少し前にあった不思議なできごとです。
わたくしはひとりで、とある旅館に宿泊予定でした。
なかなか歴史のありそうな旅館でしたので、なにかありそうな予感はしていたのです。
チェックインを済ませて、お部屋にはいると・・・
とある男性の姿をした方が、ニコニコと歓迎してくれました。
普通の霊体さんではありません。
どうやら、この旅館自体を長年見守ってきた精霊さんのような方です。
座敷童の仲間と思っていただけると近いでしょうか？
私の夕食までの時間、その男性の姿をした精霊さんは、私をとっても歓迎してくださいました。
ニコニコとたくさんお話をしてくださるのですね。
この旅館は家族経営であるのか、
そのご家族を紹介しようとしてくださったり・・・
どこかのお家に招かれて、卒業アルバムを見せていただいているような、アットホームな時間でした。
ひとりで宿泊していたので、精霊さんにお相手いただき、不思議だけれども楽しい時間になりました。
ただ、ひとつ気になるのは、その精霊さん・・・
お身体一面が、赤くただれていて
『アトピー性皮膚炎』のように見えるのです。
精霊さんであるのに珍しいことです。
そして精霊さんはすっと消えていきました。
眠る前にも精霊さんはわたくしの前に現れました。
こんどは、先ほどまでのニコニコした様子ではなく、少し深刻そうな表情です。
その目が、切実に助けを訴えていたことはすぐにわかりました。
精霊さんは、うでの中に、ひとりの赤ちゃんを抱いていました。
赤ちゃんのお顔を見てくれと言うように、腕を伸ばしてくると・・・
なんと、その赤ちゃんも精霊さんと同じように、お顔が真っ赤で『アトピー性皮膚炎』のように見えます。
なんとも痛々しいその姿に、精霊さんも心を痛めているよう・・・
赤ん坊の苦しみを身代わりになっているので、精霊さんのお姿にも同じ症状が出ているようです。
ですが、それも追いつかないのだなとわかります。
わたくしがそれを認識したら、精霊さんはスッと消えて行きました。
この旅館のご家族を大切に見守っている精霊さんからのSOSなのでしょう。
翌日、朝になって旅館の周辺を見てみました。
この旅館は、大きな川沿いに建っていて、その風景が一つの売りでもあったのです。
そして、川の反対側、少し離れたところに大きな池もありました。
霊障、霊道というのは水場に関わっているときもあります。
霊視していくとどうも、この旅館の立地と、池の歴史になにか隠されたものがあるようで、ここのご家族に、かなり強い因縁になっていそう・・・
精霊さんはSOSはこのことなのだろうと感じます。
なんとかしてあげたい気持ちもあるのですが、実際のご依頼が無いことには、できることが少ないのも事実です。
そしてチェックアウトの際に、この旅館のご家族らしき方が対応してくださいました。
わたしは、失礼で変な人だと思われるのも覚悟して、聞いてみたのです。
『あの・・突然申し訳ありません。こちらの旅館に、最近小さい赤ちゃんがお生まれになりませんでしたか？？』
その６０代くらいの男性は不思議そうではありますが答えてくれました。
「そうなんです。最近、長女は里帰り出産してしばらく滞在してるんですよ～
なんでお知りになったのです？」
わたしは、もうどうにでもなれと思って聞いてしまいました。
『もう一つ、失礼なことをお聞きしますが、その赤ちゃん、お肌トラブルを抱えていませんか？』
そうすると、男性は、胸元から携帯を取り出し、一枚の写真を見せてくださったんです。そこには真っ赤にただれたお顔の赤ちゃんが写っていたのでした。
お孫さんは、生まれてからひどいアトピー性皮膚炎で、ご親族みなで心を痛めているということでした。
私も、ここまでお話しくださったので、自分が霊能者であることと、昨晩、この旅館を守っている精霊さんから伝えてもらったことをお話しました。
男性は、確かに戸惑ってはいるようでしたが、真剣にきいてくださいました。
霊能者であるわたくしにSOSが来るのですから、なにかしらの霊障が関わっているのでしょう。
お孫さんの症状が「霊による障害」である可能性を、お家の方にお伝え出来ただけでも、ご家系の精霊さんのお手柄といえますね。
なんとか良い方向に行くといいなと思います。
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