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長期優良住宅のメリット1/6

昨年より始まった「長期優良住宅」制度。
簡単に言うと、
「長期的な視点で住宅を作ることで省エネ・環境配慮しましょう。」
「国の定める基準を満たす長期優良住宅には、メリットを設けます。」
ということである。

http://www.sumai-info.jp/chouki/index.html

「長期優良住宅」という言葉は大変に認知されているが、
実際にどのようにしたら長期優良住宅になるのか、またそのメリットなどが気になるところ。
今回は、長期優良住宅のメリットをまとめていきたい。


長期優良住宅のメリットは、大きく4つにまとめられる。
1. フラット35Sが使える。
2. 住宅ローン減税が適用される。
3. 木のいえ整備促進事業による補助金の対象となる。
4. 住宅エコポイントが得られる。

以下で各メリットを解説していきたい。
(内容は2010年10月28日現在)

【フラット35Sが使える】

フラット35は、住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫)が提供している住宅ローン。
35年の固定金利で、保証金や繰上返済手数料が無料など、メリットも多い。
その中でも「フラット35S」は、一定の基準を満たした優良住宅に対して、
金利を下げたローンである。
長期優良住宅にすることで、フラット35Sの基準を満たすために、
ローン金利を下げることが出来る。

フラット35Sにも2タイプがある。
「フラット35S」と「フラット35S(20年金利引き下げタイプ)」である。
フラット35Sは、最初の10年間で、金利がフラット35の金利よりも年1.0%下がる。

(下記モデルケース)
借入額3,000万円、借入期間35年、元利均等返済、ボーナス返済なし、融資金利2.31%※の場合
※平成22年9月において返済期間が21年以上35年以下の場合で取扱金融機関が提供する最も多い金利

建築家長沼幸充ブログ-フラット35S01

建築家長沼幸充ブログ-フラット35S02
(住宅金融支援機構フラット35ホームページより転記)

フラット35S(20年金利引き下げタイプ)は、最初の10年が金利年1.0%マイナスで、
10~20年目までが年0.3%マイナスになる。

建築家長沼幸充ブログ-フラット35S03

建築家長沼幸充ブログ-フラット35S04
(住宅金融支援機構フラット35ホームページより転記)

当然、フラット35S(20年金利引き下げタイプ)のほうが、金利メリットがあるが、
住宅金融支援機構の求める基準が、より高くなっている。
ただ長期優良住宅では、20年金利引き下げタイプの基準も満たすことは可能であるため、
フラット35を使うのであれば、20年金利引き下げタイプを適用したい。

フラット35S(20年金利引き下げタイプ)を適用できれば、
ローン総返済額で、約370万円の減額になる。

ただ気をつけなければならないのが、この優遇措置も期間限定であること。
当初フラット35Sの制度は、2010年中に申し込んだ方のみ対象であったようだが、
1年間の延長になり、2011年中に申し込んだ方まで対象となっている。
また募集金額も決まっているようで、予算額がいっぱいになった時点で申し込み停止に
なる恐れもある。(エコカー減税と同じ)

フラット35Sを適用したいと考えている人は、住宅金融支援機構のホームページを
随時チェックしたほうが良いかもしれない。
http://www.flat35.com/loan/flat35s/index.html

その他、ローン額や家族構成などにより、長期優良住宅でのメリットの額は
変化するため、詳しくはシミュレーターによって算出してみると良い。

http://www.ncn-se.co.jp/chouki/courtesy/preferential_2010/simulation.html

西川材見学6/6

今回の木材見学でお世話になったフォレスト西川では、
西川材を使用したフローリングや巾木、壁材などを作っている。

建築家長沼幸充ブログ-プレス

巾90mm程度の材を接着剤によってくっつけ、
最後に上の写真にあるプレス機で圧力をかけて定着させる。

建築家長沼幸充ブログ-巾はぎ材

プレスされた材は、一部接着剤がはみ出たり、端部に凹凸がある。

建築家長沼幸充ブログ-研磨機

これを研磨機にかけて、表面を磨いて仕上げる。
上の写真は機械のメンテナンス中で、外にある幅広いロール状のものが、
巾90センチのヤスリ。
これが機械の中を廻っていて、材を研磨する。

建築家長沼幸充ブログ-薬剤注入機

これは材に防腐処理をする機械。
上のタンクに入っている薬剤を、材が入っている下のタンクに流し込み、
圧力をかけて、材に薬剤をしみこませる。
これにより材を防腐処理するようだ。

建築家長沼幸充ブログ-乾燥機

外には木材乾燥機があった。
木材には水分が大量に含まれていて、乾燥することで強度も出るが、
乾燥により表面にひび割れなども発生する。
機械により調整しながら乾燥させることで、表面割れすることなく、
材を乾燥させることが出来る。
乾燥の温度等は、製材所によっていろいろと異なるようだ。

建築家長沼幸充ブログ-乾燥材

乾燥機の中には、このように材が積まれている。
ゆっくり乾燥させるために、約2週間かけて含水率を下げていくようだ。

6回に渡って、木材の育成から加工までを見てきた。
工業製品とは異なり、実際に土から生まれたものが建築資材になる過程は、
本当に面白かった。
木材の素晴らしさを改めて実感した見学であった。

西川材見学5/6

ストックヤードから出荷された材は、いよいよ「プレカット工場」に持ち込まれる。
柱・梁を組むためのホゾを刻むためである。

建築家長沼幸充ブログ-プレカット01

体育館のような建物内に、柱・梁を刻むラインと、その他の材を刻むラインの2つ。

建築家長沼幸充ブログ-プレカット02

製材が機械にセットされると、製材所と同様にモニターに写された形でホゾが刻まれる。
穴を開けたり、溝を掘ったり、コンピューター制御された刃が正確に刻んでいく。
1本の材を完成させる時間は、1分程度だと思う。
本当に正確で早いプレカットは、現在の住宅建設にはかかせない。

建築家長沼幸充ブログ-プレカット03

プレカットされた材の端部は、このようにホゾになっている。

建築家長沼幸充ブログ-プレカット04

一方で、プレカットの機械の横では職人さんが、大きな無垢の檜を挽いていた。
おそらく梁だと思われるが、プレカットでは出来ないものは職人さんの腕によっている。
まったく職人さんがいないわけではないことを知り、ちょっとほっとした。

建築家長沼幸充ブログ-プレカット05

工場の一角に、「グレーディングマシン」が置かれていた。
グレーディングマシンとは、木材の強度を測るもので、
木材に圧力をかけることで、その強度(ヤング係数・含水率)を測る。
木材といえば「特一級」などの等級分けがされてきたが、
正確な強度を現代の技術では測ることが出来る。

建築家長沼幸充ブログ-プレカット06

グレーディングマシンで強度を測られた材には、ヤング係数(E91)と含水率(SD21)、
出荷社名のフォレスト西川が、材表面に印字される。

これで住宅の構造材は完成である。
木を育てる山から伐採し市場に持って行き、市場で原木が取引され、
購入された原木は製材所で製材され、一旦ストックヤードにて保管。
注文に応じてプレカット工場に出荷され、ホゾ刻みを機械にて行い、
完成した構造材は、工事現場に出荷される。

1. 木々の産地となる山
2. 原木センター
3. 製材所
4. ストックヤード
5. プレカット工場

このように一連の流れで木を見ていくと、非常に手間がかかっており、
また手入れされた山(自然)から住宅が出来ていることが分かる。
このプロセスを見ることで、家づくりがより面白くなると思う。

構造材のレポートは終わりであるが、フローリングなどの材の過程を
次にレポートする。