フェルメールに、こんなに時間をかけることになるとは・・・不覚!(笑)
【おことわり】
こちらの筋追いは、気になったドラマを、世に出回る商業翻訳ではなく、ドラマ好き有志の英訳・もしくは配信サイトの英訳をもとに、(英語ができないくせに)果敢に訳した「なんちゃって訳」となっており、多少、ストーリー展開は訳者の願望に寄ってます。内容を把握しながら、突っ込んだり、賞賛したりしたいという、ドラマ好きの発露です。
ラストまでの完全ネタバレです。
なお、扱う内容も、異性愛だろうと同性愛だろうと「どーんとこい!」でして、ある一部の性的指向を称賛するものではありませんが(笑)、若干、作品選定において、バランスは欠いております。
誰かにとっては不適切なテーマ、扇情的な言葉や画像を含むかもしれません。ごめんなさいです🙏💦💦
いつものごとく、本格的なネタバレ&上記のご注意をご理解いただき、OKの方のみ、おすすみください。
『猟罪図鑑 ~見えない肖像画~』
猎罪图鉴(獵罪圖鑑) / Under the Skin
2022年(中国)3/6~ 3/16, 2022
45分×全20話
脚本: Jia Dong Yan、 Wu Yao
演出: Xing Jian Jun
分割してます。
前記事を未読の方は、こちらからどうぞ。
#EP1−4
引き続き、実況見分中。
監察医ロンユエ「被害者は、チアノーゼが出ていて、シアン化毒物による中毒の兆候がある」
杜城「毒? ワインに毒が入っていたのか?」
ロンユエ「それを知るために分析するのよ。死後硬直の状態から見て、死後32~35時間といったところね」
杜城「つまり・・・日曜日の夜の・・午後9時から12時ころってことだな?」
ロンユエ「そうね、その範囲ってことになるわね」
その時、テーブルの上にある紙に気づいた杜城。
杜城「なんだ、これは?」
ロンユエ「ああ、この住宅の配置図よ。あの新入りくんが描いたのよ」
沈翊「この部屋の構造は少しおかしい」
そういって、沈翊が会話に入ってきました。
そのまま、杜城から紙を受け取る沈翊。
沈翊「下の階と比較すると、この部屋は明らかに改装されている。どこかに隠し部屋があるはずだ・・この目に見える空間の中に。」
思わず、壁に視線を走らせる杜城やロンユエ。
自分が書いた平面図と実際の部屋の中を照らし合わせながら、奥へと進んでいく沈翊。
ここでね、ロンユエが、当然の如く、沈翊のあとに続くのがいいのよ。
だって、不承不承ながらも、杜城も従わざるを得ないじゃん(笑)
となると、もれなくフォンもついてくるわけで・・・(笑)
一見するとただの飾り壁と壁の隙間のような空間。
いきなりしゃがむと、バッグから鉛筆を取り出し、芯を削り始める。
紙の上に盛られていく、細かな黒芯の粉の様子を、
背後からロンユエも見守る。
フォンも興味津々。
杜城だけが、パフォーマンスかよ、と、そっぽを向いてる(笑) ← いるよね、こういう小学生(笑)
実際には、ものすごく気になってるくせに(笑)
壁の隙間に、その紙を寄せていく沈翊。
かすかに、黒芯の粉が風にあおられ、微かな動きを見せる。
壁を見上げる沈翊。
沈翊:この壁の向こう側に隠し部屋があるのは間違いない。
ロンユエ「隠し部屋との気温差によって、こちら側との圧力差が生じ、空気の流れが生じてるんだわ」
ロンユエ「よく気づいたわね」
やるじゃない・・と、見つめるロンユエ。
沈翊は、中に入るための扉を開ける仕掛けがあるに違いない、と周囲に目を動かし、反対側の壁に掛けられた額、フェルメールの「真珠の耳飾りの少女」の絵に注目。
フォンが、壁をコンコン叩きながら「どうやって入るんだ?」と首を捻り、沈翊に訊ねると、無言のまま、じっと絵画を見つめている沈翊。
ロンユエがその視線に気づき、「なにを探してるの?」と質問する。
沈翊「錯覚・・・」
ロンユエ「“真珠の耳飾りの少女”ね」
※通称:青いターバンの少女
沈翊「世界中で、これは、真珠の耳飾りだと考えられてきたが、これはただの、偶然ついた白い絵の具の染みでしかなかった。近づいてみてみてください。少女の耳たぶと、真珠と呼ばれているものは、全く接していないんです。我々の脳(後頭葉)を騙そうと、フェルメールが錯覚を利用したんです」
<補足説明&びび’s覚書き>
『真珠の耳飾りの少女(青いターバンの少女)』 を所蔵するマウリッツハイス美術館(オランダ)の発表(2020.4.28)によると、同美術館が初めての科学的調査を行ったところ、いくつかの新事実が発見されたという。
具体的には、
1、少女の目の周りにまゆげが描かれている
2、背景には緑色のカーテンが描かれていたが、数世紀の時代経過により色あせてしまった
3、少女の耳やスカーフの上部、首筋の位置をずらして絵の構図を修正していた
4、真珠自体は「錯覚」であり、「白い顔料の半透明で不透明なタッチ」により描かれ、耳飾りのフックは描かれていない
この動画↓音声が残念なことになってるんですけど、マウリッツハイス美術館公式チャンネルで出してる解説動画の中では、一番わかりやすい気がします。
フォンがロンユエを押しのけるようにして、額に近寄って、凝視する。
その様子を一人離れたところで見ている杜城。
素直じゃないんだから・・(笑)
フォン「それで?あんたの結論とやらはなんなんだ?」
沈翊「白い汚れは、涙を流した痕跡を隠す印、これがからくりの仕組みであるはずだ」
そういって、沈翊が、白い部分を押すと、
カチャリと音がして、扉が勝手に開き、隠し部屋の存在が明らかに。
うわ~~お!!
The 隠微!!
みるからに、怪しげな匂いがプンプンします。
さすが、百戦錬磨のポリスメンたち&発見者の沈翊も一瞬声を失いますよね。
フォンが真っ先に部屋に入っていく。
部下を呼ぶロンユエ。
ロンユエ「ここには、生物的な痕跡がたくさんあるはずよ。みんな、注意してね」
生物的な痕跡・・・ま、髪の毛、皮膚、指紋、体液その他、もろもろね。
一人、大きな額縁の前に立ち、その絵を見つめる沈翊。
部屋の中央に置かれた、異様な形の拘束ベッドのような物体。
しかも、無駄にゴージャス!
その下を覗き込み、黒いボックスを引っ張りだした杜城。
杜城「(フォンに)回収して持ち帰るぞ。通し番号を記録しておけ」
沈翊が、テレビの下のラックの引き出しを開けると、ナンバリングされた大量のCD。
杜城「勝手に触るな!」
大声と共に、沈翊を遠ざける杜城。
~モニタールーム~
フォン「梁毅の病院内には、監視カメラがありません。つまり、入口の映像はこれのみです。」
外部に設けられた防犯カメラの映像です。
杜城「土曜の夜から翌日曜朝にかけてのすべての出入りを確認してくれ」
ここは向かい側のビルとかの防犯カメラの管理ルームなのかな?
杜城「ちょっと止めてくれ。10秒くらい巻き戻して」
入口に向かって歩く女性の姿。
杜城「すでに、この時間だと、病院は閉まっているっていうのに、この女性は何をしてるんだ?」
じっとモニターを凝視する沈翊。
杜城「彼女が去った時間を確認してくれ」
23時57分でした。
杜城「死亡推定時刻と一致する」
フォン「彼女の顔は完全に覆われてます。これじゃ、まったくどんな顔なのかわかりませんよ」
沈翊「私が描いてみましょう」
えっと驚き、振り返るフォン。
耳をそばだてる杜城。
フォン「え・・どうやって? たったこれだけで?」
沈翊「ええ・・・」
画面上には、戻ってきた女性の姿が小さく映っている。
ここは、初見時、私もフォンと同じ気持ちでした(笑)
~現場周辺の聞き込み中~
フォン「これだけの住宅密集地なんですから、周辺の監視カメラに女の姿がないなんてありえませんよ」
フォンも、杜城と同じく、防犯カメラ映像信者なのかな(笑)
ま、 実際、公判になった際の証拠能力も高いしね。
フォン「それなのに、女の消息は跡形もなく消えてしまってるんですよ。絶対、変ですよ」
収穫なしに、愚痴たらたらなフォン。(笑)
杜城「見落としてるものがあるに違いない」
周辺を見回しながら、呟く杜城。
フォン「隊長、沈翊は、あんな風に覆われてる女の似顔絵を描けると思います?」
杜城「お前はどう思う?」
フォン「さすがに無理だと思いますよ~~」
ちょっと小馬鹿にしたように笑うフォン。
異存はないらしい杜城。
そこに、刑警隊から着信。
杜城「もしもし?」
鑑識担当「隊長、梁毅の隠し部屋で発見されたディスクに何が入っていたか、中身をご存じでしたか?」
~北江分局 モニタールーム~
急いで、戻ってきた杜城とフォン。
二人に気づくと、担当官が、ようやく来ましたね、とばかりに立ち上がる。
担当官「ああ、続きを頼みますよ。さすがに気分が悪くなってきた・・・」
モニターの前の席に座る杜城。
担当官「今まで、ずっとそれらを見てたんですけどね、全部同じですよ。ディスクの女性は、それぞれ違う女性です」
録画を嫌がる女性を、執拗に撮影し続けるカメラの向こうの存在がいたことは確かです。
担当官「明らかに整形手術を受けてるようですね。顔立ちがよく似てるんですよ。」
杜城「みんな、レイプされてるのか」
担当官「ええ、意識がない者もいましたし、中には、はっきり意識があって、喜んでピースサインまでしてる人もいますよ」
え・・と驚くフォン。
担当官「それから、ディスクに記された番号の中で、32番~36番のディスクがないですね。患者の医療カルテと照合してみました。 総数87名 どうやら、ディスクも同じようにナンバリングされてるようです。」
判明したことを説明する担当官。
ただし、ディスクとカルテのナンバーはリンクしてないらしいです。
モニターに映し出された、女性の下着をおろす梁院長の動きや、隠微な秘密の手術室の様子を見つめ続ける杜城。
~沈翊の部屋~
防犯カメラの映像を極限まで引き延ばしたのがこれ。
↓こっちなら、いくらでも見てられる!
まずは、顔の部分を、映像どおりに描きうつす。
それも、いろいろな角度から。
これで7枚目。
その時、「ごはん食べました? 沈先生」と声をかけてきたのは、ミス黄金比(笑)
沈翊「まだだよ」
ハン「だめですよぉ~~。うちらみたいな仕事は、身体が資本なんですからね。なにが食べたいですか?私、買ってきますよ」
沈翊「ああ、平気だよ。必要ない、ありがとう」
ここで、ようやく壁のスケッチに気づいたハン。
ハン「うわぁ~、これ、全部、描いたんですか?」
頷く沈翊。
ハン「すっご~い!」
ふと、ハンを見て、なにかに気づいた沈翊。
沈翊「君・・・身長は163センチだよね?」
ハン「え・・ええ」
沈翊「体重は、44キロ?」
ハン「・・・かなり正確ですね」
くぅ~~、やはり、40キロ台は素直に認められるのね。
BMIも黄金比かよ!
・・と思ったら、ハンちゃん、低体重だって!
拝啓 千里眼の沈翊さま、あなたには一度お会いしてみたいけれど、会えない理由ができました(笑)
思わず、笑みがこぼれる沈翊。
沈翊「その・・・君に頼みがあるんだけど・・」
気付けば、だいぶ、夜も更けてきました。
なるほどね、等身大の生きたデッサン人形か・・(笑)
細かく計測しなおしながら、微調整していく沈翊。
ハン「あの人の顔は、マスクで覆われてましたよね。それなのに、本当に描けるんですか?」
沈翊「(人の顔の)シルエットっていうのは、顔の輪郭さえ計測できればいいんだ。それから、三庭五眼を基に、15のグリッドに分割する」
グリッド!!うわ、懐かしい。
そうそう、中学校の美術の先生に叩きこまれたよ(笑)
でも、のちのち、すごく役になったけどね。
沈翊「五官(眉・目・鼻・口・耳)の位置を反転させ、基本の大きさにサイズを整えればいい。だが、正確な顔を描くためには、もっと詳しい情報が必要なんだ」
そのようにして得た顔のパーツの輪郭に合わせて、定規を使って、特徴的なポイントを配置していくという、細かい作業が続くのよ。
集中しているところに、背後から、
ハン「(小声で)これ、なんなんですか?」
と、ヒソヒソ声で話しかけられ、ああ、と身体をおこす沈翊(笑)
沈翊「これらは、人物を(正確に)描くのに最も重要な、顔の表面に出ている36個の骨点なんだ。それぞれの骨点は、まるで正座のようにお互いにリンクしているんだよ」
芸術は宇宙だった。
沈翊「これらの36個の骨点は星のように存在し、お互いが繋がり合う。それにより、人の顔の構成というものをある程度予測することができるんだ。だが、今回の彼女の場合は、顔のほとんどが覆われすぎている。そのために、その他の不確かなリンクを取り除くためにも君の力が必要なんだ」
そして出来上がったのがこれ。
沈翊「これが、彼女の顔の造形のはずだ・・」
ハン「でも、なんだかこの顔、変ですよね」
素人目にも、歪んでいるのがわかります。
沈翊「おそらく、彼女の容貌は傷ついているのではないかな・・」
美容整形と結びつけると・・その意味がわかりますよね。
~モニタールーム~
あれから、ずっと、一枚一枚、ディスクの中身を確認している杜城とフォン。
だいぶ、疲れが出てきてます。
フォン「これ、続けるべきですかね?」
杜城「やらなきゃな・・・」
フォン「これだけ多くの女性のビデオを見たのは初めてですよ。なんだか吐き気がする・・・」
昼間の担当官も同じこと言ってました。
※実際の捜査でも、押収してきたアダルトビデオも全部確認するらしいですが、面白がってるのは最初のうちだけで、あとはひたすら苦行らしいですもんね。
フォン「実際、梁毅って奴は、凝り固まった美学のようなものがあるみたいです。これらの女性は全部同じに見えてくる」
杜城「当然だ。同じ人間の手で、同じ型どおりに構築されるんだからな」
フォン「こっちは手術後のビデオで、こっちのは手術前の医療記録です。こんなのどうやって一致させるんですか?」
やっぱり、ナンバリングはリンクしてないのね。
杜城「画面撮影しろ。明日、病院のスタッフに聞けばいい」
そう言いながら、ちゃんと、フォンにコーヒーを入れてあげてます。
フォン「ああ、わかりました」
杜城「ここはまかせたぞ」
フォン「どこいくんですか?」
無言で行っちゃいました(笑)
残されたフォンの、これ、一人で見るのか・・という絶望顔(笑)
オフィスに戻ってきた杜城、406号室にまだ、明かりがついていることに気づきました。
中に入り、「なにしてるんだ?」と訊ねる杜城。
振り返る沈翊。
ちょっと気まずそうなハン。
沈翊「あの女性の肖像画を完成させるために、手伝ってもらってるんです」
杜城「俺は指示してないぞ」
ハン「沈先生が、彼女の顔が隠れているために描くのが難しい、彼女の容貌が損なわれているせいで、描くのは容易ではないとおっしゃったので、それで、モデルになったんです」
※入力ミスってました。訂正します。
杜城「そんなに残業するのが楽しいか? 医療記録の分析は終わったのか?」
ハン「はい・・」
杜城「もう一度、チェックしろ」
不本意ながら、部屋を出ていくハン。
沈翊「彼女を責めないでください。私が手伝ってほしいと頼んだんです」
ちらりと、デスクの上を見る杜城。
杜城「で、描きあがったのか?」
杜城「もし描けないなら、ただ、そう言えばいいだろ。面目を保とうとせず、前みたいな」
沈翊「描きあげるよ」
杜城「いつだ?」
沈翊「明日の朝までには」
杜城「もし、描き上げられなければ、荷物をまとめて、さっさと出ていけ」
沈翊「もし、描きあげられたら・・・ここを私のアトリエにする」
一瞬ムッとしたものの、できっこないくせに・・と、鼻で嗤い、
部屋を出ていく杜城。
杜城「見ものだな」
そんな杜城の後ろ姿に、微笑む沈翊。
第一話 ここで、エンディングです。
字幕、設定しなくても、台湾語→日本語で訳されたのが出てきた。
★『猟罪図鑑』Ep.01-4 雑感★
さすがに、あれだけの広さの隠し部屋の存在は、沈翊でなくても、もしくは、建築に詳しい人でなくても、捜査官の誰かが気づいたとは思いますが(笑)、あの段階で、違和感に気づき、いきなり壁をぶちこわす・・などという暴挙に出ず、きちんと、鍵の解除方法も導き出したところは、沈翊の存在意義を高めるものだったと思います。
← 超上から発言(笑)
微風を可視化できる軽い素材はいくらでもあると思いますが、鉛筆の芯を削る、とか、そういうギミックがたまらないなぁ(笑)
ここでも、名画の謎・・・が取り上げられましたね。
私、わりとよく、山田五郎さんの解説なども見るので、『マラーの死』についても、なにか言ってないかな、と一番に探しちゃいましたがなかったです。残念(笑)
で、ついつい、これも見返してしまったんですけども(笑)
内容的に、今回の真珠の謎とは、あまりリンクしてなかったな。
なので、視聴するのは、興味とお時間のある方で十分かな、と思います(笑)← 営業妨害のつもりはありません!すみません、山田先生。
ただ女性陣が、少女のコケティッシュさを力説してるのに、山田五郎氏がピンと来てない風の返しをしてたのがちょっとおかしかったです。
さて、1話見終わりました。
紹介がてら・・な部分もあり、私もあれやこれや余分なことを書いてしまったので、ちょっと散漫な感じになってしまいましたね。
そもそも、考えてみれば「猟罪(猎罪)」という言葉、日本語ではあまりなじみがない。
現代では、『猎』という文字は、(日本ではセキとかシャクとか読みますね)鳥獣の狩猟という意味になるそうで、単純に言えば、猟罪とは、罪を犯した者を捕まえるを表すとか。
これは、最終回まで、ずっと考え続けるテーマかもしれませんが、
図鑑に載るべき動物はなんなのか?
本当に罪を犯したのは誰なのか?
ふと、そんな気持ちになってしまうドラマなのです。