F9の雑記帳 -77ページ目

相変わらずミーハー

 夕方、第165回芥川龍之介賞の受賞作が、石沢麻依「貝に続く場所にて」(『群像』2021年6月号所収)と李琴峰「彼岸花が咲く島」(『文學界』2021年3月号所収)となった事をスマートフォンのニュース記事で知りました。
 ブログに予想の記事を書いた訳でもないですし、現時点で読んでいない候補作がいくつかあるので強く言えませんが、「彼岸花が咲く島」は『文學界』2021年3月号の表紙や目次を見た時、設定が面白そうで読まなきゃとしきりに思っていましたし(←だったら、『文學界』2021年3月号は買ってあるのだから早く読めよ!)、「貝に続く場所にて」は知識を十全に活用し、幻想的な雰囲気を湛えた良い小説でしたので、今回の受賞作は(個人的には)何となくこうなるだろうなと思っていたららまさにその通りでしたので、何だか安心しました。
 しかし、実際に読んでいないので何とも言えませんが、日本では(千葉雅也「オーバーヒート」(『新潮』2021年6月号所収)の様な)同性愛の小説が芥川龍之介賞を受賞するのはまだ難しい感じですね…。

「祈りの痕」




 中西智佐乃「祈りの痕」(『新潮』2021年8月号所収)を読みました。
  人のためと言いつつ自分の主張を振りかざし、時に暴力行使すら辞さない主人公(野口美咲)の兄、そんな彼の態度を否定しない主人公の家族(特に母親)に腹を立てたり、主人公の勤務先で知り合った高校生の戸田(女性)の普段から弟の事は勿論、離婚した後男を頻繁に家に連れてくる母親の事も考え行動する様子や、(最初は主人公からの救いの手を断る等)芯の強さに感心しながら読み進め、もしかしたらこの調子で終わるのかな、それでも構わないかもしれないとかなり終盤まで考えていたのですが、最終盤で主人公が自分を変えようとする展開が待っていて、(ありがちかもしれませんが)意外で感動しました。恐らく、この小説に一番相応しい結末だと思います。タイトルの印象も読み出した時と読み終わった時でかなり変わりましたし…。
 しかし、“新潮新人賞受賞第一作”と表紙には書いてあるのですが、読んでいる間新人賞受賞作がどんな感じだったか、まるで思い出せませんでした。以前読んだはずなのですが…。

「恐竜時代が終わらない」




 山野辺太郎「恐竜時代が終わらない」(『文學界』2021年7月号所収)を読みました。
 主人公がかつて父から聞いた「恐竜時代の出来事」(100頁)と、幼い頃の父親との思い出や出来事が交互に書かれていて、(それぞれの関連性等の)余計な事を考えているうちに、小説自体の面白さを自分自身で減らしているなと読み終えて感じました。
 まあ、ブラキオサウルスの子供のエミリオと、アロサウルスの子供のガビノの友情と(食物連鎖からしたら当然の)結末やブラキオサウルスの子供のヒメナとの関係の描写を、神話や寓話的なものと考えて読み進めているようでは、先の感想(めいたもの)になっても仕方ないかもしれないですね。
 しかし、本の感想(めいたもの)等は読み終えてすぐに書かないといけないなと思いました。読み終えて一週間ぐらい経ってしまっていては…。