インター校の「エレベーター禁止ルール」が示す、本当の“配慮”の形


先日、ある学校関連のSNSが目に留まりました。
「ビルタイプの校舎で、生徒もエレベーターが利用できる学校がある」

それ自体は「へえ、そうなんだ」で終わる話です。でも、その後に続くコメントに、私は少し驚きました。

「生徒で満員のエレベーターに、教師とゲストが途中から乗れなかった」
「冗談半分で『先生、健康のために歩いてくださいよ』って言われた」

もちろん、ネタなのかもしれませんね。

でも、とにかく、この話自体がインター校では絶対にありえない光景です。

インターナショナルスクールの“当たり前”をみていきましょう。
 

まず世界主要国・地域のエレベーター設置状況から

 

 

北米(アメリカ・カナダ)

アメリカでは、ADA( Americans with Disabilities Act) により、公共施設である学校にはエレベーターを含むバリアフリー設備の設置が義務付けられています。特に2階建て以上の校舎では、車いすユーザーを含むすべての人がアクセスできるよう設計することが法律で求められています。

カナダでも同様に、州ごとの建築基準法に基づき、障害者差別禁止法のもとでエレベーター設置が義務化されています。

設置率:ほぼ100%(法的義務のため)

ヨーロッパ(イギリス・スイス・ドイツなど)
 

EU圏では、EN 81-70(エレベーターのバリアフリー基準) や各国の建築基準法により、公共建築物へのエレベーター設置が広く義務付けられています。

スイス(ICS Zurich) :新築のPavilion校舎にはエレベーターを設置し、全フロアへのアクセスを確保

ドイツ(International School Basel) :複数キャンパスを持つが、各キャンパスでアクセシビリティを確保

ハンガリー(International School of Budapest) :キャンパスは市の各地域とよく接続され、必要な設備を完備

設置率:ほぼ100%(新築・改築時は法的義務)

 

 

オセアニア(オーストラリア・ニュージーランド)


オーストラリアでは Disability Discrimination Act 1992 と Building Code of Australia により、公共施設のバリアフリー化が義務付けられています。ニュージーランドでも Building Code clause D1 Access routes がエレベーターを含むアクセス経路を規定しています。

設置率:ほぼ100%

中東(UAE・カタールなど)
 

中東の主要インター校でも、近代的な施設を謳う学校ほどエレベーター設置が標準化されています。

UAE・アジュマン(Cosmopolitan International Indian School) :エレベーターを完備し、移動に制限のある生徒が独立して移動できる環境を提供

ただし、地域によっては建築基準の enforcement にばらつきがあるため、すべての学校で完全なバリアフリーが実現しているわけではありません。

設置率:都市部の主要校では80〜95%程度(推定)

 

 

アジア主要4都市の状況

① 東京(日本)
 

日本のインターナショナルスクールは、バリアフリー法(建築物移動等円滑化基準) の対象となります。ただし、公立小中学校のエレベーター設置率は約29%にとどまるなど、日本の学校全体ではまだ整備が進んでいるとは言えません。

一方、インターナショナルスクールは民間施設として、比較的積極的にバリアフリー化を進めています。

さくらインターナショナルスクール日本橋校:専用入り口とエレベーターを設置

UIA International School of Tokyo(木場) :エレベーターで3階の受付へアクセス

東京インターナショナルプログレッシブスクール:2021年に新校舎を建設

設置率:主要インター校では80〜90%以上(推定)

 

↓インター校を受験する?面接にいく? その前にかならず。

 

② シンガポール

シンガポールは Building and Construction Authority (BCA) のアクセシビリティ基準 により、公共施設へのバリアフリー設備設置が義務付けられています。多くのインター校はこの基準を満たすか、それを上回る施設を提供しています。

INSEAD Asia Campus:スロープや広い通路に加え、車いすやベビーカーに対応した広々としたリフトを設置

UWCSEA:ユニバーサルアクセシビリティ機能を備えたサステナブルデザインで評価

Dulwich College (Singapore) :車いす対応の入口と駐車場を完備

GIIS SMART Campus:テクノロジーを活用した学習モデルのキャンパス

設置率:ほぼ100%(法的義務+先進的な施設基準)

 

 

③ 香港

香港では 建築物条例(Building (Planning) Regulations) により、バリアフリーアクセスが義務付けられています。インター校の多くはこの基準を満たしています。

German Swiss International School (The Peak Campus) :車いすアクセス対応

Hong Kong Academy :車いすアクセス対応

Kingston International School :アクセシビリティ声明を公開

Singapore International School (Hong Kong) :バリアフリーアクセスキャンパス

ただし、香港のインターナショナルスクールの中には「バリアフリーアクセスなし」と明記している学校も一部存在します。

設置率:主要校では90%以上、一部旧式校舎では未対応のケースもありますが、改修は順次すすめています。

④ 上海(中国)


中国では 「無障礙環境建設条例」 (バリアフリー環境建設条例)により、公共施設のバリアフリー化が進められています。上海はその中でも特に先進的な都市です。

Nord Anglia International School (Shanghai, Pudong) :車いすアクセス対応

上海協和双语学校:複数キャンパスを持ち、IBやA-Levelなど多様な課程を提供

上海青浦区:2024年に一部学校へのエレベーター設置工事を公開入札

ただし、中国の建築基準は比較的新しく、すべての学校で完全にバリアフリーが実現しているわけではありません。

設置率:新築・改築校では80〜90%、旧式校舎では未整備のケースも

 

私が知る多くのインターナショナルスクール(IB校含む)では、エレベーターは「必要とする人のためのもの」というルールが徹底されています。

車いすユーザーの生徒・職員
足を骨折して松葉杖を使っている生徒
階段の昇降が医師から制限されている子
骨折などで一時的にでも移動に困難がある人

そうした人たちが確実に使えるように、エレベーターは常に空きを確保するのが暗黙の了解です。

だからこそ、健常な生徒は基本的にエレベーターを使用禁止。使っていいのは教師や用務員、来訪者など、業務上やむを得ない場合に限られます。

 

↓インター校や国際バカロレア、帰国生の話し

 

「エレベーターがあること」と「生徒が自由に使えること」は全く別の話です。インター校では、設備が整っているからこそ、「必要な人が確実に使える」という運用ルールが徹底されている

なぜ「生徒禁止」なのか? 逆説的な“平等”


「障がい者に配慮するなら、むしろ全員が使えるほうが平等では?」と思う方もいるかもしれません。

でも、インター校の考え方は違います。

「使える人が使う」のではなく、「必要な人が必ず使えるようにする」それが真のインクルーシブ教育の現場です。

エレベーターのキャパシティは限られています。もし全生徒が自由に使えるようにしたら、満員で本当に必要な人が乗れなくなる。これは機会の不平等を生みます。

だからこそ、ルールで制限することで、弱者が後回しにされない環境を“デザイン”しているのです。

日本の学校で起きていた“違和感”の正体


先のツイートのケースでは、生徒がエレベーターを埋め尽くし、教師やゲストが入れなかっただけでなく、笑い話のように「歩け」と言われたそうです。

これは、日本では「エレベーター=誰でも使える便利なもの」という認識が広く共有されているからでしょう。でも、国際的な教育現場の感覚からすると、そこに“優先順位”の視点が欠けているように映ります。

教師やゲストが「歩け」と言われて笑って済むのは、まだ軽傷です。もしそのエレベーターに、車いすの生徒が待っていたら? 松葉杖の子が後ろで順番を待っていたら?
その子たちは、笑い話にはできません。なら譲っただおろう? 

ルールは「制限」ではなく「セーフティネット」


インター校のエレベータールールは、決して生徒を「不便にするため」のものではありません。

むしろ、「もし自分がケガをしたら」「もし自分が障がいを持っていたら」そのときに、必ず使える仕組みが整っていることが、すべての生徒へのメッセージになっています。

つまり、健常な生徒が階段を使うことは、彼ら自身の“社会貢献”でもあるのです。ささやかながら、誰かのためのスペースを空ける、それが当たり前にできる文化。それを学校全体で育てています。

 

 

日本でも変わりつつある? それでも…

最近では日本の学校でも、バリアフリー法の改正などでエレベーター設置が進んでいます。しかし運用ルールまで国際標準になっているかというと、まだまだこれからの印象です。

「使えるから使う」ではなく、「誰が本当に必要か」を考えて使う、そんなエレベーター・エチケットが、これからの学校には求められているのではないでしょうか。
 

子どもたちに伝えたいこと
もしあなたの学校にエレベーターがあるなら、一度考えてみてください。

「自分が今階段を使うことが、誰かの今を楽にしているかもしれない」そう思えるかどうか。インター校の生徒たちは、この問いに対して「階段を選ぶ」という答えを、日常的に実践しています。

それは決して「我慢」ではなく、「思いやりのある選択」として。

エレベーターのルールひとつとっても、その学校の“インクルージョンへの本気度”が見える。そんな気がします。

IBDP生よ、最終得点に縛られるな。課外活動こそが君の武器だ。の続きです。


大学が本当に見ているもの:CASと課外活動の力
 

IBDPのコアであるCAS(創造性・活動・奉仕) は、単なる「おまけの要件」ではない。大学にとっては、受験生の人間性や情熱、リーダーシップを見極める最大の材料だ。

海外の大学、特に英米のトップ校は、「教室の外でどう考え、どう行動し、どう持続したか」 を何よりも重視する。これは、IBの最終得点が「学力の証明」であるのに対し、課外活動は「人間としての証明」だからだ。

たとえば
地域の海岸清掃を継続的に行い、環境問題についてのプレゼンを作成した
自分の興味あるテーマで、1年以上かけて自主プロジェクトを遂行した
学校内で新しいクラブを立ち上げ、運営した

こうした活動は、エッセイのテーマになり、面接での会話を生み、推薦状に具体的なエピソードとして記される。点数では絶対に伝えきれない「あなたらしさ」を届けることができるのだ。

 

ちなみに、今書いた3つの例はありきたりの例なので、これでは十分ではないが、なにも無いよりはましである。つまり、何もない生徒が世の中に多くいるということだ。

CASは18ヶ月にわたる継続的な活動が求められる。これを「やらされている」と捉えるか、「自分を表現するキャンバス」と捉えるかで、大学受験の結果は大きく変わる。

日本の大学受験:国立大学医学部だって「36点」が一つの目安
 

では、日本の大学はどうか。

「日本の大学は点数重視なのでは?」という声もあるだろう。確かに、国立大学の医学部医学科では、IBDPの足切り点が設定されているケースが多い。

具体的に見てみよう。
広島大学・岡山大学・筑波大学・鹿児島大学(医学部):38点以上が足切り点の一例
横浜市立大学(医学部):40点以上を必須とする大学もある。合格実績がなさすぎだが、変化の兆しもある。

つまり、国立大学医学部では、36点以上からが受験の目安とされている。その点での合格者がいることははっきりと伝えたい。得点が高い他の受験生より、得点の低い生徒が合格しているという事実。

ただし、ここで重要なのは「足切り点=合格ラインではない」 ということだ。36点を超えていれば自動的に合格するわけではないし、条件付き合格の場合はその足切り点の36点下回ると自動的に不合格となる。つまり、得点さえクリアすれば、課外活動や研究実績、面接での評価が加味されて合格する。

また、医学部以外の多くの日本の大学では、24〜30点台前半が出願条件となっている場合もあるが、出願条件として総合点より科目の選択条件と、その科目の得点を4点以上としていることの方が多い。つまり、最終得点の総合点は関係ないのだ。

 

日本の大学受験においても、IBの得点は「足切り」の要素が強く、それ以上の評価は総合的に行われるのだ。そもそも、30点以下の設定であれば、クリアできる生徒は多く、国立大学のその学部のそもそもの偏差値で考えると、比較することは難しいが、十分に国際バカロレア利用入試は生徒にとって受かりやすい環境が容易されている。また、それだけ国際バカロレアIBDP卒業生を高く評価しているということが分かる。今までの全国世界中の卒業生の大学におけるその努力に感謝。

IBで培った批判的思考力・探究心・行動力は、点数以上に大学で評価されるべきものだったのだ。

どう考えるべきか:「点数」から「ストーリー」へ
 

ここまでの話を整理しよう。

IBDPの最終得点は、大学受験における「一つの要素」にすぎない。 それは以下のような位置づけだ。

海外大学:出願資格のフィルター(多くは24〜30点台)。その先は課外活動・エッセイ・面接で勝負。

日本の大学(医学部以外) :出願条件として総合点より科目の選択条件と、その科目の得点を4点以上と設定する大学が多い。総合評価で合否が決まる。

日本の大学(医学部) :36〜40点以上の足切りが設定されることが多いが、それを超えれば総合評価勝負。医学部担当者によれば、何点でも本当は構わないくらいIBDP生を獲得したいが、他の受験の兼ね合いがあり、設定せざるをえない。

つまり、「点数がすべて」と思い込んでいること自体が、最大のリスクなのだ。

 

👇6割はその続きが完了できずに挫折する海外から日本の大学受験

 

むしろ、IBDP生が取るべき戦略は明確だ。これは学校側にも問題がある。

① 学習と課外活動を「両立」させる

CASを「義務」ではなく「自己表現の場」として捉える。18ヶ月の活動を、大学申請のための「ストーリー」として構築する。これは高校1年から始めさせるべきだ。ボランティア活動ですら、高校入学からすぐに義務とすべきだろう。

② 最終得点に一喜一憂しない
 

予測スコア(PG)が思うように上がらなくても泣くな。それがすべてではない。むしろ、「その点数でもこの活動をやりきった」 という姿勢自体が評価される。過去の先輩は、涙した後、合格の涙をしている。涙は不合格の時に。

③ チャレンジングな大学受験をする
 

「この点数じゃ無理だ」と自分で線引きをするのはもったいない。高校担当者も勘違いするな。海外のIBDP生は当たり前のように、自分の得点帯以上の大学にチャレンジする。不合格を恐れるより、受けなかったことを後悔する方が大きい。幸い多くの海外大学の受験は自由だし、受験料も安いし、オンラインで完結するからその大学へ受験に行く必要もない。面接までこぎつけた場合にその大学へ行く必要がでることもあるが、それはほぼ合格の印。

保護者の方へ:お子さんの「得点」ではなく「成長」を見守ってほしい
 

最後に、保護者の方々にお伝えしたい。

 

👇面接でもみられます。今すぐ対処していきましょう。

 

IBDPは、点数を取ることが目的のプログラムではない。それは、国際的な視野を持ち、自ら考え、行動できる人間を育てるためのプログラムだ。

そもそも、なぜ子どもに国際バカロレアの選択を勧めたのだろう? 自分でその時の気持ちを思い出してほしい。


お子さんがIBDPを選んだ時、きっと「世界で通用する人間になってほしい」「詰め込み教育はむり」「もっと世界的な教育で」「偏差値しか見ない教育はあわない」という願いがあったはずだ。その願いが、いつの間にか「何点取ったか」という数字にすり替わっていないだろうか。

「せっかくIBDPコースを選んだのに、それを活かせていない」そうした声を聞くたびに、私は思う。IBの真価は、点数ではなく、そのプロセスで身についた力にあるのだと。

お子さんがCAS活動に打ち込み、英語でEEの研究エッセイを書き、TOKで哲学的な問いに向き合う、そのすべてが、大学受験の「武器」になる。点数が多少届かなくても、その経験そのものが評価される大学は、国内外に数多く存在する。

 

CAS活動の為の活動ではなく、活動がCASにも該当したという生徒も多い。学びの為にやっているのではなく、好きなことが学習となっているし、それを評価できるのが国際バカロレアの仕組みだ。

どうか、点数だけでお子さんを判断しないでほしい。そして、「この大学は無理だろう」と先回りして諦めさせないでほしい。好きなことをし続ける子どもを、テストの点でしばってはいけない。

 

👇国際バカロレア、IBDP、インター校、帰国子女の話しなら👇noteです。

 

IBDPの真価は「総合力」にある


IBDPの最終得点は、確かに重要な指標だ。しかし、それだけがすべてではない。

海外大学は、課外活動・エッセイ・面接を含む総合評価で合否を決める。
日本の大学(医学部を含む)も、足切り点を超えれば総合力勝負だ。
最終得点が30点前後でも、トップ大学に合格した事例は数多くある。

重要なのは、「点数」に縛られるのではなく、「自分はどんな人間か」をストーリーとして語ることだ。

IBDPで培った批判的思考力、探究心、行動力、そしてCASを通じて得た人間的な成長

これらは、決して点数では測れない、あなただけの武器である。

点数だけを見て大学を諦めるのは、まだ早い。もっとチャレンジングに、もっと大胆に。IBDPを選んだあなたには、その資格がある。

点数は通過点だ。あなたのストーリーこそが、ゴールを決める。
点数が悪い理由なんて、面接官は聞かない。

あなたが学校で何をしてきて、何を学んだか、そして大学で何をしたいかを聞いてくるのが面接であり、書類審査ではそれを審査している。

 

よいだろうか。テストや試験の得点は得点で必要なのは分かるだろう。でも、その得点だけがあなたではない。

 

負け惜しみではない。自分は何が好きで、何をしたいかをもっと突き詰めることが得点以上の物を産み出す。やるべきは研究だが、それは科学だけではない。文系生徒の研究も武器になる。何をやるかは、何をやりたいかから探る。やりたいものがなければ、なぜないのかとそれを研究してみることが答えにつながる。

IBDP生よ、最終得点に縛られるな。課外活動こそが君の武器だ。

第1話です。
 

はじめに:点数だけで判断されると思い込んでいないか?IBDP利用大学入試


国際バカロレア(IB)ディプロマプログラム(DP)を選択したあなた。周りから「何点取ったの?」と聞かれるたびに、心がざわつくことはないだろうか。

保護者の方々も同じだ。「IBで高得点を取らないと、いい大学に行けないのでは」そう思っている方は少なくない。

しかし、ここで一つ、根本的な問いを投げかけたい。

IBDPの最終得点は、本当にそれほど絶対的なものなのか?

答えは「NO」だ。

 

 

特に海外大学受験においては、最終得点は数ある評価軸の一つにすぎない。むしろ、点数にこだわりすぎて課外活動(CASや自主プロジェクト) をおろそかにすることこそ、もったいない。

本稿では、IBDP生が本来持つべき「受験の考え方」を、データと実例を交えながら徹底的に解説する。

現状:日本のIBDP生は「点数」に縛られすぎている


日本のIBDPコースのある高校に通う生徒たち。彼ら・彼女たちは、最終試験の点数に対して非常に敏感だ。なぜなら、「IB=高難度=高得点が必須」 という固定観念が、学校や保護者、そして本人の中に根強く存在するからだ。

しかし、この考え方は大きな落とし穴を含んでいる。

海外のIBDP校から海外大学に進学している生徒と比較すると、その違いは明らかだ。彼らは最終得点を一つの通過点として捉え、課外活動やエッセイ、推薦状などの「総合力」で大学にアピールすることを当然のように行っている。

 

海外のインター校でもそれを十分に理解しており、課外活動実績を生徒に着けさせるべく、校内課外活動の機会を増やし、半強制的に参加させ、参加内容を充実させるべく工夫をこらしている。

 

そして、それをいかにアピールするかを熟知した進学カウンセラーが生徒たちの受験用エッセイに手直し指導し、学校から大学へ提出する推薦状には最大限の高評価を得られるように書き方に工夫をこらしている。

一方、日本のIBDP生はどうか。得点に一喜一憂し、CAS(Creativity, Activity, Service)活動を「義務」としてこなすだけになりがちだ。せっかくのIBという枠組みを、点数評価のための「勉強プログラム」としてしか活用できていない。そんな現実がある。

データが示す真実:最終得点は「通過点」にすぎない
 

では、実際のデータを見てみよう。

 

 

IBDPの合格ラインは24点(満点45点中)だ。これは「ディプロマを取得できる最低限のライン」であり、多くの大学の出願資格もこの24点を基準に設定されている。

 

医学科(医学部)は例外的に、基準点を40点程度に設定している大学が多いが、日本の大学の医学科であれば36点程度から足切り設定があり、それ以上であればその得点の生徒でも合格している実績がある。

 

つまり、得点が高いから合格しているのではない証拠だ。

いくつかの海外の大学のIB要件を見てみよう。

オークランド大学(ニュージーランド) :24点以上
香港中文大学:30点以上
SMU(カナダ) :予測スコア24/42以上

これらの数字は何を意味するか。多くの海外大学は、IBDPの得点を「一定の基準を満たしていればOK」というフィルターとして扱っているにすぎない。つまり、30点でも35点でも、その先の合否は課外活動・エッセイ・面接・推薦状で決まるのだ。

 

また、国際バカロレアのIBDPをそれだけ評価しており、ディプロマが取れるかどうかが重要で、取れているのであれば大学入学の要件として十分と設定していることが分かる。ただ単に受験生を増やして受験料利益を得ているのとは異なる。

実際、最終得点が30点前後でも、トップクラスの海外大学に合格した事例は数多く存在する。点数だけを見て「無理だ」と諦めるのは、あまりにももったいない。

大学が本当に見ているもの:CASと課外活動の力

次回へ続きます。

👇のnoteでは先行して全文読めます。アメブロにない話も多数。

 

プレディクテッドスコアが大学合格の鍵を握る

 

この事実はIB生にとって周知の通りです。しかし、プレディクテッドを確実なものにし、競争の激しい大学で合格を勝ち取るためには、もう一つ欠かせない要素があります。それは“研究コンペなどの学術的実績”です。 本記事では、特にイギリス大学受験に焦点を当て、プレディクテッドと併せて課外活動がなぜ重要なのか、そしてUCAS出願に必要な書類について詳しく解説します。

プレディクテッドを裏付ける“実績”の力
 

プレディクテッドは、あくまで「予測」です。大学側は、その予測が単なる願望ではなく、確かな根拠に基づくものかを確認した上で合格を出します。ここで大きな役割を果たすのが、研究コンペや学会発表、学術論文の執筆といった“アカデミックな実績” です。

例えば、国際的な科学オリンピックや数学コンペティション、IBのExtended Essay(EE)を発展させた研究発表などは、単なる「興味」の域を超え、「その分野で実際に成果を出せる生徒」という強力な証拠となります。これらの実績は、プレディクテッドを“予測”から“確約”に変える説得力を持ちます。

 

国際的なサイエンスオリンピックとまではいかなくても、各国の国内、インター校をまとめて行うサイエンスフェアや、サイエンス系コンペティションなどでも十分です。そのコンペティションで何らかの賞を受賞できていれば大学入試担当者からの評価はさらに高くなりますが、受賞歴がない場合はできるだけ複数回参加しましょう。

イギリス大学受験の“誤解”と“真実”


「イギリスの大学は課外活動を評価しない」——この言葉を耳にしたことがあるIB生も多いでしょう。確かに、一般的なスポーツやボランティアといった“エクストラカリキュラム(extra-curricular)”活動は、イギリスの多くの大学(特にオックスフォードやケンブリッジ)では選考基準に含まれません。

しかし、ここに大きな誤解があります。イギリスの大学が重視するのは、“スーパーカリキュラム(super-curricular)” 活動です。これは、選択した専攻科目に直結し、学校のカリキュラムを超えた学術的な活動を指します。

 

この記事の続きは、noteメンバー限定です↓

 

 

徳島科学技術高校とは?

 

 全国でも稀有な「工業×水産」の実力校
 

徳島科学技術高校は、徳島県が誇る工業科と水産科を併設した全国でも珍しい専門高校です。単なる工業高校ではなく、「理数系・工学」と「海洋・水産」 という一見異なるフィールドをひとつの学校で学べる、まさにハイブリッド型の教育機関です。

ユニークな学校体制 – 全日制・定時制+多様な学科
 

全日制:工業系(機械・電気・電子・情報・建築など)と水産系(海洋科学・漁業・栽培・食品加工など)を擁する。

定時制:働きながら学ぶ生徒向けの課程も設置。

進路は進学(国公立大・私立大・専門学校) と就職の両方を強力にサポート。つまり、「ものづくり」と「海のサイエンス」、両方の可能性を秘めた学校です。

国が認めるスーパーサイエンスハイスクール(SSH)
 

同校は文部科学省のスーパーサイエンスハイスクール(SSH) に指定されており、令和6年度からは第3期(5年間) に入っています。SSHとして、以下のような先進的な取り組みを行っています。

 

 

大学や研究機関と連携した探究型学習
ロボット・プログラミング・AI・データサイエンスなどの先端技術教育
水産分野では海洋観測・水質調査・漁業資源管理等の実践的研究

さらに、令和8年度(2026年) からは文部科学省の「N-E.X.T.ハイスクール構想」における改革先導基地校にも選ばれており、デジタル人材・理数系人材の育成において、全国のモデル校としての役割を担っています。

 

マリンリサーチクラブ

 

テレビにも取り上げられたマリンリサーチクラブは、単なる「生き物好き」の集まりではありません。本格的な飼育・研究活動とユニークな目標を持ち、地元メディアでも取り上げられる実力派の文化部です。
 

活動の4本柱
活動は以下の4つの柱を中心に展開されています。

水生生物の飼育:海水魚、淡水魚など、大小15の水槽で十数種類を飼育。
水産・海洋に関する課題研究:SSH指定校の強みを活かした、本格的な研究活動。
各種ボランティア活動:地域の海岸清掃や、ウミガメの放流など
その他(“水族館化”プロジェクトなど):学校全体を“水族館”にする野心的な目標。

主な実績と挑戦
これまでに、いくつかの輝かしい実績と、現在進行形の挑戦があります。

繁殖の成功例:2022年11月には、2年越しでウーパールーパーの繁殖に成功しました。

 

 

現在の挑戦:現在はクロウミウマ(タツノオトシゴ) とカクレクマノミの繁殖に挑戦中です。


年間の主な研究テーマ(2026年度)
カワバタモロコの繁殖要因を探る
カクレクマノミのペアリング・繁殖に向けての環境要因調査
ゲンゴロウ類の遊泳層の違いから繁殖可能かを検討する


過去の研究テーマ(SSH校内発表会):
徳島県のコガタノゲンゴロウを絶滅の危機から救え!
カワバタモロコの稚魚の生存率を上げる方法

野心的な目標:「学校水族館化」と「移動水族館」
マリンリサーチクラブの最大の特徴は、「飼育」を超えたアウトリーチ活動にあります。

「水族館化」プロジェクト:校内を“水族館”のようにして一般公開することを目標に、水槽のレイアウト変更や美しいフタの製作など、着々と準備を進めています。2026年5月には、PTA総会で保護者向けに学校水族館を限定公開し、好評を得ました。

「移動水族館」構想:徳島県には水族館がないため、地域の保育所や小学校に出向いて生き物に触れてもらう機会を創出したいと考えています。

部活の“中身”:多様性と探究心
活動を支える部員たちの特徴もユニークです。

多様なメンバー構成:海洋系コースの生徒が約7割ですが、残り約3割は工業系コースの生徒です。例えば建築コースの生徒が水槽台を製作するなど、学科の特性を活かした協力体制があります。

本格的な飼育管理体制:1種類の生物を3~4人で担当し、毎日の餌やり、pHや水温の測定、水槽の清掃を徹底。もし生き物が死んでしまえば、病気を調べて今後の飼育に生かすという、研究的な姿勢も持っています。

 

マリンリサーチクラブは、「好き」を「研究」に変え、さらに「地域貢献」へと広げる、非常にレベルの高い活動を行っています。

「徳島に水族館がないなら、自分たちの手で作る」という熱意と行動力は、SSH指定校としての学術的な裏付けと、工業科と水産科が融合する同校ならではの強みを活かした、唯一無二のものと言えるでしょう。

 

充実の校外・連携活動

 

学校の実習船「阿州丸」に乗っての実習や、美波町の「日和佐うみがめ博物館カレッタ」と連携したウミガメの放流、新町川の清掃活動なども行っています。

個人課題研究:各自が興味のあるテーマを決め、1年かけて研究。その成果を新入生の前で発表する機会もあります。


圧倒的な進学実績 – 国公立大合格者数 全国工業高校No.1

 

高校卒業後のことを心配される方も多いでしょうが、特筆すべきはその進学実績です。

令和7年度(2025年度) 大学入試において、国公立大学(理工学部系)の合格者数が全国の工業高校の中で第1位を記録。

これは6年連続7回目の快挙です。

この実績の背景には、入学者選抜時からの高い学力志向と、徹底した課外補習があります。なんと、入学式の翌日から朝補習(午前7時55分開始) が始まり、夏休み・冬休みにも特別補習が行われるなど、手厚い学習サポートが特徴です。

魅力的な 実習船「阿州丸」と最先端デジタル対応
 

同校ならではのユニークなポイントもいくつかあります。

実習船「阿州丸」:水産科の生徒はこの船を使った体験航海や海洋観測、漁業実習を実施。海をフィールドとしたリアルな学びが可能です。

VRキャンパスツアー:遠方の受験生や帰国生向けに、VR全景による校内見学を公式サイトで提供。実際に足を運ばなくても校舎の雰囲気がわかります。

学校PR動画:YouTubeなどで公開されており、入試情報や学校生活をビジュアルで発信。デジタルを活用した広報にも積極的です。

なぜ今、徳島科学技術高校なのか

工業+水産という唯一無二のカリキュラムで、多様な進路を実現。
SSH・N-E-X.T.指定により、国からの支援を受けながら先端科学技術教育を展開。
全国トップクラスの国公立大合格実績を誇り、進学校としての地位を確立。
実習船やVRなど、体験型・デジタル型の学びが充実。

帰国生や海外からの受験生にも、こうした特長はとても魅力的に映るでしょう。

 

もし徳島科学技術高校を志望するなら、アドミッションポリシー(入学後の学びの姿勢)と自分の興味・経験をしっかりリンクさせることが合格への近道です。