スワッチのアニメ日記 に次のような情報が載っていました。


「アニメ☆7」の後半は「ヤッターマン」。1日は「ヤッターマン 歴代三悪オールスター勢揃いだコロン!」を放送するよ。今回はバラエティー豊かな野球を中心とした30分で、松村邦洋さんがゲストとして登場します。野球好きはもちろん、野球がわからない人でも笑える抱腹間違いなしのギャグ満載!いろんなキャラクターが大活躍する中身の濃い作品なんだ。モノマネがうまくて野球に詳しい松村さんには、いろんなキャラクターを見事に演じてもらいました。あんまり見事で収録スタジオ内は大爆笑の連続。ありがとうございました。そして、これはキャラクターデザイン・上北さんもホント特大ホームランの連発!それにしても「ヤッターマン」のアフレコに来てくれるゲストの声優さん、役者さん、芸人さんはみなさん、ハッピーをもらったという内容の感想を言ってくれて、こちらもありがたく思っています。


うーん。何か勘違いをしているようですね。有名人を出せば視聴率が上がると考えているのでしょうが、そんな安直な手で視聴率が上がるものなのでしょうか。ヤッターマンを見ている人はヤッターマンの登場人物の物語を見たいのであって、松村邦洋の物真似を見たいのではありません。松村邦洋の物真似を見るのならはじめから松村邦洋が出ているバラエティーにチャンネルを合わせます。ヤッターマンの物語という本筋に魅力がないからヤッターマンの視聴率が上昇しないのです。番組制作者はそのあたりを理解していないのではないでしょうか。なお、私は松村邦洋は嫌いではありません。むしろ、好きなタレントです。でも安直に松村邦洋の芸に頼って番組を作るということ自体、本筋を盛り上げる力が制作陣にないことを如実にあらわしていると思います。これでは視聴率向上はありえないでしょう。


さて、もう一つ、気になる情報が書かれていました。

さて、先週「ヤッターマン」の年内のアフレコが全て終了しました。大物ゲストを迎えてのアフレコだったんだけど、それはまた今度紹介するのでお楽しみに。というわけで、アフレコ後に年内終了の打ち上げをやりました。


先週「ヤッターマン」の年内のアフレコが全て終了”ということなのです。タイムボカンシリーズの脚本を書いた小山高男さんによると、制作にはおよそ1ヶ月くらいかかるとのこと。年内放送分はこれで制作が終わったということでしょうが、年明けの分を作ってあるのかが気になります。来年1月頭にアフレコをしたとしても1月後半か2月頭の放送分しか作れないということになるのではないでしょうか。となると、果たして来年の放送はあるのかが気になります。ま、過去の栄光に泥を塗るような話ばかりの新作ヤッターマンが年内で打ち切られても私は文句はありませんが、今まで見てきた視聴者に対してスタッフはそうなった事情をきちんと説明してほしいものです。

新作ヤッターマン 限定版「今夜限りのドロンボーVSドロンボー! 生瀬・ケンコバ・深キョンにあのヒーローも登場SPだコロン!」の視聴率が判明しました。今回は1時間スペシャルなので「視聴率?」ではなくて視聴率がわかります。

*8.5% 19:00-20:00 NTV アニメ☆7「ヤッターマン限定版今夜限りのドロンボーvsドロンボー!」

先週の「視聴率?」8.0%よりは上昇しましたが、次の2つの点で及第点とは言い難いです。


まず裏番組に太刀打ちできないことです。同じ時間帯の番組は次の通り。

21.8% 19:00-20:54 CX* ネプリーグ芸能界超常識王決定戦SP
15.9% 19:00-19:30 NHK NHKニュース7
15.4% 19:30-20:45 NHK 歌謡チャリティーコンサート
12.5% 18:55-19:54 TBS 関口宏の東京フレンドパークII
*9.5% 19:00-20:48 TX__ 和風総本家スペシャル

*8.6% 19:00-19:54 EX__ 報道発 ドキュメンタリ宣言
*8.5% 19:00-20:00 NTV アニメ☆7「ヤッターマン限定版今夜限りのドロンボーvsドロンボー!」

ご覧のとおり、新作ヤッターマンは最下位でした。ネプリーグはともかく、テレビ朝日の「報道発ドキュメンタリ宣言」にも僅差で負けています。「報道発ドキュメンタリ宣言」は元フジテレビの長野智子が担当している番組で今期の注目株です。初回は認知症にかかった妻南田洋子を長門裕之が介護する様子を描き、10%の視聴率を取りました。それまでのバラエティー路線では太刀打ちできないことを悟ったテレビ朝日が力を込めて制作しています。今は同じような作りのバラエティー番組が氾濫していますから、丁寧に作れば東京フレンドパークあたりも危ないでしょう。なにしろ、関口宏の力も衰えてきていますから。新作ヤッターマンは問題にはならないでしょう。


次に新作ヤッターマンが「名探偵コナン」よりも人気がないことを如実に表す形になったということが挙げられます。「アニメ☆7」の視聴率を見てみましょう。まず「名探偵コナン」単独で放送されたケースは次の通り。

2008年10月20日「アニメ☆7・名探偵コナン」は 9.6%
2008年10月27日「アニメ☆7・名探偵コナン」は 9.3%
2008年11月3日「アニメ☆7・名探偵コナンスペシャル」は 10.8%

つまり、9%以上は確実にとっています。つぎに新作ヤッターマンが絡んだケースは次の通り。

2008年11月10日「アニメ☆7」は 8.0%
2008年11月17日「アニメ☆7」は 8.5%

新作ヤッターマンが絡むと9%を超えられないことがわかります。もはや、新作ヤッターマンを放送する意義はないでしょう。巷では実写版の宣伝のために生きながらえているという噂まで飛び出ていますが、逆効果なのではないかと思います。旧作のファンを取り込もうとしているのか、次の作戦を立てているようです。以下、3悪ドットコム より

さて来週は、歴代悪役オールスター勢揃いとなっていますが、予告で確認できたのはマージョ、アターシャ、コスイネン、ダサイネン、ドンジューロー、アラン・スカドンの計6名。これにドロンボーが加わると9人になるので、このメンバーで野球をして、他の悪玉はスタンドで応援になると思われます。怪盗きらめきマンがイタダキマン以上の黒歴史になるか否か? 来週も目が離せません。

またからくち兄目ブログ には次の情報が載っていました。

最後に、逆転一発マン的ナ人間やめて何にナる?のコーナーを入れてみたケド、やっぱり面白くナかった。

初めは「タイムボカンシリーズ」を歌っていなかったのに最近はドンドン取り入れているようです。テコ入れですね。でもね、それは初期にやるべきことでしょう。初期の作りを見て離れた旧作時代のファンは多いですよ。今更そんなことをしても旧作のファンがまた見るんでしょうかねえ。旧作を毎週見ていた「普通の子供達」は大人になった今は「ネプリーグ」を見ると思いますよ。それにオープニング騒動が起きたことからわかるとおり、中途半端に旧作の模倣をしたって「ぜんぜん違うよ」という声が上がるだけなので、かえって逆効果です。今後も低空飛行が続くんじゃないですかねえ。

昨日、Amazonで注文していた安藤健二著「封印作品の憂鬱」という本が届き、今日までに4分の3を読みました。この本は安藤が書いた「封印作品の謎」、「封印作品の闇」に続く、今では合法的手段では見ることができない作品群を扱ったルポルタージュです。今回取り上げられたのは三作品。日本テレビ動画制作の「ドラえもん」、「ウルトラ6兄弟VS怪獣軍団」、みずのまこと版「涼宮ハルヒの憂鬱」の3つです。このうち私は「ウルトラ6兄弟VS怪獣軍団」を見たことがあります。私が見たのは TBS で放送された時と確か CS のキッズステーションで放送された時です。他の二作品はまったく見たことがありませんし、みずのまこと版「涼宮ハルヒの憂鬱」に至っては存在さえ知りませんでした。このうち現在合法的手段で一部が視聴可能なのは日本テレビ動画制作の「ドラえもん」のみです。なお、「封印作品」というのは安藤健二の造語です。以下、安藤の一連の著作を封印作品シリーズと呼ぶことにします。


封印作品シリーズに共通しているのが、その科学的視点です。まず作品自体を視聴して封印された理由を客観的な視点で検証。次にインターネット上で流布している「封印理由」を客観的視点で検証。そして関係者に取材して封印理由を明らかにする。安藤も著書で書いていますが、封印作品シリーズのテーマは封印作品の封印の是非を問うことではなく封印された事実を客観的に記述することにあるのです。


このシリーズで感心させられるのは取材対象が実に広範囲であること。今回取り上げられた「ウルトラ6兄弟VS怪獣軍団」に関しても「ウルトラ6兄弟VS怪獣軍団」に特化した内容ではなく、「ウルトラ6兄弟VS怪獣軍団」主要関係者の足跡や「ウルトラ6兄弟VS怪獣軍団」が作られた時の社会情勢にまで踏み込んで書かれていることです。これは安藤自身が書いている通り、安藤が特撮やアニメと言ったその作品の分野に精通している人物ではないからできることなのだと思います。たとえば特撮専門のライターであれば円谷プロから情報をもらっている関係上、円谷プロの暗部に触れることを躊躇する傾向にあります。安藤の本にも、取材拒否をされたり、いったん取材を受けると答えながら、しばらく経って「やはり応じられない」と言ってきた人が何人も出てきて取材が暗礁に乗り上げたことがある、と書かれています。「ウルトラ6兄弟VS怪獣軍団」では封印の元凶となった人物である円谷皐やソンポート・セゲンチャイの半生についても触れています。


実は私はウルトラシリーズについて疑問に思っていたことがありました。なぜ平成ウルトラシリーズ三部作に旧作の怪獣や(初代ウルトラマンを除いて)ウルトラ兄弟がまったく出ず、ウルトラマンがM78星雲の光の国から来た設定にならなかったのか? なぜ今まで新マンと呼んでいた「帰ってきたウルトラマン」に登場したウルトラマンを「ウルトラマンジャック」と呼ぶようになったのか? 前者は本放送当時、M78星雲の光の国から来たわけではないのならウルトラマンと呼ぶ必要はないし、別の名前で呼ぶべきではないのかと思いました。後者については今まで新マンという名で親しんでいたのにいきなりジャックと呼ぶのはおかしいだろうと違和感を感じました。この2つの問いに対する本当の答えが、この本を読んでわかったような気がします。このように、この本は封印作品だけではなく、その背景についてもいろいろと考えさせてくれます。


安藤も書いている通り、封印作品を取り上げることはタブーになってきており、封印作品を取り上げたルポが封印されそうになるという笑えない事態も起きているようです。そのため、封印作品についてはいろいろなデマがインターネット上でも流布しています。「サンダーマスク」なんかはその好例だと思います。デマが流布するのはよくないことなので何度か注意したことがあるのですが、注意した行為事態が注意される状態に陥っています。世の中は事なかれ主義に陥っているようですが、これは言論の自由に反する危険な事態だと私は思います。


脚本は田口成光。監督は大木淳。特撮監督は東条昭平。この話はフィルムによっては「ウルトラマンキングのおくりもの」という題がつけられています。どちらも話の内容に合致しているとは思いますが…。またこの回から「日本名作民話シリーズ」が始まり、この話は一寸法師を題材にしています。この企画を考え出したのは熊谷健プロデューサーのようです。熊谷健さんは民話が好きで、偶然にも初めてプロデューサーを務めた「怪奇大作戦」第26話「ゆきおんな」も民話を題材にしていました。ただ、このシリーズは賛否両論あるようです。その理由は見てみればわかります。


スポーツセンターでテツオの母がテツオの退会を申し出て家に帰った頃、町ではプレッシャー星人が出現。テツオの母は教育ママでテツオを習字に通わせるためにスポーツクラブを退会させました。テツオの母はメガネをかけて髪にはパーマをかけるという典型的な教育ママの格好をしています。するとプレッシャー星人がテツオの家に現れました。恐怖におののくテツオの母。プレッシャー星人は不思議な術を使いました。何をしにきたのでしょうか? と思う間もなく MAC が駆けつけました。この回から登場の松木隊員も現場に来ています。MACはプレッシャー星人と闘って何とかテツオの家から追い出しましたが、教育ママゴンには感謝の気持ちがないようです。「大丈夫ですか?」という松木隊員を「ほっといてくださいよ。」と言って突き飛ばしました。あきれたテツオが「お礼言ってよ。」と言うと


教育ママゴン「そんな必要ありませんよ。MACがあたし達を助けるのは仕事なんざんすからね。


典型的な傲慢な教育ママゴンでいかにも言いそうな言葉ですが、「~なんざんすからね」というのは今では死語でしょう。もっともこんなのは序の口で後の展開は突っ込みどころ満載のある意味トホホな世界です。


MACステーションに帰ってからもゲンは教育ママゴンのことが気になるようで不機嫌そうです。松木隊員に声をかけられても不機嫌な顔はなおりません。見かねたダンが慰めてやり、「お前もだんだん人間らしくなってきたのかな。」といった後、プレッシャー星人のことを警告しました。プレッシャー星人は神出鬼没で不思議な術を使うとダンは聞いていましたが、術の内容までは把握していませんでした。


そしてプレッシャー星人が今度は巨大化して登場。杖を振り回して術を使っています。空には火の玉が飛び、町は破壊されました。MACは出動して攻撃を開始しましたが、マッキーはあっさり撃墜されてしまいました。この場面、そろそろ見飽きてきました。余裕の表情で宙に浮かんで寝そべるプレッシャー星人を見てゲンはレオに変身。はじめのうちは「戦え! ウルトラマンレオ」が流れて互角に戦っている…ように見えましたが、突然曲が止まると形勢逆転。レオは動きを止められてしまい、さらに小さくされてしまいました。このときのレオの大きさは人間くらいに見えるのですが…


ダン「しまった。」


不適に笑うプレッシャー星人は杖から風船を膨らませるとレオを捕まえて風船の中に入れ、飛ばしてしまいました。このときの風船の大きさはアドバルーンくらいに見えるのですが…ダンはレオが罠にはまってしまったことを悔しく思いましたが、なす術もありません。この後続くナレーションが「日本名作民話シリーズ」の迷走振りをよく表しています。


ナレーター「大変だ。レオはいったいどうなってしまうのだろう。」


そんなことを言われた視聴者は戸惑うばかり。ここでCMに入り、CMがあけると MAC ステーションでダンがいらいらと歩き回っていました。


ダン「ゲンも星人もいったいどこへ消えてしまったんだろうか。」


と言った途端に場面が変わり、多摩川の河原に。梅田兄妹とテツオがゲンを探しています。ところが教育ママゴンに見つかってしまいました。はっきり言って、このテツオと教育ママゴンのやり取りは不要だと思います。田口成光が多用するやり方ですが、物語の役に立っていないと思います。教育ママゴンは、そういうことは大人に任せろ、たった一日休んだだけで目指す中学に入れなかった人もいるんですよ、とほざきましたが、習字が中学入試に関係あるとは思えません。とにかく教育ママゴンは強権を発動してテツオを連れ去ってしまいました。トオルが厳しいんだなあといいながら石を投げると石の落ちた先で風船が木に引っかかっていました。カオルが「とって」と言ったので二人は風船のところへ行きました。


ナレーター「君達、もうわかったねえ。そうだ。この風船はプレッシャー星人がレオを閉じ込めた風船なのだ。」


このナレーションは何とかならなかったのでしょうか。トオルが木に引っかかっていた風船をとろうとしたのか棒でつつくと風船は割れてしまいました。さっきプレッシャー星人がレオを閉じ込めた時と大きさが合っていないような気がします。かなりいい加減です。ここから一寸法師の歌が流れ、その歌にあわせて番組は進みます。トオルはこう言い放ちました。


トオル「さあ、おおとりさんを探しにいこう。」


おおとりさんことレオは風船が割れたの川の中に落ちてしまったというのに。トオルとカオルはその場を走り去ってしまいました。川に浮かぶレオの人形。レオの人形はしばらく背泳ぎしていましたが、流れていたお椀にたどり着き、その中に乗り込みました。お椀が流れるそばをトオルとカオルが走っていきましたが、二人はレオに気がつきません。なぜかレオの手には櫂の代わりの木の棒箸が。一寸法師よろしく漕いでいます。このとき二家本さんは何を考えたのでしょうか。しばらくするとレオは箸を漕ぐのをやめ、空へ飛び去っていきました。そこは今まで数々の激闘(対フリップ星人戦など)が行なわれた五本松の地点です。


しばらく経ってMACステーションでダンが険しい顔をして座り込んでいると、彼を呼ぶ声が聞こえます。


ダン「ゲン!」


見るとレオがダンの足元にいます。見るとレオはダンのブーツくらいの大きさです。風船の中に入っていたにしては大きいです。本当に縮尺がいい加減です。何とかならなかったのでしょうか。


レオ「見てください。このとおりですよ。」

ダン「お前は2分30秒しか変身できないはずなのに…」

レオ「小さくされた分だけ、長くいられるらしいんです。


え? そんなの初耳です。この後のダンの言葉とそれに対するレオの答えが傑作です。


ダン「それでお前、大きくはなれないのか?」

レオ「ええ。何度もやってみたんですけど、星人の魔法が解けないんです。」


うーん。ウルトラマン第28話「人間標本5・6」では、ダダによって人間と同じ大きさにされてしまったウルトラマンは自力で元の大きさに戻っていました。L77星人のレオにはそのような力がなかったのでしょうか。いや、単に脚本を書いた田口成光が話の展開を持っていきやすくしたためにこうしただけです。この後のナレーションもまた脱力感溢れるものです。


ナレーター「というわけでレオは元の大きさに戻れなくなってしまったんだ。困ったねえ。


さてテツオが部屋にいると外にプレッシャー星人がいるのが見えました。部屋に入ってきた教育ママゴンにテツオが星人のことを話すと星人は姿を消してしまいました。ママゴンが立ち去った後でテツオが外を見るとまたまたプレッシャー星人が姿を現しました。このコントのようなやり取りもはっきり言って無駄だと思います。ダンが小さくなったレオを連れて出動。暴れまわるプレッシャー星人を見て


ダン「MACの力ではあの星人は倒せん。」


気持ちはわかるけど、それは禁句でしょう。さてテツオはママゴンを連れて逃げていましたが、ママゴンは転んでしまいました。なぜかプレッシャー星人が二人に迫ります。けなげにもテツオは自分が星人の気を引くから逃げてとママゴンに言いました。当たり前の話ですが、テツオがプレッシャー星人にかなうはずがありません。見かねたレオは「僕が行きます。」と言って飛んでいきました。この時のレオの飛行音は「ブーン」という低い音で、まるで蚊や蝿が飛んでいるような間抜けな音です。何とかならなかったのでしょうか。レオはプレッシャー星人の周りを飛び回りました。プレッシャー星人は両手をあわせてレオをぴしゃりとたたきました。まるで蚊をたたいているかのような動作です。しかし、レオが何かをしたのか、「グサリ」という音がしたかと思うと、星人は痛がりました。何かを刺した時のような音でしたが、画面を見る限りはパンチをしただけのようです。埒があかないのでダンが松葉杖に仕込まれたマシンガンを撃つと怒った星人はダンを捕まえようとしました。万事休すか。そのとき、稲妻が落ちたかと思うと銀色のマントをつけた巨人が現れました。驚いたダンはこうつぶやきます。


ダン「ウルトラマンキング」


この後のナレーションはと言うと


ナレーター「ウルトラマンキングとはレオの星でも光の国でも必ずどこかにいるといわれながら、まだ誰も出会ったことのない不思議な力を持つ伝説の人なのだ。


なぜダンがあの巨人を見てウルトラマンキングだとわかったのかが謎です。今日は突っ込みどころがたくさんあって「困ったねえ」と言いたくなってしまいます。伊上勝さんの脚本ではないのですから、もっとうまく作ってほしいです。もっとも、伊上勝さんの書く話はあまりにも荒唐無稽すぎるところが最大の魅力で、とても面白いのですが、今回の田口成光が書いた話はちょっとねえ。閑話休題。キングは大きなハンマーを取り出すとハンマーをレオに向けて振り始めました。そう。打ち出の小槌のようにレオは大きくなっていったのです。このシーンを流したいために、レオは自力で大きくなれないというトホホな展開になってしまったのです。ご丁寧にもこのときまた一寸法師の歌が流れます。しばらくレオは星人と戦いました。そしてしばらくそれを見守った後、キングは自分が身に着けていたウルトラマントをレオに投げ与えました。


ナレーター「レオは第二の故郷地球で正義のために若い命を懸けていた。そんなレオに今ウルトラマンキングは伝家の宝刀とも言うべきウルトラマントを与えたのであった。」


やっとまともなナレーションが入りました。レオはウルトラマントを傘のようなレオブレラに変形させて星人の念力を跳ね返しました。それを見たキングがレオに合図するとレオはレオブレラを星人に突き刺しました。レオブレラは星人を突き抜けてキングの元へ。キングが投げ返すとウルトラマントは腕輪に変形してレオの左腕に装着されました。そしてプレッシャー星人はレオとキングの光線で倒されました。握手するレオとキング。いい場面ですが…このとき流れるナレーションはというと


ナレーター「ウルトラマンキングが与えたウルトラマント。マントにはまだまだ秘密が隠されているんだよ。レオはますます面白くなるねえ。


今までの世界観をぶち壊すようなナレーションが流れた後、キングは去っていきました。教育ママゴンは改心し、ゲンにお礼を言うのでした。


ごらんのとおり、初期の世界観とは180度転換したかのような能天気な話になっています。初期の話の記憶が全くない私でもウルトラマンキングが登場してからの話はよく覚えています。ただここまで「子供に媚びた」かいもなく、一度下がった視聴率は回復しなかったのでした。初期の話についてきた人から見れば、この話はちょっと唖然として「困ったねえ」と思ったのではないかと思います。「レオはますます面白くなるねえ。」という台詞を書いた時、田口成光がどう思ったのかはわかりません。でもウルトラマンエースのメインシナリオライターだった市川森一さんだったら、一度自分が打ちたてた設定を否定するかのような話は絶対に書かないだろうと思います。それが証拠に橋本洋二プロデューサーにエースに復帰するよう頼まれた市川さんは「ベロクロンの復讐」という話を書き、「ヤプールが滅んだ」後でまた「ヤプールを復活」させ、まるで「ヤプールを滅ぼした」スタッフに対する恨み言をこめたような台詞を女ヤプールに言わせています。自分の書いた話が視聴者に受けなかったものの最後まで自分の信念を曲げなかった市川森一さんと受けなかった途端に自分の信念を曲げて視聴者に媚びた田口成光。その後の実績が示すとおり、市川森一さんの方が脚本家としての実力は上だったと思います。


今思えば、もっと早くからレオが普通に怪獣と戦って勝利する話をちりばめておけば、ここまで「子供に媚びた」作りにする必要はなかったと思います。この時期の話はレオの迷走ぶりを如実に表わしていると思います。レオが真にその作風を確立するのは円盤生物編になってからだと思いますが、それはまだまだ先のこと。しばらくはこのような話が続いてしまいます。

今月からホームドラマチャンネルで「江戸を斬る 梓右近隠密帳」の再放送が始まりました。迂闊な事に私は第1話を見逃してしまいましたが、第2話から録画することができました。ただし、今まで何度か再放送されているので第1話自体は見たことがあります。


このドラマはTBS系列で毎週月曜日の夜8時から放送されていた時代劇です。この時間帯は今も続く「水戸黄門」が放送されているナショナル劇場パナソニックドラマシアターの枠です。このことからもわかるとおり、制作は

「水戸黄門」と同じ C.A.L. で、「水戸黄門」同様にこの時間帯の柱になっていた「大岡越前」の出演者が大挙出演しています。以下、大岡越前でもレギュラーで出ていた人を青字で書きます。またBGMも「大岡越前」とよく似ています。


舞台は三代将軍徳川家光の時代の江戸。長屋に住む浪人梓右近(竹脇無我)は実は保科正之(竹脇無我の二役)の双子の弟で、「双子は畜生腹」という迷信によって生まれてすぐに抹殺されそうになった過去がありました。悠々自適の生活を送っていた右近はあるとき、大久保彦左衛門(片岡千惠藏)に見つかってしまいました。彦左衛門は抹殺されそうになっていた右近を引き取って育ててくれた育ての親にあたる人。日陰者となっている右近の境遇を哀れに思い、将軍家光(長谷川哲夫)に右近を取り立ててくれるように談判します。弟がもう一人いることに驚いた家光は右近を召しだし、今までの非礼を詫びるとともに自分の手足となって政道の裏の悪を退治して欲しいと頼みました。右近は自由気ままな長屋暮らしを気に入っており、家光の頼みを断ります。しかし、江戸では由井正雪(成田三樹夫)が浪人を集め暗躍していました。由井正雪一味によって江戸の市民が苦しむさまを目の当たりにした右近は家光の頼みを受け将軍の密使としての任務につくことを決意。かくして右近は由井正雪と対峙して行くことになるのです。物語は江戸時代初期に起きた事件に正雪の影がちらつくというのがパターンになっていますが、徳川忠長(中村敦夫)と家光の対立や宇都宮釣天井事件のようにこの時代とは微妙にあっていない事件も題材として取り上げられています。


登場人物は上に挙げた人物の他は次の通りです。


まず右近の手足となって働くのが元義賊葵小僧こと新助(松山英太郎)です。松山英太郎は大岡越前で猿の三次、「江戸を斬る」の第二部以降で鼠小僧次郎吉、「翔んでる平賀源内」ではこれまた元盗賊の宗助を演じています。水戸黄門以外のナショナル劇場パナソニックドラマシアター作品では一貫して元盗賊の密偵の役ばかり演じていますが、水戸黄門では一貫して遊び好きな若旦那ばかり演じています。ステレオタイプの配役ですが、それだけに手慣れていてよくはまっています。


次に右近の周りの華を紹介しましょう。まず右近の長屋に住む女目明しが小夜(榊原るみ)。父である仏の長兵衛(大坂志郎)、その部下のがってん竹(高橋元太郎)とのっそり松(浅若芳太郎)とともに事件解決に当たります。小夜は右近から「お小夜坊」と呼ばれており、男勝りの活躍を見せるのですが、右近にホの字。右近の周りに女性の影がちらつくと機嫌が悪くなります。彼女は右近の正体を最終回まで知りませんでしたが、父の長兵衛は途中で右近の正体を知ってしまいます。なんとなく、右近は彼女に自分の正体を知られるのを恐れていたような感じがするのですが、これは私が深読みしすぎているだけでしょうか。


新助がお嬢様と呼ぶ芸者がお艶(鮎川いずみ)。彼女は元は廻船問屋但馬屋の娘でしたが、その但馬屋はある事件で潰されてしまった過去があります。彼女も右近に好意を持っているようです。


右近の剣術の師柳生但馬守宗矩(志村喬)の娘が奈美(松坂慶子)。兄の十兵衛(若林豪)とともに由井正雪の動きを探ります。というわけで立場上右近と行動をともにする機会が多いはずなのですが、終盤は登場しなくなってしまいます。最終回での由井正雪捕縛の時も兄十兵衛は活躍するのですが、奈美は登場しません。松坂は当時松竹所属。東映が制作を請け負っていたこの番組のレギュラーになるというのはある意味すごいことです。当時は五社協定の影響が残っていた頃で、たとえば「水戸黄門」は当初森繁久彌が水戸光圀を演じるはずでしたが、東宝の許可が下りずに断念する羽目になり、東野英治郎が演じることになりました。また宮内洋が松竹制作の「助け人走る」に出た時も、東映と松竹の間で書類を交わしたらしいです。奈美が後半登場しなくなるのはスケジュールの都合もあったのでしょうが、こうしたことも影響していたのではないかと私は想像しています。もっとも、松坂は「江戸を斬る」の第二部以降で紫頭巾こと雪を演じています。なお雪の父である徳川斉昭を演じたのは森繁久彌です。また水戸家の用人で雪が遠山金四郎に結婚する時に養父になった中山伝右衛門は大坂志郎が演じています。


大久保彦左衛門がレギュラーということで大久保家出入りの魚屋一心太助(松山政路)も登場します。彼には生き別れになった兄がいます。その兄の正体は…それは配役を見ればわかります。ちなみに彼らが兄弟だと判明する話が第7話「二人葵小僧」です。余談ですが、松山政路は大岡越前第5部で兄の松山英太郎の代役で三次を演じましたが、少し兄とは雰囲気が違っていました。松山政路は水戸黄門では腕のいい職人の役が多かったですが、これもよく合っていました。兄英太郎がそういう役を演じてもあまり合わないような気がします。なお大久保家の用人笹尾喜内を演じているのは私の世代ではケンちゃんパパでおなじみの牟田悌三です。


幕閣で登場するのは老中松平伊豆守信綱(神山繁)と北町奉行石谷十蔵(中村竹弥)です。二人とも実在の人物です。松平伊豆守は「知恵伊豆」と呼ばれたほど有能な人でしたが、神山繁はそのあだ名にぴったり合っていたと思います。中村竹弥も家老の役で水戸黄門によく出ていました。石谷十蔵は、子分にするので葵小僧を許してほしいと右近に頼まれた時になかなか粋な腹芸を見せてくれますが、それについては後述します。


主人公側の配役も豪華でしたが、由井正雪側の配役も豪華です。丸橋忠弥を演じるのは加東大介。この配役から見てもわかるとおり、ただの悪役ではありません。当初は由井正雪とは行動をともにしていませんでしたが、義理堅い性格のため、正雪から受けた数々の恩を無視できず、妻の死後、正雪が開いている軍学塾「張孔堂」に参加しました。とはいえ正雪を盲信しているわけではないので、正雪の元にはしってからも自分の信義に反することについては右近の味方をすることにしたこともありました。ただ他の配役は少々単純。金井半兵衛は川辺久造、林戸右衛門は伊吹聡太朗が演じています。二人とも悪役を演じることが多い人です。また正雪の口車に乗って後ろ盾になってしまう紀州藩藩主徳川頼宣を江原真二郎が演じ、お坊ちゃん育ちの性格をよく演じていました。最終回、頼信に疎まれていた付家老の安藤帯刀(島田正吾)が幕府の犬と罵られながらも頼宣を諌める場面は名場面です。なぜ幕府の犬と呼ばれるかといいますと、付家老は紀州藩士ではなく、江戸幕府の直臣だからです。また事が露見したことを悟った正雪が切腹するところも名場面です。成田三樹夫が悪の美学を表しています。昔の悪役俳優は格のある人が大勢いました。山形勲、南原宏治、戸浦六宏、岡田英次、神田隆、天津敏。皆亡くなってしまいました。今の水戸黄門に出てくる人達はあの頃よりもスケールダウンしたと思います。佐藤慶も最近は人のいい役ばかり演じているような気がします。


さて、新助は第2話の終盤で右近の部下になるわけですが、その許可を得るために右近が新助を伴って石谷十蔵と会うところは傑作です。そのやり取りを見てみましょう。


右近「実はこの男、本名を新助、世間の通り名を葵小僧という。」

十蔵「葵小僧?」

新助「旦那!」

新助、逃げようとするが、右近に捕まる。

右近「逃げるな。逃げると一生、晴れて世の中を歩けぬぞ。どうだ十蔵。この男を私に預けてくれぬか。」

十蔵「これは、お戯れを。葵小僧と申せば天下を騒がす不敵の痴れ者。いかに若の仰せとは申せ、見逃すことはできません。」

右近「そうか。だめか。」

十蔵「はい。町奉行たるもの、法を曲げては御政道は闇と相成りまする。葵小僧を見逃すことは断じてできません。されど、若が新助という小者をお使いなさるのは若の御自由。

これを聞いた新助の表情が変わる。

十蔵「若は先ほど、何小僧とか仰せられましたが、この十蔵、歳のせいか、耳が遠うござって、しかと聞き取りませなんだが。

右近「ん? ハ、ハ、ハ。さすが十蔵、伊達に歳はとらなんだようだな。右近、一つ教えられた。」

十蔵「は。それは恐れ入ります。」

右近「今日から葵小僧が江戸を騒がすことはあるまい。もし万が一そのようなことがあったら、そちの手は借りん。私がきっと始末をつけよう。」

新助と右近が互いを見やる。

右近「十蔵、礼を言うぞ。」

十蔵「もったいない事にございまする。」

十蔵の腹芸は絶品。これを聞いた右近が思わず笑ってしまうほど見事なものでした。昔の人はこういう腹芸が上手でした。似たような話は「大岡越前」や「水戸黄門」にもあったような気がしますが、いい話だと思います。最近の人はマニュアル通りの対応しかできないためか、このように融通の利く人が少なくなったと思います。なんでこういう世の中になってしまったのかなあとよく思います。