こんばんは~
これまた、めちゃくちゃ見たかった映画「台北アフタースクール(成功補習班)」
なんと先週の「狼が羊に恋をするとき(南方子羊牧場)」に続き舞台は 予備校
そして、時空はさらに過去を遡り1994年…
いや~、めちゃくちゃよかったです~
藍正龍監督の愛がパンパンに詰め込まれていました
が、決して重苦しくなく、詰め込みすぎてしんどいということもなく、ただただ懐かしく、愛しく、大いに笑えて、でも胸にじ~んと温かいものが残りました
台湾の青春映画 は、見たもののほとんどが、わたしの心の中に残っているのですが、また1つ大切な作品が増えました
見ることができてよかったです
成功補習班 FB (画像はここより)
【公式予告編 60秒】『台北アフタースクール』2024年7月26日(金)より全国公開
感想ですが、ネタバレもありますので、イヤな人は読まないでください
若手・中堅・ベテラン、絶妙な配役
とにかく出演者の演技力がすごい
親役(予備校先生も兼ねてるヅラ主任もいるけど…www)の皆さんはもちろんなのですが、
受験生役の主人公 張正恆役に 詹懷雲 (わたしが見たのは 選挙の人々(人選之人-造浪者))
張正恆 の親友 程翔役に 邱以太 (わたしが見たのは 仙女姐姐來我家 )
予備校のマドンナ 陳思役に 林奕嵐 (わたしが見たのは 她和她的她(ふたりの私))
この3人は新人ではないものの、まだそこまで演技経験が豊富ではなく…
それを埋めるのが
和尚役の 巫建和 そして 小志老師役の 侯彥西
この二人は若いけれど、演技経験も長くもはやベテランの域に達していて、今回の演技も二人ともあまりにも難しい役柄なのに、さすがとしかいいようななかったですめちゃくちゃ安心して見られました
なので、演技経験のまだ浅い3人も のびのび~ と演じていてとってもよかったです。
( 邱以太くん は前も思ったけど、久々の正統派イケメンで、もっといろんなドラマで見たいな~と思います)
また、彼らが1994年からSARSの影響を受ける2003年までを演じるのに対し、さらにそれから10年後を演じるのが
監督を兼ねる 藍正龍、陳柏霖、謝欣穎 という実力派有名俳優主役級の3人なのもとてもよかったです
( 詹懷雲→藍正龍 邱以太→陳柏霖 というのも、見た目的に似たタイプでめっちゃスムーズな配役)
また、 程翔 のダウン症の弟役が 藍正龍初監督作品で
主演を演じた 蔡佳宏くん で
これまた、じ~んと来てしまいました
1994年、台北の予備校がなぜか懐かしい
物語の舞台は 1994年 の 成功補習班(成功予備校)
もうこの頃にはとっくに 大人 だったわたしなのに…
しかも、わたしは 塾 予備校 行ったことはないんですが…www
なぜ、いつもいつも台湾の高校生たちは、わたしにとってこんなに懐かしいんだろう…
オープニングが終わり、1994年に戻ってからは、ザ・青春の場面が連続で、とにかく 笑いっ放し~ になりました
懐かしい~ という理由の1つに、1994年はまだまだ台湾における日本の影響は大だったようで…
何と言ってもしょっぱなに出てきた エロ本 愛ちゃん があの 飯島愛さん
そりゃ、日本人でも懐かしいはず…
張正恆 の部屋に貼ってあるポスター…わたしが確認しただけで、壁に貼ってあった大きいのが 高橋由美子ちゃん その下に 広末涼子さん その右が多分 少年隊❓(ちょっと時代的におかしいよね…)、そして 部屋の扉 に貼ってたのが 中山美穂さん(これもちょっと時代的に違う❓)まあ、こんな感じで…
そして、もう1つこの映画で 小志老師 のオマージュとして取り上げられている曲が
張國榮 Leslie Cheung - Monica (Official Music Video)
これが、元歌が 吉川晃司さん の「モニカ」なんです
なぜ、この曲が取り上げられているか…と言えば…香港芸能界に詳しくないわたしですが
このドラマで知りましたが、歌っている レスリーチャン が同性愛者である…ということなんですよね…
男女、同志、友情、親子…さまざまな愛の形
家庭の事情を汲んで 張正恆 の両親は 程翔 を引き取り面倒を見ていて…
そのために 二人 はいつもどこでも一緒で、その関係を誤解されることになり…
新しく赴任してきた 小志老師 も二人の関係を誤解した一人だったが、他の大人と違っていたのは、彼自身が 同性愛者 であり、しかも 太陽の下で堂々と生きればいい!まるで、傷ついたことなどなかったかのように、愛せばいい! と、授業で愛することの大切さを説き、さらには映画に興味のある二人をドキュメンタリー撮影の助手として 同性愛者 の世界を見せてくれて…
このあたりの展開がとてもスムーズで素晴らしかったです。
ずっと 大笑い していたはずなのに、どんどん 愛 とは何か❓という世界に引き込まれ…
なぜか、当事者であるはずの 張正恆 は、実は 直男 であり…
悩みを抱えるのは 和尚 …そして、初めて自分の 性 に気づくことになる 程翔 …
張正恆 の図抜けた明るさ
イケメン 程翔 の優しさと、 張正恆 への真っすぐな思い…
この二人を演じたのがまだ新人の二人だったから、とてもみずみずしく爽やかで…
それに対し…
親との葛藤や、失恋など多くの辛い経験を経て今の境地に至った 小志老師 …
幼い頃にいじめに遭い、父親の言うことに素直に従って生きてきたけれど、どうしても 女装 への興味を断ち切れない 和尚 …
この二人を演じたのが演技力のある二人だから、これまた見ごたえがあり…
彥西さん は、穏やかででも芯が強くてユーモアがあって…、辛い時は 海岸 で モニカ を聞いて踊って…
実話をもとにしているから、とても演じにくかったと思うのですが、きっと本人もこういう方だったのだろうな~と思えるような素晴らしい演技だったし…
巫建和さんは、小柄だからか、もう10年ぐらい高校生役を見てるけど、今回は 女装あり で、同じく 同志戀 役だった 愛愛內含光(セックスを語るなら) とは、まったく違う役で、しかもどっちも ありあり の あり だったのが、ホントにすごいです
さすがに10年前より肉付きがよくなって、ああ、30歳越えたよね~って感じになったけど、それでも、やっぱり演技がすごくて、最後、 老師 の話に、女性の姿で両親に会いに行った場面は、ホントにすごかったです
また、親に誤解されて怒られて、雨の中 パンツ1枚 で飛び出した 張正恆 を見かねたバスの運転手さんが、彼を送り届けた場所ですが…わたしは同じくなんと2000年に1970年代の 同性愛者 をドラマ化した
このドラマで知りました。
あの 公園 については、台湾での 同性愛者 の知識がないとなかなかわからないのでは~❓と思ったので書いておきます。
実際、わたしもこのドラマを見ていないと何のことか❓だったと思います。
当時から、 同性愛者 の集まる公園として知られていて、バスの運転手さんはてっきり 張正恆 を 程翔 に失恋した同性愛者の高校生 と思ったみたいですね
そして、最後にびっくりしたのが 謝欣穎
てっきり 陳思 の20年後だと思っていました
最後、名前を聞いて頭が バグり ました
でも、よく考えたら、彼女が誰なのか最初にわかったら、後々のネタバレになりますもんね…
だから、彼女だったんだ~とよくわかりました。
先週の「狼が羊に恋をするとき」に続き、 謝欣穎さん はよく 予備校街 に出没するようですね(違)
最後 陳思 が出てこなかったのは、もしかして最近奥様と…だった 藍正龍監督 のプライベートがあるのかしら…とちょっと思ってしまいましたが…
とにかく、笑える場面も多いけれど、最後にはじ~んと来て、めちゃめちゃ心があったかくなる映画でした
高校生の頃の出会いって 友達 彼女 / 彼氏 そして、そこまで至らなくても初恋の相手、片思い そして 先生 …
一生の宝ものですよね、とてもいい映画なので、ぜひ機会があればみなさん見てくださいね