第1話〜7年ぶりの再会
高校を卒業した翌年の冬に小学校のクラス会があった。
つい先日会った友人もいれば、卒業以来という人もいた。
男子のそのほとんどはなんの変わりもなかったが、
女子はもうみんな素敵な女性になっていた。
和室の席のあちこちでみんな、昔話に花が咲いていた。
笑い声が耐えない楽しい空間だった。
その中にはもちろん、ひろの姿もあった。
宴も半ばにさしかかった頃、
ひとりの女の子が「ごめんなさい、遅れてしまいました」っと入ってきた。
それはみきだった。
その開かれたふすまのすぐ前にいたひろは、
その可愛い女の子が誰なのか気がつかなかった。
それだけみきは変わっていた。もちろん、素敵に見えた。
ひろは隣に座る旧友に「あいつ、誰だっけ?」と聞いた。
それも相手に聞こえては失礼だと思い、小声で。
名前を知り、ひろは一瞬、
彼女の家の前をバイクで通った時に自転車に乗っていたみきを思い出した。
そこでその子が誰であるかはっきり分かった。
自己紹介をする時間になった。
ひろはみきがいま、どんな仕事をしているのか、
まだあの家に住んでいるのか気になってきた。
自分の番の次はみきだった。
みきの話を聞いて、
すぐ近くに住んでいるということをなぜか嬉しく思ったりした。
できれば話がしたいと思うようになっていった。
そのきっかけをいつにしようか。
1981 Jan,
つい先日会った友人もいれば、卒業以来という人もいた。
男子のそのほとんどはなんの変わりもなかったが、
女子はもうみんな素敵な女性になっていた。
和室の席のあちこちでみんな、昔話に花が咲いていた。
笑い声が耐えない楽しい空間だった。
その中にはもちろん、ひろの姿もあった。
宴も半ばにさしかかった頃、
ひとりの女の子が「ごめんなさい、遅れてしまいました」っと入ってきた。
それはみきだった。
その開かれたふすまのすぐ前にいたひろは、
その可愛い女の子が誰なのか気がつかなかった。
それだけみきは変わっていた。もちろん、素敵に見えた。
ひろは隣に座る旧友に「あいつ、誰だっけ?」と聞いた。
それも相手に聞こえては失礼だと思い、小声で。
名前を知り、ひろは一瞬、
彼女の家の前をバイクで通った時に自転車に乗っていたみきを思い出した。
そこでその子が誰であるかはっきり分かった。
自己紹介をする時間になった。
ひろはみきがいま、どんな仕事をしているのか、
まだあの家に住んでいるのか気になってきた。
自分の番の次はみきだった。
みきの話を聞いて、
すぐ近くに住んでいるということをなぜか嬉しく思ったりした。
できれば話がしたいと思うようになっていった。
そのきっかけをいつにしようか。
1981 Jan,
序章〜出会い‥‥1972年
小学5年のひろのクラスに転校生がやってきた。
ふっくらとした笑顔が可愛いその子はみきという名前だった。
ひろは明るくひょうきんで、クラスで最も目立つ男の子。
みきはどちらかというと大人しい女の子だった。
そんなひろは学芸会の時に主役に選ばれた。
みきはひろの衣装を作る係となった。
ふたりの接点はこれだけしかなかったのかもしれない。
ほとんど話すことのない二人だったけれど、
修学旅行のみんなが写っているスナップ写真にはいつもどこかに二人の姿があった。
中学校は二人とも同じ学校だったがクラスは違った。
ひろは新聞配達のアルバイトをしていた。
たまに、みきの家に新聞の配達忘れがあるとそれを届けるのはひろだった。
「○○新聞です、未配の新聞をお届けにきました!」
「あらっ、ご苦労様」
「申し訳ありませんでした!」
玄関に出てくるのはほとんどがみきのお母さんだったが、
たまにみきも顔を見せたことがあった。
「ごめん、配達を忘れちまったようで」
「うん、ありがとう」
「んじゃな」
二人にはそんな会話しかなかった。
ほかに話す必要もなかった。
高校は別々の学校に通った。
みきはバレエの教室に通うようになった。
ひろは相変わらずアルバイトに励んでいた。
もうすでに二人の接点はなくなっていた。
~思い出話~
「6年生の時の理科のカエルの解剖って覚えてる?」
『いや、覚えてないな』
「仰向けにされたカエルを前に、みんなに向かってこう言ったのよ。
オマエら、コイツが生きるか死ぬかの瀬戸際なんだぞ!静かにしろよ! って」
『そんなこと言ったんだ、オレ」
「うん、でもね、そのカエルはすでに死んでいたから」
『うはは、なんとおかしなヤツなんだ、オレって」
<続く>
ふっくらとした笑顔が可愛いその子はみきという名前だった。
ひろは明るくひょうきんで、クラスで最も目立つ男の子。
みきはどちらかというと大人しい女の子だった。
そんなひろは学芸会の時に主役に選ばれた。
みきはひろの衣装を作る係となった。
ふたりの接点はこれだけしかなかったのかもしれない。
ほとんど話すことのない二人だったけれど、
修学旅行のみんなが写っているスナップ写真にはいつもどこかに二人の姿があった。
中学校は二人とも同じ学校だったがクラスは違った。
ひろは新聞配達のアルバイトをしていた。
たまに、みきの家に新聞の配達忘れがあるとそれを届けるのはひろだった。
「○○新聞です、未配の新聞をお届けにきました!」
「あらっ、ご苦労様」
「申し訳ありませんでした!」
玄関に出てくるのはほとんどがみきのお母さんだったが、
たまにみきも顔を見せたことがあった。
「ごめん、配達を忘れちまったようで」
「うん、ありがとう」
「んじゃな」
二人にはそんな会話しかなかった。
ほかに話す必要もなかった。
高校は別々の学校に通った。
みきはバレエの教室に通うようになった。
ひろは相変わらずアルバイトに励んでいた。
もうすでに二人の接点はなくなっていた。
~思い出話~
「6年生の時の理科のカエルの解剖って覚えてる?」
『いや、覚えてないな』
「仰向けにされたカエルを前に、みんなに向かってこう言ったのよ。
オマエら、コイツが生きるか死ぬかの瀬戸際なんだぞ!静かにしろよ! って」
『そんなこと言ったんだ、オレ」
「うん、でもね、そのカエルはすでに死んでいたから」
『うはは、なんとおかしなヤツなんだ、オレって」
<続く>