第二の獣―――メディア・ペルシア帝国
予言者ダニエルは、第二と第三の“獣”についてはあまりふれなかったから、わたしもそれを見ならうことにする。
メディア・ペルシア人が築いたアケメネス朝ペルシア帝国は、二百数年間つづいた。それが滅びたのは、約五万ギリシアの兵を率いたマケドニア王(マケドニアは現在のギリシャ・ブルガリア・ユーゴスラビアにまたがる古代王国)のアレクサンダー(アレクサンドロス)大王が、百万を超えるペルシアの軍勢を打ち破ったときである。
第三の獣―――ギリシア人帝国
歴史はアレクサンダー大王の武勇を証明したが、同時に彼の弱点もあばき出した。アレクサンダーが大酒がもとで死ぬと、その国家は混乱の渦に投げこまれた。
アレクサンダーの死とともに、ギリシア人王国は分裂した。王国の一部は、フィリッポス五世が紀元前168年のピュドナの戦いで敗北したときに失われた。王国の残存部分は、紀元前146年にローマの将軍ムミニウスがコリントを破壊した際に滅亡した。
ここで注目すべきは、アレクサンダー大王がバビロンに居城を築いたことで、本人は無自覚ながら、自分もまたバビロンの名を冠する世界帝国の系譜になるひとりであったと裏づけたことである。
第四の獣―――ローマ帝国
じつはこれから見るように、ダニエルの“第四の獣”と、『ヨハネの黙示録』の“第一の獣”は、同一のものである。
ダニエルは第二と第三の“獣”にあまり重きを置かなかったと、さっき書いた。そのふたつはほかのふたつの重要事件の幕間にすぎないとでもいうような扱いだった。ダニエルは、“第四の獣”つまり第四帝国こそが、四つのうちで最も重要だと考えていた。というのも、その“獣”の真に迫った描写や、それが象徴するものの解釈に多くのスペースをさいているからだ。ここに、彼が“第四の獣”について語った言葉を引用する。
さらにわたしは、第四の獣の真実を知りたいと思った。これは他の獣全てと異なって、非常に恐ろしく、鉄の歯と青銅の爪を持ち、食らい、粉々に砕き、残りの足で踏みにじった。
その頭には十本の角があり、さらに一本の角が生え出たので、十本の角のうち三本が抜け落ちた。その角には目があり、また口もあって尊大なことを語った。これは、他の角よりも大きく見えた。
ダニエル書 7章19,20節
次にダニエルの“第四の獣”を、『黙示録』の“第一の獣”と比べてみよう。その際、ふたりの記述者のあいだには七百年の歳月が流れていることを、いつも念頭においてほしい。
「Ⅴ・ダンスタンの終末大予言」ヴィクター・ダンスタン著・幸島研次訳より
感想
以前にも書いたが、ダニエルは「終わりの時」について述べているので、シンクロニシティーとしては面白いと思うが、未来に現れる“獣”についてにしか興味がない。
http://ameblo.jp/hitorinomeaki/entry-12075902435.html(「新興宗教の教祖のような男が王を名乗るのではないかと考えている」と書いたが、「ネオナチ」のような組織なども考えられる。)
http://ameblo.jp/hitorinomeaki/entry-12075537960.html
http://ameblo.jp/hitorinomeaki/entry-12074441136.html
>ダニエルは、“第四の獣”つまり第四帝国こそが、四つのうちで最も重要だと考えていた。
因みに、関係ないが、私は「ナチス第四帝国」(ラストバタリオン)が「終わりの時」に現れるとかは全く信じていない。(ネオナチが「地からの獣」の可能性などはあると思うが。)
http://hexagon.inri.client.jp/floorB1F_hss/b1fha700.html(長いから「その1」と「その5」と「おわりに」ぐらい。)
http://ameblo.jp/hitorinomeaki/entry-11987611743.html
おまけ