6話ラストは導入で、7話から、本格的に新しい事件です。
【おことわり】
こちらの筋追いは、気になったドラマを、世に出回る商業翻訳ではなく、ドラマ好き有志の英訳・もしくは配信サイトの英訳をもとに、(英語ができないくせに)果敢に訳した「なんちゃって訳」となっており、多少、ストーリー展開は訳者の願望に寄ってます。内容を把握しながら、突っ込んだり、賞賛したりしたいという、ドラマ好きの発露です。
ラストまでの完全ネタバレです。
なお、扱う内容も、異性愛だろうと同性愛だろうと「どーんとこい!」でして、ある一部の性的指向を称賛するものではありませんが(笑)、若干、作品選定において、バランスは欠いております。
誰かにとっては不適切なテーマ、扇情的な言葉や画像を含むかもしれません。ごめんなさいです🙏💦💦
いつものごとく、本格的なネタバレ&上記のご注意をご理解いただき、OKの方のみ、おすすみください。
『猟罪図鑑 ~見えない肖像画~』
猎罪图鉴(獵罪圖鑑) / Under the Skin
2022年(中国)3/6~ 3/16, 2022
45分×全20話
脚本: Jia Dong Yan、 Wu Yao
演出: Xing Jian Jun
前記事未読の方は、こちらから
#EP7-1
第七集
~華家リビング~
時間を気にしながら、ソファに座っているこの家の主 華教授のもとに、1本の電話が入ってくる。
前記事6話のラストで、恋人に「誘拐された」と言われて、ショックを受けた女性=華木姚(ホワ・ムーヤオ)
の父親でもあります。
華教授「今、何時だと思ってるんだ? こんな時間になっても帰ってもこないで!」
どうやら、帰宅の遅い娘からの電話に、声を荒げているようです。
ただし、聞こえてきたのは、娘の声ではなく、男性の声。
男「華教授、あなたのお嬢さんは、今夜、家には戻れません」
華教授「お前、何者だ?」
男「今、そんなことは重要じゃありませんよ。重要なのは、お嬢さんが私の手の中にいるということです。」
このあたりで、シャレじゃないと気づいたのか、身体を起こす華教授。
男「あなたのお嬢さんは、今夜、家には戻れません。お嬢さんの命が大事なら、現金で、300万元ほど準備してください。当然、あなたには、警察に連絡する選択もあれば、私にもまた選択の余地があるということです」
警察に言えば、娘さんを殺しますよ、と言ってるようなものです。
それを後ろで縛られた状態で聞かされているムーヤオ。
華教授「姚姚(ヤオヤオ)はどこにいる?あの子と話をさせてくれ!」
電話は無情にも切れました。
すぐに、メッセージを受信。
「オ~~(ポォ(爸)~~)、オ~~」
口をテープでふさがれた、くぐもった悲鳴。
縛られた状態で椅子に座らされた娘、ムーヤオの動画でした。
現実を突きつけられた華教授。
~誘拐現場~
外かと思ったら、どうやら、家の中の階段みたいなところに腰掛け、煙草を吸っている男。
華木姚(ホワ・ムーヤオ)が、"聞璟(ウェンジン)"と呼んでいた眼鏡の男です。
2階に連れて上がってきてたってことのようです。
ムーヤオのすすり泣く声が聞こえてます。
足もとに落ちている煙草の吸殻が4本。
5本目を吸い終わり、吸殻を全てビニール袋に入れ、ムーヤオの正面にしゃがむウェンジン。
ムーヤオの目には、混乱が生じています。
そりゃ、恋人だと思っていた男からこんなことをされたらね。
涙を拭こうと、ティッシュ(?)のようなものを顔に当てられそうになり、嫌がるムーヤオ。
ウェンジン「ごめんよ・・」
そういうと、強引に、ムーヤオの涙を拭き始めます。
謝られても、実際、縛られている身では、顔を背けるしか方法はありません。
それがまた、涙を誘発し、とめどなく涙があふれてきます。
ウェンジン「ムーヤオ、君はとても綺麗だ。本当は、君のことを傷つけたりしたくない。それでも、こうしなければならないんだ」
それだけ言うと、家を出て、外から南京錠に鍵をかけるウェンジン。
<終わったよ、あとはまかせた・・>
メッセージの相手は、段哥・・
~廃墟2階~
一人になってから、かなり身体を動かし、少しずつ足もとの細いロープが緩み始めたムーヤオ。
これはいけるかも・・・と、渾身の力を込めて、椅子にまかれたテープを取ろうとしていますが、こっちはびくともしません。
部屋の時計は、ちょうど午前0:00になったことを示しています。
~華家リビング~
力なくソファに座っている父親の華教授。
部屋の中では、もう一人、電話している人物・・・のちのちわかりますが、ムーヤオの婚約者とされている廷飛(ティンフェイ)です。
ムーヤオの電話は、電源が入っていない、という無情なメッセージ。
華教授の隣に腰掛け、「警察に通報すべきです」と進言するティンフェイ。
華教授「それはできない。万が一、ヤオヤオの身になにかあったらどうする?絶対にだめだ!」
ティンフェイ「・・・・・・・」
~廃墟2階~
諦めず、身体を動かしているうちに、緩んできた指を使い、椅子の金具のねじを外し始めるムーヤオ。
ねじと連動した金属の支柱の心棒をはずし、もう一方のねじも回し始める。
両方の支えを失った椅子は、ムーヤオの動きに合わせて、グラグラと揺れだし、きしみ音も大きくなってくる。
ガタンと大きな音をたてて、崩れた椅子。
縛られていたロープを外し、自由の身になったムーヤオ、慌てて、1階に降りてくる。
階段の一番下に、鉄格子?
そこにも、南京錠がつけられていて、1階には降りられない。
別に今回の誘拐のために新たに付けられた鉄格子って感じじゃなくて、元からここにあったみたいだけど、一体、この建物はなんなの???
すぐさま、2階に駆け上がり、脱出できる窓を探すムーヤオ。
硝子窓を割り、ベランダに出ると、
なんとか屋根を伝い、地面に飛び降りることに成功。
~北江分局~
そのまま、最寄りの民家なり、人に助けを求めたのか、とにかく、ガタガタ震えながら、婦人警官に付き添われているムーヤオ。。← いまここ。
ハンも傍にいて、事情を聞きだそうとしています。
ハン「それで・・彼氏の写真とか一枚も持ってないの?」
この聞き方、ちょっとムーヤオに対して、違和感感じてる?
首を振るムーヤオ。
暖かい飲み物を出してもらい、タオルケットが身体に掛けられてます。
一応、ムーヤオから事情を聞き終えたハンが、早速、警察のデータベースに人物照会に掛けてみる。
ハン「女性を排除したうえで、聞璟(ウェンジン)という名前を探すと、該当者は3人います。見てください」
モニターを、ムーヤオのほうにむけるハン。
山西出身の24歳
ムーヤオ「・・・・・」
小さく顔を横に振るムーヤオ。
北京出身の20歳の大学生。
それも違います。
ハン「おそらく、この人ってことはないわよね?」
1957年生まれの成都出身の聞璟(ウェンジン)さんが最後でした。
(やっぱり、城市戸口(都市戸籍)とか農村戸籍とか載ってるんだね。)
ハン「名前は、この二文字で間違いない?」
ムーヤオ「そのはずです。前に、手紙にもそう書いていたし・・」
ハン「そうなると、DNAの鑑定を待つしかないですね。その後で、結果を検討してみましょう」
その時・・・「もう、チェックしたわ」という声がして、鑑識の何溶月(ホーロンユエ)が入ってきました。
単に、ムーヤオが拉致監禁された女性だからなのか、それとも、教授の娘だからなのか、そこらへんはわかりませんが、事情を聞くのも、来客用のソファの応接スペースだし、対応も女性警察官限定って感じで、一応、配慮を感じます。
立ち上がり、ロンユエのもとに行くハン。
ロンユエ「彼女の身体からは、一切、暴行されたような痕跡はなし。男のDNAは検出されなかった」
こういう時って、暴行されてないって本人が自己申告しても、念のため、調べられたりするのかな?
でも、このロンユエの言い方は、実際に検査したって感じだよね。
ハン「だったら、このあとはどうすれば?」
声を落として、ロンユエに確認するハン。
たぶん、二人の頭に浮かんでるのは、同じ人物のはずです。
~沈翊のアトリエ~
帽子の女のシルエットが浮かぶ海の中の絵を前に、
じっと座っている沈翊。
膝には、猫の暁玄(シャオシュエン)が乗ってた。
シャオシュエンが膝から降りても、
じっと絵を見上げている沈翊に、生気がない。
海から助け出されてから、どのくらい経ったんだろう。
なんとなく、まだ、それほど経ってなくて、自宅待機くらいの感じがするなぁ。
ごろんと、床に仰向けになる沈翊。
そこに一本の電話。
お呼びだしですね。
ロンユエ「沈翊、夜分に申し訳ないんだけど、誘拐事件が起きたところなの。被害者は女性。彼氏に拉致されたと主張してるんだけど、現在のところ、容疑者を特定できるような情報が何一つ見つかってないの。」
聞きながら、身体を起こす沈翊。
ロンユエ「あなたに頼るしかなさそうよ」
沈翊「わかった。すぐに行くよ」
すぐさま、自転車で、北江分局に向かう沈翊。
~現場の廃墟~
夜明けを待たずして、すでに、杜城たちは、捜査を開始してました。
ムーヤオが監禁されていた廃墟、小型の船が陸揚げされているところを見ると、海沿いで、もとは漁師さんの家だっとか?
玄関にかけられた南京錠はさくっと外され、懐中電灯片手に中に入る杜城やフォン。
階段の仕切りの南京錠も、ボルトカッターでバチン。
二階に上がると、部屋の中央には、ムーヤオが供述していたとおり、
椅子がバラバラに壊されており、割れたガラス窓も確認する。
杜城「基本的には、被害者の供述どおりだな。自分で逃げ出したんだ」
時計を確認する杜城。
杜城「時間差を利用できるかもな・・」
フォン「それって・・・」
杜城「誘拐犯が戻ってくるかもしれない。 ただちに、配備しろ」
~北江分局 来客応接室~
沈翊も到着しました。
ハン「沈先生・・」
立ち上がり、ムーヤオに沈翊を紹介するハン。
ハン「こちら、うちの分局の、沈警察官です」
沈翊「こんにちは」
笑顔なし・・・のムーヤオ。
ムーヤオの隣に腰を下ろすと、バッグをあけ、
「さぁ、もう出てきてもいいよ」と声をかける沈翊。
みぃ~
顔を覗かせたのは、シャオシュエン(笑)
しかも、芸達者やのう。
ちゃんと、ムーヤオを仰ぎみたのよ。
私なら、これだけでイチコロよ(笑)
バッグの中から、シャオシュエンを出してあげる沈翊。
ハン「沈先生ったら、猫ちゃんを連れてきたりしたんですか?」
沈翊「一人で家に置いていても退屈だろうからね。この子と仲良くしてくれる?」
え・・と戸惑いつつ、
シャオシュエンを膝の上で抱っこするムーヤオ。
にや~~ん
~沈翊の部屋~
まだまだ、緊張がほどけないムーヤオを、自分の部屋に連れてきた沈翊。
シャオシュエンが、ちょっと苦しそうだ。
沈翊「この子、シャオシュエンって言うんだ。君のこと、気に入ったみたいだ」
ちらりと、シャオシュエンを見るムーヤオ。
しかし、この部屋、似顔絵は無数に貼ってあるわ、デカい油絵は立てかけてあるし、頭のホネ男やら、ホネ子(=頭蓋骨)はゴロゴロいるし、慣れてない人には、ちょっと違和感ありまくりかもね。
ムーヤオの視線に気付き、頭蓋骨を取り除き、ティッシュを取ると、ムーヤオに渡す沈翊。
沈翊「泣けるなら、思いっきり泣いたほうがいいよ」
あふれ出た涙をティッシュでぬぐうムーヤオ。
ああ・・・ボロボロ流れ出る涙って、顎にたまるよね。
ムーヤオ「あの人、どうして、こんなことをしたのかな?」
ようやく、声を出したムーヤオ。
沈翊「それは、警察が彼を見つけた時に、君自身の口で、彼に訊ねるといい」
口調は優しいけれど、変に、ムーヤオに同情したり、迎合したりはしない沈翊。
ムーヤオ「理由を知りたいんです。さっきの、あっちにいた警察の人たちは、"どうして、そんな知らない人のことを信じたんだ?"って言ってたけど・・・」
沈翊「その人って、見知らぬ人だったの?」
え・・・と、逆に、言葉につまるムーヤオ。
ショックのせいで混乱しきっているムーヤオの様子を見て、安心させるよう、柔らかく微笑んでみせる沈翊。
沈翊「だって、彼は、君が好きになった人なんでしょ。君にとって、その人は、見知らぬ人なんかじゃなかったはずだよ」
そうじゃないの?
あの廃墟で、聞璟(ウェンジン)本人から、君を誘拐した、と言われ、縛られた時もちゃんと意識はあったわけで、自分自身も、自信を失いかけてたのに、ここにきて、はじめて、そんなふうに言ってもらえたムーヤオ。
これはもう・・・この人になら、何を言っても大丈夫だ・・・って思っちゃうだろうなぁ。
犯罪被害に限定しなくても、不幸にして、こうして辛い目にあってしまった時に、こういう対応をしてもらえるか、もらえないか、で、その後の人生、全然、変わるんだよ、と教えてくれてる気がする。
沈翊「さぁ、彼がどんなふうに見えたのか、僕に話してくれるかな。まずは、僕が絵に描いてみるね」
口許にキュっと力を入れて、小さく頷くムーヤオ。
心を開けたのは、沈翊の人柄と・・・抱っこしているシャオシュエンの温もりのせいかな。
それに、
自分自身で立ち向かう勇気を持たないと、何事も始まらない。
沈翊、さすが。
動物療法(たぶん、効果をある程度期待して、シャオシュエンを連れてきたはずなので・・・)といい、メンタルクリニックの先生みたい。
~現場の廃墟~
夜が明けました。
バイクに乗った出前の男が、廃墟に現れました。
明るいところで見ると、全容はこんな感じだったんだね。
朝食?を届けにきた感じで、バイクをおり、玄関にむかって進み始めたところで、張り込みしていた杜城の隊員たちから取り囲まれました。
地面に押さえつけられる配達員。
~沈翊の部屋~
夜通し、ムーヤオから、話を聞いていたみたい。
コンコンコンとノックの音がして、杜城が入ってきました。
杜城「もう、絵は必要ないぞ。男を確保した。(ムーヤオに)一緒に来て、確認してくれ」
え・・・と驚く沈翊とムーヤオ。
それでも、シャオシュエンを沈翊に返すと、
杜城のあとに続き、部屋を出ていくムーヤオ。
おお、描きあがった聞璟(ウェンジン)の似顔絵。
絶妙に似てる!
しかも、本人より、ちょっと優しめな感じなのは、まだ、ムーヤオが聞璟(ウェンジン)のことをそう思っているからだよね。
~聴取室の隣の監視ルーム~
ここから、聴取室の人間がよく見えます。
「顔をあげるように」
いわゆる面通しですよね。
きっと、配達員も含めた数名の男性が並んでいたんじゃないかな。
ムーヤオ「この中にはいません」
まっすぐに、毅然と答えるムーヤオ。
杜城「・・・・・」
ここで切ります。
★『猟罪図鑑』Ep.07-1 雑感★
本文中に、
単に、ムーヤオが拉致監禁された女性だからなのか、それとも、教授の娘だからなのか、そこらへんはわかりませんが、事情を聞くのも、ソファの面談室で、対応も女性警察官限定って感じで、配慮を感じます。
・・・と書きましたが、結果的に、ムーヤオ自身が全く配慮されてると感じてなくて、効果なし(笑)
ケアされてるのはわかっても、言葉や応対の端々に、自分が受け入れてないっていう空気、感じちゃいますよね。
ただ、実際、こういうケースで一番疑われるのは、実は被害者も共犯で、狂言だったというケースが思い当たったりするので、致し方ない部分もあります。
それに、ショックを受けて頑なになったムーヤオの心を、繊細で細やかな沈翊の態度や思いやりが解きほぐしていく、という大きな命題のためかもしれませんが、どうも、被害者が女性の場合は特に、ハンちゃんやロンユエの言動が"女性だから女性のことがわかる"という単純な描かれ方になってないところも、なんか狙いがあるのかな。
・・・とはいえ、まだ、この段階では、ほとんど何もわかってないも同然ですけどね。
個人的には、杜城と沈翊の絡みが少なすぎて、酸欠・・という"お花畑な脳"状態になってます。