我々の民は今世界各地に散っている。それが皆、今住む国の言葉で祈り始めたら、我々の連帯はどうなるのだ!
今、民をつなぐものは、ヘブライ文字の立法だけだ。これを変えることは永遠にゆるされない。
それは罪であり、反逆だからだ!
ロートシルト、お前は異端に染まったのか!?それとも幼くしてラビ書まで修めた
輝かしい経歴がお前をうぬぼれされているのか!?
どちらにしても恐ろしいことだ・・・。神を恐れるがいい!
悔い改めと祈りと善行によって、その罪を償うのだ!
我々の民は今世界各地に散っている。それが皆、今住む国の言葉で祈り始めたら、我々の連帯はどうなるのだ!
今、民をつなぐものは、ヘブライ文字の立法だけだ。これを変えることは永遠にゆるされない。
それは罪であり、反逆だからだ!
ロートシルト、お前は異端に染まったのか!?それとも幼くしてラビ書まで修めた
輝かしい経歴がお前をうぬぼれされているのか!?
どちらにしても恐ろしいことだ・・・。神を恐れるがいい!
悔い改めと祈りと善行によって、その罪を償うのだ!
体中がにごってゆく 動き出す 活発な要素を憎みながら
私への罰を待っている 待ち焦がれている
私は知っている 自分を正当化する術も 平気で放った嘘を演出にすり替える方法も
体中がにごってゆく にごってゆく 行先を知らない血中の毒
罪を知らない 私の中に悪を見出すのはいつも 私から完全に切り離された現実
行先は知らないまっすぐな私の罪 粉々にもならない うるおってにごる くもる目の前の
現実 体中が 見えない 現実が にごって 私から擦り減っていく
待ち焦がれて何も知らない 憎みながら 動き出した 何度も放った正当な演出
正当な毒
静への評価は下がる一方
自分勝手に焦点を合わせて 余命わずかな若さを泳がせている。
静寂を見つめる光をこばんだ瞳
吐いても吐いても吐き足りない 真実の言葉
試しても試しても疑ってしまう 正確な言葉
涙を流す銅像 無力なモニュメント 逆さまの逆境
死んでもいいとの知らせが入りました。
原始的な手段であらゆる治療が暴力的に行われるのを、私は木陰でまどろみながら眺めていた。
美しく着飾った女形の踊り子が野太い声で怒鳴りちらしながら、筋骨たくましい看護師におさえつけられている。それがとても気に入って、私は手を叩いて笑った。
それは午後の日差しが弱まる時間。薄桃色の細やかな花々がパラパラと舞い落ちる黄色い舞台で、踊り子は空色の衣装をひるがえして、しっぽを追いかける犬みたいにくるくるくるくる回っていたのだ。
広場につづく四つの通りは、春風が通る隙間もなく汗臭いならず者達で埋め尽くされている。
私は突然よそ者になった気がして、笑い出すしかなかった。
小さな少女のスリが屈強な大男に雇われて大混乱の街並みを縫うように走る。物乞いしながら詩を書いていた小男は、何が起こったのかわからずにキツネザルになりすまして立ち尽くしていた。
踊り子は仮面のような化粧を涙で流しながら、もげた片足をさまよう視線の先に見つけ、恐ろしさに息をのむ。
空色の衣装は半分どす黒い赤に染まり、革命で焼かれる国旗のように見えた。
夕立ち前のわざとらしい空色に合わせて、人々も作為的に騒ぎ立てる。黄金色の雲が空を覆い尽くし、人々の汚れたシャツを同色に染め上げた。
踊り子は必要としているだろう。
私は懐にのんでいる短刀を、服の上から優しく撫で上げた。
訪れた者のみが知り、去ればまた意識の中から消え去る
かくされた土地を探しているようだ
所有されることも 共有されることも 公認されることもない唯一の秘境
私は夢を見たいのではない
何かとても意味の無い 何かとても重要ではない でも
私の心をなぐさめる存在を確かめたい
ある夜、突然私の部屋にやってきたリアルな神様が、私の言葉を奪ってしまいました。
私はなんとなくそんなことが起こる予感を感じていながら、いつもよりずっと落ち着いた表情で神様をみつめていました。
神様は何度も何度も私を追いつめ、言葉を失った私を責め続けるのです。
言葉を探す私の目は、めまぐるしく色を変えながら意地の悪い神様を映しつづけ、しだいに凍りついていきました。
神様は取り上げた言葉を片手に言うのです。
「どうして何も言わない?言いたいことがあるなら言ったらどうなんだ。この役立たずめ。おまえを知らしめてみせろ。お前を知りたい。」
私は重なり積み上げられる神様の言葉が鼓膜をゆらしていることだけを感じながら、ゆらゆらと揺れました。私は神様を見上げて、軽蔑していたのです。
私は私自身の奥深くへ意識が集中し、ひとつの点へと還っていくのを感じていました。
私は孤独すら捨てて満足でした。
神様ですら、私以外の他人でしかありませんでした。
神様は何かとても見苦しい様子でわめき、言葉を投げつけ、私を傷つけようとしました。
私は余裕のあるほほえみを浮かべて、沈黙を続けました。
すると神様は思いついたようにデスクの上の紙とペンを取り上げ、わたしに押しつけました。
私は首を横に振って、意味のない行為だと示しました。
神様は跪き、泣きながら懇願するのです。私は何かダンスの振り付けでも見るような感覚にとりつかれ、神様の体の動きを観察していました。まるで脳みそをアイスクリームのスプーンですくって味わっているつもりになって、すっかり私自身の試行に夢中になっていたのでしょう。
そのとき、わたしは本当に正当な立場に立っていたのです。
神様はついに涙を流しながら怒りはじめ、歯を剥き出しにして私に襲いかかってきました。
私はぼんやりと身体の行方を気にしながら、恐ろしいバイオレンス映画でも見るように傍観していました。
「お前を知りたい。脳みそを取り換えてやる!」
神様は私の頭をコインのようなものでこじ開け、ドロドロした脳みそを取り出しました。
わたしは小さく悲鳴をあげて、なんだか用心深く脳に付随した目玉が取り出されるのを感じていました。
上坂は同じように自分の脳みそと目玉を取り出すと、しばらくぐちゃぐちゃと感触を確かめてから、私の脳みそと目玉をプラモデルマニアのような手つきではめ込みました。
そして、わたしの意識を手に入れたとよろこんだのでしょうか。
目を見開くと、私は神様の姿をして、ドロドロの脳みそと血にまみれた私の身体の前で呆然としていました。私はゆっくりと片足を上げると、神様の脳みそを大きな鳥の糞のように飛び散らせました。
すると、私はまたひとりきりになって、夜の闇の中から私の言葉を取り戻し、その重さに驚いたのです。
私は重い言葉を抱えて、また意識を拡散させる罰をもらったのでした。
まちがったパズルを無理やりはめ込んだような違和感にさいなまれながら、私はこうして語り始めたのです。
真夜中に突然 雨が降り出すその瞬間を知るときはいつも
何かしてはならないことを延々とつづけていたような気にさせられる。
私はこうして自己の もしくは人間の意識を形にする作業に駆り立てられていることが
しばしばだが 雨はふと そういう私自身に冷淡なのだ
雨
今日、うす暗く雲が空を覆うころ、ひとりで沼に出かけた。
沼の周囲の林にははりつめた空気が漂い、葉音ひとつしなかった。
風は去り、沈黙が沼の表面を押さえつけていたのだ。
私は沼の淵にしゃがみこんで、耳をすませていた。
わずかな音が希望をかきたてるから。
でも、何の音もしなかった。
聞こえているのは、私の鼓動の音だけ。次第に弱まりながらそれさえも消えていく気がした。
私はふいにさみしくなって、心がひとつのイメージも創り出せなくなっていることに気づく。
危機感はつのるばかり。
私には耐えられないものを、無理やり抱え込んで隠した。
幻すら求めたかもしれない。
私はついに泣き出してしまった。
私の涙がしっとりとした沼の表面に落ちてはしみこみ、たったっ、と微かな音を立てている。
ついに涙は枯れ果てて、再び静寂が辺りを支配しはじめた。
そのとき、私は多分、多くを期待していた。
私の涙の重たい音に何かが応えてくれるような、何かが動きだすような、突拍子もない予感。
今度の沈黙は、いくら長くても待つ覚悟だった。
沼は壊れた時計のように正確に現在に留まったまま。
林は獲物を狙うハンターのように息を殺して緊張している。
私は、空蝉のごとく失いつくしていた。
私はあらゆる衝動に駆られては、すべての血液を地に吸い取られる想像をして、
死んだふりすらしたいたのだ。
今すぐ、そばの小石を力いっぱい沼に投げ込んで、鈍くまんまるい音を響かせてやりたかった。
そばの林の中に飛び込んで、風を起こして狂ったように葉を落してまわりたかった。
あるいはもし、手軽な言葉が吐けるなら、この不当なまでの孤独を訴えて真実を求めたかった。
だが、しなくてよかった。
魂が迂闊なときは、危ういところをさまよう。
実際、そんなことをしていたら、私はその音のすべてを背負って、この沼の真底まで沈み続けたに違いない。
私はまばたきすら忘れて、ただ音もなく光がさる沼を見つめていた。夜の闇で、沼と林がつながれるそのときまで。
闇が訪れると、私は冷たくなった手でときどき瞼を触ってみなくては、目を開けているのか閉じているのかわからなくなる気がした。
ひどく不安だった。
なぐさめは、なかった。
そばに何か、得体の知れないものがうごめく予感がしておそるおそる手をのばすけれど、空をきるばかり。
爪をかむ癖が再発しそうになる。
心はからっぽになり、思い出も希望も重力を失って漂い、私の中から流れ出す。
私の魂こそ、そうして逃れることを望んでいたのだが、漂えるほど、抱える現実は軽くはなかった。
沈黙は大きな力だ。
いつしか私自身、一次元の世界へと迷い込んだ気になって、というより、一次元へ還ることが出来た気がして、ひどく不思議な体験をした。
それは背後から強力な磁石で引きつけられ続けるような、高速の中で時が止まってひとつの点へとおさまってゆく、非常に心地よい変化だった。
静への関心だけが反比例して増幅する。
もう、何も恐れることもない。待ち焦がれることもない。
私は沼の存在すら、私と同じようなものに感じていた。
そのとき、わずかに私の鼻先を何かがかすめていった。
私が我にかえるより早く、暗闇の中でそれは数を増す。
私にはそれが何なのかはっきりとわかっていた。
それは、淡い色を放つ温かい冬の雨だった。
生命の音だけが一斉に沈黙を押し流す。
何の違和感もなく、未練も新鮮味もない、支配の交代を見守る。
沼は細い水の糸で天と結ばれ、わずかに頬で感じるほどの熱を放つ。
私は微笑んで夜の闇に瞳の色を溶かした。
ゆっくりと私をのみこんでゆく、音を知らない沼。
私を包んだのは、一肌のぬくもりだった。
底までいこう。逃げてゆく限界を追うように、私は沈んでゆく。
したいことと しなくてはならないことの他に
せずにはいられないものがある
ほとんど気付かないほど たくみにごまかされる
これらの境界線に 私自身目をつぶっていたのは確かだ
たとえば 肉体を維持すること 両親を愛すること 友人をもつこと
もはや動揺しようにもできなくなっている これらの行為の特異性に
気づく勇気はあるのか
殺しても死なないような言葉の海に出かけて
釣りをしているヒマ人はいる
高速で生きたあのひとが可能性にやぶれたって本当?
精神活動を現実に持ち込んじゃいけないの
夢見がちな奴はどこで生きてるんだ
空とアスファルトの間にいる奴は いるにはいるけど
すばやく死んでいく
腹を立てようにも 私は空っぽなんだ
今度こそ強くなるつもりだけど 何が足りないんだろう
私は何ひとつ欠けていないと さけんでみたとたんに
弱者になって泣く
言葉を燃やして動いているなんて
そんなのおどろき はじめて知ったよ
むずかしすぎる できないのかもしれない
意識の中で遊ぼうとすると さすがに私ひとりだけあって
行きつく先はとってもシンプルでタイトだ
あれやこれや いつもは混ざりものばかりかき集めてしまう言葉を
今日は新しく抽象的な概念の元へまとめてしまおう
私の言葉はまだ残されているのか
何もかも 運よく早くに生まれることのできた先人達に
私の言葉はもう使い果たされたのではないのか
私は書庫にある膨大な書籍の中から
季節はずれのバーゲンのように気に入るフレーズを漁っているのではないか
私は何者なのか
大きくなるには常にモノサシの上で働かなくてはならない
よいカラダを駆使してうまく発表しなくてはならない
そして しぼりきった意識にさいなまれて
それさえも はっきりと記憶できなければならない
むずかしすぎる できないのかもしれない
声に出して言えない
助けがないと 泣けない
理由なしに死ねない
ほとんどの瞬間 僕は気をまぎらわしている
ささる。ぬく。ささる。ぬく。ささる。ぬく。ささる。ぬく。
脳なし空っぽの僕に材料を放りこむだけで
次々に製造される新しい空想
ありがたい ありがたい
僕はここでは 大きな工場
足早な王子の不親切な後ろ姿は水色
こっきり こっきり 滑稽なリズムを刻む
逃げる王子は弱気
進む王子は強気
僕の視線があるだけで彼はいつでも強気
見られる王子は愛されてるから