九州北部豪雨被害への御見舞い、御悔み | Kunstmarkt von Heinrich Gustav  

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ドイツの首都Berlin、Brandenburg州及び比叡山延暦寺、徳島県鳴門市の公認の芸術家(画家) Heinrich Gustav(奥山実秋)の書き記した論文、随筆、格言集。

        

           

2017年7月5日の集中豪雨によって、福岡県と大分県の県境の複数の町村で、近年稀に見る程の甚大な被害が出て1週間が経過した。
此の豪雨の原因は停滞した梅雨前線に南から暖かい湿った空気が流れ込む事で、大量の雨を降らす積乱雲が次々と発生する「線状降水帯」であった。
各テレビ局による現地からの映像を見ていると、圧倒的な濁流や土砂崩れにより、家屋や橋等が倒壊したり、押し流されたり、道路が寸断されたり、膨大な量の流木が河川を埋め尽くしたり等と、目を疑わんばかりの光景であった。
これ等の主な原因として、約300個所以上の土砂崩れによって山の斜面の大量の木々が根こそぎ抜けて、川の流れをせき止め氾濫させ集落に流れ込んだ事、そして普段は農業用水として使われる多くの溜池までもが氾濫した事が判明した。
今回の河川の氾濫の多くは、筑後川の本流ではなく支流で発生している。
以前起こった九州北部豪雨の際、被災地の土木学会調査団長を務めた河川工学専門の小松利光・九州大名誉教授は「被害の発生状況や原因は当時と全く同じ。 流木があると水流だけの場合より格段に破壊力がある。」と言っている。

人的被害も12日の時点で29人の死者が確認され、被災自治体によると、行方不明者は現時点で計21人になる。
被災地から川で繋がる有明海で5人の遺体が見つかり、警察は災害と関連している可能性が高いと見て調査しているが、此の5人を含めると死者は計34人になる。
寸断された道路の修理が進み、集落の孤立状態は次第に解消されつつあるが、福岡、大分両県内で尚250人以上が取り残され孤立状態でいる。
マスコミの報道によると5日以降、福岡、大分両県を中心に3万4669世帯9万6129人に避難指示が出されており、目下の処約1400人が公民館等に避難している。
最近の天気予報を見る限りでは、更に被害が拡大する危険性は大であると予測される。
それでも余としては此れ以上被害が拡大しない事を祈るばかりである!

被災地の豪雨被害は一旦治まったとは言え、健康、衛生上の管理、対策も重要事項である。
先ず、此れから続く猛暑日によって、熱中症、脱水症状、等に陥らない様に十分に水分補給をする事、
ストレスを蓄積しない様に、皆で励まし合ったり、未来への希望を抱いて、何か気晴らしをする事、そして残留する土砂に寄生している可能性のある、破傷風菌、Legionella菌、Leptospira菌、等による感染症は悪化した場合、死に至る危険性があるので注意する必要がある。

旧ロシアのベラルーシ出身のノーベル文学賞を受賞した女流作家S.A.アレクシエーヴィッチさんは、かつて1986年4月に起きたチェルノブイリ原発事故の被災者達からの証言をまとめた本を出版している。
そして2011年3月の「東北大震災」の際に起きた「福島原発事故」の被災者達に同情して来日し、彼らから直接体験談を取材する所を、NHKの衛星放送が特別番組として報道していた。
其の中で彼女は以下の様な意見を述べていたのが特に印象に残った。
「社会主義の国でも、資本主義の国でも大惨事に於いて同じ事が起きています。政治家や閣僚は自分達の地位と安泰を守る事だけ考えていて、被災者の事等本気で考えていないのです。」
此の言葉は今回も、無能で間抜けな言い訳しか出来ない(名ばかりの)※防衛大臣にそっくり該当しているのだから、怒りを通り越して呆れるばかりである。(※7月28日にやっと辞任)
「適材適所」の言葉の如く人材の選定はコネや肩書きだけでなく、其の人の能力と人格を正しく判断して行わなければならない。
とは言え12日には安陪総理が自ら被災地を訪問、視察をして、被災者達から現在の窮状を直接聞き取っているのは、当然の行為ではあるが評価出来る。
被災地、被災者の状況を正しく把握し、迅速且つ良心的な救済措置を取って頂きたい!

参考に2011年3月に起きた「東北大震災」の折に余が書き記した以下の同ブログ3件の記事、
「東日本大震災への御見舞い、御悔やみ、そして助言」

並びに「大震災被災者の為のストレス診断表」

「熊本地震への御見舞い、御悔やみ、そして助言」

を参考に御覧頂きたい。
被災地ではこれから不慣れ且つ不便な状況の中で大変かも知れないが、とにかく被災者の方々が其の健康を出来るだけ維持して、復興の為に精進され、再び平和な日常生活を取り戻される事を願って止まない!

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