ミュージカル「ひめゆり」
ミュージカル座の「ひめゆり」を観て来ました。土曜日に月組、日曜日が星組です。
この作品は戦争の悲惨さを伝える有名な「ひめゆり学徒隊」の話。
最初は辛くてかわいそうな話なのは想像できるから観るのは気が重かったです。
ところが重かった気持ちも出演者のブログを読んでいるうちにだんだん期待が膨らんできました。
戦後65年を迎える年にこの作品をやる意味や戦争を体験した人が少なくなっていく中でこの作品を通じて戦争の悲惨さを伝える使命感、思いがとても伝わってきたからです。
今回は大泣き必至だから劇場にはタオル持参で行きましたよ。
土曜日に月組を観た感想では私としては、どちらかと言うと「今演じているそのシーンでよりもあとから思い出した方が泣けてくるような作品」という印象でした。
だからストーリーを知った上で観るもう一方の星組は相当泣けるだろうと思いましたが思いのほか冷静に観ていました。考えてみればそうかもしれませんね。
泣いたシーンはとても印象に残ったシーン。ということでちょっと紹介してみます。
一人の学徒が亡くなるシーンをよりリアルに書いた場面で最初に涙。人に歴史アリ。ついさっきまで明るく笑っていた学徒の一人がいなくなるという事実には泣きます。
次に「小鳥の歌」というのがかなりやばいです。
「おそらく自分は死ぬだろう。ああ、あの小鳥になれたら逃げられるのに、はぐれた親友のところへ行けるのに、おかあさんにも会えるのに」というのにはかなりこころが震えました。
ミュージカル座で動画がアップされているので是非見てください。ストーリーを知らなくてもきっと感じるものがあると思います。
http://www.musical-za.com/COMPANY/movies/16takada.htm
それと亡くなってしまった学徒達が現れ、晴れやかな明るい表情で歌うシーン。魂が解き放たれてようやく自由になれたというその姿に「もう、みんな、みんな死んでしまったんだ」と泣かずにはいられませんでした。
両方の組を観ると、通常は最初に観た組の方が印象が強くなることが多いのですが、今回は後に観た星組がかなり良かったのは特筆物です。とても良かった月組を観て尚そう思うのだから相当凄いです。
カメラが多数設置されていたのできっとDVD化されるのでしょうが果たしてどちらの組が選ばれるのでしょうかね。
今回、大学の後輩である深沢美貴子さんがかなり重要な役で良い演技をしていました。毎回この人は期待に応えてくれる素晴らしい演技で満足しているので、今回のように重要な役を演じてくれているとうれしくなります。
深沢さんは「はる、かな、みさ」という3人組のリーダー格のはるを演じました。
「とっくに死を覚悟している。どのように死のうか。でもやっぱり死にたくない。ならばとにかく生きるしかない」というのを大真面目に行動することは時に滑稽にさえ映ることがある。
こういう世界を演じると深沢さんはかなりうまい。深沢ワールドと言っていいような物を見せてくれます。一緒に演じた梅沢明恵さん、藤澤知佳さんもこれまたうまくて三人が作り出す世界は素晴らしかったです。
星組では大好きな役者さんである田宮華苗さんがそのうちの一人を演じていました。こちらの組もうまかった。ただし印象は両組でちょっと違っておもしろいですね。
印象に残った役者さんで是非挙げたい人がいます。
先程挙げた「小鳥の歌」を歌った高田亜矢子さんです。
この人、かなりのインパクトでした。ソロで歌う時でなくても光っていました。きっと近いうちにミュージカル座で主演すると思います。いや、こんな凄い人を見つけておきながら主演として出てもらわなかったらミュージカル座は損すると思います。
いつも通り印象に残った役者さん。既に名前が挙がっている人は除きます。
神郡英恵さん。歌が素晴らしい!演技も素晴らしい。この人と一緒に歌う知念里奈さんが歌い負けていないのを聴いて「知念さんうまいんだ~」と思ったくらいどんだけ高評価しているんだろ?ってくらいの素晴らしさでした。
片桐和美さん。違う組で神郡英恵さんと同じ役を演じました。今回は「運命に翻弄され、肉体的にも精神的にも弱ってボロボロの中にも芯の強さを持つ」という感じに演じられていたと思います。それに対し神郡さんは生命力の強さを感じる役作りというか。どちらが良いかは好みなんでしょうね。
知念里奈さん。やはり有名な女優は光るものがありますよね。歌もうまいし演技も素晴らしかったです。
青島凛さん。学徒役。ストーリーがわかって見ていてもきっちり泣かせていただき、期待通りでした。
村上恵子さん。歌がうまいのに普段コミュカルな役とかをまかされたりしてあまりその実力を出す機会が少ないのに対し、今回は多くの人を驚かせたと思います。片桐さんとのハーモニーは素晴らしかったです。
土曜日の月組でのこと。カーテンコールが終了して場内が明るくなりアナウンスが流れても結構な人が拍手をやめなかったんですよ。それにつられて、私もそのまま拍手をし、他の人も拍手を続けていたらなんともう一回緞帳があがりカーテンコールをしてくれました。
こんな光景初めて見ましたよ。そして出てきた役者さんたちがハンカチを客席に投げ込むサービスをしてくれました。本当は千秋楽でやる予定だったらしいのですがこの観客達に感激してやってくれたそうです。ちなみに最前列に座っていたおかげでゲットしました!
ああ、沖縄に是非一度行ってみたくなりましたよ。
「キャンディード」二回目
20日(日曜日)にミュージカル「キャンディード」を観に行きました。2回目です。
そもそも12日の一回だけのつもりでしたが、知り合いから「都合の悪くなった友人がいるのだけれどもいかが?」
と誘っていただけたので行くことにしました。
前回の3列目中央とまではいかないものの予約していた席を譲っていただいたわけなので今回も良い席。6列目13番。通路のすぐ横。きっと何かのお導き、もう一回観る運命だったのでしょう(笑)
前回は知らなかったのですが、会場入り口に「補足資料」というのが置いてありました。「より一層キャンディードの世界に入り込めるように」と。
そこに「入れ子の構造」の解説があります。そのまま書いてみますと
‘ミュージカル「キャンディード」は作者のヴォルテールがこの「キャンディード」という物語を創作するという形式で語られていきます。舞台の上のヴォルテール(市村正規)の頭の中で考えられた物語を他の役者が演じる「入
れ子の構造」になっているのです。
・・・以降もヴォルテールは単なる「物語の語り手」として以上に物語に解説を加え、物語を動かす役割を担って
います。'
とのこと。
なるほどね、作品を作る過程の頭の中がそのまま作品になっているわけだったのね。
それからミュージカルでは良くあることで分かっていますが、「同じ役者が色々な役を兼ねて演じる」旨も書いてありました。「意外なキャラクターを意外な人物が演じていますので是非そちらにも注目してご観劇ただければと・・・」とあります。
そうね、2回目で今回は余裕を持って観れますからそちらも前回より意識して観ました。
まず鈴木智香子さん。
ブログで全部で12回あるという役柄、出演シーンを教えてくださっているのでそれを見逃さないように意識して観ることも出来ました。
ただし死体のシーンだけはわかりませんでしたが。もう一つ、「自分が一番みじめだと思っている人」のシーン、ここも鈴木さんを見つけられませんでした。本当に21日の日曜日も出ていました?書いてあった姉妹役はもちろんのこと他の出演者を見てもわかりませんでしたわ。
ま、それ以外は分かったということでOKにしてください。当たり前ですが鈴木さんだけを意識して観ていませんよ。美味しいところを見逃してしまいますから。でも意識という意味では前回以上に注意して観ていました。
藤田光之さん。
この人、ミュージカル座の「赤ひげ」に出演していた人。前回は気がつきませんでした。鈴木さんを意識していたら「オオカミ」を演じているシーンで「あれ?もしかして藤田さん?」と気がつきまして。
そしてミュージカル仲間から「羊とかつて王だったのラストの人は同じ人ですよ」と教えていただいていたので注意して見たらこれまた藤田さんでした。
野獣(オオカミ)を演じたかと思いきや今度は羊、さらには王ですからね。しかもどれも他の役を引きずっていないし。さすがですよね。
それと「赤ひげ」ではほとんど歌の印象が無かったのですが、今回「かつての王」で見事な歌を聴かせてきただき驚きました。
小西のりゆきさん。
ジェイムスという重要な役を演じたのですが、6人いる「かつての王」の一人の場面で声が同じだから良く見たら小西さんでした。出演しているはずなのに前回観た時には小西さんがどの役をやっていたか気がつかなかったんですよね。
この人もその「かつての王」で初めて歌が素晴らしいことに気がつきました。
阿部よしつぐさん。
この人はミュージカル座及びミュージカル座団員の出演する作品で何度か見て知っている人。顔がわかっているので意識していたら結構美味しい立ちどころでなかなかの味を出していたことに気がつきました。
この人も歌がうまいのですが今回ははっきり阿部さんとわかる歌が無かったので聴くことが出来ずその点は残念でした。
駒田一さん。
演じ分けの点で挙げるのではありませんがちょっと。今回通路脇だったおかげで役者さんが会場を歩き周るシーンで本気に歌う駒田さんの歌をすぐ横で聴けたんですよ。凄い声量でした!
あと、前回同様凄かった人々。当然に凄かったです。
新妻聖子さんのソロは今回も本当に凄い!そして前回印象に残った「醜くなったクネゴンテ」の演技!素晴らしいですね!
ラスト近く、ずっと曇っていたクネゴンテの表情がどこのあたりから笑顔に変わるか記憶があいまいだったので今回はそこを見逃さないように注意して観ていました。
須藤香菜さんの生きるために娼婦として苦しい日々を送ってきた話のシーンは今回も本当~~~に素晴らしい!
マジでこのシーンはオペラグラスで観るべきだと思うし、見逃したりした人がいたならばマジで損をしていると思います。
見逃していたというより、今回も新鮮に観られてしまうことであやふやな部分ってたくさんあるんだなあと思いまし
た。歌のメロディーなんて特にそうだし。
おもしろかったという記憶だけでもいいけどなるべく多くを記憶に焼付けたいですからね。行けるものならば2回行くにこしたことありませんよね。
それと前回との比較が出来るのも良い点。
今回は左側の席だったこともあり、聴こえてくる台詞も歌声も皆スピーカーを通した声。生声と思えるものは全く無し。
いや、本来そんなものだと思います。でも前回の3列目中央という席は今思うと生で歌声がかなり聴こえていたんですね。会場の友人からそれを指摘された時はそのようにしか聴こえないこともあってわからなかったのですが、実は物凄く幸運な経験をしていたことを知りました。
もう一度行けばさらなる発見ってあるのでしょうね。でも今回で最後。
一度きりのつもりが二度も観れてとても満足です!
キャンディード一回目
6月12日にミュージカル「キャンディード」に行ってきました。既にmixiではアップしていたのですが、2回目を先日観に行ってそちらも書きたいのでアップします。
席は物凄く素晴らしい席で3列目のほぼ中央!帝国劇場という超一流のところでこんな素晴らしい席という優越感!オペラグラスなど使用しなくても役者さんの表情がわかる素晴らしさよ!
では本文の始まり~~~。
第一幕終了時は「う~ん、なんだかなあ」って感想。「お笑い?コメディ?」という感じで。前評判がとても良いことから「凄い作品」「名作」「大作」という重厚な作品かと勝手に思っていました。
でもチラシを見たら「コント」と書いてあった。ならしょうがないね、うん。
そんな感想のこの一幕でも初めて見た新妻聖子さんの唄は凄かった!凄いです、うん、凄い。
あんまり第一幕が好印象ではなかった関係で「新妻さんの見事な歌が聴けたし良しとするか」って納得させていました。
第二幕も最初はそんな感じでしたが「笑いの要素を所々に取り入れた」という感じに変わってきました。そして最後には満足感へ!
「なるほど。う~ん、なるほど!」
と言うのが一番合っているかなあ。ちなみに誉めてます。
もう一度この高いチケット代を払うことに抵抗がありますが、もっと知りたい気持ちにはなりました。絶対見落とした、見逃したシーンや気がつかないことで理解を浅くしたシーンがあるだろうからもっと知りたい!って感じです。分かります?
次にちょっと不満点。
もっともっと内容が濃いであろう原作を約3時間にまとめているのだからあまり深く突っ込む気はないのですがそれでもしっくりこないシーンがいくつか。
何故クネゴンテは醜くなったの(チラシに醜くなったとある)?
何故落ちぶれたのに舞踏会に出れたの?
そして何故キャンディードに今の自分を見られて、これが今の自分だと知られて落ち込んだの?
愛する人といるより自ら金持ちの男を渡り歩くことを選んだのに。キャンディードと同じく心は満たされなかったと想像させるにしても、キャンディードと再会して恥ずかしくなったと想像させるにしても情報が少なすぎると思います。
他の演出者の公演を知っている人はわかっているのかも知れませんが予備知識の無い私にも伝わるようにしてほしかったです。
印象に残った役者さん。
もう名前を挙げていますが新妻聖子さん。歌は評判通り凄かったですがそれより「醜くなった」と表現されるラスト近くの演技!素晴らしい!
私は表情の演技がうまい人が好きですから。それぞれ時代ごとに変わっていったのを演じ分けた中で落ちぶれた時代の演技が一番好きでした。
「表情の演技がうまい人が好き」ということで須藤香菜さんが素晴らしかった!
過去に舞台を観たことがあって名前は知っているけど正直特別な感想は無かったんですが今回、この舞台にプリンシパルとして出演されるということで楽しみにしていたところ、
こりゃ凄いじゃない!
あのキャンディードと再会したシーン。素晴らしかった!
この作品を観に行きながらすどかなさんの演技というか表情を見逃した人、あなたは損をしています。断言します。オペラグラスを持って再度劇場へ行くべし!
村井国夫さんはさすがだなあ。テレビに良く出演するような人はやっぱ凄いわ。
他、プリンシパルの人は皆々良かったです。
あと、6人の男性が船の上で歌うシーンの役者さん。名前は知りません。しかし圧巻でした。初めて男性が歌うシーンで素晴らしいと思いました。うまいと思ったことは何度でもありますけど素晴らしいと思ったのはたぶん今回が初めてです。
お目当ての鈴木智香子さんについて。
今回もこの作品を観に行くことにしたきっかけは鈴木智香子さんが出演されるから。アンサンブルでその他大勢の役ですが、それでも鈴木さんの空気感というので鈴木さんとわかりますね。その辺はさすがですよね。「あの人鈴木さん?似ている人がもう一人出演している?いや、あの空気感は鈴木さんだ」という感じ。でも、正直言うともっと小さい公演でいいから中心的役を演じる鈴木さんをじっくり見たいです。
今回は帝国劇場などというすごい劇場での観劇。12500円という私としては狂気の金額でしたが、「ジェーン・エア」で思ったのと同じく高いチケット代の公演は「誰も彼も皆うまい」役者さんが揃っていて会場の豪華さも違います。
3列目で観れたことも含めて
満足です!