東日本大震災への御見舞い、御悔やみ、そして助言 | Kunstmarkt von Heinrich Gustav  

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ドイツの首都Berlin、Brandenburg州及び比叡山延暦寺、徳島県鳴門市の公認の芸術家(画家) Heinrich Gustav(奥山実秋)の書き記した論文、随筆、格言集。

               

            

今週末には、天気も良くそして気温も上昇して春らしくなるだろうと安気な思いでいた所、突如3月11日午後2時46分頃、日本史上未曾有の大地震と此れに起因する大津波が東北地方太平洋海岸約500kmを襲った!
此の震度はマグニチュード9.0と言う地震の観測史上最大の規模で、江戸時代の「安政大地震」(1855年11月11日(旧暦、安政2年10月2日)発生、マグニチュード6.9)、「明治三陸地震」(1896年(明治29年)6月15日発生、マグニチュード8.2~8.5)、「関東大震災」(1923年(大正12年)9月1日発生、マグニチュード7.9)そして「阪神・淡路大震災」(1995年1月17日発生、マグニチュード7.3)をも凌いでいる。

地震は宮城県沖のみならず、茨城県沖でも並行して発生した為、余と我が家族は茨城県鹿嶋市及び稲敷郡に住む親戚の事が気になって、直ぐに電話連絡をして見た所、幸い両家共に棚の物品が落下してかなり壊れた位で、大損害は被っていなかった。
両親戚の無事が即座に確認出来たので、我々としては安堵している。
とは言え何分茨城県でもマグニチュード6強が来たらしく、気の毒な事に県内で19人が犠牲になり、80棟以上の家屋が倒壊したらしく、かの有名な「鹿島神宮」も石鳥居や石灯篭も倒れると言う被害を被った様である。

我々の住んでいる地方では津波はおろか、ぴくりとも揺れなかったのだが、今回の地震、津波による広範囲にわたる甚大な被害をテレビ、新聞等の報道で見て、誠に愕然とするばかりである!
まだまだ被害の全貌は完全に明らかになってはいないが、此れから先被害者の数が増える事と、復旧作業の為の労力及び、物質且つ経済的な需要が莫大な規模になる事を考えると、気が滅入ってしまいそうである。
まして被災地にて不安と恐怖に怯えながら、不自由な生活を余儀なくされている人々は尚更である。
ただでさえ、一度目の地震、津波によって、岩手、宮城県の太平洋海岸の各市町村が壊滅的な打撃を受けたのに、其の上今だ余震が当地方で連続して起きているし、福島県の原子力発電所にも爆発による破損が起きたり、長野、新潟の県境でも新たにマグニチュード6以上の地震が発生すると言う二次的災害が立て続けに起きるのも非常に稀な現象である。
「人間が如何に努力をしても、自然を克服する事は出来ない。」と言う、自然科学者や我が大学時代の恩師の言葉の如く、人間は自然の猛威に対して全く為す術が無かった。

では此の大惨事に対して何が出来るのかと言うと、余も個人的には精々大規模な復興事業の足しにもならない程度の「端金」を寄付する事位しか出来ない。
此の大災害の直後、最も問題になるのは援助物資の補給と調達であると予測していた。
被災地の状況は物資の欠乏とい云う点では、あたかも戦場に似ている。
戦争に譬えるとたとえ強力な戦闘力を持った軍隊でも、「補給線」を断ち切られてしまうと、武器、弾薬、燃料、食糧が次第に欠乏し、其の能力は弱体化してしまう。
故に被災地に於いても、何らかの形で「補給線」だけは確保しておかねばならない。
(例: 道路、鉄道、等が破壊されて、車両の通行が不能な場合、ヘリコプターで支援物資を空輸し、避難場所に直接配給する。 又は支援物資を落下傘付きのカプセルに入れて、輸送機で避難場所に直接投下する。
※これ等の手段は20世紀の戦争の中で何度も実行されている。)

余は被災地より1000km程離れた所に住んでいる故、何ら実質的な力にはなれないが、せめて医学大学で(特別受講生として)医学を学んだ経験のある者として助言を述べさせてもらう。
先ず被災地の人々は何よりも先ず体温の維持及び栄養の摂取に努めなければならない。
にも拘らず現在東北地方及び北関東は気温がまだ低い事、そして壊滅的な打撃によって交通手段は分断され、食料の備蓄も不十分な事から被災者の方々は健康を保持する事が困難になって来る。
其の為、日本各地及び外国から多くの食料、水、燃料、毛布等の援助物資が供給されるだろうが、余は個人的にはチョコレートココア及び赤ワインブランデーウィスキー等の強いアルコール飲料を供給する事を提案したい。
何故なら、チョコレート、ココアはカロリーが高い故、少量でも体温を上げるのに効果的であるし、強いアルコール飲料も同様の効果が有る上に、いざと言う時は消毒薬としても体の内外の為に利用出来るからである。
実に北欧では冬に強いアルコール飲料を少し入れたココアを飲むのが習慣であるし、ドイツ人はクリスマスの頃にGlühweinと言うシナモンの入った赤ワインを温めて飲むし、フランス人は温めた赤ワインを風邪の予防に使っているし、スイスの救助犬St.Bernardはブランデーの入った小さな樽を携行して、山で遭難者に其れを飲ませるし、今は亡き我が友人で登山家だったH.Barthel氏も、「登山家が山に登る時には必ずチョコレートを携行するんだ。」と言っていた。

被災者の方々の健康維持の為に特に有効な食物と其の栄養素として、自分自身の長年の経験及び習慣より、「」、「キーウィ(フルーツ)」「胡麻」、「生姜」を御薦め致したい。

は、蛋白質、カルシウム、脂 質、脂 質、カルシウム、リ ン、鉄、ナトリウム、カリウム、ビタミンA、B1、B2、B6、B12、D、E、K、ナイアシン等、ほぼ全ての栄養素を含んでいる。
又、人体内で作る事が出来ない8種類の必須アミノ酸をバランス良く含んでいる非常に価値ある食品である。
中でも卵の蛋白質は得に良質で、栄養価を表す基準の内では、最も優れた食品とされている。
かつて中世ヨーロッパでは、"Zauberkugel"(ドイツ語で「魔法の玉」の意味)とも呼ばれ、当時医学の遅れていたヨーロッパでは重病人には卵を食べさせるのが、最良の治療法であった位である。

Kiwiキウイ)は水分、ビタミンC、E、カリウム、食物繊維、ポリフェノール等の栄養を豊富に含んでおり、一日一玉で十分にこれらの栄養を摂取出来る位である。
果物、野菜類の中でも特に栄養素が高いので、原産地の中国では「果物の王様」と言われている。
特にビタミンCは免疫力の増強、ストレスの軽減の効果があるので被災地では適任の栄養と言える。

黒胡麻は100グラム中に蛋白質21.9g、脂肪の61.7g 、カルシウム564mg(牛乳の11倍)、リン368mg、鉄50mg、リノール酸、リノレイン酸、ステアリン酸、レシチン、ビタミン、ビタミンA、B、D、E、アントシニアン(ポリフェノール)、セレン、亜鉛、ミネラルを豊富に含む優れた食物である。  
但し胡麻はは外皮が硬く、そのまま食べては消化・吸収されにくい故、擦って調理するのが最適である。

生姜の入った甘酒も御勧めである。                       
何故なら生姜の持つカロチン、ビタミンB1、B2、C、カルシウム、鉄、カリウム等の栄養素はさほど多くは無いが、体温の上昇、殺菌作用、新陳代謝と食欲の促進、等の効果もあり、中国では生姜は漢方薬としても利用されている。  

卵以外は生で直ぐ食べられるので、電気、火、水、等のエネルギーの確保の難しい被災地に適任である。
そして、栄養の摂取に関しては量だけでなく時間も重要である。
即ち人間の体が最も栄養を吸収出来る時間帯は実は朝、起床した直後なのである。
但し蛋白質だけは例外で、夜に摂取するのが理想的である。
其れ故に余はウェイトトレーニングと格闘技の稽古そして自転車で走った直後に蛋白質を摂取する様にしている。                          

しかしながら、糖尿病、腎不全、等の持病のある方には過剰に摂取してはいけない栄養素もあるので、此の事に関しては専門医に相談する事を御奨めする次第である。
(これ等の事はNHKを通じて被災地に通達している。)

因みに我がドイツ人の親友4人(W.Mellwig閣下、Ch.Radeke牧師、R.Sauter氏、I.Häußler婦人)が余と家族の安否を気遣って電話及びEメールにて連絡して来てくれたので、今回の災害の概要について報告しておいた。
全く親友とは有り難い者である!
参考に余がドイツのBerliner Zeitung(ベルリン新聞)及びZDF(ドイツ第二放送)のホームページを閲覧した所、ドイツでは地震、津波による被害より、寧ろ福島県の原子力発電所の爆発事故についていささか大げさに報道している様である。

現在、余は昨年の11月に我ら天台宗総本山・比叡山延暦寺から「釈迦八相成道図」の制作を受け賜わって、其れに全身全霊を傾けて取り組んでいる最中である故、此れ以上長い文章は書き記せないが、先ずは災害地の生存している人々に御見舞いを、そして無念にも犠牲になった方々に心からの御悔やみを申す次第である。
多大なる困難を極める事が予測されるが、其れでも一刻も早く被災地の人々が安心出来る生活を取り戻せる事を、そして其の為、被災地以外の日本国民が一人でも多く此の「国難」とも言うべき大惨事からの救済に協力する事をも願って止まない!

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