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依存

西澤保彦・著

『タックシリーズ』最高峰です。

西澤さんは、家族という独特な存在が内包する閉塞感や、価値観の強制的な収束などの怖さを、ずっとこのシリーズで訴えているように思えるのですが、この作品でそれが明示された感があります。

依存、というタイトルにも読み切った後に納得します。
誰が、何へ依存していたのか。

ボン先輩をはじめ、おなじみのメンバー同士の関係にも大きな変化が起こった一冊でした。

余談なのですが、私の行き着け(?)の書店さんでここ2週間ほど、同シリーズの『麦酒の家の冒険』だけがポップつきで平積みされています。

ここはシリーズの紹介をして、他の話も一緒に並べていただきたいところですが、西澤さんも述べているようにこのシリーズ、複数の出版社にまたがって刊行されているので、難しいんでしょうね。

でも『麦酒~』だけって…。。。

女王国の城

有栖川有栖・著

待ちに待った、の一言に尽きる『学生編シリーズ』(江神シリーズとも)の第四作。

相変わらずなEMCのメンバーのやりとりが懐かしく、また密室ものならではのルールも健在です。

UFOと宗教という要素はチープな気がして意外でしたが、そこはさすがの有栖川さんの手腕で、精密な描写が多少の違和感をも感じさせない舞台設定となっておりました。

ともあれ無断であちこちの部屋のドアを開けてみたり、トリックの証明のためとはいえ『聖域』を荒らしてみたりと、久々の江神節が良かったです。

個人的には、アリスとマリアの『淋しさ』についての見解を交す箇所が好きです。

氷菓

米澤穂信・著

青春小説です。
シリーズ展開しているため、2作3作と読みすすめるとさらに登場人物に愛着がわいてきます。

謎、ミステリーという枠組みを、感傷や執着などさまざまな感情を含めて定義している作家の方だと思います。

タイトルに込められた意味を、古典部の面々と一緒になって粛粛と受けとめてしまいます。

『ああ、わかっちゃった』