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「Mix UP!!vol.35」@渋谷eggman
出演:BLY →BeepSpree →家入レオ →KANAHA →Avaivartika →Vrana・Vrani
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またまた来ましたAvaivartikaライブ!
最近、彼らのライブが一番興奮する。その音楽の世界観、その迫力、一つ一つの楽器が奏でるリズムと旋律、ボーカル愛ちゃんのカリスマ。Avaivartikaのステージの始まりで、宇宙を感じさせるような前奏が鳴り始めると、期待に胸が膨らみ、もう体が弾む準備を始めてしまう。
そして登場曲が一点に収束し始め、その頂点でプツっと切れた瞬間から、生のAvaivartikaの豪勢の音のフルコースが一気に会場の空気を変え、お客さんを興奮へ連れて行く。言葉では伝えられない昂ぶりに、心と体がふるえるのだ。
<セットリスト>
1)止まない拍手のraining
2)ノンフィクション
3)イブリース
4)NS
5)終末のconductor
最近、歌い始めた新曲「イブリース」。初めてライブでやった時は、まだ見せ方が消化不良のような気がしていたが、今夜のステージでは、激しいギター生本直毅のリフが響き渡り、興奮を十分に高めたところで、抑えたモノトーンの愛ちゃんのAメロから、徐々にテンションを上げていき、サビでは彼女がやはりすばらしいグルーヴに乗って、格好よいボーカルを聞かせる。ぐるぐる回って、回って、うーん、いい曲に育ってきたね。
そして、定番の分かりやすくのりやすい「NS」を経て、Avaivartikaここにあり、というとてつもない大きな存在を感じさせる「終末のconductor」で興奮のステージを終えた。
今夜は、少々、愛ちゃんの衣装が最後まで気になってしまったが、彼女がその細い体をつかって、咆哮のようにしぼりだす世界観は壮大。神の世界を描かんとしている気にさえなってしまう。それを、4人の熟練のバンドメンバー達がすばらしい音を紡ぎ支える。大人のロック好きの鑑賞に十分耐えうる、いいバンドなのです。絶品です!
さて今夜のeggmanでは、家入レオからAvaivartikaの3組を見たが、やはりダントツにAvaivartikaが好きだし、その音楽のクオリティの高さは圧倒的だった。ところが集客面では、ライブまだ3回目という17歳の家入レオに何十人という大人たちが押し寄せていた。
入り口で招待されたその大人たちが大手レコード会社や某音楽事務所の名を名乗るのを漏れ聞くにつけ、各地のライブハウスで度々繰り返されるニュースター発掘の儀式を思わずにはいられない。ちなみに彼女の場合はすでに研音とビクターエンタテインメント所属が決まっているとのこと。
彼女の前には、すでにレールが敷かれているのだ。人との出会いと、自分自身の努力があったからこそ、という点は全く否定しないが、彼女が福岡でVOICE塾に乳塾してその中で西尾プロデューサーの目に留まってから先は、大人の領分の話がどこかで進みレールが敷かれていったのだ。
全国で似たような出会いが繰り返され、毎年100人を超す新人歌手が一応「メジャー」デビューしていく。ただ、世間に名前が知られ、それなりの収入を自分自身と事務所とレコード会社が分け合えるようになるのは、その中のほんの一握り。自ずとそんな宝の山を求めて、次々と新人が放り込まれ、使い捨てのように大量の歌手が1、2年で契約を切られていく。これも経済原則から、あまりにも当然の必然。そのことについて異見はあっても、現実は受け止める。
チャンスを掴み、その一握りになれるかは、周囲の大人次第の部分が相当大きいのだが、本人の運、そして実力も当然問われる。PVを作り、宣伝活動し、ラジオで流し、着メロを配信してもらっても、リクエストが来ない限り、あるいは実際に音源が売れない限り、次はないのだから。その声やルックス、訴えかける力が無ければ話にならない。
家入レオは、この年齢層の中では歌が上手いとは思う。明るく、人から好かれるかわいらしさもあった。最後に歌ったチョコレートの曲は、やさしく丁寧に歌いアイドル性も感じた。ただ、その前に歌った「サブリナ」というロックな曲では、ちょっと首をかしげた。ここからちょっと、厳しいことを書くから、気に入らなければパスしてください。
本人は「この曲を歌うとすごく元気になる。大切な曲です」と話していたが、そりゃ、これだけアッパーな曲を歌えば、アドレナリンも沢山出ようというもの。聞いているお客さんだって、バックのバンドの演奏さえ良ければ(あるいは打ち込みのBGMでも、ビートが利いていれば)、その場ではノる。だが、サビで何度も繰り返す「サブリナ、サブリナ、サブリナ、サブリナ…」を聞いていて、何も感じなかった。彼女自身が「サブリナ」という言葉で、何かを伝えようとしているとは、これっぽっちも思えなかった。とっても空虚な感じがして、つまらなくなった。
そして、彼女のVOICE塾の先輩であるMARIAのデビュー曲「Getaway」が、頭の中で色濃く重なった。あの曲と同じなのだ。リズム感とか構成とか。昔、小室哲也の作った曲がみな似ていたが、結局はまた一人、VOICE塾の音を歌う若手が出てきただけなのかな、と感じずにはいられなかった。
MARIAはたまたま、彼女のデビュー前夜に渋谷DESEOでライブを見る機会があり、「忘れたくなくて」や「終われない夏」というバラードがとても泣けてファンになった。「Getaway」はそれほど印象に残らず、どちらかというと彼女の良さを出せてない気がしたものだ。デビュー後に色々なところでPV映像が流れていたが、商業路線に乗っている気がして「損してるな~」と思いながら見た。その後も度々、MARIAのライブに行ってるが、やはり商業路線の楽曲より、彼女自身の声と感性で歌っているバラードなどの方が心に沁みてくる。
初めてMARIAを見た夜の衝撃と、今夜のライブを比べると、家入レオはあまりに普通のアイドルの卵っぽくて食指が動かなかった。しかし、商業主義の大人たちが敷いたレールの上を走る以上は、そういう歌をうたわないといけないのだろう。それは、AKB48みたいな覚悟で乗るなら本人も納得だろうが、レオちゃんが求める音楽が商業主義の先にあるのかは、ちょっと疑問。まあ、本人に聞いてみなければ(それも5年、10年先の彼女にだが)分からないだろうが。
つらつら、そんな事を考えていたら、スガシカオの事務所独立の発表が目に留まった。是非、一読して欲しい。もちろん、彼ほど知名度もファンも着いてからの独立だから、セルフマネージメントでライブ活動などをやっていっても経済的には問題なかろう。ただ、彼ほどの歌手にしても商業主義の中では、彼自身が考える「伝えるべき言葉」を詰め込んだ楽曲を作れないと決断したのだ。その意味するところは大きい。
さて、もう一つ聞けたガールズバンドが「KANAHA」。ボーカル&ギターの森夏南波という奄美出身大阪育ちの天然に明るい女の子が中心になって結成したバンド。そのバンドの音楽もステージングも、彼女の性格そのもので明るく正統なガールズポップロック。彼女が作詞作曲を担当してボーカルやっているのだから、それも当然か。
特に後半の3曲「くつひも」「ドミノ」「ハロー」は、かなり聞かせるいい楽曲だった。音源欲しいほど。ぜひ、またどこかで彼女たちのライブには遭遇したいものだ。
今夜のeggmanは、実は最後のVranaVraniなるバンドが、業界的には一番注目を集めている様子。なんでもそれぞれが別々のバンドで活躍していたイケメンメンバー達が、あるコンテストに出ていたところ引き抜かれ、主催者側の誰かの企みで新しいバンドを結成することに。しっかり、デビューへのお膳立てを整えられて、こうして動き出しているらしい。
ちょっと興味はあったのだが、実は今夜、gee-geのトリでヒグチアイがバンドライブをするとの情報もあり、eggmanを抜け出してそちらへ向かうことに。個人的にはAvaivartikaを聞けただけで十分。今のAvaivartikaにはそれだけの価値がある。聞かなきゃ損だよ(笑)
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Tiny Sun &ナツメグ ツーマン@西新宿navicafe
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Tinysunは、もっとライブで聞きたいアーティスト。なのに最近は、月1回しかライブがない。つまり、1回見逃すと2か月ぶり、2回だと3か月ぶりになってしまう。前回行けなかったので、今夜は迷わずnavicafeへ。
早めに着いたせいか、意外と空いてる。ステージ寄りのカウンター席につき、レッドアイ飲みながら素敵な女性二人組「ナツメグ」の出番を待つ。今夜が初見だが、15分遅れでスタートするまで彼女たちが会場にいたので、魅力的な女性たちだなあと期待していた。
彼女たちが歌い始めた途端、おっ、と驚く。二人のコーラスワークが素晴らしいのだ。伴奏はしぶいオジサンギタリスト宮本氏に任せ、主旋律を浜田麻里に似た舞さんが、コーラスをSHUUBIに似た歩(あゆみ)さんが担当、綺麗に息のあったハモりで軽やかに歌い継いでいく。
二人は鹿児島出身の同じ年。1歳児からの幼なじみという。なるほど息が合うわけだ。ただMCはカミがち、話し出すタイミングが二人で合いすぎ、よくかぶる。トークは共に上手くはない(笑)二人の間では言葉を重ねなくても意志疎通できてしまうのだろう。
安らぐ彼女たちの音楽を聞いているうちに眠くなる。優しいミドルバラード中心の楽曲はeasy listeningだ。軽い睡魔と戦いながら、最後まで会場を満たした暖かい空気に癒された。
それは素敵だった。だが敢えて言えば、最後まで変化に乏しく少々物足りなさを感じた。ほぼ全ての曲で、舞さんが主旋律をずっと歌い、歩さんが同じようなコーラスをつけていく。このグループは舞さんボーカルのためのグループなのだろうか。Duoという形態を硬直的に捉えすぎてないか。それでいて、二人の個性がみえてこない。
1曲だけ「君と僕と太陽」の中に、コーラス歩さんがソロをとるパートがあった。しっかりした歌唱力と、歌のお姉さんのような優しさがあった。彼女がソロで歌えないから、常にコーラスしている訳では無さそうだ。そりゃそうだ。ハモる方が、主旋律歌うよりずっと難しいのだから。
とすると、ナツメグは二人でできる事の半分しかしてないことになる。曲の歌い出しやサビで迫力を出すために、敢えてユニゾンで歌うとか、AメロBメロでソロを交代して色合いの違いで曲を重層的に表現するとか、二人がかけあいをして曲中の切迫感を高めるとか。きっとduoだからできること、まだまだ沢山あると思う。それができる二人でしょう。
個人的に、もっと歩さんのボーカルを聞きたかった。
<セットリスト>
1)in the sky
2)?例えば鳥になっても
3)I'll Fly Away
4)初恋(カバー)
5)蛍
6)アイスクリーム
7)君と僕と太陽
8)永遠のうた
9)愛のうた
10)自転車に乗って
後半はTiny Sunのステージ。
Tiny Sunの2人とレギュラーサポートの舞子ちゃんの3人は、毎回衣装もテーマ決めているが、今夜は敢えて定めず、それぞれの秋色が出すということにした模様。
その結果、violinの舞子ちゃんはグリーンのピタッとしたシャツに黒のストールでベーシックな大人っぽさ。相変わらず魅力的。gt.(+バンジョー)&vocalのサエコ妹はアースカラー系(使える言葉だw)で裾がフワッと広がる柔らかい生地のパンツが目立つ。背が高いから、パンツに存在感があり70s風。vocal&keyのアユコ姉はショートカットの黒髪と、ジャンパースカート風の鮮やかなアウターがほんのりした色香が。似合ってる。
最近、カラーコーディネーターに、姉は原色系、妹はアース系の色がそれぞれ適していると診断されたそう。それが、これまでの二人のイメージと逆だったのが面白い。子供のような無邪気なファッションだったサエちゃんだが、長身で縦にスラッとした体に大人の落ち着きある服をまとえば、確かに格好良い。
アユちゃんは、姉貴らしい落ち着きのせいで控え目に見られがちなだけに、ステージ人として原色で存在感をアピールするのは大賛成。隠しがちな彼女の秘めた強さや華やかさの部分は、そろそろ自分の魅力として、もっと表に出してよい年頃だ。内面がキレイな彼女だけに、そこを見せることで一段とアトラクティブな女性になると思う。
ファッションの変化は、Tiny Sunの脱皮にも繋がる。舞ちゃんに負けず、姉妹がそれぞれ大人の魅力を前面に出していければ、南青山マンダラやJZBratのようなジャズクラブも似合うし、父親たちの立つステージでも、親父たちと対等に渡り合える。活動の幅が広がり、新たなファンも増えることだろう。
最近のTiny Sunは端境期にいると思う。無名の若い女性アーティストを応援する男性ファン層って意外と大きい。まあ形はどうあれ、自分の力で支えたいと思うのは男のサガだから。しかし実力を着けてきた彼女たちがターゲットとすべきは、もはやその層ではない。大人の魅力をもつ河村舞子との出会いは示唆的で、Tiny Sunは自覚的に一段、階段を昇る時期が到来しているのだ。
今夜もラス前に歌った「悲しい月」という曲が僕は大好きなのだが、女性duoの2色の声をソロとユニゾンとコーラスを上手く使い分け、サビの最後に印象的な声の共鳴音を響かせる構成は秀逸。舞ちゃんのバイオリンという3色目も、主旋律と絶妙に絡み合い、深い陰影ある月夜を描き出す。
これだけの曲を作り、表現できる所まで来たのだ。ミュージシャンとして脂がのってきたからこそ、これ迄よりずっと、進める選択肢は広がっている。彼女たち自身が、行き詰まっていると勘違いせず、一歩一歩世界をさらに世界を広げる努力を続ければ、時をおかずに報われる瞬間がきっとくる。
勿論、嗜好性の高い音楽であるほど、パイは小さくなる。そこをミュージシャンとして、どうとらえるか。また、女としてどう生きるか。色々考えていることだろう。そんな話は、美味な日本酒の熱燗でも飲みながら語りたいものだが。
さーて、全くライブレポでなくファッションレポになっているが(笑)、今夜のセットリストはこんな感じ。
1)退屈な日々
2)ドリフター
3)なんてことない二人
4)本当はね
5)ストーリー(新曲)
6)さようなら、ありがとう
7)戦いの日々
8)Hard Traveling
9)悲しい月
10)Music Life
en)今日の日はさようなら
3)4)でほんわかし、新曲で語りを聞かせ、6)で切なく、7)8)で盛り上げ、9)で芸術性を感じた。
最後は彼女たち自身のテーマソングで締めくくったライブは、やっぱり来て良かった。
ほんと、もっとライブをやってよ。日本酒でも用意しておくからさ(笑)
Tiny Sun &ナツメグ ツーマン@西新宿navicafe
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Tinysunは、もっとライブで聞きたいアーティスト。なのに最近は、月1回しかライブがない。つまり、1回見逃すと2か月ぶり、2回だと3か月ぶりになってしまう。前回行けなかったので、今夜は迷わずnavicafeへ。
早めに着いたせいか、意外と空いてる。ステージ寄りのカウンター席につき、レッドアイ飲みながら素敵な女性二人組「ナツメグ」の出番を待つ。今夜が初見だが、15分遅れでスタートするまで彼女たちが会場にいたので、魅力的な女性たちだなあと期待していた。
彼女たちが歌い始めた途端、おっ、と驚く。二人のコーラスワークが素晴らしいのだ。伴奏はしぶいオジサンギタリスト宮本氏に任せ、主旋律を浜田麻里に似た舞さんが、コーラスをSHUUBIに似た歩(あゆみ)さんが担当、綺麗に息のあったハモりで軽やかに歌い継いでいく。
二人は鹿児島出身の同じ年。1歳児からの幼なじみという。なるほど息が合うわけだ。ただMCはカミがち、話し出すタイミングが二人で合いすぎ、よくかぶる。トークは共に上手くはない(笑)二人の間では言葉を重ねなくても意志疎通できてしまうのだろう。
安らぐ彼女たちの音楽を聞いているうちに眠くなる。優しいミドルバラード中心の楽曲はeasy listeningだ。軽い睡魔と戦いながら、最後まで会場を満たした暖かい空気に癒された。
それは素敵だった。だが敢えて言えば、最後まで変化に乏しく少々物足りなさを感じた。ほぼ全ての曲で、舞さんが主旋律をずっと歌い、歩さんが同じようなコーラスをつけていく。このグループは舞さんボーカルのためのグループなのだろうか。Duoという形態を硬直的に捉えすぎてないか。それでいて、二人の個性がみえてこない。
1曲だけ「君と僕と太陽」の中に、コーラス歩さんがソロをとるパートがあった。しっかりした歌唱力と、歌のお姉さんのような優しさがあった。彼女がソロで歌えないから、常にコーラスしている訳では無さそうだ。そりゃそうだ。ハモる方が、主旋律歌うよりずっと難しいのだから。
とすると、ナツメグは二人でできる事の半分しかしてないことになる。曲の歌い出しやサビで迫力を出すために、敢えてユニゾンで歌うとか、AメロBメロでソロを交代して色合いの違いで曲を重層的に表現するとか、二人がかけあいをして曲中の切迫感を高めるとか。きっとduoだからできること、まだまだ沢山あると思う。それができる二人でしょう。
個人的に、もっと歩さんのボーカルを聞きたかった。
<セットリスト>
1)in the sky
2)?例えば鳥になっても
3)I'll Fly Away
4)初恋(カバー)
5)蛍
6)アイスクリーム
7)君と僕と太陽
8)永遠のうた
9)愛のうた
10)自転車に乗って
後半はTiny Sunのステージ。
Tiny Sunの2人とレギュラーサポートの舞子ちゃんの3人は、毎回衣装もテーマ決めているが、今夜は敢えて定めず、それぞれの秋色が出すということにした模様。
その結果、violinの舞子ちゃんはグリーンのピタッとしたシャツに黒のストールでベーシックな大人っぽさ。相変わらず魅力的。gt.(+バンジョー)&vocalのサエコ妹はアースカラー系(使える言葉だw)で裾がフワッと広がる柔らかい生地のパンツが目立つ。背が高いから、パンツに存在感があり70s風。vocal&keyのアユコ姉はショートカットの黒髪と、ジャンパースカート風の鮮やかなアウターがほんのりした色香が。似合ってる。
最近、カラーコーディネーターに、姉は原色系、妹はアース系の色がそれぞれ適していると診断されたそう。それが、これまでの二人のイメージと逆だったのが面白い。子供のような無邪気なファッションだったサエちゃんだが、長身で縦にスラッとした体に大人の落ち着きある服をまとえば、確かに格好良い。
アユちゃんは、姉貴らしい落ち着きのせいで控え目に見られがちなだけに、ステージ人として原色で存在感をアピールするのは大賛成。隠しがちな彼女の秘めた強さや華やかさの部分は、そろそろ自分の魅力として、もっと表に出してよい年頃だ。内面がキレイな彼女だけに、そこを見せることで一段とアトラクティブな女性になると思う。
ファッションの変化は、Tiny Sunの脱皮にも繋がる。舞ちゃんに負けず、姉妹がそれぞれ大人の魅力を前面に出していければ、南青山マンダラやJZBratのようなジャズクラブも似合うし、父親たちの立つステージでも、親父たちと対等に渡り合える。活動の幅が広がり、新たなファンも増えることだろう。
最近のTiny Sunは端境期にいると思う。無名の若い女性アーティストを応援する男性ファン層って意外と大きい。まあ形はどうあれ、自分の力で支えたいと思うのは男のサガだから。しかし実力を着けてきた彼女たちがターゲットとすべきは、もはやその層ではない。大人の魅力をもつ河村舞子との出会いは示唆的で、Tiny Sunは自覚的に一段、階段を昇る時期が到来しているのだ。
今夜もラス前に歌った「悲しい月」という曲が僕は大好きなのだが、女性duoの2色の声をソロとユニゾンとコーラスを上手く使い分け、サビの最後に印象的な声の共鳴音を響かせる構成は秀逸。舞ちゃんのバイオリンという3色目も、主旋律と絶妙に絡み合い、深い陰影ある月夜を描き出す。
これだけの曲を作り、表現できる所まで来たのだ。ミュージシャンとして脂がのってきたからこそ、これ迄よりずっと、進める選択肢は広がっている。彼女たち自身が、行き詰まっていると勘違いせず、一歩一歩世界をさらに世界を広げる努力を続ければ、時をおかずに報われる瞬間がきっとくる。
勿論、嗜好性の高い音楽であるほど、パイは小さくなる。そこをミュージシャンとして、どうとらえるか。また、女としてどう生きるか。色々考えていることだろう。そんな話は、美味な日本酒の熱燗でも飲みながら語りたいものだが。
さーて、全くライブレポでなくファッションレポになっているが(笑)、今夜のセットリストはこんな感じ。
1)退屈な日々
2)ドリフター
3)なんてことない二人
4)本当はね
5)ストーリー(新曲)
6)さようなら、ありがとう
7)戦いの日々
8)Hard Traveling
9)悲しい月
10)Music Life
en)今日の日はさようなら
3)4)でほんわかし、新曲で語りを聞かせ、6)で切なく、7)8)で盛り上げ、9)で芸術性を感じた。
最後は彼女たち自身のテーマソングで締めくくったライブは、やっぱり来て良かった。
ほんと、もっとライブをやってよ。日本酒でも用意しておくからさ(笑)
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「歌女-utaime- act.25」@赤坂Graffiti
出演:吉村かおり →石原由規奈 →松岡里果
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今夜は赤坂へ、吉村かおりと松岡里果という、あるようで無かった対バンを見に。スリーマンなので時間も長め。楽しみ。
出番は毎月のようにグラフィティでライブしている松岡里果がトリ、2回目の吉村かおりぃが1番手。これがノマドだったら逆になるのだろうけどね。とまれ、今夜はホームの里果ちゃんが、どうアンコールまでもっていくかの構成も楽しみだ。
今夜の吉村かおりは黒地にキラキラの飾りをつけたズドンとしたドレス
赤坂を意識したのかな。そして、相棒のまあびぃはテンガロンハットにひげ面の西部劇風。二人そろって、何か余所行きな感じ(笑)でもライブはいつもの通り、かおりぃらしい世界観。
ただ、多分聞くのは2回目の「夜よ明けるな」と、初めてかもしれない古い曲「涙」を聴けたのはラッキー。特に「夜よ~」はこれからの彼女のライブで定番となりそうな局だね。どこがと言えないが、何か今までよりさらに複雑な感じ。音の色が多彩というか。まあびぃのドラムも、タムやバスドラやシンバルの打ち方が技巧的なほか、その他様々な音を生み出していて、賑やかというか奥行きが深い。
目覚まし鳴らせば朝がくる~
という、彼女の曲の設定や題材に多く登場する「夢」が、この曲にもみられた。今度、もっとじっくり聞いてみよう。
また、「ネオ白昼夢」を聞いてはじめて、この曲は攻めてるなあと実感。かおりぃが二の矢、三の矢を繰り出して、独特のテンションを作り出しているところに感動。意外とアッパーだった「涙」も面白かった。
だが、やはり今夜一番だったのは「あなたの中で目が覚める」だな。この歌、けっこう好き。
イメージは無限大、もろくてまるい牙を剥く キラキラ放てよ あなたの街に飛んでゆこう
ってサビが。しかし、こうして書き出しても、意味が分からないイメージのおもちゃ箱的なところも(笑)
1)てっ辺
2)夜よ明けるな
3)ネオ白昼夢
4)においのかたち
5)涙
6)あなたの中で目が覚める
2番手はアニソン歌う21才のアイドル卵みたいな子。熱烈なファンの若者が多く、前の方の席を明け渡し、ここは一旦後衛に下がって、三井さんらと雑談など。
さあ、そして松岡里果ちゃんの出番だ。今夜のギターサポートは高田さんではなく、三井さんのみ。この週末、川崎で歌いまくった里果ちゃんをずっとサポートしていた高田さんは、今日は橋幸夫の演奏で札幌だ。と、思ったらひょっこり現れ、後ろの方で途中から聞いていた。札幌ライブ帰りに駆けつけたとか。さすがのフットワークの軽さ。
さて、里果ちゃんのライブは、まずは彼女のギター演奏から始まった。年初から始めて、途中で飽きて止めていたギターだが、最近また復活した模様。この日は冒頭2曲を自らもギターを弾きながらのステージだ。
最初にもってきたのは、ユーミンカバーの「優しさに包まれたなら」。それを、Aメロをほとんどアカペラで歌いだす。あの掠れた、それでいて親しみやすい声で歌うアカペラは、表情たっぷり。そこに、彼女自身のギターが入る。そして、三井さんのギターも加わって一気に曲調が盛り上がり、彼女の意外に強いボーカルで切々とユーミンを歌い上げる。
ところが途中で里果ちゃんのギターの音が出ないではないか。シールドか機材の接触の問題かと思いきや、曲が終わったところで「ああ、ギターの音量のスイッチ入ってなかった」……ガクっ(笑)
続いて「私はアーティストだから実は暗くて、生きている意味とかよく考えます」と前ふりして「生まれた理由」。アーティストだから暗いという論理は、必ずしも合ってない気がしますが、確かにシンガーソングライターは概して内にこもって考えるタイプが多いか。考えることが多いから、表現したい言葉がたまりにたまって、歌という形で放出しているのだろうね。
そんな思いをつづった曲を、ギターで弾き語る。もちろん、技巧的な三井さんのギターサポートがあるからだが、すごく頑張っている。前向きに取り組む里果の姿勢は好感度高いね。最後はギターを下げながら、フルートまで。独自のスタイルは、一度見たら忘れない。
実は新たにいいギターを買う予定で、いま使っているギターを売りたいとか。オークションで500円からと掛け声上げたが、誰も後が続かず(笑)昔、まだかわいかった頃やったオークションでは、はただのTシャツを1万7000円ほどで売れたのに…と嘆いていたw。
ギターからようやく「解放」されて、3曲目からは元気いっぱいに歌いだす。手拍子を受けて、間奏ではフルートを響かせ、ハンドマイクでステージ狭しと動き回り、客席とコミュニケーション。このおきゃくさんとのコミュニケーション能力の高さは彼女ならでは。
「向日葵」から「つながる空」へ、どんどん客席をあおり、自らもノリノリでテンポを上げていく。「つながる空」では、お決まりのラララララとお客さんにも歌わせ、前のアーティストのお客さんたちにも一緒に歌おうよと声をかける。会場全体を一体にしようと、いろいろ工夫していく彼女のひたむきなところが、とても愛らしい。みなに好かれるゆえんだ。
1)優しさに包まれたなら(荒井由実カバー)
2)生まれた理由
3)風とあなた
4)リプライ
5)向日葵
6)つながる空
en.水彩
ステージ降りる元気がなかったのと、盛大なアンコールの手拍子をステージ上で受けて、最後に「水彩」をしっとりと。里果ちゃんのステージっていつも、最後はほのぼのした気分になる。彼女の愛嬌に釣り込まれる。タレント性があるんだよね、彼女は。楽しいライブだった。
「歌女-utaime- act.25」@赤坂Graffiti
出演:吉村かおり →石原由規奈 →松岡里果
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今夜は赤坂へ、吉村かおりと松岡里果という、あるようで無かった対バンを見に。スリーマンなので時間も長め。楽しみ。
出番は毎月のようにグラフィティでライブしている松岡里果がトリ、2回目の吉村かおりぃが1番手。これがノマドだったら逆になるのだろうけどね。とまれ、今夜はホームの里果ちゃんが、どうアンコールまでもっていくかの構成も楽しみだ。
今夜の吉村かおりは黒地にキラキラの飾りをつけたズドンとしたドレス

ただ、多分聞くのは2回目の「夜よ明けるな」と、初めてかもしれない古い曲「涙」を聴けたのはラッキー。特に「夜よ~」はこれからの彼女のライブで定番となりそうな局だね。どこがと言えないが、何か今までよりさらに複雑な感じ。音の色が多彩というか。まあびぃのドラムも、タムやバスドラやシンバルの打ち方が技巧的なほか、その他様々な音を生み出していて、賑やかというか奥行きが深い。


また、「ネオ白昼夢」を聞いてはじめて、この曲は攻めてるなあと実感。かおりぃが二の矢、三の矢を繰り出して、独特のテンションを作り出しているところに感動。意外とアッパーだった「涙」も面白かった。
だが、やはり今夜一番だったのは「あなたの中で目が覚める」だな。この歌、けっこう好き。


1)てっ辺
2)夜よ明けるな
3)ネオ白昼夢
4)においのかたち
5)涙
6)あなたの中で目が覚める
2番手はアニソン歌う21才のアイドル卵みたいな子。熱烈なファンの若者が多く、前の方の席を明け渡し、ここは一旦後衛に下がって、三井さんらと雑談など。
さあ、そして松岡里果ちゃんの出番だ。今夜のギターサポートは高田さんではなく、三井さんのみ。この週末、川崎で歌いまくった里果ちゃんをずっとサポートしていた高田さんは、今日は橋幸夫の演奏で札幌だ。と、思ったらひょっこり現れ、後ろの方で途中から聞いていた。札幌ライブ帰りに駆けつけたとか。さすがのフットワークの軽さ。
さて、里果ちゃんのライブは、まずは彼女のギター演奏から始まった。年初から始めて、途中で飽きて止めていたギターだが、最近また復活した模様。この日は冒頭2曲を自らもギターを弾きながらのステージだ。
最初にもってきたのは、ユーミンカバーの「優しさに包まれたなら」。それを、Aメロをほとんどアカペラで歌いだす。あの掠れた、それでいて親しみやすい声で歌うアカペラは、表情たっぷり。そこに、彼女自身のギターが入る。そして、三井さんのギターも加わって一気に曲調が盛り上がり、彼女の意外に強いボーカルで切々とユーミンを歌い上げる。
ところが途中で里果ちゃんのギターの音が出ないではないか。シールドか機材の接触の問題かと思いきや、曲が終わったところで「ああ、ギターの音量のスイッチ入ってなかった」……ガクっ(笑)
続いて「私はアーティストだから実は暗くて、生きている意味とかよく考えます」と前ふりして「生まれた理由」。アーティストだから暗いという論理は、必ずしも合ってない気がしますが、確かにシンガーソングライターは概して内にこもって考えるタイプが多いか。考えることが多いから、表現したい言葉がたまりにたまって、歌という形で放出しているのだろうね。
そんな思いをつづった曲を、ギターで弾き語る。もちろん、技巧的な三井さんのギターサポートがあるからだが、すごく頑張っている。前向きに取り組む里果の姿勢は好感度高いね。最後はギターを下げながら、フルートまで。独自のスタイルは、一度見たら忘れない。
実は新たにいいギターを買う予定で、いま使っているギターを売りたいとか。オークションで500円からと掛け声上げたが、誰も後が続かず(笑)昔、まだかわいかった頃やったオークションでは、はただのTシャツを1万7000円ほどで売れたのに…と嘆いていたw。
ギターからようやく「解放」されて、3曲目からは元気いっぱいに歌いだす。手拍子を受けて、間奏ではフルートを響かせ、ハンドマイクでステージ狭しと動き回り、客席とコミュニケーション。このおきゃくさんとのコミュニケーション能力の高さは彼女ならでは。
「向日葵」から「つながる空」へ、どんどん客席をあおり、自らもノリノリでテンポを上げていく。「つながる空」では、お決まりのラララララとお客さんにも歌わせ、前のアーティストのお客さんたちにも一緒に歌おうよと声をかける。会場全体を一体にしようと、いろいろ工夫していく彼女のひたむきなところが、とても愛らしい。みなに好かれるゆえんだ。
1)優しさに包まれたなら(荒井由実カバー)
2)生まれた理由
3)風とあなた
4)リプライ
5)向日葵
6)つながる空
en.水彩
ステージ降りる元気がなかったのと、盛大なアンコールの手拍子をステージ上で受けて、最後に「水彩」をしっとりと。里果ちゃんのステージっていつも、最後はほのぼのした気分になる。彼女の愛嬌に釣り込まれる。タレント性があるんだよね、彼女は。楽しいライブだった。