空気はすっかり秋。
ギラギラした夏の太陽が去り、ほっとしている人も多いはず。


作家・井上靖氏は年を重ねるごとに
あの夏の太陽を指す「烈日」という言葉が好きになったそうだ。


それは…
自身の人生を振り返っての思いと重なっている。


「失意の日も、得意の日も、
 それから長い歳月が経つと
 すっかり消えてしまい
 真剣に烈しく生きた時の思いだけが
 いかに小さくても
 消えないで残っているようであります」
 『四季の雁書から抜粋』


烈しく何事かをなそうとした気持ちだけが
生きた証しとして命に刻まれたという。


烈しく生きる――。

それは…

浮き沈みの派手な生活や
感情の起伏に左右された人生のことではない。


むしろ…
静かに、忍耐と不屈の炎を胸に燃やして
まじめに、真っすぐに、信じる道を歩き通すことなのだ。
“烈しく生きる道”を持てる人は幸福である。


その情熱が、悩みを燃やし、後悔を燃やし
見栄など焼き切って、人生の希望を照らし出していくのだと信じている。


「今生人界の思出なるべき」とは
自他共の幸福を願う日々を忘れさえしなければ

きっと…
永遠に消えない、自身の生きた証しになるのではないだろうか。


いつも新しく、いつも変化している。
なのに変わらないものは何?
それは人間!


約60兆の細胞からなる人間。
その一つ一つの細胞は、絶えず新しい細胞に入れ替わっている。
1年前の自分と今の自分をつくっている細胞は全く別物。
しかし自分に変わりないのが、生命の不思議だ。


人体を構成する分子が
絶妙なバランスを取りながら
高速で入れ替わっていることに着目した
生物学者の福岡伸一氏は

「この流れ自体が『生きている』ということ」と
新たな生命観を打ち出した。


生きていることは、「絶えず新しくなっていくこと」でもある。
だが、物事に慣れて、新鮮さを失うのも人間だ。

慣れることで、日常生活が円滑に送れるのも確かだが
慣れが惰性に陥れば、大切なことを見失いがちだ。


日常生活の中で、意識して「ありがとう」と言っていく中で
今まであたり前だと思ってきたこと全部が
『ありがとう』という感謝すべきことで溢れていくようになる。


自分を支えてくれる人のことが分からなくなったら
それは成長が止まっているサイン。


まずは自分が変わること。
感謝の思いを声に出して伝えていきたい。

「変わらないためには、変わり続けなければならない」。
ふと目に飛び込んだ言葉が、心にかかって離れない。


調べると、有名外食チェーンの経営者の言葉という。
客の舌の感覚は、食生活の変化等に伴って、年々歳々、変わっていく。
「おいしい」と変わらぬ評価を得るためには
客に合わせて、少しずつ味を変えていかなければならない。
そこから生み出された経営哲学だ。


”翻訳”すれば…
「大切な価値を守るためには、成長し続けなければならない」
というような意味になろう。


万物は流転する。
諸行は無常であり、成住壊空を繰り返す。
森羅万象の一つとして、そのまま存在し続けるものはない。


人間とて生きるために…
日々、骨も内臓も皮膚も筋肉も、死滅と再生を繰り返している。


変わらないものは…
世の中にない。

だから問題は、いかによりよく変わるかに帰着する。

では、そのためには、何が必要か。

逆もまた真なりで
「変わり続けるためには、変わってはならない」ともいえる。


つまり…
成長し続けるための、変わらぬ「原点」「座標軸」を持つことである。


つまり、良き人生の原点を大切な自分の基盤とし
悪き自分の習性を日々、努力し変革しゆく。
その中に自己の成長と幸せがあるのかもしれない。