。しかし花は、ひとまわり大きなものです。
毒を持つ植物。触れるくらいでは何も起こりませんが、葉に毒素(グラヤノトキシン)を含むので、口にすることが無いようにしてください。もし食べれば、嘔吐・下痢・呼吸困難が起こります。
シャクナゲの花
園内の龍仙湖
観仙楼前から北東方面を見た風景。画面左手にはソテツの木。
カキツバタ(杜若、燕子花/アヤメ科 アヤメ属 多年草)
徳川園敷地の東南にある滝に向かう道、湿地に根をおろすカキツバタ。青紫の花を咲かせていました。今年は花の訪れがやや早いようです。カキツバタも見られましたし、スイレンも咲き始めが見られました。
アヤメは花の中央賦根元に黄色の模様があるもので、乾燥地に根をおろすものです。ショウブは、こどもの日に青い香りの強い葉をお風呂に入れて、子の健康を祈るものですが、花は指の形で黄色くて小さいです(カキツバタやアヤメの花形とは異なります)。
カキツバタの花
観仙楼
シロバナマンサク
西側の高台にある茶室・瑞龍亭の出口近くで咲いていました。初めて見た花でした。
カエデの葉の、いきいきとした青さ
カエデが小さな花を咲かせていました
カエデは小さな花を驚くほど多く咲かせます。この日、カエデの花の盛りは、ピークを過ぎつつありました。カエデも、様々な種類があるようです。今は適当な書籍が手もとにありませんの、書籍をいくつかあたり調べてから記事を書こうと思います。
シロヤマブキ(白山吹/バラ科 シロヤマブキ属 落葉低木)
白い花を咲かせるシロヤマブキ、葉にあるたくさんの筋が特徴です。また、4つの球になる種が印象的です。
本州の中国地方に自生する種ですが、園芸用として栽培され各地で見ることがあります。
シャガ(射干、胡蝶花など/アヤメ科 アヤメ属 多年草)
白が基調のシャガの花。遠目には地味に感じても、近寄って、しゃがんで見れば、その印象が変わる事でしょう。
白い花びらにはわずかに青色が乗り、黄色のラインを中心に、ブルーの星がたくさん散っています。
シャガは中国原産の帰化植物、かなり古い時代に日本に入って来たのだと思われます。
湿地や水辺で目にする事が多いです。日本のシャガはすべて同一遺伝子を持つとの事、ひとつの株が分けられて、人里で大切に育てられていたのかも知れません。花を愛でる誰かのために。
南側にある門です
徳川美術館に近い出入口です。
モクレン(木蘭、木蓮/モクレン科 モクレン属 落葉低木)
徳川園の外に出ると、街路樹にはハクモクレンの花が多くあります。徳川園のある名古屋市東区の区の花になっているので、あの辺り一帯に植えられています。ハクモクレンは花が早く、もう花期は終わっています。
この画像は、モクレン(木蓮)の花です。街路樹の花を撮りました。赤紫と言ってよい花色から、シモクレン(紫木蓮)とも呼ばれます。中国南西部が原産です。
モクレンの花
八重の桜
これも街路樹です。徳川園隣接の公園前で撮影しました。
八重の桜
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