ほたる(夏祭り)後
それなりに歩いたのに、お互いに疲れを感じなかった。
祭りのクライマックスの花火を見るため、少し人混みから離れた。
毎年人で地面が見えない土手。
そこにある石段も、もちろん人で埋まる…のに。
なぜか余裕で、というか他に誰も居ない?
さっき迄あの賑やかな中に居たんだ。
変わらず賑わっているのに、なぜか無声映画のようで、まるで楓香と二人だけの空間に居る気がした。
花火が上がった。
『キレイだね』
『うん…』
何度目かの花火が上がった時
楓香の顔がとても悲しく、離れて行くような気がして強く手を握り直した。
『キレイだね』
頬をこぼれ落ちる雫が花火で光った。
『楓香?』
両手で彼女の肩を掴み向かい合わせに
『ありがとう』
顔を背けたまま俺を避けるように立ち上がり離れる楓香。
身体に響いていた花火も、映し出された物のように静かに夜空を飾り続け、俺達を照らしてた。
あの日。
祐紀と待ち合わせしてた日。
楓香に会った日。
………
事故に合った日。
同じ服になっていた。
そんな事を不思議に思う事など、慣れていた。
どうでも良かった。
楓香が居なくなる。
俺の側に居た。
俺と手を繋いでいた。
俺を応援しからかい笑っていた。俺と居て楽しいと言った楓香が…
訳も分からず込み上げる悲しみに、溢れ出し頬を伝う。
どれくらい伝い落ちただろう。
ゆっくり近づくき白く細い両手を伸ばし、俺の頬を拭きながら泣いていた。
『裕紀って無口なわりに、涙もろいのね』
『何だよ、楓香だ』
細い指で口を塞がれ、何も言わず聞いてと、言われたような気がした。
今までより白く透けるような肌が一層悲しげで、不安で、愛おしく感じた。
ゆっくり手を離す彼女
『ごめんね。…全部私のわがまま…裕紀…ありがとうね』
笑顔が悲しかった。
言葉の意味など分からなかった。どうでもよかった。
ただ
無性にせつなく、心が振るえていた。
彼女がうっすらと輝き出した。
周りの景色も、ただ青白い光に包まれ。
まるで宙に浮いているような、今までの感情が嘘のように落ち着いていった。
瞳を閉じ
優しい温もりを全身に感じ心が穏やかになった。
『振り回してごめんね…』
『何で謝るの?』
『どう話したらいいのか分からないけど…』
『良いよ、何も話さなくて…
今の俺にはどうでもいい…
楓香が俺と逢えた事を喜んでくれて、一緒に居て楽しいって言ってくれた。
…俺もそう思ったから…』
『ありがとう…
これからも裕紀らしく真っ直ぐに生きてね。
ただひとつ、想いは言葉にしないと…女の子には届かないよ。
いつか裕紀の前に現れる女性(ひと)には、きちんと伝えて幸せになってね』
『楓香は居てくれないのか…
俺の心にこんな愛おしさを気づかせて…
この手に恋しい温もりを気づかせて…
誰も現れなくて良いよ…
想いを伝える言葉は
楓香に全てくれてやる…
だから
隣(ここ)に居ろよ!
隣で笑って居ろよ!』
抱きしめていた。
『ここに居てくれよ』
壊れてしまいそうな楓香。
ほんのりと楓香の温もりと共に、寂しさも伝わった。
『ありがとう…
でも…もう』
少しきつく抱き寄せ言葉を止めた全ての想い、感覚、香り、温もりを刻み付けるように…
『好きだった…裕紀に逢えるって信じて良かった』
『俺も…好きになった…今は誰より楓香が好きだ』
触れた唇は柔らかく震えていた
『何も出来ないんだな…俺…
一人にしたくないって言ったとしても…ダメなのか…』
『ありがとう…
今ね怖く無いの。不思議なくらい穏やかで…幸せすら感じてる。みんな裕紀のおかげ…
あの日病室で逢えただけで、話しが出来ただけで良かった…
でもあの事故を知った時、助けたかった。
裕紀には生きて行って欲しかった私に生きる事を思い出させてくれた人だから。
頑張って来たご褒美かな
こんな風に裕紀と過ごせた事
不思議な事って起こるんだね。
………
もう行かなくちゃ…
私は大丈夫!裕紀に貰った物がいっぱい出来たから。
だから
裕紀は生きて!
精一杯に生きて欲しい…
いつかきっと
裕紀の側で一緒に歩く女性(ひと)が現れるから
私は裕紀の幸せを応援してるからね…』
『言いたい事言いやがって…
俺にはわかんねぇだろ…
楓香が…
それに楓香のこといつかは…』
『分かるから、きっと感じるから。裕紀の傍で見守ってる。
忘れて良いんだよ…
私の事全てを忘れても、私は寂しくなんて無いんだからね。
裕紀が幸せになったって事なんだから…
笑って!裕紀笑ってよ!
ありがとう裕紀…
………
生きてね裕紀
精一杯生きて…
ありがとう…』
光の中に消えていく
声が遠くなっていく
意識が薄らぐ
楓香を想いながらも
意識が遠退く
母親に抱かれ安心して身を預けていた幼い頃。
覚えているはず無いのに…
なぜだろう
穏やかで心地良いこの感覚。
そして
誰かが俺を呼んでいるような
微かに聞こえて来る
懐かしい声…
俺は何処へ行くんだろう。
祭りのクライマックスの花火を見るため、少し人混みから離れた。
毎年人で地面が見えない土手。
そこにある石段も、もちろん人で埋まる…のに。
なぜか余裕で、というか他に誰も居ない?
さっき迄あの賑やかな中に居たんだ。
変わらず賑わっているのに、なぜか無声映画のようで、まるで楓香と二人だけの空間に居る気がした。
花火が上がった。
『キレイだね』
『うん…』
何度目かの花火が上がった時
楓香の顔がとても悲しく、離れて行くような気がして強く手を握り直した。
『キレイだね』
頬をこぼれ落ちる雫が花火で光った。
『楓香?』
両手で彼女の肩を掴み向かい合わせに
『ありがとう』
顔を背けたまま俺を避けるように立ち上がり離れる楓香。
身体に響いていた花火も、映し出された物のように静かに夜空を飾り続け、俺達を照らしてた。
あの日。
祐紀と待ち合わせしてた日。
楓香に会った日。
………
事故に合った日。
同じ服になっていた。
そんな事を不思議に思う事など、慣れていた。
どうでも良かった。
楓香が居なくなる。
俺の側に居た。
俺と手を繋いでいた。
俺を応援しからかい笑っていた。俺と居て楽しいと言った楓香が…
訳も分からず込み上げる悲しみに、溢れ出し頬を伝う。
どれくらい伝い落ちただろう。
ゆっくり近づくき白く細い両手を伸ばし、俺の頬を拭きながら泣いていた。
『裕紀って無口なわりに、涙もろいのね』
『何だよ、楓香だ』
細い指で口を塞がれ、何も言わず聞いてと、言われたような気がした。
今までより白く透けるような肌が一層悲しげで、不安で、愛おしく感じた。
ゆっくり手を離す彼女
『ごめんね。…全部私のわがまま…裕紀…ありがとうね』
笑顔が悲しかった。
言葉の意味など分からなかった。どうでもよかった。
ただ
無性にせつなく、心が振るえていた。
彼女がうっすらと輝き出した。
周りの景色も、ただ青白い光に包まれ。
まるで宙に浮いているような、今までの感情が嘘のように落ち着いていった。
瞳を閉じ
優しい温もりを全身に感じ心が穏やかになった。
『振り回してごめんね…』
『何で謝るの?』
『どう話したらいいのか分からないけど…』
『良いよ、何も話さなくて…
今の俺にはどうでもいい…
楓香が俺と逢えた事を喜んでくれて、一緒に居て楽しいって言ってくれた。
…俺もそう思ったから…』
『ありがとう…
これからも裕紀らしく真っ直ぐに生きてね。
ただひとつ、想いは言葉にしないと…女の子には届かないよ。
いつか裕紀の前に現れる女性(ひと)には、きちんと伝えて幸せになってね』
『楓香は居てくれないのか…
俺の心にこんな愛おしさを気づかせて…
この手に恋しい温もりを気づかせて…
誰も現れなくて良いよ…
想いを伝える言葉は
楓香に全てくれてやる…
だから
隣(ここ)に居ろよ!
隣で笑って居ろよ!』
抱きしめていた。
『ここに居てくれよ』
壊れてしまいそうな楓香。
ほんのりと楓香の温もりと共に、寂しさも伝わった。
『ありがとう…
でも…もう』
少しきつく抱き寄せ言葉を止めた全ての想い、感覚、香り、温もりを刻み付けるように…
『好きだった…裕紀に逢えるって信じて良かった』
『俺も…好きになった…今は誰より楓香が好きだ』
触れた唇は柔らかく震えていた
『何も出来ないんだな…俺…
一人にしたくないって言ったとしても…ダメなのか…』
『ありがとう…
今ね怖く無いの。不思議なくらい穏やかで…幸せすら感じてる。みんな裕紀のおかげ…
あの日病室で逢えただけで、話しが出来ただけで良かった…
でもあの事故を知った時、助けたかった。
裕紀には生きて行って欲しかった私に生きる事を思い出させてくれた人だから。
頑張って来たご褒美かな
こんな風に裕紀と過ごせた事
不思議な事って起こるんだね。
………
もう行かなくちゃ…
私は大丈夫!裕紀に貰った物がいっぱい出来たから。
だから
裕紀は生きて!
精一杯に生きて欲しい…
いつかきっと
裕紀の側で一緒に歩く女性(ひと)が現れるから
私は裕紀の幸せを応援してるからね…』
『言いたい事言いやがって…
俺にはわかんねぇだろ…
楓香が…
それに楓香のこといつかは…』
『分かるから、きっと感じるから。裕紀の傍で見守ってる。
忘れて良いんだよ…
私の事全てを忘れても、私は寂しくなんて無いんだからね。
裕紀が幸せになったって事なんだから…
笑って!裕紀笑ってよ!
ありがとう裕紀…
………
生きてね裕紀
精一杯生きて…
ありがとう…』
光の中に消えていく
声が遠くなっていく
意識が薄らぐ
楓香を想いながらも
意識が遠退く
母親に抱かれ安心して身を預けていた幼い頃。
覚えているはず無いのに…
なぜだろう
穏やかで心地良いこの感覚。
そして
誰かが俺を呼んでいるような
微かに聞こえて来る
懐かしい声…
俺は何処へ行くんだろう。
ほたる(夏祭り)前
気付いたらベッドだった。 少し長く寝過ぎたような
練習でも味わった事の無い疲れ
傷みを身体中に感じた。
重い瞼を開けると
見慣れた俺の部屋…
『兄(にい)ちゃん入るよ!』
相変わらず元気が有り余った声で入って来た。
重い身体を起こした。
夢?
かなりリアル過ぎるけど…
『お前と待ち合わせしてたよな』
『いつの話ししてんの?
20日も前じゃん。ちゃんとプレゼント買って、帰りに買ってくれたアイスまた食べたい…兄ちゃん?』
20日前…
カレンダーを見ながら不思議な感覚になり、自然と今日が23日だと思えた。
『大丈夫?疲れてんの兄ちゃん』
ごまかしながら不安定なまま否定すると
『早く着替えなよ。お店の予約6時なんだからね』
時計を見ると午後4時
母さんの誕生日は、少し場違いじゃないかと思うレストラン。
俺達の将来を考えての場慣れだとか言ってる。
そんな事よりシャワーを浴びスッキリさせなくては
服か…ジーンズにTシャツで行ける店にしてくれたら、楽なのに
と毎年思う。
今年も無事、それなりに楽しく終了したのだろう。
夏祭り準備の中休みのようなこの日が終われば、後は全力投球
日頃とは違う賑やかな日々がやって来る。
ベッドに横たわりちょっと瞳(め)を閉じた。
街角の騒がしさを感じ瞳を開けた
眩しい陽射しに顔を背けた視線の先に、ゆっくり近づく白いサンダルの女性。
何故、ここに居るのか不思議に思っている俺が薄らいでいった。
『また会えたね』
心地良い声に視線を合わせると
『楓香(ふうか)…』
とっさに出た言葉に焦った。
そんな俺を優しく穏やかに笑い
『じゃー私も…裕紀(ひろき)、でいいよね』
何処へ行く訳でも無く、二人で歩き出した。
気になる店に入っては、いつもならばしない試着をしてみたり。細身で肌の白いの彼女は、軟らかい色の優しいデザインの服が良く似合った。お互い服を選び合って、自分に合う意外な服を見つけて楽しんだ。
気がつくと自然に手を繋いでいた。
二人それに気がつくと妙に照れくさくて
『嫌じゃない?』
たどたどしい言い方の彼女
『そんな事無いよ…ただ…かなり恥ずかしい、かな』
『私も…』
お互い手を握り直していた。
いつの間にか俺の話しになっていた。子供の頃からのたわいもない話しに笑顔で聞いていた。
何で知ってるのだろうと、思う事がたびたびあった。
でも、当たり前だろ子供の頃からの知り合いなんだから…
そう言い聞かせる俺がいた。
『そろそろ時間か…
楽しい時ってなぜ直ぐに過ぎてしまうのかな?』
気になる言葉だったけど、俺と居て楽しいと思ってくれた事のほうが気になり嬉しかった。
繋いでいた左手がスーッと軽くなった。
身体までが、浮いているような軽さを感じ瞳(め)を閉じた。
また同じだ。
今度は…お囃子?祭りの人混み?ゆっくり瞳を開けた。
浴衣姿の俺は、約束の歩道橋の上で彼女を待っていた。 何故か今年は人が少ないような…
慣れない浴衣で急ぎ足の楓香が、可愛いかった。
『急がなくて良いから、ゆっくり歩いて来いよ』
それでも俺の所に辿り着くと、息を切らし少し辛そうだった。
心配させまいと笑う彼女に、何も言わずに笑顔で返した。
お互い初めての浴衣姿。
照れながら誉めあい、そしてまた照れた。
落ち着くと約束した伝説を教えて欲しいと言った。
夏祭り最終日にこの歩道橋の上で出会った男女は、また出会うことが出来る。
付き合っているなら、結ばれる。そんな伝説があり、とてつもなく混むのだ。
俺の両親も伝説を作った一組
『もしかしてさ…知ってたろ?』
『何で?』
『待ち合わせに選んだ時の楓香の態度と、今の顔。
俺に、教えてくれたのカナ姉だし…その人、母さんの担当看護師。好きそうだろ?仕事に追われる看護師さん達って』
『…』
『…だよな…まあ良いけど、会えたし。
でも、俺で良かったのかよ』
『もちろん!
伝説はまた一つ実証されたの。
信じていて良かった…』
実証されたって…俺達ここで会った事無いよな…?
これから?…
どうでも良くなった。
彼女の嬉しそうな横顔に光る雫を見た時。
長い間信じて待って居た想い。
その想いが伝わって来るようで、せつなく愛おしく感じ右腕で抱き寄せていた。
『逢えて良かった…』
『俺も…』
お囃子が賑やかになってきた。
人も増えてきた。
何年かぶりの祭りの雰囲気や、屋台に少し、かなり興奮気味の彼女を止めながら歩き出した。
定番だけど、金魚すくい。
お互い初めてで、なかなか難しく失敗。
寂しそうな彼女を見て、スイッチが入った。
そして何度かチャレンジ。
逃げられ、穴が開き、まただめ?
『きっと出来るから。諦めないで』
『たかが金魚すくい、そんなに真剣にならなくても』
『一番真剣になっているくせに。負けず嫌いの裕紀君としては…だから頑張れ』
見抜かれていた。
残った部分で…
赤い小さな金魚がポロッと、器に入った。
『やったー!』
思わずガッツポーズ。
クスッと笑ったのをごまかし
『やったね!』
『一匹じゃ淋しいだろうから。
お兄ちゃんの頑張りと、お姉ちゃんの笑顔に。
おまけだ』
少し大きい一匹の黒い金魚を入れ彼女に渡した。
『ありがとう!』
小さなビニールの袋に入った屋台の金魚。
高級品を手にしたかのような笑顔で俺に見せる楓香。幼い子供のようなあどけなさに自然に笑顔になった。
『良かったじゃん』
『ありがとう。裕紀と私…かな』
その後も、ヨーヨー釣り、射的、俺の隣で楽しそうに笑っていた
型抜き?四角い小さな…板ガムを半分にした位で固くした物に溝があり、釘のような先端の尖った物で溝の通りに抜く物だ。
何度かチャレンジするが、半分迄が限界。
『そろそろ次に行こう…』
『お兄ちゃん、待ってやりなよ。もう少しだからよ…良い顔してるじゃねぇか』
確かに。
今までと違う真剣な顔。
でもやっぱり、子供が夢中になっているようで…可愛いかった。
まずい。俺、顔ニヤケてた…
『出来た~。ほら、見て裕紀』
『本当だ。人が変わるくらいの
スゲー集中力。俺なんか』
自分の事を隠すように話しを続けようとすると 『私…そんなに変な顔してたの』
落ち込む楓香。
周りのおやじ達までが味方するような目で、俺を見る。
妙に焦る俺。
どうすんだ…視線が焦らせる。
『…真剣な顔が……いかった』
『顔が?…』
『かわ…可愛かった』
『お姉ちゃん、あんまりイジメんなよ。お兄ちゃん紅くなってんぞ』
隠そうとする俺の顔を覗き込むと
『許してあげよう。
裕紀の意外な可愛さに免じて…
』
『可愛いってなん…だ…ょ…』
言い返す俺の10㎝位まで顔を近づけ
『言葉にしないと伝わらないんだよ。話すのが苦手でも、特に女の子にはきちんと言葉をあげなくちゃダメだからね』
『はッ…は、はい…』、
満足そうな顔が、店のおやじから貰ったぬいぐるみで一段と笑顔が輝いた。
綿菓子、タコ焼き、かき氷…
お互い気になる屋台に立ち寄って楽しんだ。
いつの間にか左手はぬいぐるみを抱え、右手は彼女の左手をとり人の波を避けながら歩いていた。
不思議だった。
ちょっとは想像した事はあるけど考えるとかなり照れ臭い状況
練習でも味わった事の無い疲れ
傷みを身体中に感じた。
重い瞼を開けると
見慣れた俺の部屋…
『兄(にい)ちゃん入るよ!』
相変わらず元気が有り余った声で入って来た。
重い身体を起こした。
夢?
かなりリアル過ぎるけど…
『お前と待ち合わせしてたよな』
『いつの話ししてんの?
20日も前じゃん。ちゃんとプレゼント買って、帰りに買ってくれたアイスまた食べたい…兄ちゃん?』
20日前…
カレンダーを見ながら不思議な感覚になり、自然と今日が23日だと思えた。
『大丈夫?疲れてんの兄ちゃん』
ごまかしながら不安定なまま否定すると
『早く着替えなよ。お店の予約6時なんだからね』
時計を見ると午後4時
母さんの誕生日は、少し場違いじゃないかと思うレストラン。
俺達の将来を考えての場慣れだとか言ってる。
そんな事よりシャワーを浴びスッキリさせなくては
服か…ジーンズにTシャツで行ける店にしてくれたら、楽なのに
と毎年思う。
今年も無事、それなりに楽しく終了したのだろう。
夏祭り準備の中休みのようなこの日が終われば、後は全力投球
日頃とは違う賑やかな日々がやって来る。
ベッドに横たわりちょっと瞳(め)を閉じた。
街角の騒がしさを感じ瞳を開けた
眩しい陽射しに顔を背けた視線の先に、ゆっくり近づく白いサンダルの女性。
何故、ここに居るのか不思議に思っている俺が薄らいでいった。
『また会えたね』
心地良い声に視線を合わせると
『楓香(ふうか)…』
とっさに出た言葉に焦った。
そんな俺を優しく穏やかに笑い
『じゃー私も…裕紀(ひろき)、でいいよね』
何処へ行く訳でも無く、二人で歩き出した。
気になる店に入っては、いつもならばしない試着をしてみたり。細身で肌の白いの彼女は、軟らかい色の優しいデザインの服が良く似合った。お互い服を選び合って、自分に合う意外な服を見つけて楽しんだ。
気がつくと自然に手を繋いでいた。
二人それに気がつくと妙に照れくさくて
『嫌じゃない?』
たどたどしい言い方の彼女
『そんな事無いよ…ただ…かなり恥ずかしい、かな』
『私も…』
お互い手を握り直していた。
いつの間にか俺の話しになっていた。子供の頃からのたわいもない話しに笑顔で聞いていた。
何で知ってるのだろうと、思う事がたびたびあった。
でも、当たり前だろ子供の頃からの知り合いなんだから…
そう言い聞かせる俺がいた。
『そろそろ時間か…
楽しい時ってなぜ直ぐに過ぎてしまうのかな?』
気になる言葉だったけど、俺と居て楽しいと思ってくれた事のほうが気になり嬉しかった。
繋いでいた左手がスーッと軽くなった。
身体までが、浮いているような軽さを感じ瞳(め)を閉じた。
また同じだ。
今度は…お囃子?祭りの人混み?ゆっくり瞳を開けた。
浴衣姿の俺は、約束の歩道橋の上で彼女を待っていた。 何故か今年は人が少ないような…
慣れない浴衣で急ぎ足の楓香が、可愛いかった。
『急がなくて良いから、ゆっくり歩いて来いよ』
それでも俺の所に辿り着くと、息を切らし少し辛そうだった。
心配させまいと笑う彼女に、何も言わずに笑顔で返した。
お互い初めての浴衣姿。
照れながら誉めあい、そしてまた照れた。
落ち着くと約束した伝説を教えて欲しいと言った。
夏祭り最終日にこの歩道橋の上で出会った男女は、また出会うことが出来る。
付き合っているなら、結ばれる。そんな伝説があり、とてつもなく混むのだ。
俺の両親も伝説を作った一組
『もしかしてさ…知ってたろ?』
『何で?』
『待ち合わせに選んだ時の楓香の態度と、今の顔。
俺に、教えてくれたのカナ姉だし…その人、母さんの担当看護師。好きそうだろ?仕事に追われる看護師さん達って』
『…』
『…だよな…まあ良いけど、会えたし。
でも、俺で良かったのかよ』
『もちろん!
伝説はまた一つ実証されたの。
信じていて良かった…』
実証されたって…俺達ここで会った事無いよな…?
これから?…
どうでも良くなった。
彼女の嬉しそうな横顔に光る雫を見た時。
長い間信じて待って居た想い。
その想いが伝わって来るようで、せつなく愛おしく感じ右腕で抱き寄せていた。
『逢えて良かった…』
『俺も…』
お囃子が賑やかになってきた。
人も増えてきた。
何年かぶりの祭りの雰囲気や、屋台に少し、かなり興奮気味の彼女を止めながら歩き出した。
定番だけど、金魚すくい。
お互い初めてで、なかなか難しく失敗。
寂しそうな彼女を見て、スイッチが入った。
そして何度かチャレンジ。
逃げられ、穴が開き、まただめ?
『きっと出来るから。諦めないで』
『たかが金魚すくい、そんなに真剣にならなくても』
『一番真剣になっているくせに。負けず嫌いの裕紀君としては…だから頑張れ』
見抜かれていた。
残った部分で…
赤い小さな金魚がポロッと、器に入った。
『やったー!』
思わずガッツポーズ。
クスッと笑ったのをごまかし
『やったね!』
『一匹じゃ淋しいだろうから。
お兄ちゃんの頑張りと、お姉ちゃんの笑顔に。
おまけだ』
少し大きい一匹の黒い金魚を入れ彼女に渡した。
『ありがとう!』
小さなビニールの袋に入った屋台の金魚。
高級品を手にしたかのような笑顔で俺に見せる楓香。幼い子供のようなあどけなさに自然に笑顔になった。
『良かったじゃん』
『ありがとう。裕紀と私…かな』
その後も、ヨーヨー釣り、射的、俺の隣で楽しそうに笑っていた
型抜き?四角い小さな…板ガムを半分にした位で固くした物に溝があり、釘のような先端の尖った物で溝の通りに抜く物だ。
何度かチャレンジするが、半分迄が限界。
『そろそろ次に行こう…』
『お兄ちゃん、待ってやりなよ。もう少しだからよ…良い顔してるじゃねぇか』
確かに。
今までと違う真剣な顔。
でもやっぱり、子供が夢中になっているようで…可愛いかった。
まずい。俺、顔ニヤケてた…
『出来た~。ほら、見て裕紀』
『本当だ。人が変わるくらいの
スゲー集中力。俺なんか』
自分の事を隠すように話しを続けようとすると 『私…そんなに変な顔してたの』
落ち込む楓香。
周りのおやじ達までが味方するような目で、俺を見る。
妙に焦る俺。
どうすんだ…視線が焦らせる。
『…真剣な顔が……いかった』
『顔が?…』
『かわ…可愛かった』
『お姉ちゃん、あんまりイジメんなよ。お兄ちゃん紅くなってんぞ』
隠そうとする俺の顔を覗き込むと
『許してあげよう。
裕紀の意外な可愛さに免じて…
』
『可愛いってなん…だ…ょ…』
言い返す俺の10㎝位まで顔を近づけ
『言葉にしないと伝わらないんだよ。話すのが苦手でも、特に女の子にはきちんと言葉をあげなくちゃダメだからね』
『はッ…は、はい…』、
満足そうな顔が、店のおやじから貰ったぬいぐるみで一段と笑顔が輝いた。
綿菓子、タコ焼き、かき氷…
お互い気になる屋台に立ち寄って楽しんだ。
いつの間にか左手はぬいぐるみを抱え、右手は彼女の左手をとり人の波を避けながら歩いていた。
不思議だった。
ちょっとは想像した事はあるけど考えるとかなり照れ臭い状況
ほたる(再会)
相変わらず賑やかな我が家
一段と元気な祐紀
理由のひとつは夏美ちゃんの存在だろう
残念ながらいまのところ学校は違うが、2年後の中学になれぱ同じになれるらしい
連絡を取り合い
まぁデートとかもしているらしく自分の試合だけでなく、俺の試合まで来ている始末だ
言い忘れたけど
バスケ始めて8年
それなりの高校だが、野球と違い例え全国に勝ち抜いたとしても、知られる事は無い
バスケで将来を考えるのはかなり難しい
つまりはラスト1年
なのかもしれない
まだ夢見る祐紀は
俺を越えてやると、同じバスケを始め3年
どうにか試合に出られるようになったらしい
進学と部活のレギュラー争いと何かと追われる毎日
放任主義の両親は、今年も変わらず息子の事より夏祭りに向いている
煩く言われるのもなんだが
祭りに負ける俺の将来っていうのも…まあ期待されても
プロになって稼ぐとか
進学して出世するとか
夢を描かれても困るしな
そんな日々の7月の始め
毎年の事だがプレゼントを買うため、祐紀に呼び出された
7月23日は母親の誕生日だからだ
めったに無い練習休み
約束の16時少し前
街中祭りの準備で既に活気づいている
行き交う人混みを避けながら祭りのポスターを見ていた
何気に人波を追った視線の先
一人の女性(ひと)に止まった
まるで周りの人混みを通り抜けるように、俺に向かって真っ直ぐに
白いワンピースが透けるように
眩しく
『久しぶりね、裕紀君』
優しく穏やかな風のようなその声と笑顔に、一瞬で甦った
『花園楓香さん…』
一段と穏やかな笑顔になった
祐紀のお見舞いに何度か行ったが会ったのはあの日あの時だけだった
良く覚えていたなと自分でも驚いた
難しい病気だと退院もいつだと言えないと言われていたのに
俺の問い掛けに
顔を曇らせ
『…一時的…外出許可がでたの』
微かに笑う彼女に、それ以上聞けなかった
聞く必要も無いと思った
『お祭りか…
病院だとほんのわずかしか音が聞こえないのよね
人混みは変わらず苦手だけど
一度味わってみたいな』
どうしてだろう
彼女を見ていたら自然に
『外出の許可が出たらだけど
俺で良ければ、一緒に行く?』
『本当に!?』
自分の言葉にもビックリだったが嬉しそうに振り向く彼女の笑顔に更に驚いて
戸惑いながらも、慌てて返事をする俺に
心配そうに言い掛けるのを慌てて笑いながら
『大丈夫だよ!男は守るものがあると強くなるもんだから』
『守るもの…わたし…のこと…ありがとう』
その笑顔を見た時
俺は今スゲー恥ずかしい事を
スゲー笑顔で言ったような…
何で父さんの口癖が…
まともに彼女を見られねぇよ
どうすんだよ
言葉が出ねぇよ
この沈黙、キツイだろう
焦っていた
とてつもなく動揺していた
自分の予期しない言葉に
初めてだった
自分の言葉を撤回したいとと思うほど、言い直したかった
じゃー何て言い直すんだ
そう聞かれたら…
俺にとってはとんでもなく長い時間だったが、たぶん1、2分だろう
その間彼女は、俺の心の葛藤を楽しんでいたのか
『男の子って可愛いのね…落ち着いた?』
照れ笑いでごまかし
『祭りは8月10日からだけど
最終日に花火があるから13日でいいかな』
『うん!』
『時間は…花園さんの体調次第
先生からの許可が下りたらだな』
『分かった。場所は…あの歩道橋がいい。人混みでも見つけられそうだし』
『あっ!祭りの最終日あの歩道橋スッゲー混むけど』
『そうなんだ…やっぱり無理かな』
『もしかして理由知っててガッカリしてる…「そんな訳ねぇよな」』
『えッ?…知らないよ…何か理由があるの?』
『あそこは…
「色んな意味で解釈すればいいんだよな」
何でもない。ただとにかく凄い人混みだから…俺、迎えに行こうか?』
『大丈夫!ちゃんと行くから
辿り着くから!
その時は教えてね…あの歩道橋の伝説』
笑顔なのにどこか真剣な瞳に、吸い込まれるように頷いた
『兄ちゃ~ん!』
祐紀?
そうだ祐紀と待ち合わせしていた事を思い出した
『裕紀君走って!
祐紀君連れてここから離れて!
走って!早く離れて!
早く…走って…離れて…』
必死で訴える彼女の姿が、人混みの中に消えるように見えなくなると
息を切らした祐紀が不思議そうな顔で
『兄ちゃん誰かと話してた?』
『誰かって…夏美ちゃんの』
言いかけた時
「裕紀!走って!」
『走るぞ!』
『何で~?兄ちゃん痛いんだけど~』
祐紀の手を取ると走り出したが
人混みが邪魔して…
でも俺の中で必死な彼女が浮かび人波を避けながら走って間もなく
人の悲鳴のような叫び声と
何かがぶつかるような音と
一斉に同じ方向に動き出した人波
何が起きたのか立ち止まり不安をぶつける祐紀を
とにかく走らせようと振り向いた俺の瞳(め)に入った
『祐紀ー来い!』
無理矢理に手を引き走り出した…
スローモーションだった
歩道を走る車
逃げる人波
響き渡る悲鳴と泣き声
気づくと倒れた俺の横で
心配と不安とショックで
俺を呼びながら泣いていた
今まで見たことが無いくらいの泣き方に
俺の状態がヤバイ事を遠退く意識の中で察した
『兄ちゃん!兄ちゃん!しっかりしてよ!
えッ?何?…俺なら大丈夫!
大丈夫だから!
兄ちゃ~ん~』
俺…何か言ったんだ
祐紀…そんなに泣くな
まるでこのまま…
つきなみだけど…
まだやりたい事あるんだけどな
まずいだろ…
親より早いのは…
嘘だよな…
俺…俺は…
まだ…生きていたいんだ…
『兄~ちゃ~~~ん………』
一段と元気な祐紀
理由のひとつは夏美ちゃんの存在だろう
残念ながらいまのところ学校は違うが、2年後の中学になれぱ同じになれるらしい
連絡を取り合い
まぁデートとかもしているらしく自分の試合だけでなく、俺の試合まで来ている始末だ
言い忘れたけど
バスケ始めて8年
それなりの高校だが、野球と違い例え全国に勝ち抜いたとしても、知られる事は無い
バスケで将来を考えるのはかなり難しい
つまりはラスト1年
なのかもしれない
まだ夢見る祐紀は
俺を越えてやると、同じバスケを始め3年
どうにか試合に出られるようになったらしい
進学と部活のレギュラー争いと何かと追われる毎日
放任主義の両親は、今年も変わらず息子の事より夏祭りに向いている
煩く言われるのもなんだが
祭りに負ける俺の将来っていうのも…まあ期待されても
プロになって稼ぐとか
進学して出世するとか
夢を描かれても困るしな
そんな日々の7月の始め
毎年の事だがプレゼントを買うため、祐紀に呼び出された
7月23日は母親の誕生日だからだ
めったに無い練習休み
約束の16時少し前
街中祭りの準備で既に活気づいている
行き交う人混みを避けながら祭りのポスターを見ていた
何気に人波を追った視線の先
一人の女性(ひと)に止まった
まるで周りの人混みを通り抜けるように、俺に向かって真っ直ぐに
白いワンピースが透けるように
眩しく
『久しぶりね、裕紀君』
優しく穏やかな風のようなその声と笑顔に、一瞬で甦った
『花園楓香さん…』
一段と穏やかな笑顔になった
祐紀のお見舞いに何度か行ったが会ったのはあの日あの時だけだった
良く覚えていたなと自分でも驚いた
難しい病気だと退院もいつだと言えないと言われていたのに
俺の問い掛けに
顔を曇らせ
『…一時的…外出許可がでたの』
微かに笑う彼女に、それ以上聞けなかった
聞く必要も無いと思った
『お祭りか…
病院だとほんのわずかしか音が聞こえないのよね
人混みは変わらず苦手だけど
一度味わってみたいな』
どうしてだろう
彼女を見ていたら自然に
『外出の許可が出たらだけど
俺で良ければ、一緒に行く?』
『本当に!?』
自分の言葉にもビックリだったが嬉しそうに振り向く彼女の笑顔に更に驚いて
戸惑いながらも、慌てて返事をする俺に
心配そうに言い掛けるのを慌てて笑いながら
『大丈夫だよ!男は守るものがあると強くなるもんだから』
『守るもの…わたし…のこと…ありがとう』
その笑顔を見た時
俺は今スゲー恥ずかしい事を
スゲー笑顔で言ったような…
何で父さんの口癖が…
まともに彼女を見られねぇよ
どうすんだよ
言葉が出ねぇよ
この沈黙、キツイだろう
焦っていた
とてつもなく動揺していた
自分の予期しない言葉に
初めてだった
自分の言葉を撤回したいとと思うほど、言い直したかった
じゃー何て言い直すんだ
そう聞かれたら…
俺にとってはとんでもなく長い時間だったが、たぶん1、2分だろう
その間彼女は、俺の心の葛藤を楽しんでいたのか
『男の子って可愛いのね…落ち着いた?』
照れ笑いでごまかし
『祭りは8月10日からだけど
最終日に花火があるから13日でいいかな』
『うん!』
『時間は…花園さんの体調次第
先生からの許可が下りたらだな』
『分かった。場所は…あの歩道橋がいい。人混みでも見つけられそうだし』
『あっ!祭りの最終日あの歩道橋スッゲー混むけど』
『そうなんだ…やっぱり無理かな』
『もしかして理由知っててガッカリしてる…「そんな訳ねぇよな」』
『えッ?…知らないよ…何か理由があるの?』
『あそこは…
「色んな意味で解釈すればいいんだよな」
何でもない。ただとにかく凄い人混みだから…俺、迎えに行こうか?』
『大丈夫!ちゃんと行くから
辿り着くから!
その時は教えてね…あの歩道橋の伝説』
笑顔なのにどこか真剣な瞳に、吸い込まれるように頷いた
『兄ちゃ~ん!』
祐紀?
そうだ祐紀と待ち合わせしていた事を思い出した
『裕紀君走って!
祐紀君連れてここから離れて!
走って!早く離れて!
早く…走って…離れて…』
必死で訴える彼女の姿が、人混みの中に消えるように見えなくなると
息を切らした祐紀が不思議そうな顔で
『兄ちゃん誰かと話してた?』
『誰かって…夏美ちゃんの』
言いかけた時
「裕紀!走って!」
『走るぞ!』
『何で~?兄ちゃん痛いんだけど~』
祐紀の手を取ると走り出したが
人混みが邪魔して…
でも俺の中で必死な彼女が浮かび人波を避けながら走って間もなく
人の悲鳴のような叫び声と
何かがぶつかるような音と
一斉に同じ方向に動き出した人波
何が起きたのか立ち止まり不安をぶつける祐紀を
とにかく走らせようと振り向いた俺の瞳(め)に入った
『祐紀ー来い!』
無理矢理に手を引き走り出した…
スローモーションだった
歩道を走る車
逃げる人波
響き渡る悲鳴と泣き声
気づくと倒れた俺の横で
心配と不安とショックで
俺を呼びながら泣いていた
今まで見たことが無いくらいの泣き方に
俺の状態がヤバイ事を遠退く意識の中で察した
『兄ちゃん!兄ちゃん!しっかりしてよ!
えッ?何?…俺なら大丈夫!
大丈夫だから!
兄ちゃ~ん~』
俺…何か言ったんだ
祐紀…そんなに泣くな
まるでこのまま…
つきなみだけど…
まだやりたい事あるんだけどな
まずいだろ…
親より早いのは…
嘘だよな…
俺…俺は…
まだ…生きていたいんだ…
『兄~ちゃ~~~ん………』