書ききれなかったことがあるので、今週は、

  • 人吉のダイヤ編成
  • 人吉の抜け方
  • 宮崎新幹線の本数とダイヤ
  • 宮崎新幹線開通以降の人吉駅からの利用と促進

の4項目について補足します。懲りずにお付き合い下さい。

人吉のダイヤ編成

先週の記事で、2033年に新・肥薩線の開通を提案しました。

運行する列車は、

  • くまがわライナー:都市間高速鉄道(人吉~八代~熊本~※阿蘇くまもと空港)
                              ※熊本より先は将来的な計画
  • くまがわ鉄道:生活路線(湯前~人吉~八代)

の2本立てですが、前者については、くまがわライナーの時刻表作成に際しては、2011年3月迄運行していた「急行くまがわ」の時刻表をあきらさんのwebsiteを参考に再現しました。

急行くまがわ[上り]
人 吉 07:20 08:33 10:19 12:19 15:30 17:42
   渡    07:27 08:39 10:25 12:25 15:36 17:48
一勝地 07:34 08:47 10:33 12:33 15:44 17:56
球泉洞  -       -     -  12:39 15:50   - 
坂 本 08:04 09:20 11:03 13:04 16:15 16:15
八 代   08:16 09:32   11:15 13:16 16:28 16:28 
宇 土   -    09:58   -       -      -      -  
熊 本 08:44 10:08 11:42 13:44 16:56 19:09

このダイヤを見て感じたことは次の通リです。

  • 人吉~熊本間の所要時間は約1時間半である。
  • 朝の便は通勤・通学には使えない。
  • 観光中心のダイヤとなっている。
  • 球泉洞と宇土に停車する列車は限られている。
  • 最終便が早すぎる。

これに対して当ブログが提案する新・肥薩線の「くまがわライナー」においては、くまがわ鉄道が湯前始発で直通運転(くまがわ鉄道の運転手と車掌は八代駅でJR職員と交代)するように少し変更を加え、以前にココで、

人吉~熊本:60分(~50分)

と書きましたが、願望を込めて50分で結ぶことを前提にしています。

尚、

  • くまがわ鉄道区間は各駅停車、或いは一部を通過、人吉~八代区間の停車駅は調査の上で確定
  • 新八代~熊本間はノンストップ
  • くまがわ鉄道が運営する(湯前~人吉~八代の)生活路線と相互補完するダイヤ編成

としますが、ちょうど湘南新宿ラインのような路線とし、ココに書いた座席の一部に指定席を設けてもよいでしょう。

くまがわライナー[上り](案)              
湯 前 06:00 06:30 10:00 11:00 13:00 16:00 18:00 19:00
人 吉 06:30 07:00 10:30 11:30 13:30 16:30 18:30 19:30
八 代 07:00 07:30 11:00 12:00 14:00 17:00 19:00 20:00
新八代 07:05 07:35 11:05 12:05 14:05 17:05 19:05 20:05
熊 本 07:20 07:50 11:20 12:20 14:20 17:20 19:20 20:20

通 学   〇    △     △    -     -    -    -     -
通 勤   〇    △     -    -   -    -    -   -
通 院   〇    〇   -    -   -    -    -     -
買い物   -    △   〇    〇   -    -    -   -
出 張   〇    〇   △    △   △    〇    △     △
観 光   〇    〇   〇    〇   〇    〇    〇   〇

狙いは、

  • 新規市場(通勤/通学/通院/買い物客)の獲得(午前の2便)
  • ビジネス利用(官公庁/民間の熊本/福岡への出張)に対応
  • 本数増により観光客の利便性向上

ですが、午後の列車の利用が期待できないことを考えると一部見直しが必要かもしれませんし、毎時00分/30分のように綺麗に並べているのは簡単の為です。

一方で、熊本発の急行くまがわが、8:21/10:23/13:30/15:34/17:14/20:12であったことを参考にして、くまがわライナーの下りダイヤ(案)を次の通リとしました。

くまがわライナー[下り](案)                
熊 本 07:00 08:00 11:30 16:30 17:30 18:30 20:00 22:00
新八代 07:15 08:15 11:45 16:45 17:45 18:45 20:15 22:15
八 代 07:20 08:20 11:50 16:50 17:50 18:50 20:20 22:20
人 吉 07:50 08:50 12:20 17:20 18:20 19:20 20:50 22:50
湯 前 08:20 09:20 12:50 17:50 18:50 19:50 21:20 23:20

通 学     △    △     -    〇    〇     〇   △    △
通 勤   〇    △   -    △    〇     〇   〇    △
通 院   -    -   △    △    △   -   -    -
買い物   -    -   -    〇    〇   △   -    -
出 張   △    〇   〇    △    〇   〇   △    △
観 光   〇    〇   〇    〇    〇   〇   〇    〇

下りについては、

  • 新規市場である通勤/通学/通院/買い客(の帰り)向けに夕方以降の便数が多めに配置
  • 出張/観光は、午前に人吉球磨に来る場合、人吉球磨から熊本~に出かけて夕方以降に帰って来る場合の両方に対応
  • 観光客向けを考慮し車両にパノラマ型を採用
  • 新八代/熊本で新幹線と連絡
  • (現在の)B&Sみやざき(新八代~宮崎間のバス)の最終便と同じ時間帯迄運行

をなどにより満遍なく需要を取り込むこととします。

尚、上り/下りとも、

  • 人吉球磨下の各高校/事業所の始業時間と終業時間
  • 八代/熊本駅から各高校/大学/専門学校/主要ビジネス街までの所要時間/始業時間と終業時間
  • 人吉球磨下の高校/大学/専門学校へ入学希望者の電車通学希望調査
  • 人吉球磨→八代/熊本、八代/熊本→人吉球磨への電車通勤希望調査
  • 人吉球磨←→熊本・福岡・他の年間総出張者数調査

を踏まえて最終案を作成します。

また、新・肥薩線復興後には(湯前~人吉~八代迄運行する)くまがわ鉄道は、くまがわライナーと相互補完できるダイヤ編成とし、人吉球磨下における

  • 地元高校生の通学
  • 通院と買い物

の2つの需要を重点にしますが、ココで書いた通勤客の取り込みも考えなければならないので、人吉駅からのシャトルバスも併せて検討します。

人吉の抜け方

仮に宮崎新幹線が開通した場合には、新・人吉駅を設ける案を提案しておられる方もいますが、当ブログは、現在の人吉駅利用を強く推奨しています。

ただ、人吉駅を抜けて宮崎方面に向かう際に現在の肥薩線を利用した場合、

のように大曲して南へ向かうことになります。

人吉駅を出たばかりなのでスピードを上げないでしょうが、どのように人吉市街区を抜けるのかが課題となります。

もっとも東海道新幹線においても熱海駅付近で、

のような半径1,500mのカーブがあるのでなんとかなるのかもしれません。

また、人吉市街区を抜けたあとは加久藤トンネルを新たに掘ることになるのでしょうが、このあたりも含めて我が日本の鉄道土木建設技術の見せ所です。

宮崎新幹線の本数とダイヤ

前々回のブログに書いたように、宮崎新幹線の利用者見込みは240万人ですから、1日当たり約6,600人の利用となります。

一方で、T-LOGさんの説明によると、

新幹線の乗車定員(座席数)は1両当たり60~100人ほど

であり、JR九州の場合、

N700系(8両編成)546名

とのことなので、6,600÷546≒12本/日となります。

因みに新八代駅の熊本・博多・新大阪方面

(出典:JR九州)
では24本/日ですが、宮崎新幹線の場合、この半分強の本数見込みであり、朝夕夜は複数本/時間だとしても、日中は少な目のダイヤになります。

参考までに、似たような路線として秋田新幹線の角館駅の時刻表

(出典:JR東日本)

を転載しますが、このように日中は1時間に1本程度ですから、これからも宮崎新幹線は単線で十分ですし、我が新幹線人吉駅も同じような時刻表になるでしょう。

 

宮崎新幹線開通以降の人吉駅からの利用と促進

誠に申し訳ないのですが、宮崎新幹線開通以降も、人吉球磨からの利用においては、

  • 人吉~熊本:くまがわライナーを利用
  • 人吉~博多:新幹線を利用

となります。

通勤・通学の利用や自家用車、バスからの移行の場合、新幹線料金を払うのは難しいからです。

また、地元テレビ局のTKUのニュースで、

JR九州古宮社長 肥薩線復旧合意には「時間がかかる」

というタイトルで、JR九州の古宮社長の定例記者会見に於ける、

時間はかかると思うが、概ね両方が納得するような案でないと片方だけでは決着するようなことは当然ないと思うので、そういう面ではお互いが概ね納得する案を会議の中で議論していければと思う

というコメントに加えて、

JR九州は観光だけではなく日常利用を加えた2本柱での復興を要望しています。

ということを報道しています。

 

ココで書いたように、蒲島現知事の退任前にJR九州から良い返事が聞けると思っていたのに様子が違うので、慌てて集まったわけでもないと思うのですが、2024年2月29日(木)付けの西日本新聞の記事では、

肥薩線再生へ「普段使い」強化 沿線12市町村など合意

と伝えられていました。

記事本文は途中までしか読めませんが、

2020年7月の熊本豪雨で被災し一部区間が運休中のJR肥薩線について、熊本県と沿線12市町村でつくる「JR肥薩線再生協議会」が28日、同県人吉市で会合を開いた。JR九州から日常的利用の強化を要請されたことを受け、自治体職員が率先して利用するなどの対策を進める方針で合意した。

とのことです。

気になるのは、

JR九州から日常的利用の強化を要請されたことを受けて

という部分で、言われたからではなく、熊本県と沿線12市町村においては、

  • 人吉球磨から熊本県内への出張時は原則JRの乗車券を交通費として支給することを規定に盛り込む
  • コロナ以前の過去5年間の熊本県内への出張数を集計して提出する

を決めた上でJR九州に肥薩線復興を要請するのが本来の立場です。

未だに受け身的な姿勢のように思えてならないのですが、ココで提案した「JR肥薩線復興方針(案)」の実行においても、ドンドン前倒しで結果を出して行くようにお願いします。