F9の雑記帳 -59ページ目

ところで

 普段は意識して読書後の感想(めいたもの)を書いていますが、実は今年もCDをそれなりの枚数購入しております。

 前半はそれほどでしたが、11月以降自分の好きなバンドや聴いてみたいバンドや歌手のCDが多くて困った瞬間もありましたが、欲望にまかせて次々買ってしまいました。

 何度か感想(めいたもの)を書こうとしてみましたが、猛烈に下手なものになるに違いないと思うと怖くて、今年は行動できませんでした。

 …と言う訳で(?)聴いた回数が多かったのは宇多田ヒカル『BADモード』でした。


 発売当初から気になっていたにも関わらず痩せ我慢をしていたのですが、9月のある日某CDショップの視聴機でほぼ予備知識無しで「One Last Kiss」を聴いてみたら良くて、その他のアルバム収録曲もYouTubeや試聴機で聴いたりして数日後に購入し、一月半ほどは文字通り毎日聴いていました。

 ちなみに、ベタかもしれませんが、個人的に一番好きなのは「One Last Kiss」、

次に好きなのは「君に夢中」です。

 そして、聴いた回数云々は別にして、個人的に一番印象に残ったアルバムはMARBLE SOUNDS『MARBLE SOUNDS』です。


 このアルバムは本当に静かで、僕はやっとボーカルに合ったバンドの形を見つけたなと思いました。

 個人的に好きなのは「Quiet」です。

 なお、『MARBLE SOUNDS』は聴いていただき、気に入っていただければ嬉しい限りです。


『その昔、N市では』



 マリー・ルイーゼ・カシュニッツ『その昔、N市では カシュニッツ短編傑作選』(酒寄進一訳、東京創元社)を読みました。
 この本に収められている15篇の小説はどれも本当に「短篇小説だ!」と言ってしまいたいぐらい(あくまで僕基準ですが…。)の短さで、1篇の小説の中で裏切られたり悲しかったり呆然となったりと心がかなり動かされました。
 個人的には、語り手の主人公が間違えて乗ってしまった船の行き先が怖い「船の話」、ある人物に部屋を貸した女性に起こる出来事を描く「いいですよ、わたしの天使」が特に印象に残りました。
 また、奇妙な殺人事件について語られる「精霊トゥンシュ」、存在自体が気になって仕方なくなる「ロック鳥」、表題作であるコロナ禍の現在にも通じるだろう「その昔、N市では」が個人的な次点(?)でした。
 しかし、(随分傲慢ですが)読者に読んでいる途中で「怖い怖い怖い…」と呟かせたり(「船の話」)、最後に絶望的な気分に陥らせて歎息させる(「いいですよ、わたしの天使」)とは、改めて小説と言うのは凄い物ですね…。

『フローリングのお手入れ法』


 ウィル・ワイルズ『フローリングのお手入れ法』(赤尾秀子訳、東京創元社)を読みました。
 主人公の友人オスカーの頼み(東欧のある街にある彼のフラットの留守番)を聞きいれて住んでいたら、あるきっかけで床を汚してしまい、悪戦苦闘するうちに次々不幸に見舞われるという展開は、(いちいち細かい上に人を見下したような感じがする)オスカーがフラットのあちこちに置いたメモの内容も含めて、読んでいてあまり好きにはなれませんでした。
 ただ、最終盤になって主人公の(主人公はオスカーと変わらなかったという)気づきには(極端に大きくありませんが)心を動かされました。
 人間は本当に不思議な生き物ですね…。