建築家長沼幸充ブログ -24ページ目

木造現場

いつもお世話になっている工務店の円徳建工からのお誘いで、
新しい現場を見せて頂いた。
なんでも新しい構法を使っているとのこと。
確かに実物を見ると、その構法による開放感・ダイナミックさが現れていた。

現場には構造体の模型まであった。
軸組模型がある現場も珍しいです。

建築家長沼幸充ブログ-構造模型

長期優良住宅のメリット6/6

前回までに長期優良住宅のメリットを書いてきたが、
ではデメリットはないのかという点について。

長期優良住宅は「長く使える住宅をつくる」ことを目的としているため、
一般住宅に比べて高いスペックが求められている。
「耐震等級2以上」「劣化対策等級3」「維持管理対策等級3」「省エネ対策等級4」


【耐震等級2以上】

建物すべては、建築基準法によって耐震性能が求められている。
「耐震等級2」とは、建築基準法で求められる耐震性能の1.25倍の力に対して
倒壊しない程度の性能である。

これらは構造計算を行い、耐震性能上必要な壁(耐震壁)を増やすことで対応出来る。
耐震壁にするためには、構造用合板などを貼った壁を作ることだが、
合板の金額が数枚増えるだけで、ほとんどコストアップにはならない。


【劣化対策等級3】

建物が傷んだ際に、メンテナンスが出来るように対策しておくことが求められる。
例えば基礎の高さを高く設定することで、床下に潜り点検・改修が出来るなど。
これらは普段まったくそのような対策をしていない設計であれば、コストアップになるが、
私の設計では通常から対応しているため、コストアップにならない。


【維持管理対策等級3】

給排水の配管は、通常床下に設置するが、最後に建物の外に出すときに、
コンクリートの中に埋設せずに、取り替え可能にする対策が求められる。
これはさや管式にしたり、基礎に配管を傷めないための管を最初に設置しておくことで、
対応可能で、ほとんどコストアップにはならない。


【省エネ対策等級4】

住宅で生活するときのエネルギーを抑えるために、断熱性能が求められる。
ここで求められる性能は一般住宅に比べて高く、通常はコストアップになるが、
私の設計では通常から対応しているため、コストアップにならない。


上記より、長期優良住宅にするために求められる4つの性能は、
私の設計ではスタンダードなものであるために、特別なコストアップなしで、
十分に対応可能である。
長期優良住宅にすることによる金銭的なメリットは、数年の暫定的なものかもしれないが、
住宅の性能が上がることでの、居住の快適性は住み続ける間じゅう得られる。
これこそ長期優良住宅にする、最大のメリットであると言える。

私の設計する住宅では、長期優良住宅のスペックはスタンダード仕様である。
近々住宅建設を考えている方は、長期優良住宅を検討してみてはいかがだろうか。

長期優良住宅のメリット5/6

過去4回に渡り「長期優良住宅のメリット」を見てきた。
そこでメリットを改めてまとめてみる。

【フラット35Sが使える】
フラット35S(20年金利引き下げタイプ)適用で、約370万円のローン総額の減額。
(2011年中に申し込んだ方まで対象)

【住宅ローン減税が適用される】
年間最大60万円、10年間で、合計600万円の所得税控除。
(年収650万円以下までは一般住宅と長期優良住宅の控除額の差なし)

【木のいえ整備促進事業による補助金の対象となる】
地域資源活用型の適用で、上限120万円の補助金。
(平成22年度分は2011年1月31日までの受付分までが対象)

【住宅エコポイントが得られる】
30万エコポイント。
(木のいえ整備促進事業との併用は不可)


上記4つのうち、住宅ローン減税については、各家庭の所得によるため、
シミュレーションによる。
また住宅エコポイントは、木のいえ整備促進事業の対象となる場合であれば、
利用しないほうが良い。

よって、「フラット35Sに申し込み可能なクライアント」が、
「木のいえ整備促進事業の対象となる工務店」によって建てる場合が、
最も長期優良住宅の金銭的なメリットを受けることが出来る。
あとは、各制度の申し込み期限があるため、建築主の考えるタイムスケジュールと、
各制度の期限がうまく合えば、最大限にメリットを受けることが出来る。

ここまで長期優良住宅のメリットを書いてきたが、デメリットはないのか
という点については、次回書きたい。