Distance~時を超え距離を超えた二人の物語 -6ページ目

帰る

「わたし 実家に帰る」

『ん?帰る?』

『もうここに来ることないから』

「わかった」

「干してあるものはどうするんだ?」

『乾いたら、宅配便で送ってよ』

「わかった」

『元気でね』

「ああ、オマエもな」

「あの歯ブラシはそのうち、
違う色に変わってるだろうね」

『そうだな』

「色々ありがとう」


な~んてこと
たまに演じたりする僕ら
始めるのはみきだけど。

そんなやりとりのあと
実家に行き3日も帰って来ない…

いつだって

みきが帰ってきて、
週の半分はオレの部屋で二人で過ごしている。

それまでは生活感の全くない無機質な部屋だった。

前は一人深夜に帰ってきても
ぬくもりなど感じることはなかった。

しかし今はみきがいない部屋に帰ってきても
一人じゃないんだなと感じる。
それはみきも同じ。

一緒に寝ることがない日は必ずみきからメールがくる。

「さみしいよー」

『帰らなきゃよかったのに』

「だって…」

今はいつでも逢うことが、いつでも一緒に過ごすことができるじゃないか…

それだけでも幸せだと感じなきゃな。

CHOCOLATE 後編

二人で買物出かけた。
部屋に足りないものを買いに。

帰るとみきはテーブルの上にオシャレな小さい紙包みを置いた。

「はい、これチョコレートドキドキ

『昨日くれたのに なんでだよ?』

「おいしそうだから」

『二日も続けて、それも同じ女から(笑)』

「私からの愛をしっかり受けてめてよ」

『もちろんさ』

その夜はベッドの中で思い出を語りあった。
そして未来についても…

CHOCOLATE 前編

ひろは、同級生だった友だちからバレンタインのチョコレートをもらって帰った。
その女友だちはみきも遠い昔の同級生だ。

ひろは気にもせずにそれをみきの前に出した。

「誰からもらったの?」

『これはFからもらったんだよ』

「あらっ、あなたに気があるんじゃないの?」(笑)

『よせやい』

「はい、これは私から」

みきはテーブルの上にオシャレな包みを置いた。

『おっ!』

「開けてみて」

ひろは包みから広げるや否や中のチョコレート一粒を口に入れた。

『美味いなあ』

「美味しい?」

『ああ、美味いよ』

「Fさんのとどっちが美味しい?」

『みきの方が断然美味いよ』

「えー?ほんとうー?」

『当たり前じゃないかよ』

「ほんとうかなあ?」

『本当だって』

「お返しのプレゼントを楽しみしてるからねっ」

『ああ』

第90話~二人だけ

野菜をサクサクと刻む音が
鍋がクツクツと煮える音が聞こえる
部屋にカレーの香りが漂う
テーブルに料理が並べられていく…

「わー美味そうだ!」
『さっ、食べよ』
「うん」

部屋に響く音と広がる香り
そして、ボクらの何気ない会話

「もう寂しくないよな?」
『うん しあわせ!』

「もう二度と離さないよ」

『ほんとに?』

「ああ、本当さ」

こうした二人だけの時間がやってくる日を思い続けて
どれだけの時間が経ったんだったんだろう。

大切にして生きて行こう、永遠に…