三びきのくまと、トルストイ
いやあ。66才になって、絵本が好きだなんて。
お恥ずかしいのですが。
好きなものはしょうがありません。
この「三びきのくま」はイラストが、色々な人が描いています。
私は五冊くらいの蔵書の中ではこの絵が一番のお気に入りです。
芸術的でないところに惹かれます。
Ferrero,Elisabetta の 絵 ですね。!!!!!
彼の偉大なる著作「戦争と平和」と、「アンナカレーニ」の間に、この「三びきのくま」が彼によって書かれています。
ネットにも出ていなかったのですが、この絵本のあとがきにて きちんと紹介されていました。
ヤースナヤ・ボリャーナに農民の子弟のために開いていた学校の教科書として「綴字教科書」を出し、それを1875年に「新綴字教科書」にあらためると同時に、「ロシア読本」全四巻も出しました。この絵本はその時期に作られた物語なのです。
この絵がいいですねえ。丸尾氏の絵まで私なぞ、連想してしまいましたから。笑い。
しみそばかすや、エメラルドグリーンの細かな表現が愛らしいです。
私の息子に、この絵本が大好きで昔よく読み聴かせをしたものです。懐かしい。
他の絵本では、少女はアイヌの妖精チュプが演じていましたが、この原作では少女は少女です。オリジナルですし。
そして、お父さんお母さんがあきれるほどのおてんばさんで、くいしんぼうさんでした。
「あら、もう夏よ。森の野いちごがあまくうれているわ。わたし食べたい、どうしても食べるんだわ」
そんな言葉とともに、少女は森の中に入って行くのです。
そして、森をぬけたところでくまの家を見つけるのですね。
物語はチュプのそれと同じですが、最後はとにかく必死で少女は逃げ帰るという設定になっています。くまは何もしないのに・・・
くいしんぼうで、そばかすだらけの、愛くるしいおてんばさん。
19世紀にもとうぜんこのような少女はいたわけですが、その彼女のオーラはいつも物語のモチーフになるのは不思議な気がします。
現代では、くまが森の神様であることはすっかり忘れ去れてしまいました。
この絵本を読み聞かせした時に、私は息子に、森や山の神様は熊なんだよ。と、教えました。
よく熊が現れて、怖い怖いとニュースでやっとりますが、 もっと怖いのは核戦争もやってしまう人間なんではないでしょうか?