参考資料833 | シフル・ド・ノストラダムス

シフル・ド・ノストラダムス

ノストラダムスの暗号解読

“獣”は国家のシンボル
「ダニエルは四匹の“獣”について書いたが、解釈にあたって意味ありげに論じたのはただひとつ、四番目だけである。
 予言に出てくる“獣”という言葉が意味するのは、どんな人間か存在かについては、多くの空想的な理論がある。実際には、そんなことに頭をひねる必要はない。ダニエルが、はっきりと教えてくれているのだから、それ以上考えることはないわけだ。

 わたしダニエルは大いに憂い、頭に浮かんだこの幻に悩まされた。そこに立っている人の一人に近づいてこれらのことの意味を尋ねると、彼はそれを説明し、解釈してくれた。「これら四頭の大きな獣は、地上に起ころうとする四人の王である・・・・」
ダニエル書 7章15~17節

 つまり、予言の“獣”は王国あるいは国家の象徴なのである。
 ところで、ここで前にあげた基本定理を思いだしていただきたい。多くの現代の解釈者たちには気に食わないだろうが、古代の予言者たちは歴史の表舞台をヨーロッパやアメリカだと見ていたわけではない。ダニエルの時代もその後も、世界には多くの王や王国が存在した。だが、この予言者が関心を持ったのは、エルサレムやパレスチナやユダヤ人を苦しめるものだけだった。われわれが予言時計の主針と考える“イスラエルの家”すら、この例外ではない。
 ダニエルの四匹の“獣”と『黙示録』の二匹の“獣”は、あくまでもパレスチナやエルサレム、ユダヤ人との関係において存在するという事実をわれわれが認識したことは、きわめて重要である。
 では、ダニエルの四匹の“獣”と『黙示録』の二匹の“獣”が象徴する帝国とは、どこか。
 ダニエルが筆をとったころ、バビロニアはユダヤ人を隷属状態におとしめていた。バビロニアは紀元前541年にメディア・ペルシア帝国(現在イラン人と呼ばれる民族)に征服される。紀元前330年には、ギリシア人がメディア・ペルシア人から支配権を奪い、紀元後63年には、ローマ帝国がギリシア人を屈服させる。
 こうしてダニエルの四匹の獣たちが明らかになった。
  バビロニア      紀元前541年まで
  メディア・ペルシア  紀元前330年まで
  ギリシア人王朝    紀元前63年まで
  ローマ帝国      紀元後63年まで
 それにしても、ダニエルはどうやって六百年もの歴史を見通して、未来の諸帝国をこれほど正確に予言できたのだろう。」
「Ⅴ・ダンスタンの終末大予言(下)」ヴィクター・ダンスタン著・幸島研次訳より

感想
>わたしダニエルは大いに憂い、頭に浮かんだこの幻に悩まされた。そこに立っている人の一人に近づいてこれらのことの意味を尋ねると、彼はそれを説明し、解釈してくれた。「これら四頭の大きな獣は、地上に起ころうとする四人の王である・・・・」
ダニエル書 7章15~17節

私は昔から「終わりの時」は小惑星でも衝突した異常な世界じゃなきゃあり得ないと思っているが、同時に日本だったら東海大地震か南海トラフ大地震が併発して政治機能が完全に麻痺してクーデターが起こり(クーデターは自衛隊が起こす)、新興宗教の教祖のような男が王を名乗るのではないかと考えている。つまり、「これら四頭の大きな獣は、地上に起ころうとする新たな四人の王である」と思っている。

>こうしてダニエルの四匹の獣たちが明らかになった。
  バビロニア      紀元前541年まで
  メディア・ペルシア  紀元前330年まで
  ギリシア人王朝    紀元前63年まで
  ローマ帝国      紀元後63年まで

ダニエルは「終わりの時」を予言しているので、これらはシンクロニシティーだろう。
ところで、旧約聖書に預言者は沢山出て来るが、ダニエルは特別な存在のようである。

「彼は言った、「ダニエルよ、あなたの道を行きなさい。この言葉は終りの時まで秘し、かつ封じておかれます。多くの者は、自分を清め、自分を白くし、かつ練られるでしょう。しかし、悪い者は悪い事をおこない、ひとりも悟ることはないが、賢い者は悟るでしょう。常供の燔祭が取り除かれ、荒す憎むべきものが立てられる時から、千二百九十日が定められている。待っていて千三百三十五日に至る者はさいわいです。しかし、終りまであなたの道を行きなさい。あなたは休みに入り、定められた日の終りに立って、あなたの分を受けるでしょう。」
「ダニエル書」第12章9節~13節

ダニエルは「終わりの日」に現れるらしいからである。ある意味、イエス・キリストの再臨より奇跡だよね。
因みに、「ダニエル書」第10章10節~21節を読むと前回の「契約の君」はダニエルなのかもしれない。(因みに、第9章の終わりの方(26節)には「来たるべき君」というのも出て来る。)

おまけ