映画館のポップコーンは廃れない
ポテチほど手がベタベタにならず、ぱりぱり音もせず、適度な塩気があって・・・飲み物との相性もよく、値段の割にボリュームがある。
手と手が触れる口実にもなり、相手の気配を掴みやすい。
そして、ちょうど映画が終わった頃に、湿気てしまい、残りを食べる気になれないという割りきりの良さ。。。
誰~~~、これに気づいた人? ← 案外、歴史があって驚いた! 諸説あると思いますので、興味のある方は、Google先生にご相談してみてください。
無茶苦茶、ネタバレしまくってます。OKの方のみ、おすすみください。
4分割しています。
前半未読のかたは、こちらからどうぞ
『Love by chance』
【Ep.04】 (4/4)
~映画館~
座席シートの通路を先頭になって歩いているAe。
Ae「ここだな。お前、こっちに座れ。通路に近いほうが出やすいからな。」
とりあえず、Aeと一緒にいると、自分で考えて行動するという機能が退化しそうって言うと、そもそも、そのシチュエーションに辿り着けないことへの、まけおしみ感出る?
ポップコーンの器を、両手で持っているPete。
こっちはこっちで、可憐なしぐさが自然に身についてます(笑)
Pete「はい・・・」
しかも、冷房が効いてる映画館は寒いので、長袖来てますね。
Aeったら、まだ、Pondに容赦ない視線を向けてます。。
渋々、隣に座るPond。
Pond「(小声で隣のPingに)なんで、あいつ、俺のことをあんな風に見てくるんだよ?・・・まだ、睨んでる~~。なぁ、Ping、席、交換してくれよ」
Ping「嫌だよ。あいつが見てるもん」
Pond「俺、まじで無理」
Ping「俺もだよ」
後ろの席の人「し~~~!」
ポップコーンを頬張りながらも、頭を下げるPing。
Pond「あいつに噛まれそうだ。なぁ、俺と席を替わってくれよ」
Ping「静かに座ってろって!」
かたや、お行儀よく、静かにポップコーンを食べているPeteと、目が合うAe。
Pete「Aeも・・・食べたいですか?」
Ae「うん」
ポップコーンの器を渡すときに、手が重なっただけで、うれし恥ずかし。。。
これぞ『ザ・はじめてのデート』て感じだわ~~~。
お互いに、画面に顔を向けているものの、手を伸ばして、触れるだけで、映画なんか、どっか、吹っ飛んでてる~~。
この、お互いに、一回一回、顔を見合わせる感じ!
パーフェクト!
Ae「(小声で)どうして、お前の手はこんなに冷たいんだ?」
Pete「(小声で)ここは、少し冷房が効きすぎて寒いです」
Ae「(小声で)なんて言った?」
聞こえないふりをすれば、急接近しても、あくまでも自然。 ← あ、本当に聞こえない場合もやってもいいですよ(笑)
Pete「(小声で)ここは少し寒いです」
Peteの手を取ると、「これのどこが、ちょっと冷たいだ、こんなに凍えそうなくせに・・」
Peteの手を包み込み、温めるAe。
その様子を隣で、気にしてるポン&ピン。
P&P「・・・・・」
二組の間の、不自然な空間(笑)
Pete「もう大丈夫です、Ae」
恥ずかしがって、手を離そうとするPeteの手を、更に掴みにいくAe。
Ae「いいって。手をつないでてやるよ、俺、これ、気に入ってるんだ。お前の手、柔らかいから・・・」
ど~しましょう?
こんなカップルが、隣とか、前とか、後ろにいたら・・・。
結局、手をつないで、映画を見たり、お互いを見つめたり・・・はぁ~、可愛いったらないわ。
無事、映画終了。
Ae「どうだった?」
Pete「おもしろかったです」
うしろに続いて、出てきた普通の友達P&P。(笑)
Pong「Ping、すごい面白い映画だったな?」
Ping「そうだな・・・」
Pong「アクションシーンはかっこよかったし・・・」
Ping「うん」
Pong「たったひとつ、残念だったことがある」
Ping「なにが?あ~~、主役の女優の胸があんまり大きくなかったからか?」
Pong「たしかに、それもあったな。だが、俺が言いたいのは・・・」
Ping「なに?」
Pong「お前のせいで、ポップコーンが全然、食べられなかったことだよ!(怒)
映画が始まった時には、もう、お前、ほとんど食っちまってただろ。お前の口に吸い込まれていったじゃん。俺なんて、ほんの数握りしか食えなかった」
Ae「だったら、これ食えよ」
自分たちの残りのポップコーンを渡すAe。
Pond「おい、ちびすけ。おまえら、信じらんないな。なんで、食べ終わらずに、そのまんま、持ってるんだよ。もったいない~~~!もう、こんなに時間たっちゃってる。どうやって食べるんだよ」
Ae「お前が食いたいって言ったから、渡したんだろうが」
Pond「ちょっと待てよ・・・それとも・・・お前ら2人、ポップコーンの代わりに、なにか他のものを食べてたんじゃないのか?おい、なんで、二人して、恥ずかしがってんだよ?俺の“知りたがり屋の鼻”が、ピーピーピーって鳴ってんだよ。あはは」
Ping「Pond、お前の“知りたがり屋の鼻”は随分、可愛く鳴るんだな? ピーピーピーなんて。わかったよ、俺がポップコーンを食べちゃったお詫びに、家で飯をご馳走してやる」
Pond「なんで、家なんかで食うんだよ、ヤダよ」
ちょっと焦った顔をするPing。
Ping「俺たち約束したじゃん・・・お前、おれんちの生まれたばっかの子犬見たいって言っただろ」
Pond「生まれたばっかの子犬? ヤダよ! 今はな、お前のところの生まれたばっかの子犬なんかより、Aeの話を、じっくりと突っ込んだほうが面白いってさ、俺の鼻が・・・」
Ping「だめだよ。お前、腹減ってるし、犬の準備はできてるんだ」
強引に、Pondを連れ出そうとするPing。
2人にしてあげよう・・・ってことでしょ。
こうして、Pingが、まだまだ、ぶ~ぶ~文句を言いづけてるPondの手を引っ張り、ぴん&ぽんが退場(笑)
Ae「よし・・・腹減ったか? なにか食べに行こう・・」
最初から、Pondたちと食事するつもりなんかなかったみたいな口ぶりのAe。(笑)
Pete「僕、お腹すいてないですし、母に、7時には帰るって言ってしまったんです」
Ae「じゃ、ほとんど時間ないな。遅くなったらまずいよ。だったら、俺を寮まで送っていく必要ないぞ、俺、バスで帰るから」
Pete「でも、僕はあなたを送りたいんです。そんなに遠くないですし・・・」
Ae「わかったよ、そんな可愛い真似して言うなよ」
いちいち語尾に、ハートマークつけましょか?
映画館を出て来たところで、ショッピングモールの通路を歩くCanの姿を見つけたAe。
Ae「おーい、Can!」
Can「ああ、Ae・・・あ、キミは・・・ああ、あの時の・・・殴られてた人だよね。大丈夫だったのか? もうよくなったの?あの時、キミを見つけたのは誰だと思う? 俺がICの校舎でキミを見つけた人だよ。俺がAeの友達で良かったよな。そうでなかったら、もっと大事(おおごと)になってたはずだから。はじめ、俺は、キミを殴ったのが、Aeじゃないかって思ったんだ。だって、キミったら、“工学部のAe、工学部のAe”ってずっと言い続けてたんだからね。」
Ae「お前、少しは黙って、息を吸ったらどうだ?」
どこかスイッチが壊れたようにしゃべり続けるCanの様子が面白くてたまらないAeとPete。
Ae「お前が今喋った質問を、Peteが全部、聞き取れたとは、俺には思えないよ」
Can「なんで? 俺は、話したい、話したい、話したいんだよ~~」
Pete「あの・・・ありがとうございました。。ええっと、Can、あの晩、助けてくれて・・・」
Can「おい、気にすんなって。Aeの友達なら、俺の友達だよ。ところで、犯人は見つけたの?キミの代わりに、友達と一緒に、そいつを殴りに行こうか?Aeのことなんか当てにしなくてもいいよ」
話が、ポンポンポンポン、スキップしていくCan。
Ae「ああ、わかったよ、それで、お前、今日はなんでここに来たんだ?」
Can「あ、そうだ。思い出した。俺、買い物に来たんだった。うん、じゃあ行くね、バイバイ・・」
元来た方向に行きかけて・・・「あ、こっちだった」と方向転換して、Canも退場。
ホント、主要登場人物とは思えないくらいの、チープなコミカルちっくな感じを醸し出した演技してるけど、これも、演出(笑)
Ae「あいつは、いつもあんな感じのおしゃべりなんだ」
Pete「そうなんですね・・・」
Ae「さ、もう行こう。帰りが遅くなる」
*******
~寮の入り口~
建物の車寄せのところまで、Aeを送ってきたPete。
Ae「送ってくれて、ありがとうな。」
Pete「はい」
Ae「気をつけて、家まで運転するんだぞ」
シートベルトを外すAeに、「ちょっと待ってください、Ae」と呼び止めるPete。
Pete「僕の叔母が、ヨーロッパから戻ってきたんですけど・・・。たくさん、お菓子を買って帰ってきたんです。よかったら、姪っ子のイムにお菓子を渡してもらえますか?」
頷くAe。
後部座席においてある袋を取ろうと、お互いに同時に後ろに身体を捻った時に、ちょうど、顔が重なり、キスしてしまう!!
※実は、“Accidental Kiss”動画も、大好物(笑)
uh oh~~(オッオ~)! ← なぜ、急に英語?(笑)
そりゃ、見つめあっちゃうし、唾も“ごっくん”よね。
無言で正面を向くAe。
この時の・・なんとも言えない間(ま)。。。
さて・・・何を言う?
・・・かと思いきや、二度目のちう~~~!
今度は、アクシデントキスじゃなくて、意志ありよ。
たっぶり、10秒ほど、唇を重ねてました。
何事もないかのように、後部座席から、お菓子の入った袋を手に取り、Aeに渡すPete。
こういう時って、かえって、普通の行動しちゃうほうが、パニック、激しく起こしてたりするよね(笑)
Ae「俺、お前のこと、友達以上に好きなのかもしれない」
Pete「Aeが・・・僕のことが好き?友達以上に?」
Ae「よくわからないんだ・・・。ここ数日、自分でも混乱してる。おまえのことばかり考えてる。。おまえのことが心配で・・・毎日でも会いたいんだ。どう言ったらいいのか・・・お前の手を握るのも好きだし、お前の顔も好きだ。お前のほほも。全部がすっごく、柔らかくて・・・触れたくて、たまらないんだ。なぜ、こんなふうにお前のことを考えてしまうのか、わからない。俺、誰とも親しく付き合ったりしたことないし、今までに、こんな感情をもったこともないんだ。だから、今、すごく混乱してる。本当にわからないんだ。お前に対するこの気持ちが、どんな感情なのか・・・、。友達なのか、兄弟なのか、それとも・・・・」
言葉をとめ、Peteのほうをようやく向くAe。
強張らせた表情のPete。
Ae「怒ったのか?」
Pete「僕が? なぜ、僕がAeのことを怒るんですか?あなたは、なにも悪いことなどしていないのに・・・」
Ae「でも、お前は、俺を友達だと思ってるだろ。それなのに、俺は自分の気持ちを確認したくて、お前にキスしたんだ」
Pete「それで・・・Aeの答えは、なんなんですか?」
Ae「まだ、わからないんだ。お前の唇がとても柔らかいってことしかわからない」
Aeの言葉を聞けば聞くほど、複雑になるPete。。。
固く目を閉じて、現実から目をそらしたいPete。
Ae「Pete・・・どうかしたのか?」
急に心配になるAe。
Ae「Pete、俺のほうを見ろ。」
それでも、固く目を閉じたまま、顔を背けているPete。
Ae「俺に、そんなこと、強制的にやらせるなよ」
両手で、Peteの肩を掴むと、自分のほうに向けようとするAe。
目をしっかりあけて、Aeを見つめるPete。
同じように、Peteを見つめていたAeが口を開く。
Ae「お前、俺のことが好きなんだな?」 ← きゃ~~~~~!
実は、このフレーズが一番、何度聞いても呼吸止まる・・・、私の。
目をそらしながら・・・「僕は・・・僕も・・・よくわかりません」と呟くPete。
Peteの顎に手を添えると、自分のほうに向かせるAe。
お互いの視線は、お互いの唇を見つめてしまう。
Ae「もう一度、キスしていいか?」
Peteの肩に手を回し、ゆっくり、ゆっくり、近づいていくAe。
今度のキスは・・・気持ちを込めた、相手を求めるキスですよ。。。
お互いに、唇を離すと、まっすぐ前を向くふたり。
どこまでいっても、まじめな子たちなので、こっちも見守るほか、ありません。
気恥ずかしいよりも、どうしていいのかわからず・・・って感じがわかりみ。
Ae「うまくなくて、ごめんな。」
Pete「いえ・・・そんなこと・・ないです」 ← ここ、言い方むつかしいよね。(クスクス)
急に、現実モードに戻そうとするAe。
Ae「これ、イムにだよな?」
Pete「はい」
Ae「きっと、喜ぶよ。もう、家に帰らないとな。お母さんが心配するよ」
Pete「はい」
袋を持ち、助手席のドアをあけるAe。
Peteの方に振り返り、
「今の・・、俺のファーストキスだ」
と言い残し、車から降りていく。
ここから、「俺のファースト○○」シリーズが、怒濤のように始まるのね(笑)
寮の入口へと向かうAeの後ろ姿を見て、微笑むPete。
振り返るAeもまた、微笑んでいる。
思わず、唇を人差し指で押さえてしまうPete。
そのまま、Aeを横目で見る。
これは、Peteというよりも、セイントくんの魔性が一瞬、滲み出ちゃったカットだと思ってます(笑)
車を発進させるPeteと、胸のあたりに手を当てる初心者マークのAe。
Ae「この感情は・・・なんだ?」
あら、まだ、わかりませんか?
じゃ、今は、言うのやめときます。。。
もっと、あとのほうが面白そうだから(笑)
★【Ep 04】4/4 雑感★
かれこれ、さすがに半世紀前とは言わないが、ファーストキスの相手に、「これが私のファーストキスよ」と言ってあげたら、喜んでくれたのだろうか?
そもそも、そういう発想、なかったな・・・。
ファーストと言いつつ、なんだかんだで、3回もしてるけど。
車の中での(1回目と2回目の)ファーストキスのあと、
Aeは率直に、その時の想いを口にしますが、とっくに好きだと自覚してても、しかも、Aeから、「俺のこと、好きなんだな」と指摘されても、「よくわからない」と答えるPete。
こういうとき、私、自己嫌悪を感じちゃうタイプなので、Peteの心理に興味あり。
好きなのは、自分だけなのかと思ってたのに・・・という戸惑いや、Gayの自分を好きになるということが、この人には、まだ、よくわかってないんだ。。。みたいな先制抑止とか?
嬉しい反面、まだ、よくわからないというAeに、自分の気持ちを露にして、これ以上のものを求めてはいけない、という自制の想いもあるのかな。
あれ、ハッピーなはずの、ファーストキスシーンが、とんでもなく、ネガティブになってない?(笑)