(株)ヒューマン・エッジ代表取締役社長・斧出吉隆のブログ -38ページ目

英語を使うことによって論理的思考が身につく

さて、今週は先週からの続きです。前回、説明した内容の3と4についてです。

(3)英語で考える癖をつければ、自然に「論理的思考」に強くなる
(4)英語でビジネス文書を書くと、更に「論理的思考力」が強化される

(3)については、これも良く言われていることなのでご存知かもしれません。とてつもなく高度なビジネス英語、例えば非常に複雑な政治的状況であるとか、極めて難しい人間関係などがあるような場合を除いて、ビジネスで使う英語というのは非常にストレートで単純です。しかも英語の場合には最初に使う動詞が後に続く文章をリードするので日本語よりも「何を言いたいのかが明確になります」

具体的に言うと、「I request ~」といった場合には次にくる内容としては「要求していることは何なのかを」明確にする必要があります。しかし日本語の場合ですと、私は~~と話が続いた後で「要求する」という結論になりますので、~~と話をしている間に論点がぼける場合が往々にしてあります。もちろん、日本語でも「私は以下のことを要求しています。それは~」という言い回しもできなくはないですが、会話ではあまり使いませんね。

論理的であるということを難しく捉らえると、ロジックツリーであるとか、MECEを知らないといけないとかいうことになりますが、もっと単純に考えると、物事をわかりやすく、筋道を立てて説明できるかどうか?ということだと思います。こういった意味においては英語で考えるというのは話の筋道を明確にすることが、文章の流れで求められますので、論理的思考の訓練につながります。

さらにこういった英語の説明を文章で表現する場合には、口語よりも、よりいっそう、文章の流れを明確に求められますから、文章で何か表現しようとすると、必然的に「論理的な思考の流れ」が求められるのです。私の経験からすると、同じ日本人同士でも、英語の稟議書を作ったほうがお互いに話を進めやすかったように思います。それは繰り返しになりますが、英語のほうが、ストレートでシンプルですから、言いたいことが「論理的に整理されて」伝わりやすいのだと思います。

英語で説明したいことを文章で表現することのもう一つの利点は、文章を目で理解することができるので、様々なビジネスの場面で全体の流れが頭の中で構成できるようになることです。行き当たりばったりの話ではなく、あらかじめ全体の流れが頭の中で組み立てることができると、一部の話だけではなく全体の話を論理的につなぐことができるようになります。それを会話の中で、しかも英語でおこなえるのは非常に大きな強みになります。

単に英語を話すだけではなく、普段から文章で書く練習をしてみてください。必ず論理的思考の育成が加速されます。

ビジネスの英語力

このブログを書き始めてから約1年がたちます。グローバル人材の育成というテーマではじめたのですが、正直こんなに長く書くことができるとは思っていませんでした。ただ、このテーマについてはいよいよ最終の話題に触れていきたいと思います。それはビジネスの英語力です。

自分自身がグローバル人材になりたいと思う人や、グローバル人材を育成したいと思っている会社は「ビジネスの英語力」という課題は避けて通れない課題です。

ならば、どうやってグローバルで活躍できる人材としての英語力を身に付けることができるのでしょうか?これまで、私はこのブログの中で何度か「ビジネスの英語力」についてコメントをしてきました。それをまとめると以下のようになります。

(1)最低限の英語力がないとビジネスの英語力は身につかない
(2)英語で仕事をしても、日本語でできる「仕事力」以上には絶対にならない
(3)英語で考える癖をつければ、自然に「論理的思考」に強くなる
(4)英語でビジネス文書を書くと、更に「論理的思考力」が強化される
(5)ビジネス英語力を身に付けるには異文化研修と合わせて勉強すべき

まず(1)についてです。日常の会話であろうが、ビジネスの会話であろうが、まず英語で何らかのコミュニケーションが取れる事が必要ですから、最低限の英語力は必要です。

では、最低限の英語力とはどの程度の英語力をさすのか?

具体的には中学卒業程度の英語力があれば充分です。会社の中で使うビジネス英語の中に極端に難しい単語や言い方はあまり出てきませんので英語力という観点からするとほとんどの人はビジネスの英語力が身につくことになります。難しい単語はやさしい単語に言い換えて使えば良いのです。

ただし、英語力があるということと、英語が使えることは別ですので「練習」をして、良く使う言い回しや、単語などをおぼえる必要はあります。

次に(2)についてですが、これに関しては皆さんお分かりだと思います。よく英語を勉強して外資系企業に入って「バリバリ自分の能力を発揮したい」といわれる方がいます。

恐らくその背景には日本の企業では自分の能力が発揮できなくて、外資に行けばもっと認めてくれるのではないかという幻想があるのかもしれません。

残念ながら、日本語で上手くプレゼンテーションができない人は英語でもプレゼンテーションは上手くありません。また日本語で相手にわかりやすい稟議書(企画書)をかけない人が、英語で素晴らしい稟議書が書けることはないのです。

英語はあくまでもコミュニケーションのツールであって、魔法の言語ではないのです。ビジネスの英語力を向上させるためには、先ず、日本語でビジネスの基礎力を高めておく必要があります。

リーダーシップは管理職だけに必要なのか?

今週はゴールデンウィーク真っ只中なんですね。このブログが始まったのが昨年のゴールデンウィークが終わったころからですから、ほぼ1年がたったんですね。時間がたつのは本当に早いもので人材育成の仕事を専門に始めてからもう1年と3ヶ月になります。励ましてくれた方やお世話になった方々、とくにこのCHO協会には本当に感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございました。

今回はこの1年間で、様々な企業の方々とお会いして、また、実際に研修をさせていただいて感じたことを今後の問題定義として挙げたいと思います。

最初の疑問は、多くの日本企業で階層別の研修をされているようですが、なぜリーダーシップが管理職研修と一緒なのでしょうか?

階層別の管理職研修そのものを否定するつもりはありません。むしろ体系化された研修プログラムはキャリアパスとの連動を可視化させることができるので社員のモチベーションと会社の透明性につながるポジティブな話です。

しかし、階層別管理職研修の中にリーダーシップや戦略的思考を詰め込んで2泊3日などで身に付かせようとするのは無理があります。何よりもリーダーシップを身に付けないといけないのは「社員全員」であって、「管理職」だけではないのです。これは、リーダーシップをマネジメントスキルとして捉えていることからきている誤った考えだと思います。

リーダーシップの基になっているのは影響力ですが、個人がリーダーとしてチームなどに対して具体的な働きかけをする場合には、「部下をいかに上手くモチベートして、業績の向上につなげるのか?」という課題の中で、「部下を動かす」マネジメントスキルが必要になります。

こういった観点から、リーダーシップをマネジメントスキルと同じレベルで捉えてしまった、というのが階層別研修に組み込まれているリーダーシップなのでしょう。

この場合、「部下を動かす」マネジメントスキルはリーダーシップのごく一部のスキルであるという理解の下におこなわれていれば良いのでしょうが、多くの場合、管理職になったからリーダーシップが必要だ、という図式になっているように思います。

私なりに考えた、リーダーシップの構造を以下に示しておきましたので、参考にしてください。

リーダーシップ・ストラクチャー